2007年4月5日(木)掲載

◎松前のサクラ開花予想、早咲きは2日早く
 【松前】松前町は4日、250種1万本を誇る「松前公園」のサクラの開花予想を発表した。早咲きのオオヤマザクラは24日、ソメイヨシノは28日、ナデンは30日と、いずれも平年より2日早い見込み。中咲きのアマヤドリや遅咲きのカンザンなどは例年通りとしている。

 同日気象庁が発表した5回目の開花予想や、函館海洋気象台の長期予報などを参考に、花芽の状態やこれまでのデータを利用して、町が独自に予測した。早咲きは4月下旬、中咲きは5月上旬、遅咲きは同上旬から中旬に咲き始め、1カ月にわたり楽しめる。

 例年一番に開花するフユザクラは昨年と同じ13日で、3大名木として有名な光善寺の血脈(けちみゃく)桜は29日とみている。

 昨年は全体的に3―7日開花が遅れたが、ことしは気温が平年並みに推移するとの見込みから、開花を予測した。サクラの開花は気温に左右されるため、変更があれば予想を修正する。(小泉まや)


◎縄文文化交流センター 早期整備求める声…南茅部地域審議会
 函館市と合併した旧4町村地域の意見を聞く地域審議会がこのほど、戸井、恵山、椴法華、南茅部の4支所で開かれた。市地域振興室が、新年度の4地域にかかわる事業計画を説明。南茅部では委員から、著保内野遺跡出土の中空土偶が国宝に指定されたことを受け、同土偶を核に出土品などを展示・公開する縄文文化交流センターの早期建設を求める声があった。

 国宝指定を受け井上博司市長は、早ければ2009年度にも縄文関連の資料展示や体験学習、調査研究の拠点となる同センターを整備する考えを示している。生涯学習を目的とした施設だが、広域観光にも役割を果たすことが期待されている。このほか「ひろめ舟まつり」の継続開催を求める意見があった。

 同室によると、このほかの各地域の要望は、戸井が消防団分団の倉庫などへの水道施設設置と、ガゴメの増産対策の推進、恵山は福祉センターの給湯設備の充実、椴法華は椴法華港の水産物荷さばき施設への天蓋(てんがい)整備などがあった。

 市は次回7月の同審議会で、要望に対する取り組みや市の考え方などを説明する。(高柳 謙)


◎丹精したヒバの苗木 苫小牧市に出発
 【江差】6月24日に苫小牧市で開かれる第58回全国植樹祭を前に4日、江差町で育てられたヒノキアスナロ(ヒバ)の苗木40本が現地に向けて出発した。

 ヒノキアスナロは“桧山”の語源にもなった管内を代表する樹木。同日、江差を離れた苗木は「町民の森」(馬場山地区)に設けられた苗畑で、2004年10月から栽培をスタート。ボランティアの住民が道指導林家・坂野正義さんらの協力で、国有林から採取した芽や種子から約300本の苗木を丹念に育ててきた。

 苗木は約2年半で高さ50センチほどに成長。生育状態がよい40本が選ばれ、植樹会場近くの空知管内長沼町にある苗畑に送られた。植樹祭当日まで大切に管理される。管内からは厚沢部町などから合計438本の苗木が送られる。管内に残った苗木も本年度、せたな町で開かれる「桧山の森づくり植樹祭」などで活用される。

 参加者は「大きく育ったな」「苫小牧でも立派な大樹に育って欲しい」と話し合いながら作業に汗を流していた。

 第58回全国植樹祭は、天皇皇后両陛下も参加して苫小牧市静川地区で行われる。道内での開催は1961(昭和36)年以来2度目となる。(松浦 純)


◎人権侵犯 57件減149件…06年函館地方法務局
 函館地方法務局が受理した昨年の人権侵犯事件件数は、全体で149件で昨年の206件を57件下回った。家族や職場などでの「強制・強要」が70件で全体の半数近くを占め、中でも離婚を迫るなど夫から妻によるものが前年を上回った。同局は相談機関の増加などが全体の減少につながったが、女性を巡る人権侵犯事案は依然根強いとみており「今後も女性、子ども、高齢者など、社会的弱者の人権擁護体制を充実させたい」(人権擁護課)としている。

 申告受理件数の内訳では、公務員、教職員などによる人権侵犯が13件(8・7%)、私人間の人権侵犯が136件(91%)。処理件数は147件で、内訳は法的助言などを行う「援助」が143件、調査終結と判断した打ち切りが2件、相手方が反省を示したなどによる「措置猶予」と人権侵犯の事実がないと認定した「人権侵犯事実不存在」が各1件だった。

 「強制・強要」のうち、夫から妻に対するものは前年より3件増加し42件で全体の6割を占めた。特に離婚を強要するケースが増加しているといい、「60、70歳代の年配者からの相談も目立っている」(同課)。セクシャル・ハラスメントは8件、ストーカーも1件あった。

 また、「暴行・虐待」は41件。うち30件が家族間によるもので、夫から妻に対しては前年より5件減少したが27件に達し、全体の6割以上を占めた。親から子に対する事案も2件寄せられた。

 公務員に関する審判事件は前年を7件下回った。最も多かったのは、「学校におけるいじめでの学校側不適切な対応」を巡る内容で、前年より1件減ったが、7件を占めた。次いで、刑務所内の不当処遇を訴える刑務職員関係が3件などとなっている。

 減少したのは、住居生活の安全関係で前年より15件減って6件にとどまった。昨年から審判事件として取り扱わず助言としたためで、同課は「架空請求に関する申告は依然多い」とし、注意を呼び掛けている。


◎江差南浜簡易郵便局が開局
 【江差】江差南浜簡易郵便局(南浜町205)が4日に開局した。

 町内南部では、江差柏町簡易郵便局が2005年5月に閉局。住民から早期再開を求める声が上がっていた。山小屋風の新局舎では、品田俊也局長(46)とともに、不在時に窓口業務を担当する平井富士日さんら業務代行者3人が交代で勤務する。

 郵便局勤務の経験がない品田局長は、江差郵便局での研修や試験を経てこの日、初めての勤務に。上ノ国町の勝山簡易郵便局に勤務する“先輩”の妻・緑さんも応援に駆け付けた。

 再開を待ちわびた高齢者らが早速、窓口を訪れたほか、全国の郵便愛好家からは記念の消印などの注文も相次いだ。品田局長は「地域に早くなじんで喜んでもらえる簡易郵便局を目指したい」と意気込みを語った。

 同局では保険を除き、小包などを含む郵便、郵貯、郵便為替・振替などを取り扱う。窓口は平日の午前9時―午後4時まで。問い合わせは同局TEL0139・52・5350へ。(松浦 純)