2007年4月2日(月)掲載

◎春はまだ…函館山に雪
 1日の函館市内は、低気圧の通過の影響で曇りや雨となり、冷たい風も吹きつけた。日中の最高気温は平年より3度低い5・5度までしか上がらず、春本番はお預けになった。

 函館山では、夜のうちに降った雪が山頂付近を白く覆った。前日までは山肌が現われ、徐々に新緑の彩に変わっていくかと思われたが、再び白銀の姿に戻った。

 函館海洋気象台によると2日は平年並みの気温で函館市の最高気温は9度の予想。 (山崎純一)


◎函館地裁オリジナルイメージキャラクター作成 「ほーふくん」裁判員制度PR
 2009年5月までに始まる「裁判員制度」を広くPRしようと、函館地裁(矢村宏所長)は同地裁職員が考案、命名したオリジナルキャラクター「ほーふくん」を作成、同地裁正面前にイラスト入り看板を設置した。地裁独自のキャラクターは全国的にはあるが、「道内の地裁では初めてではないか」(総務課)。図案は数パターン用意し、今後も市民向け講座などで活用し、同制度の広報に一役買ってもらうことにしている。

 生みの親は同地裁刑事部事務官の赤塚あいさん(25)。刑事部では月1回、庁内向けの広報紙「裁判員制度ニュース」を発行。「キャラクターがあれば親しみを持ってもらえる」と考えたという。名前は庁内から募り、総務課人事係長の野村州啓さん(34)が採用された。

 「ほーふくん」は裁判員にちなみ「サイ」のキャラクターで、名前は裁判官のシンボル・法服と「豊富」な知識にちなんだ。制度周知を目的に看板設置を計画していたことから、早速、市民向けのお披露目として「ほーふくん」を取り入れた。

 看板は縦1・2メートル、横2・4メートル、脚を入れた高さは1・9メートル。正面を向いた「ほーふくん」と「裁判員制度」の文字を大きくあしらった。全身や逆立ち姿などのデザインもあり、同地裁では、今後もチラシやパンフレットなどに載せてPRする。

 「かわいらしく、愛されるキャラクターになった」と赤塚さん。「子どもからお年寄りまでが、裁判員制度に興味を持つきっかけになれば」と話している。函館地検でも、函館特産のイカをかたどったキャラクター「はっぴー」を登場させており、同地裁はキャラクター同士“相乗効果”にも期待している。 (原山知寿子)


◎まちづくりセンターと臨海研究所オープン
 函館市が西部地区再生と発展のシンボルとして建設した、地域交流まちづくりセンター(末広町4)と函館臨海研究所(大町13)の開所式が1日、末広町の五島軒本店で行われた。まちづくりと国際水産・海洋都市構想推進の拠点となる施設。井上博司市長が西部地区活性化や新産業創出への期待を述べ、出席した約150人の関係者が施設の誕生を祝った。

 いずれも大正時代に建設された旧末広分庁舎と旧函館西警察署を解体、復元して整備。当時の外観やデザインを忠実に再現し、内部は近代的な技法を取り入れた。異国情緒あふれる西部地区の街並みにとけ込んだ「古くて新しい施設」で、大勢の市民や観光客に親しんでもらえるよう、自由に出入りすることができる。ともに市の負担が約3分の1で済む合併特例債を活用して整備した。

 まちづくりセンターは1階が情報発信、2階が市民交流、3階が市民活動支援の機能を持ち、総事業費は7億2600万円。それぞれの機能を複合的に発揮することで、函館の新たな魅力を創造していく。丸藤競センター長は「新たな出会いや交流、市民活動を生み出す場として、市民が主体となって活用していきたい」と話している。

 臨海研究所は、6区画の研究室に函館や札幌、首都圏の企業や団体が入居し、水産・海洋関連の技術や新商品開発などの研究を進める。総事業費は3億8700万円。北大水産学部客員助教授の鉄村光太郎さんは「研究機関が緩やかな連合体となり、新事業や新産業の創出に向けて活動できる待望の場」と期待を寄せた。

 式典では井上市長が「生まれ変わった建物が新たな役割を発揮し、地域に潤いやにぎわいを創出していく」と式辞を述べた。

 来賓の高野洋蔵函館国際水産・海洋都市構想推進協議会会長(函館商工会議所会頭)も「両施設とも新たな函館の観光資源で、海洋構想の核となる旧函館ドック跡地への国際水産・海洋総合研究センターの整備も進め、地域の活性化を担っていきたい」と祝辞を述べた。

 式典終了後、両施設でテープカットを行い、施設がお披露目された。 (高柳 謙)


◎厚沢部ばん馬競技大会で白熱のレース
 【厚沢部】第25回厚沢部町ばん馬競技大会(高見忠大会長、厚沢部町馬事振興会主催)が1日、赤沼河川敷の特設コースで行われた。道南をはじめ全道各地から出場した大型馬から小型のポニーまでの約50頭が春の日差しを浴びながら白熱のレースを展開した。

 会場にはレース開始前から、大勢のばん馬ファンが観戦に詰め掛けた。馬と騎手は冬の間も吹雪の海岸などで練習を積み重ねながらシーズンの到来を待ちわびていた。

 重さ数100キロにもなる鉄製のそりを引く馬は、号令とともに勢い良く出走。約200メートルの周回コースを駆け抜けた。土を盛った障害に差し掛かかると、気迫のこもった「ヨッ!ヨッ!」という掛け声とともに、騎手の鋭いムチが繰り出された。激しい息遣いの馬は、こん身の力を振り絞って急坂を登り切ると、土煙を立てながら勇ましく坂を下り、堤防からレースを見守る観衆を沸かせた。

 上位入賞を果たした騎手は、手綱を片手にまぐさを口元に運びながら「よくやった!」と、レースを終えた愛馬をねぎらい、たがいの健闘をたたえ合っていた。 (松浦 純)


◎2月の道南有効求人倍率0・54倍
 函館公共職業安定所はこのほど渡島・檜山管内の2月の雇用情勢を発表した。求職者1人に対する求人数を示す有効求人倍率は、前年同月比0・03ポイント減の0・54倍と、4カ月連続のマイナスとなった。また、今春の新規高卒者の求人倍率は、同0・07ポイント増の1・41倍、就職率は、同1・6ポイント増の76・5%だった。

 月間有効求人数は、新規や繰越求人の動向から、同4・1%減の5065人、新規求人数は、2176人で同4・1%減。先行指標となる新規求人倍率は、同0・03ポイント減の0・86倍と2カ月ぶりに前年同月を下回った。

 新規求人を産業別でみると、医療・福祉が58人(同16・9%)、飲食店・宿泊業が26人(同14・6%)、情報通信業が24人(同66・7%)の増加。一方、サービス業が78人(同17・7%)、建設業が44人(同26・3%)、運輸業が40人(同30・5%)減少した。、 また、今春に高校卒業予定の4737人のうち、求職者は同6・2%増の1157人。求人数1632人(同11・7%増)に対して、就職者は同8・5%増の885人だった。就職者の内訳は、管内が同7・5%減の381人、道内が同15・6%減の157人で、道外が同59・2%増の347人となった。 (浜田孝輔)