2007年4月27日(金)掲載

◎もてなしの心忘れず/観光ボランティア団体出陣式
 本格的な観光シーズンを間近に控え、函館市内の観光ボランティア3団体は26日、元町公園(同市元町12)で今季の合同出陣式を行った。会員は、市と函館国際観光コンベンション協会の職員10人が見守る中、笑顔ともてなしの心を絶やさないサービスを提供しようと結束を固めた。

 2005年から3団体合同で開催していて、ことしで3回目。参加したのは「愛NO・1」(加地律子会長)、「一會の会」(佐藤喜久恵会長)、「愛」(小島洋一会長)の会員合わせて約20人。

 同協会の内村正専務理事が「函館観光の前面に立つ方々ばかり。みなさんの力で多くの人が訪れるよう、健康に留意し、温かいおもてなしをしてほしい」と激励。

 会員を代表して小島会長は「笑顔と思いやりの心を込め、昨年以上にアピールするため、3団体、力を合わせて頑張りたい」と決意を述べた。(工藤康行)


◎3月の函館港貿易概況/豪などから石炭 8億円
 函館税関は26日、3月の函館港貿易概況を発表した。輸出は船舶や魚介類・同調製品などが低調で、前年同月比92・5%減の1億4700万円と大きく数字を落としたものの、輸入は石炭が全体の数字を押し上げ、同15・7%増の15億5500万円だった。

 輸出の品目別では、船舶が前年にあった香港籍の貨物船1隻19億1000万円が全減。また、魚介類・同調製品も同89・1%減の700万円と大きく減少し、全体では2カ月ぶりのマイナスとなった。

 輸入は、米国からの石油製品1億5200万円、米国とカナダからの小麦2億9700万円が全減。このほか、魚介類・同調製品が同28・4%減の3億1100万円、木材が同10・2%減の4300万円にとどまったが、オーストラリアやカナダからの石炭7億9800万円が全増したことで、全体では5カ月ぶりに持ち直した。

 なお、道内の貿易概況は、輸出が同1・4%増の299億4900万円と、過去最高だった昨年10月の383億5000万円に次ぐ高水準。鉱物性タール・粗製薬品が前年同月の3・7倍にあたる32億5400万円、有機化合物が同じく3・3倍の16億2500万円と大きな伸びを見せた。

 輸入は、原・粗油が同11・7%増の576億8900万円。このほか、石炭が同36・9%増の63億3500万円、ウッドチップが同28・5%増の28億7600万円となるなど、2カ月ぶりに好転した。(浜田孝輔)


◎黒千石 本年度は全道で500トン超を生産
 【札幌】極小粒黒豆・黒千石の栽培に取り組んでいる乙部町など全道9地域の栽培農家でつくる北海道黒千石生産組合連合会(事務局・乙部町役場、村井宣夫会長)は、本年度の生産量を532トン、販売額を1億7000万円と見込んでいる。前年度と比べ100トン余りの増産で、販路や消費の拡大も進める。

 定期総会が24日に札幌市内で開かれ、本年度事業計画などを決めた。

 同連合会のまとめによると、前年度は全道で142戸の農家が黒千石を栽培。栽培面積は約226ヘクタールに上り、種子用を含む生産量は422?。販売額は1億2817万円に上った。町が進める大豆プロジェクトの一環として種子を供給する乙部町では種子用17トン、商品用16トンの合計33トン、上ノ国町は商品用5トンを生産した。

 本年度の事業計画によると、栽培戸数は127戸、栽培面積は273ヘクタール。全道の生産量は商品・種子用合計で532トン。乙部町では種子用12トン(6・7ヘクタール)、商品用36トン(19・9ヘクタール)、上ノ国町は商品用8トン(4・2ヘクタール)の生産を計画している。

 将来的な生産目標は年間1000トン。安定供給の体制強化や消費拡大に向けた用途や販路の開拓を進めていく方針。

 同連合会は、納豆などの原料として高い品質を誇る黒千石の栽培に取り組む、全道の生産者が連携して2006年3月に発足。生産・出荷ラインの一本化を図るとともに、価格や生産量の調整、出荷規格の統一、技術普及や栽培農家の相互交流に向け、乙部町などが呼び掛けて組織化された。乙部・上ノ国両町の農家で組織するひやま南部大豆生産組合(大川勲組合長)をはじめ、空知、網走、胆振管内など4市7町の農家が参加している。(松浦 純)


◎井上市長が退任、西尾新市長きょう初登庁
 函館市の井上博司市長(70)が26日付けで退任した。任期最終日となったこの日も、市役所に姿は見せず、退任あいさつなどはなかった。新市長の西尾正範氏(58)は、27日に初登庁する。

 井上前市長は1955年4月、函館市役所入り。商工観光部長、市民部長、企画部長を歴任し、96年4月、木戸浦隆一市長(当時)の下で助役に就任。職務代理者を経て、99年4月の市長選で初当選し、2期8年の任期を全うした。

 行政経験をいかし、就任1年目からその手腕を発揮。精力的に行財政改革に取り組むなどした。また、北海道新幹線の着工や函館国際水産・海洋都市構想の推進など、地域の将来を見据えた街づくりに多大な功績を残した。

 3期目を目指し市長選に立候補したが、大差で敗れ落選した。

 井上前市長は、告示直前の13日に登庁したのが最後で、50余年の市役所人生に静かに幕を下ろした。庁内の職員からは「できることなら、温かく見送ってあげたかった」などと、惜しむ声も聞かれた。

 西尾新市長は、27日午前10時に登庁し、その後就任あいさつ、記者会見などの公務をこなす予定。(今井正一)


◎白乙女の豆腐など人気
【乙部】乙部町で生産が始まった大粒大豆・大莢白乙女(おおざやしろおとめ)を原料とする豆腐などの販売が24、25の両日、食品スーパー「乙部フードセンターブンテン」(打越冨貴夫社長、館浦490の1)で行われた。20パックを用意したもめん豆腐、大揚げ、小揚げは初日で完売。150個を用意した納豆も25日夕には大半が売れる人気だった。

 同店はことし2月、町内の小中学校で白乙女を使った納豆が給食のメニューに加わったと同時に納豆を試験販売。大粒で味わい深い納豆が消費者に大好評だったことから、製造元の納豆メーカー・だるま食品本舗(函館市)と話し合い、納豆が再び給食に登場する24日に合わせ、納豆、もめん豆腐、寄せ豆腐、大揚げ、小揚げの5商品を店頭に並べた。

 同店の能代仁・副店長は「地元産の大豆を利用しているため、価格は割高でも売れ行きは好調だった。今後も給食に合わせて定期的に納豆や豆腐を販売したい」と話している。

 1センチ近い大粒で高品質を誇る白乙女の生産は、町が進める「大豆プロジェクト」の一環として昨年度から生産を開始。約3トンの生産があった。町は納豆や豆腐などの原料として需要先の開拓を模索しており、地元での販売継続に期待感を寄せている。(松浦 純)


◎函館で雪を観測
 上空に強い寒気が流れこんだ26日、函館市内では夕方、雨交じりのみぞれが降り、降雪を観測した。今季の雪の最終日となれば、平年(4月13日)より13日遅く、函館では1950年の統計開始以来71年の5月7日、80年の5月1日、89年の4月27日に続く4番目に遅い記録となる。

 日本気象協会北海道支社によると、寒気は一過性で27日午前まで雲が広がる不安定な天気が続くが、同日午後からすっきり晴れるという。28日以降は最高気温が17度を超える初夏のような気温になり、サクラも予想通り29日には咲く見通し。


◎澤田厚沢部町長が退任
 【厚沢部】任期満了を迎えた澤田孝一厚沢部町長(73)が26日、職員時代から通算56年間にわたる役場勤務を終えて退任。町職員に見送られ町役場を後にした。

 町役場では午後5時から退庁式が行われた。町職員に向けて澤田氏は「1951年3月9日から今日までの長きにわたりお世話になりました。農林業の振興や商工業の発展、福祉の増進に向けて一層の働きをお願いします。明日から新町長のもとで豊かで明るい町を築いて下さい。今後も妻と2人で厚沢部に骨を埋める思いです」と呼び掛けた。

 花束を手にした澤田氏は、職員の拍手に見送られながら町役場を離れ、通算56年間に及ぶ町役場勤務に終止符を打った。

 澤田氏は1951年に厚沢部村役場入り。63年の町政施行を経て、財政課長、教育長、助役などを歴任。95年から町長を3期務めた。4期目を目指した22日投開票の町長選で57票差で破れた。 (松浦 純)