2007年5月22日(火)掲載

◎改選で76人から38人に…議場し改修、広々
 4月の選挙で議員数が改選前の76人からちょうど半分の38人となった函館市議会。議会事務局は、21日の第1回臨時会を前に、議席の撤去など本会議場を改修。道内最多の議員を抱えた“マンモス市議会”が姿を消した。改選後初の議会に臨んだ再選議員らは同日、「広くなりましたね」「理事者席が遠く感じた」などと感想を漏らしていた。

 合併直後の2004年12月の議員数は81人。縦3列48席だった議席を5列81席に拡充して対応。今回の改修で前2列33席を撤去し、合併前の配列に。最短で約80センチと接近していた理事者席との距離は、約3・5―4・3メートルに広がった。

 議場についてベテラン議員の一人、前副議長の北原善通氏(市民クラブ)は「寂しくなったなあ」と一言。「市長も正副議長も代わり、これから一緒に函館の新しい夜明けをつくっていきますよ」と話した。

 最前列に座る新人議員の紺谷克孝氏(共産党)は「(議場の雰囲気は)こんなもんかなとは思いました。理事者は多いが、これから議論していくという緊張感があります」と意気込んでいた。(今井正一)


◎議長に阿部氏、副議長斉藤明氏 監査委員は小野沢、工藤氏…函館市議会臨時会
 改選後初となる函館市議会(定数38)の臨時会が21日、開会した。正副議長選挙を実施し、議長に阿部善一氏(民主・市民ネット)、副議長に斉藤明男氏(新生クラブ)を選出。監査委員に小野沢猛史氏(市民クラブ)と工藤恵美氏(新生クラブ)を選任することに同意した。会期は22日まで。

 正副議長選は、本会議出席の37人で投票を行い、議長の阿部氏は有効投票36票のうち34票を獲得、無効票は1だった。副議長の斉藤氏は有効投票35票のうち33票を獲得、無効票は2。

 阿部氏は56歳。1995年に初当選し、連続4期目。決算特別委員会委員長や総務常任委員長などを歴任した。「責任の重みに身の引き締まる思い。公平公正な議会運営はもちろん、新しい地方分権時代に対応した機能が求められており、引き続き議会改革を進め、市民に信頼される議会の構築に努めたい」とあいさつした。

 斉藤氏は58歳。83年に旧恵山町議に初当選し、町議6回当選、市議1回当選。町議会議長を歴任し、2004年12月の合併後は市議会恵山議員団長を務めた。就任あいさつで「多種多様な課題に対応し、市民に分かりやすい議会の構築に向け、一層の支援をお願いしたい」と述べた。

 正副議長選挙は事実上、会派からの推薦候補に同意して投票する仕組み。民主・市民ネットと新生クラブが各10人の第1会派となったが、前期2年間の議長は民主、副議長は新生クから選出することを申し合わせた。民主の議長就任は1995年5月から連続して続いている。

 西尾正範市長が提出した監査委員の選任は、議長と当事者、欠席者を除く35人が投票し、小野沢氏は「可」が24票、「否」が8票、白票や賛否を明らかにしないものが3票、工藤氏は「可」25票、「否」5票、白票5だった。

 22日は3常任委員会の委員選任や正副委員長の選出などを行う。(高柳 謙)


◎函工 2年ぶり全道へ…春の高校野球
 第46回春季道高校野球大会函館支部予選(道高野連など主催)最終日は21日、オーシャンスタジアムで代表決定戦を行い、函工が函商の好投手・土手慎太郎(3年)から11安打に得意の足攻を絡ませ着実に加点、エース本庄惇也(3年)も2試合連続2けた奪三振の力投と投打がかみ合い5―3で快勝、2年ぶり14度目の代表権を射止めた。函商は37年ぶりの支部制覇はならなかった。函工は28日から札幌円山球場で開かれる道大会に出場する。組み合わせ抽選会は22日。(岡部彰広、小林省悟)


◎副会長に木村氏…函館国際観光コンベンション協・総会
 函館国際観光コンベンション協会(沼崎弥太郎会長)の通常総会が21日、ホテル函館ロイヤル(函館市大森町16)で開かれた。任期満了に伴う役員改選では、副会長の中野豊氏(72)、専務理事の内村正氏(64)が退任。後任の副会長には木村孝男氏(65)、専務理事には吉田明彦氏(60)がそれぞれ選ばれた。

 中野氏は7期14年、内村氏は2期4年務めた。新たに就任する木村氏は函館空港ビルデング専務、吉田氏は前函館市財務部長。このほか、沼崎会長と4人の副会長は留任となった。

 市の観光振興に寄与した個人・団体をたたえる観光表彰式が行われた。15個人・団体が栄誉を受け、柳沢勝副会長から賞状が贈られた。受賞者を代表して中野氏が「いただいた賞の重みを真摯(しんし)に受け止め、観光業界の発展に尽くしていきたい」と謝辞を述べた。

 なお、被表彰者は次の通り。(敬称略、カッコ内は勤務先または所属団体)(浜田孝輔)

 ▽観光事業功労者賞=中野豊(五稜郭タワー)佐藤豊和(函館鮨同業会)小山和男(函館朝市協同組合連合会)▽観光事業功績者賞=竹内ミドリ(湯の浜ホテル)佐々木敏則(マルカツ興産)工藤祐二(函館山ロープウェイ)▽観光事業優良従業者賞=戸部淳治(函館国際ホテル)河井政光(同)野口豊(五島軒)本間秀悦(同)奥田昌子(湯の浜ホテル)池田則生(魚長食品)白根昭彦(同)▽感謝状=箱館稜雲社、川瀬美樹(マルカツ興産)


◎会長に工藤上ノ国町長…桧山開発期成会
 【江差】桧山管内7町で組織する桧山総合開発期成会の定期総会が21日、桧山支庁で開かれた。任期満了に伴う役員改選では工藤昇上ノ国町長を会長に選出した。

 工藤町長は改選前までの副会長。同支庁管内町村会副会長も務めている。2人の副会長には外崎秀人今金町長、若狭大四郎上ノ国町議会議長を選出。工藤町長は「桧山には多くの課題がある。皆さんの協力を得て期成会の活動が一助となれば」とあいさつした。

 議事では2008年度の道開発予算要望に向けた、管内の重点事項について協議。重点懸案事項として(1)道路整備予算の安定的確保(2)渡島半島内での日本海ルート交通網の整備(3)北海道新幹線の建設促進―を柱に掲げた。

 個別の要望事項では、函館江差自動車道の木古内・江差間整備区間昇格、桧山南部と函館市を結ぶ国道227号の狭小トンネル解消などのアクセス改善を求める。

 波浪による海岸浸食が各町で深刻となり、越波などで住民の生活が脅かされている現状から、沿岸5町で海岸保全対策事業や護岸整備などを盛り込んだ。

 漁業振興に向けては、江差・上ノ国沖でのヤリイカ産卵礁、上ノ国沖のミズダコ産卵礁などの整備、サクラマス資源の造成に向けた乙部町栄浜での幼魚生産の推進などを求める。

 保健医療・福祉の充実に向けては、緊急医療の充実や災害時に初動措置の迅速化を図るため、乙部ヘリポートへの機材常駐や施設整備を働きかける。

 期成会では6月25日に町長・町議会議長が、道庁や開発局などに要望を行うほか、26日には上京して、国土交通省北海道局をはじめ、道内選出国会議員らを対象に要請活動を展開する。(松浦 純)


◎死者1人増の2人、事故は前年比9件減の59件…春の交通安全運動
 11日から20日までの「春の全国交通安全運動」期間中、道警函館方面本部管内で発生した交通事故は、前年同時期より9件少ない59件だったが、死者は1人増えて2人だった。1月からの累計でも減少傾向にあるが、高齢者の事故が増えており、同本部交通課は「高齢者、自転車の事故抑止策を展開したい」と話している。

 同運動は例年4月に行われていて、昨年5月の同時期と比較した。死亡事故は、12日に函館市千代台町で自転車とタクシーが衝突し自転車の男性(78)が亡くなり、20日には七飯町大川の国道5号(函館新道)で乗用車が分離帯に衝突し、運転していた男性(26)が死亡した。

 道路別では国道の事故が前年より8件減って15件。市町村道は1件増えて29件と最も多く、道道も1件増の14件だった。発生場所の地形は、市街地の交差点が34件(前年比5件減)、市街地の交差点が15件(同6件減)などだった。

 発生時間帯は、日中が6件増えて50件と8割以上に達し、逆に夜間の事故は15件減の9件と大幅に減少。発生曜日では週末の金、土、日曜が33件で前年を8件上回った。運転者の違反別では、前方不注視など安全運転義務違反に伴うものが46件と全体の8割近くに達した。

 期間中の死者2人は全道全体の6人の3分の1を占め、「人口比にするとかなり高い」と同課。さらに「1月からの累計では、件数、死者、負傷者とも前年を下回るペースなので、これが続けられるよう今後も指導、取り締まりを続けたい」としている。