2007年5月2日(水)掲載

◎水のある風景@大沼湖畔…青空や木々 湖面に反射
 【七飯】本格的に春が到来した七飯町の大沼国定公園。大沼や小沼にはこの時期、駒ケ岳の雪解け水が流れ込み、湖畔遊歩道周辺の水も透明度を増す。湖面に反射する青空の輝きや芽吹き始めたシラカバなどを含むブナ林は、ひときわ鮮やかになる。

 湖畔は曲がりくねっている。小さな島が多く、遊歩道から見える幻想的な風景は多彩に変化し、無限の楽しみを与える。

 耳を澄ませば、鳥たちのささやき声が聞こえてくる。さまざまな刺激を受け入れながら、みずからも自然の中に溶け込むような気分に見舞われる。

 大沼国定公園 JR大沼公園駅より徒歩約3分。函館より車で約50分。(山崎純一)

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 春本番。雪解け水が黙々と流れる川や滝、静かなたたずまいを見せる沼など、緩やかな音に包まれる水が織り成す輝きは、心を和ませ、潤いを与えてくれる。函館市内・近郊で見られる美しい水風景を紹介する。


◎北海道新幹線新函館駅・開業効果アンケート(下)
「道新幹線を利用する場合の宿泊希望地は」(複数回答)の問いには、「札幌」が1155件(54・0%)、「函館(中心部)」が1036件(48・4%)、「小樽・倶知安・ニセコ」が747件(34・9%)、「旭川・富良野・美瑛」が596件(27・9%)と上位を占めた。「訪問希望地」の設問と同様の傾向となった。

 函館は「湯の川」の239件(11・2%)を含めると59・6%と札幌を抜いてトップで、開業効果に期待が高まる。道東・道北での宿泊希望者も1割近くいて、道新幹線の経済効果は全道に波及する可能性をうかがわせる。道全体での広域観光に向けた準備が不可欠だ。

 「宿泊施設選定にあたって優先するものは」(複数回答)の問いには、「価格」が1301件(60・8%)と最多。「料理」の728件(34・0%)、「利便性(交通アクセスのよさ)」の629件(29・4%)、「温泉の有無」580件(27・1%)を大きく上回った。

 ただ、宿泊施設別での選択基準では、「温泉ホテル・旅館」では「料理」43・3%、「温泉」36・3%と「価格」56・9%以外の要素も重視されている。一方「ビジネスホテル」では「価格」が84・4%、「利便性」54・0%と、「温泉の有無」8・8%、「料理」8・0%を圧倒。宿泊施設の形態に合わせ、ニーズに応じたサービスを提供することが求められる。

 「お土産として購入したいものは」(複数回答)の問いには、「生鮮海産物」が1429件(66・8%)、「乳製品(チーズなど)」1261件(58・9%)、「お菓子」1207件(56・4%)が高い人気サ.ゥ図3.ィ。このうち「お菓子」は男性が37・2%に対し、女性が62・8%、「乳製品」も男性45・4%、女性54・6%と男女差が大きく、女性を意識した商品開発を進める必要がありそうだ。

 また「お土産を選ぶ際に優先することは」(複数回答)に対しては、「地元らしさ」が1422件(66・4%)とトップ。「地域限定商品」を求める声も489件(22・9%)と高く、地域のオリジナリティーが重視されていることが分かる。一方「価格」も700件(32・7%)と3割を超し、購買意欲を喚起するには値段設定も大きな要素となる。

 「お土産を買う場所はどこになるか」の問いには「観光地のお土産専門店」が872件(40・7%)、「観光施設などの現地」の849件(39・7%)、「道新幹線などの駅構内」の222件(10・4%)を合わせて9割を超える。「ホテルなどの宿泊施設内」は118件(5・5%)にすぎず、宿泊施設が食事、酒席、お土産までのすべてを提供するいわゆる「囲い込み」からの脱却が必要である。 (小川俊之)


◎特待生制度 函大有斗、柏稜も
 函大付属有斗高校と同柏稜高校は1日、硬式野球部員に適用している「特別奨学生」が、日本学生野球憲章に抵触する「スポーツ特待生制度」に当たるとして、道高野連函館支部(対馬敏幸支部長)に申告した。これに伴い、両校は11日開幕の「第46回秋季北海道高校野球大会函館支部予選」の出場辞退を届け出て、同支部に受理された。

 日本高野連は「スポーツ部活動が(特待生の)必須条件であれば違反である」と規定しているが、両校は「野球部の活動を義務づけていない」(有斗高・鈴木健校長)という。ただし付帯事項に「学力、経済的理由の規定がある場合は違反と見なさない」とあり、両校は明確な規定を設けていなかった。このため「グレーゾーンだったら手を挙げようと考え、抵触したと回答した」(鈴木校長)と説明する。

 「特別奨学生」は、品行方正や成績優秀、スポーツ及び芸術に優れた能力を持つ―など5項目を満たす入学生から選ばれ、入学金免除や授業料減免がされる。特別奨学生の硬式野球部員は有斗が29人、柏稜は11人。

 これらの選手は31日まで対外試合に出場できないが、チームに対外試合禁止の処分は科されない。(岡部彰広)


◎「格差是正」訴え…函館でもメーデー
 メーデーの1日、函館市内でも連合系と全労連系の労組が集会を開き、市内をデモ行進した。格差社会の是正や憲法改正阻止などの宣言文を採択し、旗やプラカードを掲げて市内を行進し、団結を強めた。(高柳 謙、今井正一)

 函館地区連合の第78回メーデーには、主催者発表で45団体、1483人が参加。千代台公園中央広場(千代台町)で午前9時半に開会し、渡部正一郎実行委員長が「多くの勤労者と連携、団結し、非正規雇用問題や春闘の解決、夏の参院選勝利を目指そう」とあいさつした。

 函館市の西尾正範市長や道議選、函館市議選を勝ち抜いた民主・連合系議員らも出席。西尾市長は勤労者の所得格差が年々広がっていることを指摘し、人口減など函館の懸案解決に向け、子育て支援や産業振興などへの連帯を呼び掛けた。

 格差社会の是正や最低賃金の大幅引き上げ、参院選での政権交代、世界平和の実現などを誓った宣言を採択。団結に向け「頑張ろう」を三唱し、参加者は「労働賃金アップ」「30人学級の実現」などのプラカードや横断幕を掲げ、同公園から函館シーポートプラザ内の公園(若松町)までデモ行進した。

 全労連・函労会議(武田和男議長)は、松風町のはこだてグリーンプラザで集会を開いた。主催者発表で350人が参加。格差是正や労働者の権利拡大、憲法改悪反対などを訴えた。

 議長団議長に就任したの坂本明大議長(函館地区国公)は、増税や格差、医療費など諸問題を改めるべきだと訴え、「国家は国民の暮らしと安心を守るのが第一の仕事。国民的課題を解決できるよう頑張ろう」とあいさつ。共産党の大門実紀史参院議員は「安部内閣の支持率が回復したと言われているが、決して憲法を変えてほしいという人が増えているわけではない」と述べ、国民投票法案の断固阻止を呼び掛けた。

 各団体が教育問題や看護師の処遇問題などを訴えた決意表明の後、最低賃金の引き上げや、平和国家の実現などを盛り込んだメーデー宣言を採択。「団結頑張ろう」三唱で集会を締めくくり、五稜郭公園まで労働旗を掲げながら行進した。


◎景況感 前期比4・5ポイント上昇…06年度第4四半期
 国民生活金融公庫函館支店がまとめた2006年度第4四半期(07年1―3月)の景況リポートによると、渡島・檜山管内の企業の景況感を表す業況判断DI(「良い」とする割合から「悪い」とする割合を引いた値で示す指数)はマイナス34・6で、前期(06年10―12月)に比べて4・5ポイント上昇し、前年同期比でも2・7ポイント上回った。

 業種別では、卸売業が前期比28・8ポイント減のマイナス53・8、サービス業が同16・7ポイント減のマイナス38・9、小売業が同16・5ポイント減のマイナス56・5と下降。一方、製造業が同21・7ポイント増のプラス6・3に好転したほか、建設業が同40ポイント増のマイナス18・8と大幅に改善した。

 次期(4―6月)はマイナス35・6で、今期より1・0ポイント悪化する見通し。小売業で8・7ポイント、サービス業で5・6ポイントの上昇となるものの、製造業が12・6ポイント下降してマイナスに転じるほか、建設業で18・7ポイントの低下が見込まれている。

 また、設備投資をした企業は全体の8・7%で、同5・1ポイントの悪化。次期は7・7%となる見通し。経営上の問題点(1社2点まで)は、「売上不振」が82社(同15社増)と最も多く、「利益減少」が71社(同8社増)で続いた。

 具体的な事例では、建設業から「公共工事の減少で従業員の雇用維持が難しくなっている」、水産加工業からは「回収サイトが長期化してきている」などの声があった。

 調査は両管内の事業所200カ所を対象に3月末時点で実施。104カ所(52・0%)から回答を得た。(浜田孝輔)


◎企画「ザ・チャレンジ」・カヌー体験
 四季折々の美しい風景で人々を魅了する七飯町の大沼国定公園。大沼湖の雄大なパノラマは、子どものような冒険心をくすぐる。「湖面をカヌーでスイスイと気持ち良く進み、日常から離れた光景を楽しみたい」と、ネバーランド・ツアーオフィス=同町軍川67、池田晃二代表(46)=が主宰するカナディアンカヌーツーリングに参加した。

 案内役の池田代表は幼いころから自然が大好き。「アウトドアの魅力を多くの人に伝えたい」と無邪気な笑顔で迎えてくれる。「スタート地点はその日の天候で決める。朝起きたらまずは風のチェック」と話す。

 湖畔で「パドル」と呼ばれる櫂(かい)の持ち方などのレクチャーを受ける。「実際にやって見るのが一番」と早速本番に。

 全長約5メートル、幅約0・9メートルの安定したカヌーに乗り込み、滑らかに入水。パドル操作がぎこちなく、水面をパシャパシャたたく。悪戦苦闘しながらも何とか前進。動き出すと、スピードは意外に速い。瞬く間に岸辺は遠のき、陸とは違うダイナミックな景色が飛び込んで来る。

 湖畔に咲くミズバショウは、植物と同じ目線で見ることができる。水面から飛び立つ鳥が羽ばたく音、肌をなでるさわやかな風など、自然の醍醐味(だいごみ)を全身で体感できることが人気の秘けつという。

 壮大な眺めを楽しむ余裕が出てきたころ、茂みの中にある休憩ポイントに到着。池田代表が簡易コンロを取り出し、エスプレッソコーヒーを用意してくれた。水を加熱循環させていれる本格派で風味抜群。思わぬ演出に「ハア、幸せ」と満足。

 「自然の中に身を置くと安心する。それは人間の祖先が生きていた場所だから。神経も研ぎ澄まされて、コーヒーも最高でしょ」。池田代表の味わい深いガイドで冒険の楽しみは倍増する。(田中陽介)

 〈メモ〉ツアーの所要時間は約2時間半。午前6時のサンライズツアーから午後4時半のサンセットツアーまで4コース、各4500円。2―15人。要予約。年中無休。TEL0138・67・3830。