2007年5月14日(月)掲載

◎雨の松前 八重ザクラ満開
 【松前】250種1万本を誇る道南のサクラの名所、松前公園のサクラが、今を盛りと咲き誇っている。あいにくの雨となった13日、輝く水滴を身にまとった薄い桃色の花びらは、雲のすき間からわずかに差す日とぬれた路面とにほの白く照らされ、輪郭を際立たせていた。

 同園は、品種の多さから5月を通して順番にさまざまなサクラが開花。長期にわたり観桜できる。現在はナデンをはじめとする中咲きが散り始め、今後は遅咲きのカンザンやフゲンゾウなど、見応えある八重が楽しめる。

 公園にはマイカーなどで観光客らがやってくる。ツアーを利用して姉妹で訪れた東京の相原芳江さん(67)は「咲く時期に間に合って良かったです」と昼食を広げていた。(小泉まや)


◎江差風力開発を設立
 【江差】江差町で最大出力1万9500?キロワットの風力発電事業を計画している日本風力開発(東京、塚脇正幸社長)は13日までに、事業主体となる新会社・江差風力開発を設立することを決めた。

 江差風力開発は同社の100%子会社。設立時の資本金は1000万円。本社は東京都港区新橋2の同社内に置く。同社の松島聡取締役が社長に就任して、町内での風力発電所建設、運営、発電事業を行う。

 同社は国内外で風力発電事業を展開しているが、いずれも子会社を設立して発電所建設から売電事業までを行っている。

 同社は2月中旬に北海道電力(札幌)が実施した抽選による買電枠の募集(2万キロワット)に応募して第1位で当選。北電との協議で正式に売電事業者に決まった。

 同社は最大出力1500キロワット級の風車を最大13基(出力1万9500キロワット)を設置し、2010年3月までの運転開始を計画していることを町に伝えている。発電所基礎工事などは可能な範囲で地元業者に発注する意向を示しているという。

 同社は2005年から町内北部の柳崎町、越前町など3カ所で風況調査用の鉄塔を設置。風速や風向などのデータ測定を行っている。(松浦 純)


◎「意見の対立は対話で」 元朝日新聞・北京支局長 秋岡さんが講演…日中国交正常化35周年記念講演
 日中国交正常化35周年記念講演「スライドとお話でもっと知りたい中国」(函館日中友好協会主催)が13日、函館市民会館大会議室で開かれ、約250人の出席者が今後の日中関係のあり方について理解を深めた。元朝日新聞北京支局長の秋岡家榮(いえしげ)さんが講演し、「今後の日中両国は、中国とインドの関係のように現状を固定し、意見の対立は何年かけても対話で解決すべき」と述べた。

 秋岡さんは北京支局長時代、中国の周恩来首相ら政府幹部と交友があった。1972年の田中角栄首相と周首相による日中共同声明の署名に報道関係者として立ち合ったほか、インドやベトナムの特派員を務めた。

 秋岡さんは、中国が建国以来、階級闘争から国民の生活水準向上を目指す転換を図ったが、共産主義社会を目標としている点だけは変わっていないことを指摘。現在の速度で行くと、中国の経済力は2020年にアメリカを追い抜き、日本は中国との関係が一層重要になっていくとした。

 そうした中で日中関係に火種が生じた際は「中国の周首相とインドのネール首相が1950年代に交わした『平和5原則』が参考になる」と述べた。また国交回復時、中国は国内に根強い反対がある中で日本に戦争の賠償を求めなかった点などを挙げ、中国は日本と友好関係を築こうと努力していることを伝えた。

 このほか、地理学者で桐朋教育研究所講師の北原安門(やすと)さんが、自身が撮影した2万枚を超すスライドの中から、中国各地の風土や住居を紹介。「北京などの大都市は大きく変わったが、人口の6割以上を占める農村部の風景や生活は変わらない」と述べた。共催のマリンバ北星会のマリンバ演奏もあり、参加者を楽しませた。

 同協会の東出隆司会長は「中国は怖い国か、との質問をよく受けるが、反日デモや治安などの面では全くそういうことはない。ただ、国土が広く人口も多いため、自動車の普及など何をやっても規模が大きくなることはあります」とあいさつし、中国を正しく理解する必要性を説いた。(高柳 謙)


◎シートベルト着用を…国道278号で旗の波作戦
 函館中央交通安全協会銭亀沢支部(川島博康支部長)が主催する街頭啓発が13日、函館市石崎町から同市高松町までの国道278号で行われた。沿道でスピードダウンやシートベルト着用を呼び掛ける小旗を振り、ドライバーに安全運転を訴えた。

 春の全国交通安全運動(20日まで)に合わせた同支部の恒例行事で、函館中央署や近隣の町会、子供会などから約150人が参加。同署の高橋道夫署長も応援に駆けつけ、参加者一人一人を激励しながら巡回した。

 啓発は同国道沿い計6カ所で実施。あいにくの雨模様の中、参加者は「シートベルト着用」や「交通安全」と書かれた蛍光色の小旗を振りながら、通過車両に事故防止を呼び掛ける「旗の波作戦」を展開した。

 同署管内では12日にも自転車に乗ったお年寄りが車にはねられる死亡事故が発生したばかり。高橋署長は「高齢者や子どもたち、自転車利用者など交通弱者の事故防止に一丸となって取り組もう」と協力を呼び掛けた。

 同支部の川島支部長(60)は「この地域から悲惨な交通事故を起こさない、起こさせない環境づくりが大切。こうした交通安全活動は今後も継続していきたい」と話していた。(森 健太郎)


◎田辺さんが優勝…北海道女だけの相撲大会
 【福島】福島町を代表する名物行事「第17回北海道女だけの相撲大会」(町観光協会主催)が「母の日」の13日に開かれた。雨天のため同町総合体育館の特設土俵に会場を変更して行われ、女性56人が出場。決勝では「田辺山」こと田辺千乃さん(37)=北広島市、会社員=が、倍近い体重の「アマゾン・アマンダ」ことアマンダ・ソウルさん(31)=米国、大学生=を突き出しで破り4回目の優勝を飾った。

 横綱千代の山、千代の富士を輩出した町ならではの行事として知られ、道南を始め全国各地からエントリーがあった。力士は、家族や職場の仲間など応援隊を伴い会場入り。横断幕が掲げられ歓声飛び交う中、女の意地を激突させた。

 最初の取り組みの勝ち組をA、負け組をBにブロック分けし、トーナメント戦とした。田辺さんは、ことしで連続10回出場の古参。昨年は決勝で敗退し悔しい思いをしたが、ことしの相手も強豪だった。ソウルさんは、米国アイダホ州のボイズ州立大学生。身長192センチ、体重171キロの堂々たる体格を生かし、順調に勝ち上がった。

 圧倒的な体格差から、田辺さんは試合後「作戦はなかった。負けると思った」と振り返ったが、身長を生かして上からかぶるように攻撃する相手の一瞬のすきを突いて動いた。ソウルさんは「彼女は強かったので負けても悔いはない」と田辺さんをたたえ、「来年も出場する」と宣言した。

 Aブロック3位は昨年優勝した山本静香さん(札幌市)。Bブロック優勝は山田かおりさん(函館市)、準優勝はウィットニー・ウォレンさん(七飯町)、3位は久保田玲子さん(函館市)。(小泉まや)