2007年5月19日(土)掲載

◎色づくツツジ
 函館市内では赤やピンクなどのツツジが色づき始めた。18日の同市内は断続的な雨となり、弥生町の基坂では、雨に打たれた花がみずみずしさを増し、観光客や市民の目を楽しませていた。

 付近の元町公園でもさまざまな種類のツツジが咲き始めている。近くに住む女性は「ことしは1間ほど早いのでは。毎年咲き始めは雨が降り、雨に濡れたつややかさが美しい」と話していた。(山崎純一)


◎昨年度の函館市、23組52人が移住体験
 「団塊の世代」の移住促進に取り組む函館市は昨年度、23組52人の移住体験者を受け入れた。体験事業は民間企業の北海道コンシェルジュ(寺西隆経社長)に委託しており、本年度は移住アドバイザー制度や不動産巡りツアーなど、本格的な移住受け入れ態勢の整備を委託する。

 市企画部によると、昨年度は7月から3月までに関東から12組、関西3組、道内5組、その他3組が体験した。アメリカ在住の日本人夫婦が利用したケースもある。本年度は既に14組の予約が入り、一部はゴールデンウイークに体験済みという。

 移住ビジネスの創出を目指し、市は昨年度から北海道コンシェルジュに体験事業を委託。同社は本年度、事業を自前で実施し、体験者が暮らす物件を2件から6件に増やした。1カ月15万円のマンションが主流だが、1泊3食付きで1人1日5000円の物件から、2人7日間で38万5000円の豪華マンションまでさまざまだ。

 体験者にはイカ釣りや乗馬体験などのメニューを用意しているが、同部は「移住につながるプログラムの拡充が必要」と話す。このため本年度は、本格的に移住を考える人が移住者から生活全般について聞くアドバイザー制度や、体験中に不動産物件を探すツアー、レンタカー感覚で移動手段を確保するカーシェアリングなどの実施を委託し、当初予算に500万円を計上した。

 1週間や1カ月の滞在では、医療や地域コミュニティー、町会活動、生涯学習など、より日常生活に近い部分まで体験することが難しい。実際に移住した人をアドバイザーに、函館の長所や短所などを率直に語ってもらい、失敗のない移住につなげる考え。

 函館は他都市と比べ医療機関や医師数が多いこともあり、同部は「楽しめる街だけでなく、安心して生活ができる街であることも大事な要素。移住者の培ったノウハウや技術、知識を函館で発揮してもらうことも大切。移住促進に向け、そうした点もアピールしていきたい」と話している。(高柳 謙)


◎高橋知事 28、29日に桧山管内で「まちかど対話」
  【江差】高橋はるみ知事は、再選後初となる「まちかど対話」を28、29両日、桧山管内で実施することを決めた。2期目の重点施策として本年度からスタートする「地域づくり推進会議」も29日に江差町で開催する。

 高橋知事は、再選前の早い時期から奥尻町を含む管内訪問の意向を示していた。

 28日午前に今金町の「ピリカ旧石器文化館」を視察。せたな町では農業や介護分野などでユニークな教育に取り組んでいる道立檜山北高校を訪問する。午後には同町からフェリーで奥尻町に入り、漁業者や花観光に取り組む町民ボランティアと懇談する。

 29日午前には江差町に入り「地域づくり推進会議」で管内7町長と対談するほか、2003年の知事就任後初めて桧山支庁を訪れる。

 「まちかど対話」は、知事就任直後の03年5月にスタート。道政や地域の課題をテーマに各地の住民と直接対話する。桧山管内での開催は3回目。03年7月に全道2番目となる「まちかど対話」を奥尻町で開催。05年には江差町など管内南部も訪問した。

 昨年度までに14支庁管内すべてで開催しており、訪問先は延べ95市町村に上る。

 また、高橋知事は道と市町村の連携強化に向け、全道の市町村長と地域活性化などをテーマに意見交換する「地域づくり推進会議」を2期目の重点施策として掲げている。第1回の推進会議は22日に旭川市、23日に釧路市で開催する。 (松浦 純)


◎農作物生育状況、渡島・桧山とも順調に推移
 渡島、桧山両支庁は18日、15日現在の農作物生育状況を発表した。4月の気温は平年よりやや低めだったが、5月に入ってから高めに推移。降水量は4月下旬から少なめだが大きな影響はなく、各作物とも順調な生育を見せている。

 水稲は5月に入ってからの好天で、両管内とも苗の生育は平年並み。このうち渡島は草丈が11・2センチと平年比117%、葉数が2・8枚と同108%で、移植時期はやや早まる見込み。桧山は草丈が9・0センチで同94%、葉数が2・7枚で同96%で、こちらは平年並みに移植が行われそうだ。

 バレイショは渡島、桧山とも植付作業がほぼ終了。渡島では早出し栽培で萌芽が始まっている所もある。桧山では露地栽培で、5月上旬の降雨により一部で作業の遅れが見られる。てん菜は渡島、桧山とも移植作業が平年並みに終了。草丈がやや短いものの、葉数が多く、順調に生育している。

 渡島のリンゴ(つがる)は平年並み。牧草(オーチャードグラス)は一番草が、平年より渡島で2日、桧山で1日早い。サイレージ用トウモロコシは現在、は種作業が行われており、渡島で3日、桧山で2日早く進んでいる。 (小川俊之)


◎函館市防災訓練、迅速に情報集め共有
 災害時の通信連絡訓練を中心にした、本年度の函館市防災訓練が18日、市役所大会議室を拠点に行われた。警察や消防、自衛隊、北海道電力など16機関から118人が参加。災害状況の把握と報告、指示と対処を機敏にこなし、情報を共有しながら各機関の連携と対応を確認した。

 災害時の被害情報を迅速、正確に収集し、情報の一元化と円滑な応急対策を図る目的。午前9時半に渡島東部を震源とする震度5強の地震が発生し、市内各所で家屋倒壊や火災などが発生した想定で行われた。

 市総務課に地震の一報が入り、すぐさま大会議室に災害対策本部と情報連絡室を設置。電話回線が不通となり、参集機関は市が配備した無線や衛星電話で通信網を確保し、被害状況を把握、報告した。

 停電や冠水、液状化現象、火災や家屋倒壊、負傷者発生などの報告を受けた災害対策本部長が、避難所開設や渡島支庁への自衛隊の派遣出動要請などを指示。関係機関が負傷者の救助や復旧作業に当たった。

 本部では、函館市内の地図上に火災やがけ崩れ、建物損壊などが発生した個所が記され、収集した情報をコピーで参集機関に配布するなどした。日本アマチュア無線連盟渡島檜山支部は、パソコン回線に無線を使い、災害現場の画像を送信した。

 訓練は約1時間20分で終了。担当した市総務部は「迅速で正確な情報を共有し、各機関が円滑な対応をすることで、被害を最小限に抑えられる。日ごろから各機関と連携していきたい」と話していた。 (高柳 謙)


◎渡島西部4町、公立高校配置計画案で懇談会
 【福島】同教委がまとめた2008年度から3カ年の公立高校配置計画案について意見を交わす懇談会(福島町主催)が18日、福島町福祉センターで開かれた。同計画案に関する自治体主催の懇談会は道内初で、福島、木古内、知内、松前の渡島西部4町の保護者や教育関係者、町長ら約140人が参加。保護者の金銭的負担や地域経済への打撃などを訴え、「地域に高校を残してほしい」と切実な声を道教委幹部らに伝えた。

 初めに道教委新しい高校づくり推進室の岸豊参事が今回の配置計画の基となる「新たな高校教育に関する指針」の概要を説明。原則1学級40人定員とする中で31人以上40人以下の生徒数を2学級に振り分ける「特例2間口制度」の廃止や、1学年1学級の高校は準備ができ次第、地域キャンパス校とするなどの厳しい内容に参加者の顔は曇った。

 出席者からは「地域特例を設けてほしい」「もうすぐ新幹線も開通する。推移を見守ってから判断を」(木古内町の男性)といった声のほか、「ほかの町に通うにしても交通は不便。経済的に進学させられないかもしれない。子を持つ親としては重大な問題。よく考えてほしい」(福島町の女性)など切実な声が相次いだ。岸参事は「再編に伴う負担については奨学金などの形で支援を検討している」などと答えた。

 村田駿福島町長は閉会後、「住民の生の声が伝わったと思う。今後も地域に高校を残すよう努力していきたい」と話していた。

 道教委は寄せられた意見を最終案に反映させ、具体的学校名を盛り込んだ計画案を6月に発表する。 (笠原郁実)