2007年4月22日(日)掲載

◎大沼・ミズバショウ見ごろ
 【七飯】大沼周辺の湿地では、春の使者ミズバショウが見ごろを迎えている。湖畔周遊道路でサイクリングなどを楽しんでいた観光客は、咲き誇るかれんな姿に見入っていた。

 白く輝くのは、仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれる葉が変形したもの。この中に円柱状の花を咲かせる。ことしは暖冬の影響で早く大きくなった後、3月下旬からの冷え込みで葉先が凍り黒くなってしまい、仏炎苞に濁りが出たものも。例年のような、白一色の群生とはならなかった。

 自然公園財団大沼支部によると、現在は大沼周辺の東大沼や軍川でほぼ満開。このほか、5月中旬ごろまで、小沼周辺などさまざまな場所で咲くという。(山崎純一)


◎AIU医療セミナー、元プロ野球選手の盛田さん講演
病気と闘うための心構えなどについて学ぶ「AIU医療セミナー」が21日、函館国際ホテル(函館市大手町5)で開かれた。鹿部町出身の元プロ野球選手、盛田幸妃さん(37)が講師を務め、「夢をあきらめない」をテーマに現役時代や闘病生活のエピソードを語った。

 AIU保険主催、有限責任事業組合(LLP)北海道リスクマネジメント研究会共催。同セミナーは、同社が3年前から全国展開しており、函館では初開催で、約200人が受講した。

 盛田さんは、函大有斗で3度の甲子園出場。1988年にプロ野球の大洋ホエールズ(現横浜ベイスターズ)に入団し、98年に当時の近鉄バッファローズに移籍した。同年に脳腫瘍(しゅよう)で手術を受け、驚異的な回復力で見事に現役復帰を果たし、2001年のリーグ優勝に貢献するとともに、カムバック賞を受賞。02年シーズンを最後に引退した。

 入団から4年間は思い通りの成績を残せなかったことについて、「プロに入っただけで満足していた」と振り返り、最優秀防御率のタイトルを取った5年目の快挙を「良い人に会えたことに尽きる」と明かした。

 また、話が12時間にわたる手術、リハビリテーションなどに及ぶと思わず言葉を詰まらせ、涙ぐむ場面も。会場から「頑張って」の声も上がり、「妻からの『どうにかなるよ』の言葉で勇気がわき、開き直れた」「目標をもつことで、回復も早まったはず」とし、家族の支えや病気との上手な付き合い方の大切さを訴え掛けていた。(浜田孝輔)



◎ホテルテトラでビアガーデンがオープン
 高気圧に覆われた影響で21日、函館市内は日中の最高気温が16・1度と5月中旬並みの陽気となった。ホテルテトラ(函館市梁川町17、三浦孝司社長)では、早くも屋上のビアガーデンがオープンし、来店客は次々と冷えたビールでのどを潤した。

 同ホテルでは、20年ほど前からビアガーデンを始め、屋上の一部に屋根付きの場所を設置。60人まで収容可能なほか、屋外には、最大150人分の席を設けることができる。当時は6月からのスタートだったが、常連客から早期開業の要望が多く寄せられ、2003年から4月下旬に時期を早めた。ことしのオープン日は、前年より3日早く、これまでの最速となった。

 一番乗りとなったのは、社会人野球チームの一行32人。福地学さん(31)=鹿部町宮浜=は「野球の話に花を咲かせながら親睦(しんぼく)を深め、良いシーズンを送りたい」と話していた。

 営業時間は午後5時―同10時。ジンギスカンとビールなどの食べ飲み放題で、1人3600円(2時間)。期間は、9月初旬ごろまでを予定している。問い合わせは同ホテルTEL0138・55・1818。(浜田孝輔)


◎五稜郭タワーに巨大こいのぼり
 五稜郭タワー(函館市五稜郭町43)に21日から、最長の吹き流しと真鯉(まごい)で約12メートルになる巨大なこいのぼりが掲げられ、暖かな春風に揺られながら、見上げる市民や観光客らに雄大な泳ぎっぷりを披露している。

 5月5日の「こどもの日」に向けて、同タワーが30年以上にわたり行っている。雨風にさらされるため、傷み具合を見て数年に1回買い替えており、ことしのこいのぼりは、生まれ変わった新タワーの高さに合わせて昨年新調したばかりで、従来より2メートルほど長いものだという。

 「いつから掲げるのかと問い合わせがあるほどで、楽しみにしている市民も多いようだ」と同タワー。5日までの午前10時―午後6時ごろまで掲揚される。(浜田孝輔)


◎市中央図書館で「市立函館高校防火ポスター展」
 春の北海道火災予防運動(20日―30日)に合わせ、函館市東消防署は30日まで、市中央図書館(五稜郭町26)で「市立函館高校防火ポスター展」を開いている。2年生24人がイラストと標語で防火を訴えるポスター(B3判)が並ぶ。

 火災の恐ろしさについて学ぼうと旧函館東高校の生徒が64年から毎年実施。美術科の授業で函館大火(1934年)や火災データなどで防火について学んだ後、独自の標語を考えるなど約20時間かけ制作した。

 会場には炎でできた植物に「火ノ種蒔クナ」と添えた作品や、寝転がりTVを鑑賞する炎に「火魔(ひま)させないで」と標語を加えた作品などユニークな中にも防火の意識を高める作品ばかり。

 藤田愛さんは炎を人形に消防車をクレーンゲームのクレーンに見立てたポスターを制作。クレーンはがっちりと消火器をとらえ「あなたのまわりに火がいっぱい」と標語も添えた。化繊布を使ったり、標語を浮き出したりと工夫を凝らした作品に来場者は足を止め、一つひとつ丁寧に眺めていた。(笠原郁実)