2007年5月11日(金)掲載

◎大沼でキタコブシの花満開
【七飯】道南の山のふもとでは、キタコブシの花が満開になっている。七飯町の大沼国定公園でも白い花が咲き誇り、大沼湖畔周回道路ではブナ類の新緑やエゾヤザサクラと美しい色の競演を見せている。

 自然公園財団大沼支部によると、大沼周辺のキタコブシは例年より花の数が多く、見応えがあるという。周回道路にある駒ケ岳神社付近では、道路両側に立つ木が白いトンネルのようになった場所もある。(山崎純一)


◎函館市2005年漁業生産 合併で3・8倍、210億円
 函館市は2006年版「市統計書」を発行した。05年の漁業生産(速報値)は数量が6万3091トン、金額が210億9932万円で、前年より数量は6800トン下回ったが、金額は5385万円減にとどまった。渡島東部旧4町村と合併する前の03年と比べると、数量で2・9倍、金額は3・8倍に増えている。

 漁獲高のうち、コンブが74億4981万円、イカは72億842億円で、この2つで全体の69%を占める。次いで多いのはタラの13億8611万円、マグロが10億323万円、タコが7億3751万円など。合併前と比較すると、マグロはほぼ全増、タラがざっと500倍、タコやコンブは10倍以上となった。

 統計書は、市の住民基本台帳や07年国勢調査、国や道、気象台、警察、民間企業の統計などから、函館の人口や産業、市民所得、財政、労働、災害、治安などの状況をまとめた。基礎数値は05年もしくは05年度。

 函館市の市民生活を身近な統計で見ると、1世帯平均人数は2・3人、乗用車は1世帯に0・7台、1人当たりの市民所得(企業所得含む)は249万3000円、大学進学率は32・1%、市職員数は市民74人に1人、病院や医院は市民1027人に1院―など。

 また、05年の「函館市の1日」では、5・3人が生まれ、8・5人が死亡し、差し引き3・2人の自然減。30・9人が転入し、35・3人が転出したため、社会減は4・4人だった。結婚は4・2組あるが、離婚も2・2組あった。

 同じく1日当たりの水道使用量は10万2000立方メートル、市電利用客は1万8000人、バス利用客は2万1000人、郵便配達数は14万6000通、ごみ収集量は186トン、刑法犯罪発生は14件、交通事故は5件、救急車の出動が37件―などとなっている。

 また、市は2007年版「ポケット統計」を200部作製し、関係機関に配布した。初めて作り、人口や各産業の従事者数、観光客、医療施設数、学校数、市の財政など身近なデータを掲載している。A4判を三つ折りサイズにした。 (高柳 謙)


◎消費生活センター 架空・不当請求増加
 函館市消費生活センター(函館市若松町17、棒二森屋本館7階)は、2006年度に寄せられた相談の内容や傾向の分析結果をまとめた。受付件数は、前年度比3・1%減の2894件で、2年連続で減少した。ただ、身に覚えのないはがきを送りつける架空・不当請求や、消費者金融の返済・多重債務問題に関する相談は増加傾向にあり、依然として予断を許さない状況が続いている。

 同センターに寄せられる相談は、内容により項目が多岐にわたる場合があり、内容別では同3・7%減の3791件。項目別では「契約・解約」が同5・2%減の2179件と最も多く、「販売方法」が同10・3%増の887件、「品質・機能・役務品質」が同19・0%増の163件などと続く。

 苦情件数(1979件)を商品別で見ると、「商品一般」が同10・3%増の828件でトップ。「特定商取引消費料金」といった商品を特定できない架空請求をしてくるケースが多数を占める。また、官庁機関であるかのような団体名を名乗り、民事訴訟を脅し文句に、裁判取り下げ費用や弁護士紹介料を請求する手口も後を絶たない。

 このほか、電子料金などに関する「運輸・通信サービス」が同15・7%減の333件と、取り締まりの強化や啓発活動が奏効し、減少傾向にある。「金融・保険サービス」は、法定外金利や執拗(しつよう)な取り立てなど、多重債務に関する相談が急増している。

 相談者を年代別で見ると、50代が638人で最も多いが、同1・2%減。20―50代は前年度を下回る傾向にあり、逆に20歳未満が同21・2%増の40人、60代が同3・0%増の474人、70代が同8・9%増の331人など、相談者の低年齢化と高年齢化が同時進行している実態がうかがえる。

 同センターは「契約に関するトラブルは、販売業者の説明不十分と購買者の理解不足から来るものが多い」と説明。架空請求については「身に覚えがないのに連絡すると、個人情報が漏れる恐れもあり、十分に気を付けてほしい」と呼び掛けている。

 相談受け付けは、月―土曜が午前10時―午後4時、日曜・祝日が午前11時―午後4時。窓口や電話で相談に応じる。TEL0138・26・4646。 (浜田孝輔)


◎中央保育園で5歳児22人がハンドボールに挑戦
 函館市新川町1の中央保育園(西出房子園長、園児121人)は、本年度から5歳児22人がハンドボールを行うユニークな試みを始めた。同園の調理員で昨年度、函館選抜チームとして国民体育大会道大会に出場した佐々木宏さん(22)が週1回、指導に当たる。園児は、初めての球技に興味津々の様子で取り組んでいる。

 近郊に公園が少なく、外で遊ぶスペースが限られている同園では、体力向上を図るとともに、集団での遊びを楽しんでもらおうと企画。佐々木さんは函大付属有斗高校3年時、国体函館選抜チームに選ばれ、同年「高盛ハンドボールクラブ」のコーチに就任した。

 同クラブの会員は小学3年生から同6年生で、同園ではさらに年齢の低い園児への指導となる。「どう園児が楽しく練習できるかを常に考えている」と佐々木さん。少しでもボールに慣れ、球技の楽しさを知ってもらうために、基礎練習に多くの時間を費やしている。

 使用するボールは小学生用の1号球。約1時間、一人や仲間同士でシュートやパスを繰り返す。上手にできたら全員で拍手。佐々木さんに「楽しい」「きょうは練習?」と尋ねるなど園児の反応は上々だ。4月に比べ、ボールの持ち方やシュートするまでのステップが格段に上達したという。

 佐々木さんは1年間で試合ができるまで指導する予定で、「楽しく身体を鍛えられる球技は生涯できるスポーツ。園児の中から(高盛ハンドボール)クラブに入る人が出るなど、ハンドボールに興味を持ってくれたらうれしい」と話す。

 同園では6月10日の運動会で障害物競走にボールを投げる種目を盛り込む考え。西出園長は「練習の成果が発揮されるのでは」と顔をほころばせる。 (笠原郁実)


◎函館地区ハイヤー協会 夜間巡回指導
 函館地区ハイヤー協会(鍵谷良一会長)は、11日から6月上旬までの週末、函館市本町地区でタクシーやハイヤーに対する夜間巡回指導を行う。規制緩和による競争激化やマイカー普及に伴う客離れなど、厳しさを増す経営環境を打開しようと、乗務員のモラル向上で業界のイメージアップを図る。

 同協会による巡回指導は通常、平日の午前9時から午後5時まで、市内の繁華街や観光地を中心に実施。違法な駐停車や客引きがないかなどに目を光らせてきた。悪質なケースは会社に通報。通報を受けた会社は、違反した乗務員に対し厳重注意や始末書提出、出勤停止などの処分を下すなど、近年は厳罰化の方向にある。

 夜間の取り組みはこれまで、関係機関と合同で実施したことはあるが、独自では初めて。加盟する事業所のうち、函館、北斗両市、七飯町の24社の各社1人ずつが所属する指導委員会(横田有一委員長)が、金・土曜の午後10時から1時間程度、道道五稜郭公園線(行啓通)付近を重点に指導する。6月2日まで。

 また、同協会は4月上旬、市に対して、本町と大門地区にタクシー乗り場を設置するよう陳情書を提出。乗務員約1200人分の署名付きで、より良い環境整備に向けて弾みをつけたい考え。

 同協会は「法律違反は従事者自らの力で改善していかなければならない。タクシーに対する信頼回復を実現することで、乗り場設置の推進につながれば」と期待している。 (浜田孝輔)


◎ロシア極東大函館校が就活支援に本腰
 ロシア極東国立総合大学函館校(イリイン・セルゲイ校長)は、求人・企業情報の閲覧や就職相談などを行う「キャリアサポートセンター」を同校に整備した。15日に開所し、同校の学生の就職支援に本格的に乗り出す。学生が将来を見据えた職業選択ができるよう助言するとともに、高就職率をアピールし、入学者増につなげたい考えだ。

 同校によると、ロシアの経済成長に伴い、主に東京や名古屋の物流関連企業からの求人が増加傾向にある。ロシア語を話せる人材が求められる一方、人材が不足しているという。同校の就職率は2005、06年度2、4年制とも100%。本年度の在校生は28人と小規模校ゆえ、「手厚い支援で入学から就職まで保障したい」(同校)と高就職率の維持を目指す。

 3年前から準備を進め、同校の小笠原雅事務局長が就職指導に関する研修を受け、「キャリアサポーター」(財専修学校教育振興会認定)や「初級教育カウンセラー」(日本教育カウンセラー協会認定)を取得。授業終了後、同センターに常駐し、学生の就職相談などに応じる。

 4月からは2年制のロシア語科1年生と4年制のロシア地域学科の2、3年生を対象にした就職支援プログラムをスタートさせ、ハードとソフトの両面でバックアップする。

 小笠原事務局長は「やっとほかの学校と足並みをそろえることができた。履歴書の書き方や面接の受け方などのノウハウだけでなく、人生設計を描く中で積極的な職業選択ができるよう手助けしたい」と話している。 (宮木佳奈美)