2007年6月13日(水)掲載

◎五稜郭タワー・サツキ展示
 五稜郭タワー(函館市五稜郭町43)のアトリウムに12日から、白やピンク、紫色などといった、さまざまな花をつけたサツキの鉢植えが展示され、真夏を思わせる光が注ぎ込む室内に彩りを添えている。17日まで。

 鉢植えは、同市山の手3の深見欣一さん(67)が栽培した約20鉢。ことし3月に、クンシランを同タワーに持ち込んで展示したところ、好評だったことから、今回はサツキを飾ることになった。

 深見さんの自宅庭には、寒さに弱いサツキを冬越しさせるために温室を完備。栽培して40年を超える「好月」や「山の光」は、高さ約90?に達する。年数を重ねるごとに白に赤が混じる花が見られるなど、味わい深い色合いが目を引く。

 深見さんは「函館では珍しいサツキを多くの人に見てもらい、楽しんでほしい」と話している。 (浜田孝輔)


◎奥尻空港の就航率大幅アップ
 【奥尻】2006年3月に新1500メートル滑走路が供用開始した奥尻空港は、空港施設の整備や航空機の大型化で、旧滑走路時代の05年度は年度平均83%だった就航率が、06年度は94・5%と大幅に改善したことが、函館土木現業所(中田敬人所長)のまとめで分かった。

 就航率は、航空ダイヤによる予定便数に対する実際の運航実績を示す割合。05年度は83%だった。濃霧などの悪天候が続いた6月には66・7%、暴風雪に見舞われる2・3月は73・2%と低迷。これに対して06年度の就航率は94・5%で、05年度より11・5上昇。中でも6月は90%と大幅な伸びを示し、冬季も2月(96・4%)、3月(93・5%)と大幅に改善。8、10、11の3カ月は1便も欠航がない100%の就航率を達成した。

 同空港の旧800メートル滑走路時代は、悪天候や濃霧で欠航が相次いだ。冬季には奥尻―江差を結ぶフェリーが欠航することもあり、島外との交通手段が絶たれる状況に陥った。

 新1500メートル滑走路の整備により、滑走路の誘導灯火類が増強され、離着陸が容易になった。また、供用開始に合わせて旧エアー北海道(ADK)が運航していた旧型のツインオッター(19人乗り)に代わり、路線を引き継いだ北海道エアシステム(HAC)が新型のサーブ340B(36人乗り)を導入。同土現は機体の近代化に伴い、全天候性や離着陸性能の向上が図られたことで、就航率が大幅に改善したとみている。

 一方、奥尻―函館線の搭乗率は、ADK時代には50―60%前後だったが、機体の大型化で客席が増加したことにより、本年度に入ってからは月平均30%強と伸び悩んでいる。

 亀谷敏則・檜山支庁長は12日の記者会見で「増便のほか島民が利用しやすい運航時間の設定を検討することも必要ではないか。島内をはじめ奥尻観光のPRなどにより乗客の掘り起こしを図るべきだ」との考えを示した。 (松浦 純)


◎亀谷桧山支庁長が着任会見
 【江差】1日付で着任した亀谷敏則・桧山支庁長が12日、同支庁で着任会見を行い「道内有数の歴史と文化がある地域で仕事ができることをうれしく思う。少子高齢化や経済低迷など課題が多い中で、各町で活性化の芽が育ってきた。さらに芽を伸ばしていくため頑張っていきたい」と就任の抱負を語った。

 支庁制度改革に伴う桧山支庁統廃合問題については「支庁制度が発足してから100年が過ぎて住民の活動は広域化しており、支庁の役割も変わってきた。地域主権の流れの中で制度見直しは避けて通れない」と述べた上で、各町や地域住民の意見を聞きながら、道の行政サービスを維持した上で、改革を進める必要があるとの認識を示した。

 亀谷氏は1950年生まれ。留萌市出身。留萌高卒。68年道庁入り。2002年総合企画部地域振興室地域政策課長、04年4月企画振興部交通企画室交通企画課長、同年7月に同室長。06年4月に前任の同部次長に就任した。 (松浦 純)


◎函館で今夏初の夏日
 12日の函館市内は、高気圧に覆われた影響で、青空が広がる一日となった。気温も上昇し、午後2時4分に25・1度を観測し、ことし初めての夏日となった。西部地区の観光地では、日陰を選んだり、ソフトクリームを手にしたりしながら歩く観光客の姿が目立った。

 函館で夏日を観測するのは、この5年で最も早かった。20度を超したのは、過去10年間で最も遅かったため、一気に夏が到来した感じだ。

 気象庁は11日、太平洋の赤道域の海域で海面水温が下がるラニーニャ現象が発生していると発表。秋まで続く見通しで、北日本では平均気温がやや高めに推移する可能性がある。

 ラニーニャは、最近では、1998年夏から2000年春、05年秋から06年春に発生している。(山崎純一)


◎エアトランセ・来月、函館―仙台線就航
 地域コミューター航空、エアトランセ(江村林香社長)は、7月21日をめどに、函館―仙台間で乗り合い便を就航する。また、4月から沖縄県の那覇空港を拠点に運航していた2路線を今月いっぱいで休止することも合わせて発表した。

 函館―仙台間は、1日2往復の運航を目指し、ビジネスと観光の両面から集客を図りたい考え。18日からの予約開始を予定している。航空機と人員は、6月末で休止する沖縄線の体制をそのまま移管する。 (浜田孝輔)


◎道南でもLED式信号機登場
 消費電力が少なく、視認性も高い発光ダイオード(LED)式の信号機が道南でも登場し始めた。道警函館方面本部管内(渡島・檜山と後志管内の一部)では56カ所(一部も含む)に達し、全体の約5%を超えた。同本部交通課の交通管制センターでは「事故防止や交通のバリアフリー化につながれば」と期待している。

 赤、青、黄の各色につき電球1個が光るのが従来型。LED式は直径5?程度のLEDが、各色約200個敷き詰められている。

 LED式は電球に比べ、消費電力が約6分の1と少なく、寿命も6―8年と長持ちするのが特徴。西日など強い日差しが当たっても反射が少なく見やすいため、事故防止にも役立つとみられる。

 例えば、歩行者用信号の場合、電球式では青地の中に人形の形が白く光ったが、LED式では黒い背景の中に人形型が青く光る仕組み。視力の弱い高齢者にも見やすくなったと好評だという。

 道南に設置されている約1200カ所の信号機のうち、函館市内では▽梁川町5付近の市道交差点▽中道2付近の道道(産業道路)と市道(東山墓園線)交差点▽若松町29付近の市道(八幡通と若松広路)交差点▽大手町16付近の市役所前交差点―の4カ所で、歩行者用信号灯も含めたすべての灯器がLED化されている。

 同センターによると、1998年度に管内の交通量の多い交差点などで青矢印灯器をLED化したのを皮切りに、2004年度からは歩行者用にも徐々に導入しており、今後も普及が進みそうだ。 (森 健太郎)


◎ペット飼育に責任と愛情を
 ペットの犬、猫の飼育環境に対する通報が後を絶たない。2006年度に渡島支庁に寄せられたのは、前年度より34件少ない35件だったが、「年によってばらつきがあり、減少傾向には至っていない」(環境生活課)。今月も函館市内で、劣悪な環境で飼育されている犬十数匹が発見され、動物愛護団体に保護された。ペットへの虐待行為は動物愛護法で処罰されるが、虐待の定義があいまいで立件は難しいのが実情。関係者は「飼い主のモラルの問題。責任と愛情を持って飼ってほしい」と訴えている。

 捨てられた犬・猫を保護し、新しい飼い主を探す函館ワン・ニャンレスキューのメンバーは言葉を失った。函館市内のとある民家。6畳ほどの1室で犬たちがひしめいていた。床はふん尿にまみれ、ハエなどの虫が飛び交う。「悪臭に目も開けられないほどだった」

 飼い主と思われる女性は、同レスキューに対して「引き取り手を探している」と話した。このため市立函館保健所の協力も受け、ラブラドール・レトリバーや柴犬などの犬11匹を緊急保護。不衛生な環境からか、毛が抜け落ちたり皮ふに異常が見られる。

 渡島支庁への通報の内訳は、鳴き声などの苦情が多いが、虐待に関する通報も目立つ。「市民の間に虐待への認識が高まっているからでは」と分析する。犬が保護された民家について同支庁は「たくさん飼う場合には特に注意が必要。適切な飼育をしているか適宜チェックし、必要に応じて指導していきたい」としている。

 昨年10月には同市内の女(当時36)が飼い猫に十分なmノをやらずに餓死させたとして、動物愛護法違反(虐待)で逮捕された。同法違反による逮捕者は道警函館方面本部管内初だった。昨年の摘発件数はこの1件だけで、ことしは5月末現在ゼロ。

 同法では虐待を「愛護動物をみだりに殺しまたは傷つける」「みだりに給餌または給水をやめることにより衰弱させる」などと規定。しかし「例えば餌やり。何回怠ったら虐待に当たるのかなど、線引きが難しい」(生活安全課)という。

 同レスキューは、保護した犬を、順次数匹ずつ病院で治療や不妊手術を受けさせた後、新しい飼い主を探す。2匹は妊娠しており、歩行困難な犬もいる。メンバーは「物言わぬ犬に対する明らかな虐待行為。単なる興味だけで飼い集めるのではなく責任を持って飼ってほしい」と憤る。

 同レスキューは、緊急保護した犬などの飼育に必要な活動資金、大判のタオルやタオルケットなどの提供を求めている。連絡は同レスキューTEL090・6997・6744。 (原山知寿子)