2007年5月26日(土)掲載

◎市内中学校 体育祭シーズン
 25日を皮切りに6月2日まで、函館市内の中学校は「体育祭」シーズン。短距離走や長距離走、クラス対抗のリレーなどが行われ、生徒たちは熱い戦いで心地よい汗を流す。

 函館本通中学校(高野茂校長、生徒698人)は25日、「第33回体育大会」を開催。小雨が降り、強風が吹くなどの悪天候にも負けず、生徒は7チームに分かれ、100メートル走や1500メートル走などに元気いっぱい取り組んだ。

 午後1時、プログラムの締めくくりとして大勢の保護者や地域住民が見守る中、「新・本中よさこい」を披露。市内最多人数の生徒に、約40人の教職員も加えた総勢740人がそろいの法被と鉢巻きを身に着け、一体となって舞った。

 養護教諭の平田陽子さん(54)がYOSAKOIソーランをヒントに、4月初旬から教員と代表生徒らに指導。2004年度に創立30周年を記念して作られたオリジナルの振り付けに、生徒の意見を取り入れ毎年、新たな踊りに挑戦している。

 初めての演舞となった1年生の佐藤理奈さん(12)は「動きの激しいところが見せ場。覚えるのは大変だったが、全員でそろうとうれしい。楽しく踊ることができました」と声を弾ませていた。(笠原郁実)


◎道移住促進協アンケート、体験者の4割「移住希望」
 北海道移住促進協議会事務局(函館市企画部)はこのほど、昨年度の移住体験者に実施したアンケート結果をまとめた。移住体験地を選んだ理由は「道内でも雪が少なく温暖である」との回答が比較的多く見られ、体験した地への移住を「考えている」と答えた人は4割に上った。事務局は「道南圏は気候面でも優位にある。移住に結び付けるため、オール北海道で受け入れ態勢をさらに進める必要がある」と話している。

 昨年度は7月から3月までに142件の移住体験があった。市町村別の受け入れは函館市が23件でトップ。次いで室蘭市15件、伊達市と石狩管内当別町、根室管内中標津町の11件など。道南では江差町5件、森町3件、八雲町2件の受け入れがあった。

 アンケートは94人から回答があり、年代別では60代が36人、50代が32人で、この年代だけで全体の7割強を占める。体験地への移住の意向を聞いたところ、39件、41・5%が「ある」と答えた。体験地以外への移住や、場所は未定だが移住を検討している人も32件、34%いた。

 事務局は体験移住者の4割が、事業を通じて完全移住や季節移住の考えを持っている「移住予備軍」ととらえ、体験事業への多様なニーズに応え、それぞれの地域特性を生かした受け入れ態勢を整備していく必要があるとしている。

 体験地を選んだ主な理由は、温暖な気候以外に「空港やフェリー乗り場が近く、交通の便が良い」「観光都市で風光明美」「温泉がたくさんある」「自然環境に恵まれている」など。

 移住体験事業の情報入手の方法は、インターネットが38件、新聞が15件で、その他40件はテレビや雑誌が多く、東京の北海道物産展で知ったという声もあった。

 今後欲しい情報は、住宅や求人、国保料の負担の差、行政サービス、冬場の服装、医療施設の専門性、ペットOKの賃貸住宅―などさまざま。オール北海道での取り組みのほか、函館市はホームページの情報充実や移住者によるアドバイザー制度など、各種受け入れ態勢の整備を進め、市民の理解と協力も得ながら移住促進事業を進めていく。(高柳 謙)


◎4月の道南有効求人倍率0・53倍
 函館公共職業安定所は25日、4月の渡島・桧山管内における雇用情勢を発表した。求職者1人に対する求人数を示す有効求人倍率は、前年同月比0・02ポイント増の0・53倍と、6カ月ぶりにプラスに転化。先行指標となる新規求人倍率は同0・05ポイント増の0・70倍と2カ月連続で上昇したものの、管内での常用を希望する求職者とのミスマッチは解消されていないことから、改善傾向は一進一退の状況が続いている。

 月間有効求人数は、新規や繰越求人の動向から、同2・1%増の5749人。新規求人数は、同3・6%増の2371人で、内訳は常用求人(パートを除く)が同3・2%増の1554人、パート求人(常用)が同4・3%増の817人だったが、就労地が管外・道外の求人(求人5人以上の事業所)が150人増、派遣求人が51人増となったことによる。

 新規求人を産業別で見ると、建設業が同61人減の140人、公務が同43人減の10人、卸売・小売業が同40人減の475人、製造業が同26人減の244人などと低調。一方、サービス業は同94人増の577人、医療・福祉が同47人増の355人、情報通信業が同42人増の137人、運輸業が同23人増の112人と好調だった。

 新規求人に占める常用パート求人の割合は34・5%で、同0・3ポイントの増加。離職者は同10・5%減で、内訳は、事業主都合(リストラ)が同7・7%減、自己都合が同11・7%減だった。(浜田孝輔)


◎道新幹線建設促進道南地方期成会総会、建設財源確保に重点
 北海道新幹線建設促進道南地方期成会(会長・高野洋蔵函館商工会議所会頭)の本年度総会が25日、函館市内の函館国際ホテルで開かれた。本年度の要望項目として、新函館までの早期開業と札幌までの延伸実現に加え、建設財源の確保と財源措置の充実強化などに重点を置くことを決めた。

 同期成会は渡島・檜山管内の全市町と関係団体で組織。総会には会員約40人のほか、来賓として道南地域の衆院議員や道議らも出席。高野会長は「地域の経済活性化のためにも一日も早い新青森―新函館間を開通させるとともに、道民の悲願である札幌までの延伸を、みなさんの協力で実現しよう」とあいさつした。

 総会では前年度の事業報告として、「函館野外劇」公演において新幹線の舞台装置を用いて、観客に新函館開業をアピールした活動内容などを紹介。本年度もこれまで同様、積極的な要望活動を行うとともに、講演会やフォーラムを開催して地域の機運を高めていくことなどを決めた。

 総会後は、建設主体である鉄道建設・運輸機構の市橋学北海道新幹線建設局長が現在の建設工事概況を報告。昨年1月に着工した渡島当別トンネルの進ちょく状況や、本年度中に長万部駅などの駅部調査が行われることなどを説明した。(小川俊之)


◎未来大が北陸先端科学技術大学院大学と学術交流協定締結へ
 公立はこだて未来大学(中島秀之学長)は、北陸先端科学技術大学院大学(石川県、潮田資勝学長)と学術交流協定を結ぶ。29日に潮田学長ら同大学院大学5人が未来大を訪れ、調印式を行う。未来大にとってはチューリッヒ・アート・デザイン大(スイス)、ダルハウジー大(カナダ)、電気通信大、ユトレヒト大(オランダ)に続いて5校目の協定締結。

 北陸先端科学技術大学院大は1990年、国立として初めて、研究科だけの大学院大学として開校。知識科学研究科、情報科学研究科、マテリアルサイエンス研究科など情報系3つの研究科があり、これまでに未来大の卒業生3人が進学している。

 以前から親交のあった中島、潮田両学長が、互いの研究に参画し合う「人材交流」を目指し、昨年秋ごろから協定締結への準備を進めてきた。一つの大学では狭まりがちな視野を、大学院間の交流を通じて幅広い考え方や知識を身につけるのが狙い。

 協定について未来大は「文化の交流を行うことで、大学全体、個人にも良い影響があるのでは」と期待する。

 両大は共同研究、セミナーの実施、教職員や大学院生の交流、学術的資料や出版物などの交換、大学院への推薦・受け入れを行う予定。

 交流事業の一環として、29日午後4時半から未来大で「大学間学術交流シンポジウム」を行う。学生、教員のほか一般の参加も可能。北陸先端大の二木(ふたつぎ)厚吉教授が「ソフトウェア工学と形式手法―ソフトウェアに強くなる―」をテーマに講演する。希望者は直接会場へ。(笠原郁実)


◎縦貫道・江差道期成会、高速交通網の早期整備を引き続き国や道に要望
 北海道縦貫自動車道建設促進道南地方期成会と高規格幹線道路函館・江差自動車道早期建設促進期成会(ともに会長・西尾正範函館市長)の本年度総会が25日、函館市内の函館国際ホテルで開かれた。両総会とも前年度の事業経過報告や決算、本年度の予算などを承認。道路特定財源の見直しなど、厳しい社会情勢の中、高速交通網の早期整備に向け、引き続き国や道に要望活動を実施していくことを確認した。

 道縦貫道は昨年、八雲インターチェンジ(IC)まで供用を開始。総会では、東日本高速道路(NEXCO)の山嵜勝志函館工事事務所長が、2010年度までに八雲―落部IC間16キロ、12年度までに落部―大沼IC間の30キロの開通を目指し、用地買収などを進めている現況を報告。大沼―七飯IC間は、函館開発建設部(開建)が新直轄方式で整備する。

 西尾会長は「大沼―八雲間の確実な供用と七飯―大沼間の早期整備に向け、全力で取り組んでいく」とあいさつ。函館開建の福井孝部長は「道路特定財源の議論や予算も厳しい状況だが、しっかり確保して整備を進めたい」と述べた。

 一方、函館・江差自動車道期成会で西尾会長は「国道228号の渋滞が緩和されるなど、整備効果が表れている」と述べた。現在、上磯―富川IC間の開通を目指し、茂辺地高架橋などの工事が進められている。

 進ちょく状況について函館開建の福本淳次長は「富川ICの出口部分の工事が、JRの線路の下をくぐるため2年はかかる。本線は茂辺地まで並行して進んでいる。まずは、富川までだが、(茂辺地までは)間髪入れず開通させたい」と見通しを語った。

 両期成会には、それぞれ道や国の機関からの来賓、渡島・桧山管内の17市町長、関係者ら約40人が出席した。(今井正一)