2007年6月1日(金)掲載

◎五稜郭公園フジ棚見ごろ
 函館市の五稜郭公園では、二の橋付近にあるフジ棚の花が見ごろを迎え、鈴なりとなった紫や白の花が来園者を喜ばせている。周辺のツツジも鮮やかに咲き誇り、園内は初夏の彩に包まれている。

 フジ棚の高さは約3・5?、長さ約30?。頭上を花が覆い尽くし、甘い香りで来園者を魅了する。ことしの咲き具合はほぼ例年並み。来園者は清らかな花のカーテンの合間からこぼれる日差しを浴びながら、写真に収めたり香りを楽しんだりしている。(山崎純一)


◎情報公開請求8710件…函館市・昨年度
 函館市は2006年度の情報公開制度と個人情報保護制度の利用状況をまとめた。情報公開制度に基づく公文書の公開請求者は過去最多の152人、件数は8710件だった。件数は過去最多だった05年度の2万4044件から3分の1近くに減った。民間福祉施設建設をめぐる一連の問題に関する公開請求が目立った。

 06年度に公開請求があった8710件の公文書のうち、公開は8191件、プライバシー侵害などの恐れがあるとして一部公開となったのは452件、非公開は59件、申請者の取り下げ8件だった。

 介護付き有料老人ホーム建設をめぐる疑惑が表面化した1月以降、福祉施設関連文書の請求が533件あった。

 このほかの請求文書は▽保育園民営化に関係する資料▽旧函館ドック跡地の大型クレーン売却に関する情報▽指定管理者決定の経緯と結果が分かる文書▽市議会政務調査費の収支報告書―など、市政の関心事が目立つ。

 05年度の情報公開件数が約2万4000件と突出して多いのは、市民団体が請求した市民会館の利用状況などに関する公文書だけで約1万6000件あったため。

 情報公開請求は市役所6階、文書法制課が窓口となり、原則として請求から14日以内に開示するかどうかを決定する。1991年度から実施しており、制度が浸透してきている。

 一方、個人情報保護制度の運用状況は、3月31日現在で2960件あった。個人情報の収集例は、市の委員会や審議会の委員選任、生活保護の認定、介護保険の申請や変更手続きなどさまざま。

 市が国や道の官公庁、他の自治体などへ提供した個人情報は8万2306件で、前年度並みだった。外部提供の半分以上は税に関する情報で、所得や資産に関する内容が多いという。(高柳 謙)


◎推進機構設立は来年度 財団方式、基金3―5億円目指す…海洋構想
 函館国際水産・海洋都市構想推進協議会(高野洋蔵会長)は、同構想にかかわる事業を総合的に進める「推進機構」を2008年度の早い時期に設立する。財団法人で設立し、運用益を生み出す基金を3―5億円積むことを目指す。本年度は設立準備委員会を設置し、財団設立に向けた協議を進める。

 31日に函館市内のホテルで開いた同協議会の本年度総会で、方針を決めた。推進機構の設立は昨年度の総会で決定しており、設立検討委員会が1年間かけて、望ましい組織の形や業務、年間の予算規模、設立までのスケジュールなどを協議してきた。

 推進機構は、現在の推進協議会に代わる組織。水産・海洋に関する学術研究都市を築き、開発した技術で新産業創出などを目指す海洋構想を総合的に進める。関係施設の維持管理や共同研究受託の仲介、特許申請などのコーディネート機能を持たせる。

 検討委員会の三木谷信座長が、1年間の検討結果を報告。株式会社やNPO法人(特定非営利活動法人)より、基金の運用益で事業費の一部を生み出していく公益財団法人の形で設立するのが望ましい、とした。

 3―5億円の基金の積み立てを目指し、08年度の発足から4年間は、年間2400万円の事業費うち1000万円程度を運用益から生み出したい考え。ただ、市や経済界の財政状況は厳しく、今後発足する設立準備委員会で基金造成が可能かなどを協議していく。

 総会ではこのほか、旧函館ドック跡地に計画している「国際水産・海洋総合研究センター」設立に向けた調査を進めていくことなどを決めた。(高柳 謙)


◎「函館に新しい息吹」…日銀審査委員・西村氏が来函
 日銀審議委員の西村清彦氏が31日、函館国際ホテル(函館市大手町)で開催の金融経済懇談会に出席するため、函館入りした。西村氏は、地元の行政機関や経済界の代表者らを前に、国内の経済や物価情勢などに関する現状や展望を示し、道南の活性化に向けて意見交換を行った。

 同懇談会は日銀が毎年、全国の10カ所前後で展開していて、函館では2005年2月以来。西村氏、服部誠弘同銀函館支店長のほか、地元からは西尾正範函館市長、成田一憲渡島支庁長、函館商工会議所の役員、各界の協会・組合、金融機関の代表者ら14人が出席した。

 あいさつした西村氏は「北海道経済の現状はいまだ厳しい中、新しい息吹を函館で感じることができる」と説明。具体例として、同市西部地区をスペインのバルに見立てて飲み歩きを楽しむイベント「バル街」や、湯の川温泉街を主会場にした体験型ロングランイベント「はこだて湯の川温泉泊覧会(はこだてオンパク)」の成功、大手ホテルチェーンの進出などを挙げた。

 出席者からは、首都圏と相違の見られる景気回復の鈍さを懸念し、地域再生に向けた質問が集中。西村氏は「函館には、地域再生の種がたくさんある。大学を核にしたり、新たな事業を優遇策で引き寄せたりするなど、いろいろな施策を積極的に活用するのが重要」などと提言した。(浜田孝輔)


◎道が人事異動を発表
 道は31日、1日付人事異動を発表した。規模は知事部局の主査以上で計2707人。内訳は部長、次長級175人、課長級313人、主幹級652人、主査級1567人。渡島支庁長には建設部まちづくり局長の畑秀叔氏(54)、檜山支庁長には企画振興部次長の亀谷敏則氏(57)がそれぞれ就任する。

 渡島支庁長を務めた成田一憲氏は道経済部参事監、檜山支庁長の武内良雄氏は道水産林務部長に転出する。

 新渡島支庁長の畑氏は1953年生まれ。76年に北大工学部を卒業して道庁入り。2005年に小樽土木現業所長、06年からまちづくり局長。

 新檜山支庁長の亀谷氏は1950年生まれ。68年留萌高卒。2004年に道交通企画室長、06年から企画振興部次長。(小川俊之)


◎禁煙 あきらめないで…パネル展示健康被害紹介 総合福祉センター
 5月31日は「世界禁煙デー」。函館市総合保健センター(五稜郭町23)で同日、喫煙の健康被害を周知する「禁煙週間キャンペーン」(市立函館保健所主催)が始まった。たばこと健康に関するパネル展やビデオ上映などを通じ、禁煙を呼び掛けている。6日まで。

 禁煙週間(31日―6月6日)に合わせて毎年開催。本年度はパネル9点と、喫煙と非喫煙の肺模型を展示している。パネルでは喫煙ががん以外にも動脈硬化を促し、生活習慣病の危険因子となることを解説。女性の場合、低体重児の出産、早産・流産の危険性が高まると警鐘を鳴らしている。

 たばこの先から立ち上る「副流煙」は、直接吸い込む「主流煙」よりも有害物質が多く、周囲の人への影響が大きい点を指摘し、受動喫煙防止や喫煙マナー順守の徹底を訴えている。禁煙アイデア集では、「喫煙用具を捨てる」「当面酒席に出ない」「散歩やスポーツでイライラを解消する」などの10の手法を提案している。

 また同保健所健康増進課では禁煙希望者の健康相談にも対応。2006年度から禁煙外来への保険適用が可能になったことを受け、昨年6月から禁煙外来を紹介している。06年度は来所や電話で30件の問い合わせがあり、年代は20代から60代で8割が本人だった。「夫に禁煙してもらいたい」など家族からの相談、「飲食店が分煙になっていない」などの苦情もあった。同課によると、4月現在、保険適用の禁煙外来が市内に18件あることが社会保険事務所への照会で判明した。

 同課は「禁煙は動機付けと自分の強い意思がないと難しいが、禁煙外来などを利用し、挫折してもあきらめないで何回でもチャレンジしてほしい」と話している。(宮木佳奈美)


◎収穫が楽しみ!…昭和小児童が田植えに挑戦
 函館昭和小学校(亀谷幸夫校長、児童512人)の5年生85人は31日、敷地内に新設した水田に道南生まれのコメ「ふっくりんこ」の苗を植えた。半袖、半ズボン姿の子どもたちは、足場が不安定な田に四苦八苦。慣れるにつれ「おいしくな〜れ」などと声を掛けながら丁寧に取り組んだ。

 同校は社会科の授業の一環として毎年、バケツでコメを栽培。だが、新校舎誕生後「コメ作りを通じ、人とかかわり合える場所を作りたい」と芝生予定地を学校関係者が整備し、約75平方?の水田が誕生した。市教委によると敷地内に水田を設けるのは珍しいという。

 児童は4月の水田整備のため、石拾いから作業を始め、5月下旬には代かきも行った。この日は渡島農業改良普及センターや農協職員のほか、同校近くに住む農業、滝花友之さんも講師として参加。滝花さんは「深く植えない」「本数をそろえて」などと指導した。

 成澤麗菜さん(10)は「水田は冷たかったけれど楽しかった。大事に育ておいしく食べたい」と声を弾ませていた。児童はこの後、10月の収穫までを体験。順調に育つと約40キロのコメが収穫できるという。(笠原郁実)