2007年5月28日(月)掲載

◎残念…各小学校で運動会中止
 多くの小学校で運動会を予定していた27日、日本海に停滞する低気圧の影響で渡島・檜山管内は朝から雨。函館市内各小学校は午前中に運動会の中止、延期を決めた。

 前日までに教職員や保護者など10人で走路にブルーシートをかぶせ、運動会実施に備えてきた函館亀田小学校(横井明校長、児童379人)は午前6時、運動会中止を決定。校区内10カ所に運動会中止を知らせる札を出した。横井校長は「(中止を知り)児童は元気がない様子で私も残念。グラウンドが回復する29日に行うので、地域の人など多くの参加を待っている」と呼びかける。26日実施予定だった学校を含め市内の多くの学校は28日から30日の平日に運動会を延期する予定。

 函館海洋気象台によると27日の最高気温は平年より8度ほど低い9・9度。5月下旬の最高気温が10度に達しなかったのは1987年5月24日の8・6度以来20年ぶり。28日は低気圧とともに寒気も両管内からそれ、29日まで好天が続く見込み。


◎37人 念願の全国切符…江差追分全国大会 地区予選会
【江差】かもめの鳴く音にふと目をさまし、あれが蝦夷(えぞ)地の山かいな―。第45回江差追分全国大会(9月21日開会、主催・江差追分会)に向けた第26回江差地区予選会(大会長サ浅沼春義・江差追分会江差地区運営協議会長)が27日、江差町文化会館大ホールで開かれた。

 同予選会には追分の本場・江差町をはじめ上ノ国、厚沢部、乙部町など檜山南部で活動する追分会支部から熟年の部27人、一般の部79人がエントリー。全国大会も行われる同会館の舞台で練習の成果を披露した。

 息が途切れることなく朗々とした節を歌い上げると出場者は満足げな表情を浮かべ、大勢の観客からも盛んな拍手が送られた。

 同予選会では熟年9人(補欠5人)、一般28人(同5人)が予選を通過。審査結果が発表されると、会場では喜びの声や拍手が随所で起こった。ステージでは念願の全国大会出場への切符を手にして、満面の笑みを浮かべる予選通過者一人ひとりに記念メダルが贈られた。

 本年度の全国大会は45回目の記念大会。9月21―23日の3日間にわたり、日本全国の予選会を勝ち抜いた出場者が、自慢ののどを競い合う。21・22日は予選会、23日には決選会が行われ、45人目となる“追分日本一”が誕生する。(松浦 純)


◎お化粧隊出動!…メークで若返り
 メークと笑顔を届けたい―。函館市内・近郊に住む会社員やエステティシャン、理容師ら22人で構成する「お化粧隊」(岡田朋子代表)が活動をスタートさせた。函館市内・近郊の高齢者福祉施設を訪れ、ボランティアでメークやマッサージ、顔そりなどを実施。施術後、鏡をのぞきこみ、感嘆の声を上げる施設利用者に、メンバーの笑顔が広がった。

 高齢者との会話を楽しみながら、簡易なメークを行うという釧路市内の市民団体の活動を知った岡田代表らが3月下旬に、隊を立ち上げ。メークは初めてという男性メンバーもいたが、メンバー同士のメーク講習会も行うなど準備を重ねてきた。

 2回目の“出動”となった27日、メンバー6人は北斗市東前74のグループホーム北陽(末廣哲哉施設長、入居者17人)を訪問。メンバーはやさしく声をかけながら、男性には顔そりやオイルを使用した腕のマッサージを、女性には顔そりやメークを施した。

 メンバーの一人、森町在住の自営業工藤龍二さん(31)は佐々木ソメさん(79)を担当。「メークなんて久しぶり」と顔を赤らめる佐々木さんに工藤さんは「この色はいかがですか」などとチークや口紅の色を相談しながら、約10分後、ピンクのほお紅と口紅で春らしいメークが完成。佐々木さんが「恥ずかしいけれどまた、来てね」とほほ笑むと工藤さんも大きくうなずき、「練習したかいがありました。いつか、母親にも(メークを)してあげたい」と話していた。

 同隊は次回6月9日、函館市内の福祉施設への“出動”が決まっているが、その後は未定。岡田代表は「多くの施設からの要望を待っています。また、衛生面を考え、使い切りタイプのサンプル品を使用しているので、化粧品の提供なども待っています」と呼びかける。

 訪問メークの問い合わせ、申し込みは岡田さんTEL0138・22・0770(HIF内)。 (笠原郁実)


◎船舶や鉄鋼くず好調…4月の函館港貿易概況
 函館税関は4月の函館港貿易概況をこのほど発表した。輸出は船舶や鉄鋼のくずなどが好調で、前年同月の12・5倍にあたる29億2300万円と大きな伸び。輸入は石炭や魚介類・同調製品が数字を下げたものの、小麦や動物性油脂などが増加したことから、前年同月比5・3%増の8億8600万円だった。

 輸出の品目別では、船舶がマルタ籍の貨物船1隻が26億9700万円。また、鉄鋼のくずが同60・9%増の1億8300万円、魚介類・同調製品が全増の5000万円と、全体では2カ月ぶりのプラスとなった。

 輸入は、ロシアからの石炭が同68・7%減の1億2500万円、ペルーや中国からのイカなどが減少した影響で、魚介類・同調製品が同13・3%減の2億4600万円。

 しかし、米国やカナダからの小麦が全増の1億5700万円だったほか、デンマークからの動物性油脂が全増の1億2700万円、西欧からの木材が同60・4%増の5200万円になるなど、全体では2カ月連続で増加した。

 また、道内の貿易概況は、輸出が同31・4%増の327億600万円と、過去最高だった昨年10月の383億5000万円に次ぐ高水準。船舶が26億9700万円、鉄鋼が同42・1%増の69億1900万円、一般機械が同12・1%増の53億9900万円などだった。

 輸入は、トウモロコシが単価上昇から同81・9%増の38億5800万円、ウッドチップが同53・2%増の30億9700万円などと好調。しかし、石炭が同42・5%減の40億4800万円、原・粗油が同3・1%減の523億4800万円に落ち込むなど、全体では2カ月ぶりのマイナスだった。(浜田孝輔)


◎受験生にチャンス広がる…未来大の入試方法変更
 システム情報科学部の単科大、公立はこだて未来大学(中島秀之学長)は2009年度入試から一般選抜入試とAO入試で入試方法や入試科目を大幅に変更することを決めた。大学入試センター試験では国語科など必要科目は増えるが、大学独自の個別試験では数学と英語の2科目に削減。ほとんどの高校生が履修する「数学UB」でも受験できるようになり、同大は「受験生の幅が広がるのでは」と期待する。

 完全週休2日制や学習内容、授業時数の削減などを盛り込み1999年に改正された学習指導要領に基づいたいわゆる「ゆとり教育」に対応するとともに基礎知識の徹底、「情報」に対する深い興味を持った受験生にチャンスを与えようと、2005年度から検討。

 08年度まで一般選抜試験の前期は大学入試センター試験の英語、数学の2教科3科目に同大独自の個別学力検査の必修科目(数学、英語)と物理TU、生物TU、数学VCなどから1科目を選択。いわゆる「理系科目」を必ず学ぶ必要があった。

 09年度以降、大学入試センター試験では現行科目に国語(現代以降)、理科(生物T、化学T、物理T、地学T)を新たに加え4教科5科目。個別学力検査では数学、英語はそのままに、選択科目で現行の数学VCのほか数学UBも選ぶことができるようになった。

 また、AO入試の基礎学力検査も変更。現行の英語はそのままに数学TAUB、デザイン、さらに必履修科目の情報科学から選択が可能になる。

 同大入試委員会実施責任者の鈴木恵二教授(情報アーキテクチャ学科)は「一次は基礎力重視、二次では『情報』という課題をいかに活用できるかで判断する。大学入学後は専門的知識も必要だが、数学VC、物理の内容を確認する講座もあるので、心配せずに受けてほしい」と話している。(笠原郁実)