2007年4月20日(金)掲載

◎札幌酒精工業厚沢部工場 初出荷記念に焼酎かめ詰め
 【厚沢部】札幌酒精工業厚沢部工場(厚沢部町鶉、岩崎弘芳工場長)では、5月の初出荷を前に町内産のサツマイモ・黄金千貫(コガネセンガン)を原料とする本格芋焼酎の“かめ詰め”作業が急ピッチで行われている。

 昨秋から仕込みを始めた本格芋焼酎「喜多里」の初出荷を記念し、陶器の名産地・中国江蘇省宜興から、末広がりの願いを込めた容量5・4リットル(3升)のかめ888個を輸入。限定商品として、初仕込みの焼酎を詰めて町内の酒店などで先行発売するという。町内価格は2万5000円前後を予定。全道向けの出荷も計画している。

 かめは工場の地下貯蔵庫に据えられた100個の大かめ(1キロリットル)と同じ材質。焼酎の長期熟成に最適という。岩崎工場長は「かめの中で焼酎の香味が増してまろやかな味覚に変化します。家庭での長期熟成も可能です」と語る。

 工場内では製造ラインから続々と送られてくる「喜多里」を、従業員が手作業でかめに注ぎ込み、コルクの栓で厳重に密閉。フロアには独特の風合いを持つかめがずらりと並ぶ。

 かめには蛇口もあり、サーバーとしても利用できる逸品。町内産のスギ材を使って地元の木工場で製作した化粧箱に入れて出荷される。

 24日からは主力商品である720ミリリットル瓶・約20万本分の瓶詰め作業も始まり、焼酎ファン待望の“厚沢部産芋焼酎”の出荷が秒読み段階に入る。(松浦 純)


◎労務状況調査 全体的に上向きの傾向
 函館市がまとめた2006年度の労務状況調査によると、新規学卒者を採用した事業所は、全体の31・3%(前年度比2・3ポイント増)で、今年4月の採用予定事業所は22・7%(同3・5ポイント増)だった。基本給の総平均額は男性24万3049円(同3・6%増)、女性18万8310円(同0・8%増)で増加。市労働課は「全体的に上向きの傾向」と分析している。

 調査は1962年度から毎年実施。市内の従業員10人以上の事業所2049カ所から500カ所を抽出し、廃業などの企業を除外した485カ所を対象とした。このうち208事業所から回答を得た(回答率42・9%)。なお、サンプリング対象が同一企業でないため前年度比は参考値。

 雇用形態は、全従業員数に占める正規従業員数の割合は、前年度比0・2ポイント増の71・9%。産業構造別には、サービス業で、正規従業員の占める割合が同4・2ポイント減少し63・0%だが、建設と製造業が79・4%、運輸・通信業は88・1%と増加傾向にある。

 勤務形態では、週休2日制の実施では、完全実施企業が34・3%、月2回が23・0%だった。また、1週間の労働時間は、38時間を超え40時間までが60・6%、38時間までが20・2%、全体の平均では40時間9分。時間外勤務の平均時間は1カ月当たり7時間7分だった。

 賃金は全体の平均は上がったが、初任給平均はすべての学歴で前年度を下回った。賞与など諸手当の制度がある事業所の、夏期手当の平均支給月数は1・52カ月、年末手当が同1・93カ月、決算手当は0・63カ月。

 諸制度では、育児休業性を就業規則で定めている事業所は55・3%、介護休業制度は47・1%で、建設、製造、卸・小売業での制度浸透が遅れている。過去1年間に育児休業を利用したのは77人だった。

 パートタイム労働者の平均賃金(1時間当たり)は838円。臨時労働者の平均賃金(日給)は7166円で、昨年度より減少。産業構造別ではサービス業で増加している。 (今井正一)


◎有権者企画「連呼の狭間で」観光
 景気のバロメーターと言われるタクシー。2002年2月の規制緩和から5年余り、函館でも新規参入や既存企業の増車による過当競争が続く。「生き残るにはお客さま本位の接客を徹底するしかない」。北海道・モーモータクシー(函館市豊川町)の小川司社長(52)は語気を強め、一定の自信をにじませる。

 タクシー激戦区の函館で時速60キロで疾走する“ウシ”が産声を上げたのは7年前。白地に黒ぶちのホルスタイン柄の車両で、個人タクシーとして営業していた小川社長が昨年11月、新会社を立ち上げた。もちろん全車両22台が牛柄だ。

 函館運輸支局が管轄する渡島・檜山のタクシー登録台数は3月末現在1291台。経営難による廃業や減車を差し引いても、この5年余りで100台以上が増えた。反面、管内タクシー会社の売上高は減るばかり。同支局によれば、バブル期(1991年度)の141億6000万円をピークに下降し、2005年度は80億2000万円にまで落ち込んだ。

 好調だった函館観光にも陰りが出てきた。「不景気のせいか以前に比べ客足は鈍く、移動手段も公共交通機関やレンタカーなど多様化している」。しかし、小川社長は続けた。「パイは限られていない」と。

 いち早くホームページを開設して道外からの観光客を掘り起こしたり、ケア輸送士の資格取得に合わせユニバーサル仕様車を導入したりして新たな顧客を次々と開拓。それでも「函館はまだ競争というより旧態依然のなれ合い体質が色濃い。国際観光都市として危機感に乏しいのでは」と嘆く。

 行政には「施設の整備だけでなく、それに命を吹き込む受け皿の構築を」と注文を付けるが、期待はしていない。「もてなしの心と今ある観光資源で民間が何とかするしかない」。自助努力で差別化を図り、函館観光の最前線を快走する。(森 健太郎)


◎道の駅スタンプラリーはじまる クイズラリーも
 目指せ完全制覇―。道内の「道の駅」に置かれたスタンプを集めるスタンプラリー2007が今年もスタートした。4月に2駅、5月に1駅、6月に「ロマン街道しょさんべつ」(留萌管内初山別村)がオープンを予定しており、道内の道の駅は計100駅に達する。またラリー開始から15回目となることを記念し、各道の駅にまつわる「クイズラリー」も行われるなど、話題満載だ。

 北海道「道の駅」スタンプラリーは、1993年の「道の駅」初回登録時にスタート。昨年は参加者総数が約8万人に上るなど幅広い人気を集めていて、今回は14日に始まった。「道の駅」登録数はちょうど100駅。ただし、「オスコイ!かもえない」(後志管内神恵内村)が現在閉鎖中で、「名水の郷きょうごく」(同管内京極町)が5月、「ロマン街道しょさんべつ」が6月にオープン予定のため、これら3駅のスタンプの有無にかかわらず、97駅以上で全駅完全制覇が認められる。全駅制覇した人には認定証とステッカーが与えられる。全駅制覇には2年間の有効期間が与えられており、今年の参加者は2011年3月31日までに達成すればよい。

 希望者は各「道の駅」で参加料100円を払ってスタンプ帳を購入。11月3日までに集めたスタンプ数に応じ、合計2450人にプレゼントが当たる各賞に応募できる。また15周年記念クイズは、スタンプ巻末の専用はがきの解答欄を塗りつぶし、郵送で応募すると、全問正解者の中から抽選で15人に「道の駅」記念きっぷホルダーが贈られる。なお、従来ロードマップとして配布していた「道の駅ガイドマップ」は一部50円で販売している。

 問い合わせは、北海道地区「道の駅」連絡事務局(担当・佐藤さん)TEL011・736・8577(土・日曜と祝日を除く午前9―午後5時)。 (小川俊之)


◎道教育大附属養護学校「特別支援学校」へ名称変更
 本年度からすべての学校で特別支援教育を実施することが盛り込まれた学校教育法の一部改正に伴い、道教育大附属養護学校は、道教育大附属特別支援学校(松木貴司校長、児童・生徒59人)に校名を変更した。改称は1日付で、改正に伴う校名変更は渡島管内では初めて。同校は「従来の知的障害・自閉症教育の専門性を高めながら、一人一人のニーズに応じ、地域に開かれた学校を目指したい」と決意を新たにしている。

 道内唯一の独立行政法人の特別支援学校。校名変更を視野に、昨年度から「個に応じた教育」「現在の教育的ニーズに応える」など特別支援教育の考え方を授業に積極的に取り入れるなどの準備を進めてきた。この結果、道教育大(本部・札幌)は3月末までに校名変更を認可。同校にとっては1973年の開校以来、初めて校名が変わる。

 校名変更に合わせ、学校目標も改正。「人とかかわり合いながら、自分の良さを発見し拡(ひろ)げ、地域で生きる児童生徒を育成する」とし、児童・生徒の生活の充実や地域との連携や理解が深まることを強く願った。

同校は「人的配置や物的環境などの問題もあり、今すぐすべての障害に対応する『総合特別支援学校』となるのは難しい。実践を重ね、最終的にたどり着く流れの始まりになれば」と話している。 (笠原郁実)


◎函館山登山道きょう開通 2輪、大型貨物は禁止
 冬期間通行止めだった函館山登山道(道道立待岬函館停車場線)=函館市函館山・千畳敷―同市青柳町6、5・8キロ=が、20日午前11時に開通する。24日までは夜間も含めて終日、観光バス、タクシー以外の自動車も通行できるが、オートバイなどの二輪車と大型貨物自動車は通行禁止。毎年、ツーリング中のオートバイの検挙もあり、函館西署はホームページ(HP)やちらしなどで注意を呼び掛けている。

 24日までは、マイカーを含め自動車は終日通行できる。夜景観光の渋滞防止や安全確保のため、25日から10月15日までの午後5時から同10時までは、営業バス、タクシーを除く車は通行禁止。

 危険防止などのため、オートバイ、原動機付自転車などの二輪車や大型貨物自動車は一切、通行できない。違反すると道交法違反(通行禁止違反)で検挙されるが、「函館観光に訪れたライダーを検挙する例が毎年数件ある」(同署)。

 同署は規制場所を地図で示した「函館山・立待岬の通行止め規制状況」のちらしをJR函館駅などに備え付けるほか、HPでも公開。「観光地の渋滞、事故防止のため交通マナーを守って」と訴えている。(原山知寿子)