2007年5月25日(金)掲載

◎濃紅の大輪トンネル…石崎地主海神社のヤエ満開
 函館市白石町248の石崎地主海(じぬしかい)神社の参道では、約170本のヤエザクラが満開となっている。約300メートルにわたり濃紅色の大輪が作るトンネルは迫力満点だ。

 このヤエザクラは「関山」。1968(昭和43)年、神社が現在地に移転した際、松前町から300本の苗木を譲り受けて植えられた。暖冬のことしは早く見ごろを迎えるかとみられたが、今月中旬の雨や寒さで足踏み状態となり、ほぼ昨年同様の時期に満開を迎えた。(山崎純一)


◎教育支援ボランティア派遣…6月から函教大
 道教育大学函館校(杉浦清志副学長)は、6月から学生を「教育支援ボランティア」として函館市内の小中学校に派遣することを決めた。放課後、授業時間内にかかわらず、学生は1人週1回、3時間程度を原則に実施。学生による授業支援を通じ、地域の教育振興に努める。同大(本部・札幌)の札幌、旭川、釧路校ではすでに同様の取り組みをしており、一部は授業単位として認定している。

 同大と函館市は2005年4月、相互協力協定を締結。函館校も市と教育にかかわる連携の覚書を交わしており、地域への貢献を模索してきた。他県の教育大によるボランティア派遣を知った教授陣の声と、市内小中学校から「授業中の“手”と“目”が欲しい」という要望を受け、学内組織「教育連携センター」(後藤嘉也センター長)を中心に、2006年度から準備してきた。

 この4月、市小・中学校校長会に希望を募ったところ、24日までに26校が利用を申し出た。うち22校は小学校で、市内全48校の半分近くに上った。後藤センター長(社会科教育教授)は「特別支援教育のスタートに合わせ、特別支援学級と通常学級とのかかわりの際のサポートや、支援が必要な子どもに対する補助要請が多いように感じる」と分析する。

 学生にとっても、現場での実践活動を通じ「教育者の卵」として資質を高める効果が期待される。教員を目指すことを前提に教育実習経験者を募集したところ、3・4年生約40人が参加する意向を示した。後藤センター長は「今後は、他年次にも呼びかけ、活動人数を増やしたい。将来的には、市内外問わずさまざまな学校に利用してもらえる態勢を整えたい」と抱負を語る。

 ボランティア学生と受け入れ校の担当教員、杉浦副学長、市教委指導主事らは29日、「打ち合わせ会」を開く予定。趣旨を説明した後、学生と各校の個別打ち合わせを行い、ボランティア内容を話し合い、事業開始に備える。(笠原郁実)


◎参院選と姥神祭に挟まれて… 江差町議選 投票日はいつ?
 【江差】任期満了に伴う江差町議選(定数12)が7月に告示される。これまで7月の第4日曜を投開票日としてきたが、本年度は1週間前の同22日が参院選の投開票日となる見込みで、選挙事務の日程が重複する恐れがある。6月2日の町選管で正式決定される予定だが、町は対応に苦慮している。

 町議の任期満了は8月10日で、30日以内に選挙を行わなければならない。2003年度の前回選挙は7月22日告示、同27日投開票だった。前回と同じ日程を組むと24日告示・28日投開票となるが、本年度は1週間前の同22日が参院選の投開票日となる見通しだ。

 この場合、23日未明まで参院選の選挙事務を行う町選管が、町議選準備に充てられるのは23日だけ。ポスター掲示板の差し替え、選挙カーの届け出など、町選管や関係機関の業務が1日に集中し、「業務を処理することが物理的に困難」(町幹部)との声が根強い。

 また、参院選と町議選の「ダブル選挙」は、両選挙で転出入などの時期により選挙資格が異なるほか、開票作業が複雑化するため早い時期に見送られた。

 代替案として有力視されているのが、例年より1週間遅い8月4日の投開票。だが、4日は道内最古の祭り「姥神大神宮渡御祭」(8月9―11日)の開幕直前。祭礼準備が佳境を迎え、山車の準備や飾り付け、祭ばやしの練習など、町内全体が祭り一色に染まる時期に当たる。

 このため、立候補予定者だけでなく町民からも「町民が1年のすべてをかける姥神大神宮渡御祭の直前に町議選を実施すれば総スカンを食らう」「祭りへの町民の思いは特別。選挙どころではない。投票率にも影響が出る」との声も上がり、町は決めかねている。

 町議選をめぐっては、3月の定例町議会で定数を16から12に削減。数人の現職が引退の意向を示す一方、複数の新人が立候補を予定しており、早くも乱戦が予想されている。(松浦 純)


◎「名勝ぜひ紹介して」…香雪園の園亭内見会
 6月1日から一般開放される旧岩船家庭園(見晴町、通称・香雪園)の園亭で24日、観光業界や報道関係者を対象にした内見会が行われ、バス、タクシーなどの業界関係者ら20人に内部が公開された。

 旧岩船家庭園は道内有数の呉服商だった故岩船峯次郎氏が1898年ごろ、別荘として造成した純日本庭園。1959年に市有化され、2001年には国から道内唯一の名勝指定を受けた。市は文化庁の補助を受け、2004年度から復元整備を進めていて、園亭は写真資料や発掘調査を基に大正時代の姿に復元。こけらぶきの屋根を再現するなど、当時の建築技術を用いた。

 この日は市土木部が復元整備の経緯や概要、利用方法などを説明し、「観光業界の方には道内唯一の国指定の名勝である庭園を、お客さんに紹介してもらいたい」とPR。参加者は駐車場の整備や開放時間などについて質問し、室内を見て回り、庭園を眺めていた。市内のタクシー会社の男性社員(58)は「30年ぶりに訪れたが、復元されたのは喜ばしい。これからは観光客にもっと紹介したい」と話していた。

 園亭の見学は4月から11月までで無料。茶会や生け花、句会などでの貸し切りは通年で利用でき、1週間前までに予約が必要で、使用時間に関係なく1日750円。定員30人程度で、備品の貸し出し可。時間は午前9時から午後5時まで。問い合わせは市住宅都市施設公社花と緑の課TEL0138・40・3605。


◎初動態勢を確認…道警函本など駒ケ岳噴火想定し訓練
 道警函館方面本部と函館中央、森両署は24日、同本部や森、七飯、鹿部各町で駒ケ岳噴火災害初動体制確立訓練を行った。駒ケ岳が小噴火したとの想定で、周辺道路の交通規制や避難住民への対応、被害状況の調査・確認など、担当部隊ごとに人員を配置。人命救助と被害の食い止めを最優先した初動体制を確認した。

 関係機関との連携体制を高めるため、函館開発建設部、函館土木現業所、森町も初めて参加。約300人と道警本部航空隊のヘリコプター、函館西署の警備艇「おしま」が配備された。七飯町大沼、森町などの主要18地点に実際に人員と車両を配置した。

 道警函本内の災害警備本部には、札幌管区気象台の臨時火山情報などの情報が続々と寄せられ、警備、地域など各班の担当者が浦谷博美本部長に報告。交通班は、地図を基に山ろくの国道の通行止めやう回路の確保などを伝えた。

 終了後は浦谷本部長が講評。「約1時間後に初動部隊の配置を完了し、災害警備に必要な体制が確立された。関係機関と密接に連携した活動を目指し、職員一人一人が危機管理意識を醸成し、迅速な体制確立を徹底してほしい」と話した。(原山知寿子)


◎江差中移転論も浮上…検討委初会合
 【江差】江差町の「旧道立江差南高等学校跡地利用方策検討委員会」の初会合が23日、同町役場で開かれた。跡地利用問題をめぐっては、老朽化が著しい町立江差中の移転論も浮上しており、検討委は7月上旬までに意見集約して濱谷一治町長に報告する方針だ。

 検討委は有識者、PTA、商店街関係者ら12人で組織。元教育長の澤田静憲氏を委員長に選んだ。

 会議では町総務政策課の担当職員が、旧江差南高に老朽化が著しい江差中を移転する場合のメリットやデメリットについて説明。旧江差南高の校舎面積は江差中の2・5倍で、不要部分の取り壊しなどが必要という。校舎は新築から約20年が経過。近く大規模改修が必要で、江差中を改築する場合と比較しても、ほぼ同額の財政負担が生じるとした。

 一方、江差中校舎は最も古い部分が1960年の建築で、61年、65年、68年と段階的に建て増ししており、耐用年数を過ぎた部分もあるという。

 町は桧山支庁統廃合などを考慮しなければ、生徒数は今後10年間は現状程度で推移すると分析。耐用年数が残る既存校舎を取り込む形で改修を図り、生徒数に見合った校舎の規模を確保できると説明した。だが、町の財政難から改修時期を明らかにできないと説明した。

 検討委は7月までに3回程度の会議を開く。江差中移転は賛否両論があるため結論は出さず、濱谷町長が報告内容を踏まえ、9月の定例町議会までに是非を判断する方針だ。(松浦 純)