2007年4月16日(月)掲載

◎「地方応援懇談会」道内10市町長が菅総務相と意見交換
 【北斗、乙部】総務省が主催する「頑張る地方応援懇談会in北海道」が15日、北斗市総合文化センターかなでーるで開かれた。菅義偉総務相と海老沢順三北斗市長、寺島光一郎乙部町長ら道内10市町長が、政府の「頑張る地方応援プログラム」について意見交換した。

 海老沢市長は、独自の地域活性化対策や行財政改革で実績があった市町村に、国が設ける成果指標に基いて地方交付税を上乗せする同プログラムについて「過去の努力をどう反映するのか」と質問。菅総務相は「7月までに指標を決める。これから十分に検討する」と答えた。

 寺島乙部町長は「町はIT(情報技術)産業の育成に努めている。高速通信網の整備を地方で進めてほしい。開発局が全道で整備した光ファイバー網を市町村や民間に活用させてほしい」と求めた。竹中貢・十勝管内上士幌町長は「農家も情報が命の時代。農村こそITが必要」、棚野孝夫・釧路管内白糠町長も「釧路市と白糠町にまたがる工業団地は、市のエリアにだけ通信網が整備された。制度改正が必要」と発言。都市と比べて過疎化など、不利な条件を情報面で克服するIT基盤の充実に寄せる市町村の期待を強く訴えた。

 菅総務相は「国もブロードバンドゼロ地域の解消を進めている。開発局の光ファイバーも使えるよう調整する」と述べ、格差解消に意欲を見せた。

 菅総務相は続いて乙部町を訪問。館浦のIT研修施設では研修生14人と懇談。「恵まれた環境で人格形成を含む研修が行えることは素晴らしい取り組み」と激励した。

 乙部漁港では、町内の漁業者と意見交換。乙部船団の工藤智司副船団長は「衛生管理のため港に簡易な施設を設けたいが、国の基準では数億円の事業になり大きな負担。漁港は耐震化していないが施設には耐震性が必要という。地域の要望に即した有効な公共事業を展開してほしい」と要望。西村和弘ひやま漁協青年部乙部支部長は、磯焼け対策としてイカ内臓の海中投入など規制緩和を求めた。

 菅総務相は「公共事業を含めて地域が発展する環境をつくり出すのが国の仕事。意見を持ち帰って答えを出していきたい」と答えた。(松浦 純)


◎函館市長選告示/現職、前助役一騎打ち
 統一地方選後半戦の函館市長選、函館、北斗両市議会議員選が15日、告示された。函館市役所では午前8時半から立候補受け付けが行われ、市長選には届け出順に、現職で3選を目指す井上博司氏(70)と函館市前助役の西尾正範氏(58)が立候補した。同市議選にも予想された通り、函館区(定数34)に41人、定数各1の戸井区に2人、恵山区に2人、椴法華区に4人、南茅部区に2人の計51人が顔をそろえた。北斗市議選には、第1選挙区(旧上磯町区、定数20)に23人、第2選挙区(旧大野町区、同6)に11人が立候補。各候補は早速、22日の投開票日に向け、7日間の舌戦をスタートさせた。

 井上氏は自民党、民主党道8区総支部、公明党函館総支部の推薦・支持を受けて出馬。午前8時半から松風町9の選挙事務所で出陣式に臨み、事務所前で第一声を上げた。2期8年間で北海道新幹線の着工や行財政改革など、公約をほとんど実現したことを強調。教育や医療、福祉の充実、産業振興などの公約を掲げ、「引き続き皆さんの力を受け、全力を挙げて市政運営に当たりたい」と決意を述べた。

 西尾氏は政党、団体の支持を受けない草の根選挙を掲げ、中島町23の選挙事務所で同9時ごろから出陣式。齋藤裕志選対本部長が「きょうのよどんだ天気が市政の現状」と市政刷新を訴えた。西尾氏は、箱物施策や行政の密室性を批判し「地域が再生し、未来が輝くのは人から始まる」と述べ、教育や子育て支援、人材育成重視の公約を列挙した。街頭では車を降り、走りながら市民に支持を求めた。

 一方、定数特例を適用した函館市議選函館区には、現職27人、元職3人、新人11人の計41人が立候補し、34議席を争う。各定数1の旧4町村区は、戸井、南茅部区が、それぞれ現職2氏による一騎打ちで、恵山区は現職対新人、椴法華区は現職3人、新人1人が議席を争う。

 同じく在任特例が終了する北斗市議選も旧町区に選挙区を設けた。第1選挙区には現職16人、元職1人、新人6人の計23人、第2選挙区には現職11人が立候補。市街地を中心に選挙カーからの支持訴えの声がこだまし、両市は再び、選挙ムード一色となっている。(統一地方選取材班)


◎「湯の川オンパク」74プログラム 大盛況で幕
 湯の川温泉街を主な会場に繰り広げられてきた参加型イベント「第2回はこだて湯の川温泉泊覧会(はこだて湯の川オンパク)」(実行委主催)が15日、最終日を迎えた。実行委によると、16日間の開催期間中の参加者は、概算で2786人を記録。前回実績の1951人を大きく上回り、大盛況のうちに幕を閉じた。

 今回のテーマは「おいしいお出かけ」で、プログラム数は前回比20増の74。予約開始日となった3月10日の時点で、定員は3441人を想定していたが、満席になるプログラムが出たことから、開催回数や定員の増加を図り、最終的な定員は3627人に達した。

 人気を集めたプログラムの一つが、湯の川商店街の店舗の食べ歩きを楽しむ「湯の川ぶらり・つまみぐいめぐり(ゆのぶら)」。1枚300円のチケット10つづりを約400冊用意し約300冊が売れたとみられる。

 最終日のプログラムのうち、湯元啄木亭(函館市湯川町)では、音楽とデザートを満喫する「女声アカペラ&スナッフルス」を実施。女声コーラスグループ「アンサンブル モジェ」と、バイオリニストの天野裕子さんが、春らしい曲を中心に披露し、参加者に優雅なひとときを提供した。

 また、湯の川観光ホテル(同町)では、前回も好評だった「湯の川温泉卓球大会」を開催。58人が参加し、卓球経験者には、サングラスの着用やスリッパをラケットに代用するなどのハンディが課せられ、和気あいあいとした雰囲気の中にも、浴衣を乱しながらの熱戦が続いた。

 実行委の刈田眞司委員長は「受け入れる側のホテル・旅館だけでなく、商店街、ツアーでの訪問先が一生懸命に取り組んでくれた。各施設や店舗の利用客増や知名度アップにつながるなど、前回より確実に広がりを見せ、大成功と言える」と話した。次回は今秋予定されていて、「地元の人から要望の高い少人数制や値ごろ感を念頭に置きながら、観光客増につながるようなプログラムづくりに努めていきたい」と意欲を見せていた。(浜田孝輔)


◎江差追分発表大会 一般1部・井上さつきさん優勝
 【江差】江差町江差追分協議会(菊地勲会長)主催の第28回江差追分発表大会が15日、江差追分会館で開かれた。全国大会経験者が競う一般1部は、江友会支部所属で江差町の井上さつきさん(23)が優勝した。

 同会館に勤務しながら全国大会上位入賞を続ける井上さん。優勝旗を手に堂々の歌声を披露。「力を抜き気楽に歌うことができました。全国大会に向けて気持ちを入れ替えて頑張ります」と笑顔で話した。

 各部の入賞者は次の通り(敬称略、かっこ内は支部名)。

 【子供の部】(1)小笠原果実(水堀愛好会)(2)辻朋実(菊声会)(3)辻侑果(同)(4)川畑菜波(和春会)(5)加川裕花(同)▽審査員特別賞=田中菜々(菊声会)川口美海(健翔会)

 【熟年の部】(1)藤本哲(声友会)(2)川崎栄悦(同)(3)山本菊義(同)(4)真後政明(かもめ会)(5)佐々木平馬(和春会)(6)鈴木孝子(かもめ会)(7)野登谷秀雄(声友会)

 【一般2部】(1)西海谷朝子(声友会)(2)村上貴文(鴎声会)(3)畳千慧(かもめ会)(4)川口久美子(健翔会)(5)長谷川有沙(水堀愛好会)(6)金澤光範(江友会)(7)赤石聖実(声友会)(8)郷康則(和春会)(9)前川義信(声友会)(10)清水道子(和春会)

 【一般1部】(1)井上さつき(江友会)(2)安澤望(和春会)(3)山本康子(鴎声会)(4)小梅洋子(声友会)(5)平田幸男(かもめ会)(6)西田ミキエ(和春会)(7)杉野由美子(同)(8)南條慶子(鴎声会)(9)川畑美枝子(和春会)(10)石塚由紀子(声友会)

(松浦 純)


◎野外劇総決起集会で成功誓う
 7月6日開幕の「函館野外劇」に向け、NPO法人(特定非営利活動法人)市民創作「函館野外劇」の会(フィリップ・グロード理事長)は15日、函館千代田小学校体育館で総決起集会を開いた。ことしは記念すべき20回目の公演。キャスト、スタッフら約90人が気を引き締め、節目の公演成功を誓った。

 同集会はスタッフと出演者による毎年恒例の初顔合わせの場。一致団結を図り、本公演に向けて気持ちを高める。あいさつで輪島幸雄理事長代行は「野外劇は今では全国でも函館のみ。続けてこられたのは市民ボランティアの支えにほかならない。モチベーションを高め、20回目を成功させよう」と呼び掛けた。

 元劇団四季の演出・制作スタッフで、沢田祐二芸術監督をはじめとする沢田チームの制作スーパーバイザー鈴木均さん(東京)らスタッフや、オーディション(2月)の合格者が紹介された。

 最後に団結力を図ろうと、参加者全員でフラッグダンスや、同会のテーマソング「星のまちHAKODATE」(作詞・作曲=新井満さん)を熱唱し、気持ちを一つにした。

 母、兄と一緒に参加する木村愛美さん(7)=函館北日吉小2年=はコロポックル役で出演する。「昨年は転んでしまった。ことしは失敗しないようにしたい」と気合十分。榎本武揚役の米田保さん(58)は「ことしもこの季節がやってきた。20回目に出演できてうれしい。気持ちが高ぶる」と話していた。(佐々木 司)