2007年5月21日(月)掲載

◎箱館五稜郭祭が閉幕
 「第38回箱館五稜郭祭」(同祭協賛会主催)が20日、最終日を迎えた。函館市本町の行啓通では、榎本武揚軍と官軍が入り乱れての白兵戦を再現。沿道に詰め掛けた見物客は、大砲や鉄砲、刀を用いた迫力のある戦闘シーンに目を奪われていた。

 午後1時に、地元の中学・高校と社会人ブラスバンド10校・チームによる音楽パレードが、千代台公園を出発。また、両軍約500人による維新行列は、中島町廉売通から電車通に沿って歩を進め、同2時ごろに行啓通へ到着した。

 両軍がにらみ合う中、大砲に火を放って大きなごう音を響かせたのに続いて、鉄砲隊が銃声を鳴らすと両軍が白兵戦を開始。刀を振りかざしながら繰り広げられる光景は迫力満点で、見守る観客をとりこにしていた。

 一行は五稜郭公園に移動し、抵抗を続けていた榎本軍が降伏し、五稜郭を官軍に引き渡す模様を再現する「開城セレモニー」を実施。戦没者のめい福を祈るため、2日間にわたって行われてきた祭りは幕を閉じた。 (浜田孝輔)


◎未来の森植樹祭、120人が参加
 道内で森林の再生運動を展開するNPO法人(特定非営利活動法人)「北海道に森を創る会」(石子彭培理事長、札幌)が20日、函館市亀田中野町の民有地で「未来の森植樹祭」を開催した。同法人札幌本部や函館支部の会員、函館市内の国の華幼稚園の園児ら120人が参加。日本さくらの会(東京)から寄贈されたエゾヤマザクラなどの苗木約200本を植樹した。

 放置林やリゾート開発跡地などで森林の再生や活用を進め、環境保全に貢献する「森トラスト運動」で、植樹は昨年度に続いて2回目。本年度は苫小牧市で6月24日に開かれる第58回全国植樹祭(国土緑化推進機構主催)の開催記念行事として実施した。

 同法人は函館市内の建設会社が所有するゴルフ場整備予定地だった土地の一部約5・8ヘクタールを借り、「未来の森」と名付けて昨年度から人工林の育成や植樹を行っている。活動は函館が第一号で、今後は空知管内月形町でも植樹祭を開催する。

 この日は石子理事長が苗木を子どもに例えて「みんなで愛情持って育てていこう」とあいさつし、植樹を祝って園児が合唱を披露した後、作業をスタート。重そうにスコップを抱えた園児たちは、苗木を植えると一生懸命足で土を踏み固めていた。オーナーを募集したソメイヨシノの苗木は、購入者が誕生祝いなどの記念樹として植えた。

 参加した長縄祐里ちゃん(5)は「お花が咲いたら見に来たい」と笑顔。石子理事長は「植樹運動を通じて、自然に親しみ他人を思いやる心をはぐくみたい」と話していた。 (宮木佳奈美)


◎じろじろ大学スタート
 道教育大学函館校の学生と子どもたちが同じ視線で街を見つめる「じろじろ大学」が20日、スタートした。初日は8グループに分かれて「函館ウオークラリー大会」に出場。メンバー同士の親交を深めた後、本年度のプログラムについて意見を出し合った。

 同事業は街をじっくり「ジロジロ見る」ことから命名。子どもが主体的に活動し、学校ではできない取り組みをしようと、同大根本直樹准教授(社会科教育)が2003年にスタートさせた。当初、夏休みに集中的に行っていたが参加者の意見などを取り入れ、06年から月1度、年7回のプログラムへと移行。実行委メンバーに加え、学生ボランティアが運営している。

 昨年は市内さまざまな「街」を歩き、函館の「今」「昔」を学んだ後、函館を創造。函館の未来を模型に表し、最終日に発表会を行った。ことしは20日に参加者から出された意見を参考にしながら「なりきり記者」として、市内のさまざまなエリアを取材。また「開かれた学校」を目指し、道東の小学校とインターネットを介した情報交換なども検討している。

 本年度実行委員長に就任した嶋村幸子さん(社会文化情報コース3年)は「函館は学ぶ素材がたくさんあり、恵まれた土地。子どもたちと同じ視点で学び、地域貢献へもつなげたい」と意気込む。

 この日は小・中学生12人が参加。参加4年目の本間はるかさん(函館柏野小6年)は弟の郁登(ふみと)君(3年)と参加。「大学生は親しみやすい。毎年、楽しいプログラムがいっぱいなので、ことしも楽しみ」と話している。

 次回は6月17日実施予定。途中からの参加も可能。小学校3年生から中学校1年生までを受け付ける。問い合わせ、申し込みはファクスで根本研究室まで。ファクス番号はTEL0138・44・4262。 (笠原郁実)


◎稚児行列 いにしえ街道練り歩く
 【江差】聖徳太子の遺徳をたたえる「聖徳太子奉賛春の法要」が20日、江差町の真宗大谷派江差別院(中歌町)で行われた。愛らしい衣装に身を包んだ子供たちの稚児行列が、久しぶりの晴天に恵まれた「いにしえ街道」を練り歩いた。

 稚児行列には、町内外に住む子供たち約30人が参加。金の冠にきらびやかな衣装をまとった子供たちが、北前船時代の繁栄を伝える旧中村家住宅(重要文化財)の前を出発。雅楽の音色に合わせて母親に手を引かれながら、優雅に街道沿いを進んだ。

 沿道には、かわいらしいお稚児さんの姿を一目見ようと大勢の家族や参拝客が詰め掛け、盛んな声援を送った。 (松浦 純)


◎北斗、北海道犬展覧会と獣猟競技会
 【北斗】ヒグマをも恐れない狩猟犬として知られる北海道犬の全国大会「第156回北海道犬保存会本部展覧会」と「第90回同本部獣猟競技会」は20日、北斗市市ノ渡の旧家畜市場跡で開催された。全国各地から173頭の北海道犬が集まり、体の完成度やヒグマとの対決姿勢を競った。

 北海道犬は、1937年に国の天然記念物に指定された中型の日本犬。アイヌ民族がヒグマなどの狩猟に伴った。競技は「仔犬」や「成犬」「福寿犬」など年齢別7クラスの雄・雌別に競い、展覧会では体の色つやや各パーツの完成度を、競技会ではヒグマとの対峙(たいじ)のしかたが審査された。

 競技会では、巨大なヒグマがおりの中でうろうろと待機。発見から威嚇、間合いの取り方などが評価されるが、中にはクマを怖がって近付けなかったり、おりにマーキングするハプニングも。優秀なコンビは、飼い主が「オイオイオイ」などと声を掛けて絶えずコミュニケーションを取り、犬はクマにもひるまずほえて威嚇する動作を見せた。

 東京都から参加した河上洋子さん(57)は、5歳4カ月のリューベを出場させた。北海道犬の魅力について「無駄ぼえはないし、こびずに忠実なところが気に入っています」と愛犬を見つめていた。

 年齢別クラスをまたいで「全犬優勝」した犬の飼い主と所属支部は次の通り。(敬称略)

 【展覧会】 ▽雄=太田清一(小樽)▽雌=工藤政四(札幌)

 【獣猟競技】 ▽雄=河上利明(関東)▽雌=池本忠信(北陸) (小泉まや)