2007年4月3日(火)掲載

◎元町公園オープン
 函館市が2005年度から2カ年計画で拡張整備を進めていた西部地区の元町公園が2日、供用を開始した。函館港を見下ろす展望広場や野外イベントなどで使用できるステージ広場、スロープを併設した階段などを設け、市民や観光客の憩いの場としてリニューアルした。

 イベントでの使用を想定したステージ広場には、電源ボックスを2カ所に設置。こう配4%のスロープを併設した階段部分は、観客席としての利用を想定している。

 函館港を見下ろす展望広場からは、晴天時には駒ケ岳を望むことも可能。函館造園建設業協同組合の30周年を記念して寄贈を受け設置した展望案内板は、同広場から見渡せる建物の名称などが確認できる。

 このほか、多世代が座ることを考え、高さが3段階の長ベンチや、噴水の回りには、レイズドベッド方式のベンチを設置。車いすやオストメイト対応の多目的トイレを新設した。乳幼児から高齢者、障害者に配慮したユニバーサルデザインが随所に盛り込まれている。 (今井正一)


◎日銀支店短観・1年ぶりにDI悪化
 日本銀行函館支店は2日、渡島・桧山管内における3月の企業短期経済観測調査(短観)を発表した。企業の景況感を示す業況判断DI(「良い」の割合から「悪い」の割合を引いた指数)は、全産業でマイナス10と、4四半期(1年)ぶりに悪化。先行きDIはマイナス6に改善する見込み。

 調査対象企業数が3年ぶりに見直され、製造業は同数の34社だが、非製造業は2社増えて79社に変更。前回(昨年12月)発表の全体がマイナス1からマイナス3、非製造業がマイナス7からマイナス10などに改めた上で比較している。

 産業別で見ると、製造業は前期比20減のマイナス8。機械が同20減の0、食料品が同15減のマイナス29に悪化した。

 非製造業は、マイナス10と前回から横ばいで推移。小売が同25増のプラス8、運輸が同11増のプラス11に改善したが、卸売が同17減のマイナス28、飲食・宿泊が同11減のマイナス22と大きく下降した。

 次期(6月)の予測は、製造業で0、非製造業でマイナス9とともに改善する見込み。非製造業の小売が当期比24減のマイナス16、建設が同5減のマイナス21に悪化するものの、卸売が同28増の0、製造業の機械が同20増のプラス20になるなど、全般的に回復基調にある。

 なお、調査は2月23日から3月30日まで実施した。 (浜田孝輔)


◎ピンチ 砂浜が消える/海岸線侵食、20?以上後退…
 【上ノ国】砂浜が消えた―。上ノ国町では海岸の浸食で美しい砂浜が消失の危機にある。日本海沿岸の砂浜侵食は、港湾やダム工事などの影響とみられ、海岸の保全対策が課題になっている。激しい浸食にさらされる現場を訪れた。

 古代ローマの円形格闘場を思わせる岩のテラスが続く春の海岸。数十センチ間隔に刻まれた段差は、青く澄んだ日本海を眺めるには最適だ。昨秋にはなかったテラスが、こつ然と姿を現した。岩盤がむき出しになった砂浜は、継ぎはぎだらけの痛ましい姿をさらしている。

 上ノ国町大崎から木ノ子にかけての約3キロにわたる海岸は、波浪で磨かれた色とりどりの玉砂利が厚くたい積。波打ち際で優美なカーブを描いていた。赤や青の碧玉(ジャスパー)を含む玉砂利は古くから囲炉裏(いろり)の砂として、商家や網元などで珍重された。

 「昔の砂浜は国道から緩やかな斜面で何倍も広かった。岩は砂の中から頭を出しているだけだった」。かつて海岸を遊び場にしていた、同町の宮津光則助役が語る。砂利は毎年冬には荒波で削られたが「春になると海流が変わり自然に砂浜がよみがえった」。

 だが、年を追うごとに海岸はやせ細り、昔の面影を失っていった。昨秋からは日本海を相次いで台風並みの“爆弾低気圧”が通過。海岸は連日激しい波浪に洗われた。辛うじて波に耐えていた砂浜では、浸食と回復の平衡状態が崩れ、海岸線は一気に20メートル以上も後退した。

 変わり果てた海岸の様子に住民は「見る影もなく荒れ果てた。また砂浜は復活するのだろうか。自然のリズムが狂ってきた」と心配顔だ。浸食は海岸沿いを走る国道下の斜面にも及び、路肩の崩壊を防ぐため復旧工事が行われている。

 同じ日本海沿岸の石狩浜では、石狩湾新港が建設された1980年代に浸食が始まり、海が荒れた96年には海岸線が15メートル以上も後退。海水浴場の建物が押し流された。専門家は新港建設による海流変化、河川の砂防工事で土砂供給量が減ったことが要因とみる。道が対策工事を行っているが浸食は止まらず、現在も一進一退の攻防が続いている。 (松浦 純)


◎桧山管内、一般職新規採用4町で7人
 【江差】桧山管内では本年度、一般行政職(初級・上級)の新規採用が4町・7人に上った。各町は財政難や行財政改革に伴い新規採用を手控えてきたが、「団塊の世代」の大量退職を控えて採用再開の動きも出てきた。

 新規採用があったのは江差(2人)、厚沢部(1人)、乙部(1人)、せたな(3人)の4町。一般職の退職者不補充を続けてきた乙部町は2000年度以来、江差町でも01年度以来の新規採用。乙部町は課長職3人、江差町も課長職2人が3月末で退職した。

 上ノ国町は保健師2人を新規採用したが、一般職は昨年度も採用せず、奥尻町も3年間ほど見送っている。今金町は採用を継続しているが試験の合格者が出なかった。

 採用がない町でも技術職、保健師、看護師などは退職者補充の形で採用を継続している。

 本年度以降、1947―49年のベビーブームに生まれた「団塊の世代」が60歳の定年を迎える。町ごとにピークは異なるが、今後5年前後で課長級を中心とするベテラン職員が続々と退職。各町は本年度以降の新規採用で穴埋めする方針だ。

 一方、厳しい財政事情から退職者不補充を続けてきた各町は、職員定数削減や管理職の削減、組織合理化の好機ととらえるが「事務のノウハウや政策立案能力の維持・継承が大きな課題」(ある町長)。退職者不補充の影響で「組織の年齢構成がいびつ。数少ない若手が幹部になる時代に組織を維持できるか」(ある町幹部)との懸念も。

 退職を控えた団塊世代の職員からも「若手は官僚的。地域に入って町民とひざを交えて話し合うことがない。先輩から受け継いだ、マニュアル化できない仕事の勘所をどう伝えたらよいのか」とのぼやきも漏れる。 (松浦 純)


◎函館商工会議所銭亀沢支所・開所式
 函館市内の2経済団体の統合に伴って改組、誕生した函館商工会議所銭亀沢支所(銭亀町235)の開所式が2日、同支所で行われた。同会議所の高野洋蔵会頭は「これまでの業務内容を停滞させることなく、さらに上積みできるよう力を注いでいきたい」とあいさつし、職員らに地域経済発展に向けた事業の遂行を呼び掛けた。

 同支所には本所との連携を図るため、3月31日付で解散した市銭亀沢商工会の会長だった中浜八郎氏を相談役に据えた、17人から成る運営特別委員会(松田信一委員長)を創設。相談役と正副委員長は常議員会と議員総会に、常任委員は議員総会に、それぞれ出席して意見を交わすなど、円滑な運営の実現に努める。

 開所式では、同支所前で高野会頭らがテープカットを行った後、同委員会の委員に委嘱状、職員に辞令を交付。来賓の市商工観光部の桜井健治部長は「銭亀沢支所管内が持つ地域の特色や実状を踏まえ、会員に対してこれまでとはひと味違った情報やサービスを提供できると、合併した意義も出てくるはず」と、期待を寄せた。

 今回の統合を受け、約2800社の会員を抱える同会議所には、同商工会の会員企業125社のうち約110社が加入した。 (浜田孝輔)


◎函館市、新職員9人に辞令交付
 本年度採用の函館市職員への辞令交付式が2日、市役所大会議室で行われ、井上博司市長は緊張した面持ちの新職員9人に辞令を手渡した。

 採用されたのは男性3人、女性6人。大卒7人、高卒2人でいずれも一般事務職。2006年度の一般事務職より2人少ない。

 式では全員で「誠実公正、迅速な職務執行で市民の期待に沿う」と宣誓。井上市長は行財政改革の中、厳しい採用状況が続いていることを説明し、「皆さんは金の卵。全体の奉仕者として自分の行動に責任を持ち、住民福祉の向上と地域振興のために頑張っていただきたい」と述べた。

 9人は2週間の研修を経て各担当に配置される。 (宮木佳奈美)


◎北斗市・海老沢市長が訓示
 【北斗】北斗市の海老沢順三市長は2日、課長職以上の職員約50人を集め、異動対象者に辞令を交付するとともに、年度当初の訓示を行った。海老沢市長は「わたしたちは公僕ですから、市民に仕える気持ちで積極的にかかわっていってください」と、市民との緊密な交流を求めた。

 さらに市民に信頼されるため、地域活動への積極的な参加を呼び掛け、「われわれは自分たちの仕事で完結しがちだが、横の連携を緊密にした業務を心掛けてほしい」と話した。

 また、道新幹線の新函館駅(仮称)周辺事業のため、函館市から新幹線対策課に派遣された橋本幹夫参事が紹介された。橋本参事は「事業にかかわることは大変名誉なこと。今後北斗市と函館市がともに発展するよう全力を尽くします」とあいさつ。海老沢市長は「橋本さんは土地区画管理のエキスパート。経験と知識を存分に生かして指導して」と歓迎した。 (小泉まや)