2007年4月7日(土)掲載

◎高設栽培イチゴ、真っ白な花咲く
 【江差】江差町鰔(うぐい)川では、春の陽気に誘われて例年より1週間以上も早くイチゴの苗が純白の花を咲かせている。

 ビニールハウス内の気温は20―25度。ポカポカ陽気の中で女性たちは額の汗をぬぐいながら作業に精を出している。ハウス内を飛び交う受粉用のミツバチも大忙しの様子で、花と巣箱の間を行き来している。

 鰔川では2004年に「新規就農トレーニング営農モデル団地」が開設され、町内の農家や新規就農者がイチゴの「高設(こうせつ)栽培」にチャレンジしている。架台上に並べた発泡スチロール製のケースでイチゴを栽培するのが特徴。春先から初夏にかけては、ショートケーキの材料になる大粒品種の「けんたろう」を栽培している。

 ことしは暖冬の影響で開花が早まったことから、今月下旬にも本格的に出荷が始まる見通しという。 (松浦 純)


◎道議選あす投票、予断許さぬ大激戦
 統一地方選の前半戦となる道知事選、道議選は8日、投票が行われ即日開票される。道議選では函館市区(定数6)に9人、北斗市区(同1)に2人、渡島支庁区(同3)に4人、桧山支庁区(同1)に2人が立候補し、いずれも激しい攻防を繰り広げている。予断を許さない大激戦で、後半戦の函館市長・市議選、北斗市議選(15日告示)、各町長・町議選(17日告示)を占う上でも有権者の判断が注目される。

 道議選函館市区に立候補しているのは、届け出順に横山信一(公明・現)、平出陽子(民主・現)、前川一夫(共産・現)、大日向豊吉(無所属・新)、川尻秀之(自民・現)、畠山博(無所属・元)、斉藤博(民主・現)、佐々木俊雄(自民・新)、高橋亨(民主・現)の9氏。

 前回、1議席と大敗した自民は、唯一の現職、川尻氏と、新人の佐々木氏の2人を公認、元職のベテラン畠山氏を推薦とし、3議席奪還を目指す。知事選で優勢と伝えられる高橋はるみ氏(自民、公明推薦)の勢いを追い風にしたいところだが、今回公認に漏れた大日向氏も追い上げを見せており、保守票が分散すれば前回の二の舞になりかねない。

 前回、悲願の3議席獲得を果たした民主は、議席死守が命題。従来の組織票や個人票固めはもちろん、若年層を中心とした浮動票の取り込みに必死だ。実績を掲げる平出、斉藤両氏、昨年の補選の勢いをつなげたい高橋氏は、それぞれが労組や函館市議をバックに知事選と連動した戦いを展開し、ラストスパートをかける。

 公明は現職の横山氏が、強固な支持母体をバックに、最後まで手綱を緩めず追い込みを狙う。共産は現職の前川氏が、街頭演説を中心とした攻めの姿勢で議席死守を図る。

 新設の北斗市区は、長谷秀之(自民・現)、長尾信秀(民主・現)の2氏が激突。長谷氏は旧上磯町出身、長尾氏は旧大野町出身だが、地域間競争の域を超えて全市的な戦いとなっている。最後まで競り合い、票の流れは予測が難しい。

 渡島支庁区は、石田広紀(自民・新)、川村正(自民・現)、岡田俊之(民主・現)、冨原亮(無所属・新)の4氏が3議席を争う。

 当初は現職の川村、岡田両氏が優勢とみられていたが、七飯を地盤とする新人の石田、冨原両氏も追い上げており、票田である七飯・森地区の票の行方が当落を左右しそうだ。

 桧山支庁区は福原賢孝(無所属・現)、佐々木俊司(自民・新)の2氏が一騎打ち。実績と知名度でリードする福原氏を、党を挙げてのバックアップを受ける佐々木氏が猛追する。(道議選取材班)


◎渡島地方税滞納整理機構の徴収額、過去最高の1億1233万円
 函館市を除く渡島管内1市9町で構成し、市町税の滞納整理を引き受ける一部事務組合「渡島地方税滞納整理機構」の2006年度最終収入実績額が1億1233万円となり、過去3年間で最高となった。徴収率は36・53%。4月1日からは桧山管内7町も加入し、「渡島・桧山地方税整理機構」に名称を変え、道南全域の地方税滞納に対処する。

 同機構は、自治体単独では処理が難しい滞納事例を専門的に処理する機関として04年4月に発足。渡島支庁と各市町の職員ら5人が強制徴収などで滞納整理を手がけている。06年度は各市町から270人、3億754万円分の事案を引き受け、滞納者の財産調査や早期滞納処分を行うとともに、財産の差し押さえや、納税誓約を通じて徴収を進めた。

 徴収額のうち、預貯金、給与、生命保険などの差し押さえによる強制徴収は3983万円で全体の35・46%を占めており、徴収率向上の大きな要因となった。同機構が徴収することを知らせる事前予告効果額は8889万円で、納税誓約額811万円と合わせた全体の効果額は2億0933万円。昨年度の同機構に対する加入市町村の負担金3967万円に対し、対効果割合は5・27倍と大きな成果を挙げている。 (小川俊之)


◎15日に「頑張る地方応援懇談会」菅総務相と会談
【北斗、乙部】総務省は6日、菅義偉総務相と独自の地域活性化プロジェクトに取り組んでいる市町村長が意見を交わす「頑張る地方応援懇談会in北海道」を15日に北斗市で開催すると発表した。懇談会の一環として菅総務相は同日、農漁業振興や地方でのソフトウエア技術者養成などの先進的な取り組みを進める乙部町を視察する。。

 懇談会は北斗市総合文化センターかなでーるで開催。本道の市町村長を代表して海老沢順三北斗市長、寺島光一郎乙部町長ら10市町長が菅総務相と懇談する。政府が本年度からスタートした、独自の地域活性化策に取り組む市町村に地方交付税を上乗せ配分する「頑張る地方応援プログラム」について意見交換する。

 続いて菅総務相は乙部町へ。都市で失われた自然や町民の人情などを基盤に、技術・人格ともに優れたソフトウエア技術者を養成する「IT(情報技術)人材育成プロジェクト」の研修施設や、町外から誘致したウニ加工会社、檜山管内のスケトウダラ漁の中心地で、ボタンエビ漁が最盛期を迎えている乙部漁港を訪れ、研修生や漁業関係者と意見を交わす。

 同懇談会はことし1月、寺島乙部町長が全国の市町村を代表し、安倍晋三首相や菅総務相と首相官邸で会談して、町の取り組みを報告したことを契機に道南での開催が実現。全国ではこれまでに23県で開催している。

 政府が本年度、同プログラムに充てる地方交付税は2700億円規模。地域活性化に向けた独自施策や行財政改革、産業振興、子育て支援などで成果を挙げた市町村に配分する。 (松浦 純)


◎道南の小・中学校で入学式
 入学おめでとう―。渡島・檜山管内の多くの小・中学校で6日、一斉に入学式が行われた。小学校は両管内で140校に上り、真新しいランドセルを背負って校門をくぐった新入学児童は、これから始まる学校生活に胸を躍らせていた。自治体職員や警察署員らは、新1年生に交通安全啓発グッズを配るなどし、事故に注意するよう呼び掛けた。

 ○…函館鍛神小(長谷恵校長、児童483人)では午後零時すぎから、3クラス86人の1年生が保護者らに手を引かれて初登校。80人を超す新入生は4年ぶりで、教員や在校生が笑顔で迎えた。

 式では長谷校長が「入学おめでとう。学校はいっぱい遊んだり、勉強したり、給食食べたりとっても楽しいところ。なんでも一生懸命頑張って」と歓迎した。

 在校生を代表して鈴木峻(たかし)君(6年)が「分からないこと、困ったことがあったらお兄さん、お姉さんに聞いて早く慣れてね」と声を掛けた。

 祖母からプレゼントされたピンクの洋服を着た黒島柚菜ちゃん(6)は「足し算や体育、勉強が楽しみ。ランドセル? 重くないよ」と笑顔だった。

 ○…函館あさひ小(安藤信男校長)と函館中の沢小(熊谷光洋校長)では、函館市が新入学児童を対象とした交通安全特別啓発を行った。入学式に出席する児童にリーフレットなどを手渡し、交通安全を呼び掛けた。

 函館中央署、函館西署、市交通安全指導員会などの協力で1981年度から実施。本年度は夜光反射材や教材などの啓発グッズを、両校の新1年生131人分用意した。46人が入学したあさひ小では、市交通安全課のマスコット「バニー君」が児童に「入学おめでとう」と声を掛け、グッズを配った。

 同課の高田洋課長は「登下校に慣れない新1年生や、子供を心配する保護者にも交通安全の意識を高めてもらいたい」と話していた。市は4、5月に全小学校で新1年生を対象に交通安全教室を開催する。

 ○…函館東小(田野中敏校長、児童193人)では、函館市戸倉町のタクシー会社「センターハイヤー」(高田秀雄社長)が事故防止を訴える啓発活動を行った。新1年生に反射材付きキーホルダーなどを配り、交通安全を呼びかけた。

 同社は2002年から毎年入学式に合わせ、近隣小学校で啓発を実施している。この日は乗務員ら10人のほか、函館中央署員2人も協力した。

 社員らは黄色の交通安全旗を手に、無事“帰る”ように願いが込められたカエルのマスコット付きキーホルダーや、「子どもたちを交通事故からまもります」と書かれたポケットティッシュを手渡した。

 同署員から「事故に遭わないよう気を付けて道路を渡るんだよ」と声をかけられると、晴れ着に身を包んだ新1年生は「分かりました」「ありがとう」などと元気に返事をしていた。


◎江差北小で開校式
 【江差】3月で閉校した江差町内の朝日、日明、水堀の3小学校の統合で誕生した江差北小(青坂榮廣校長、児童121人)の開校式が6日に行われた。

 式典の初めには「青い山なみ雲のみね―」で始まる、3小学校校区の情景を歌詞に織り込んだ新しい校歌を披露した。

 飴谷逸男副町長は「新しい出会いを信じて3校の力を合わせ、統合してよかったと思える学校づくりを目指してほしい」とあいさつした。

 小林優幸教育委員長は「町内北部に教育文化の新たな拠点が生まれた。1日も早く環境に慣れて新たな歴史と伝統を築いてほしい」と開校の辞を述べた。青坂校長は「いよいよ新しい学校の出発です。朝日、日明、水堀の良いところを出し合って世界で一番の学校にしよう」と児童に呼び掛けた。

 児童を代表して6年生の白川りほさん(旧水堀小)、本間奎祐君(旧朝日小)、坪田浩佑君(旧日明小)が「3つの学校で学んだことを忘れずに良いところをたくさん作っていきたい」「チャレンジする気持ちを忘れずにお互いに助け合っていける学校にしたい」と喜びの言葉を披露した。

 開校式に続いて、初めての新入生24人を迎える入学式も行われ、3校の結集を象徴する若葉をあしらった校章の下で新たな船出を祝った。 (松浦 純)