2007年6月15日(金)掲載

◎上手に焼けました…清尚学院高校、オージービーフクッキング
 オーストラリア産牛肉を使った「オージービーフクッキングセミナー」が13、14両日、函館市内の清尚学院高校(土家康宏校長)で行われた。飲食店などを展開するスエヒロ商事(東京、上嶋棟一郎社長)の鳥居昭三総調理長が、ステーキの下ごしらえから焼き方までを伝えた。

 初日は保護者や教職員ら約30人、2日目は調理科3年の生徒54人が授業の中で参加した。14日は、上嶋社長がBSE(牛海綿状脳症)問題や衛生管理などを交え、牛肉業界の課題やオーストラリア産牛肉の特徴などを説明。オーストラリア産の特徴として価格の安さや安全基準の高さを挙げた。

 実習で鳥居総調理長は牛肉の部位によって筋の入り方や料理の使い方が異なることを説明。腰骨の周囲のサーロインを実際に焼いて見せ、「透明な肉汁が表面に出てきたらミディアムの焼き上がり」と極意を伝えた。

 生徒は不安げな表情ながらも鳥居総調理長の教えを守り、見事にミディアムに仕上げた。皆の前で最初に焼いた長原亜矢佳さんは「初めてにしては上手に焼けたので、家でも試したい」と喜んでいた。 (小泉まや)


◎飲食店 風営許可取れず…函館中央病院の助産施設指定
 函館市が函館中央病院(本町33)を低所得者の出産を援助する「助産施設」に指定したことで、同病院に近接する本町地区の飲食店が、風営法に基づく営業許可を新たに受けられない事態になっている。道条例では「助産施設」の周囲100メートルの範囲で風俗営業が認められないため。対象地域の一部は3月、建築基準法で風俗営業店の建築が認められる商業地域に変更され、一部の飲食店が営業許可取得に向けて動きを進めた矢先だった。13日には市と飲食店業者との話し合いが行われたが、具体的な解決策は見いだされなかった。

 問題となっているのは、本町地区の5・9ヘクタール。3月27日に都市計画上の用途が「近隣商業地域」から「商業地域」に変更された。「商業地域」になると、「近隣商業地域」では認められない、建築基準法上のキャバレーなどの風俗営業店の建設が認められる。

 用途変更地域の飲食店関係者でつくる団体は、用途変更前から制度について学ぶなどし、許可取得に向けて準備を進めていた。しかし、4月下旬になって、対象地域の一部が助産施設の規制地域であることが判明。風営法上では条件をクリアしながらも、道条例という新たな規制が許可を妨げる事態になった。

 助産施設は道の風営法施行条例の「保護対象施設」に当たり、敷地の周囲100メートルで風俗営業が規制される。市立函館病院の産科が昨年4月に診療を休止することになっため、同病院は直前の同年3月27日に助産施設として指定された。市指定の助産施設はこのほか、愛育助産所(梁川町)と函館五稜郭病院(五稜郭町)。市によると、愛育助産所は嘱託医がおらず運営されていない状態という。

 市側との話し合いには、飲食店関係者約50人が出席。市都市計画課の山田隆嗣課長が現状や規制について説明。「重要課題として受け止めており、関係機関と協議中」としながら、具体的な解決策や解決のめどについては言及しなかった。

 出席者からは「他の病院に指定を変えることはできないのか」「用途変更前に事前に市の担当課間などで、助産施設指定と規制の話はなかったのか」などの声が上がった。山田課長は中央病院の助産施設指定を外すことについては、「助産施設が実質的に五稜郭病院1カ所になってしまい厳しい」と述べた。

 飲食店関係者団体の会長は「摘発が続けば地域全体に影響する。早く許可を取って営業したい」と話す。地域には無許可営業の店もあるといい、関係者は他の病院への助産施設指定変更、規制緩和などの解決策を望んでいる。(原山知寿子)


◎観光、産業、交通部会を設置…新幹線開業活性化協議会
 北海道新幹線の開業効果を最大限発揮することを目指す、新幹線開業はこだて活性化協議会(会長・森川基嗣函館商工会議所副会頭)の定時総会が14日、函館市内のホテルで開かれた。2015年度の開業に向け、観光振興、産業振興、交通アクセスの3部会を設置し、約1年間かけて課題を協議し、全体のアクションプラン(行動計画)を策定することを決めた。

 同協議会は函館の官民挙げての組織で、昨年9月に発足。設置した3部会は学識経験者のほか、行政、経済界、産業界のの代表13―16人で組織する。

 観光振興部会(鈴木恵二部会長)は、開業により観光客の増加が期待されることから、広域観光や滞在型観光に向けた受け入れ態勢の整備、函館観光の一層の魅力づくりについて検討する。同日開いた初会合では「策定するアクションプランは実践が伴う内容でなければならない」との意見があった。

 産業振興部会(日野隆生部会長)は、交流人口の拡大が期待される一方で、都市間競争も激化することが予想され、新幹線がもたらすさまざまな変化をビジネスチャンスに結び付ける。委員からは「1次産業から3次産業まで融合させながら、新たなビジネスを創出したい」との声があった。

 交通アクセス部会(韮沢憲吉部会長)は、北斗市に設置される新函館駅と現函館駅とのスムーズな移動を図るとともに、利便性の高い交通ネットワークの確立に向けた取り組みを協議していく。同一ホームでの乗り継ぎや、航空路線への円滑な接続などが課題となる。

 森川会長は「3年後に新青森、その5年後には新函館が開業する。その間にわれわれが何を準備し、態勢づくりをしなければならないか、十分協議したい」、顧問の西尾正範市長も「地域の魅力を高め、開業の波及効果を高めなければならない」とあいさつした。(高柳 謙)


◎本年度のシラカバ花粉飛散 4年ぶりの低水準
 渡島保健所は、函館地区のことしのシラカバ花粉の飛散は2日に終了したと発表した。総飛散量は4年ぶりの低水準となった。スギ花粉はほぼ平年並みだった。新たな花粉症発症者などの情報も寄せられていない。

 同保健所は、花粉捕集器にスライドガラスを24時間設置し1平方センチ当たりの花粉の数をチェックしている。花粉が確認された時点で飛散初観測日となるが、2日以上連続して1平方センチ当たり1個以上が観測されなければ開始日とならない。

 道内では道南だけで観測されるスギ花粉に関し、暖冬の影響から昨年より20日早く3月4日に初観測されたが、その後の寒の戻りにより、飛散開始日は同24日(昨年は同27日)までずれ込んだ。最大捕集日は4月19日の45・7個で過去7年間で最多だった昨年の117・6個を大きく下回った。飛散最終日は5月6日(同13日)。総飛散量は411・1個でほぼ平年並みだった。

 一方、シラカバ花粉は4月24日に初観測(昨年5月3日)、5月2日飛散開始(同6日)。最大捕集日は同4日の10・8個で、2004年の111・7個、06年の33・6個を大きく下回った。総飛散量は97・5個で、100個を下回ったのは4年ぶり。

 同保健所は「ことしは北海道全体でシラカバ花粉の飛散量が少なく、花粉症を発症した人も少なかったようだ。ただ、飛散の量には複合的な要因があるので、今後も少ない状態が継続するかは判断できない。スギに関しては、道外で長年暮らし花粉の抗体が蓄積されていると、ある年をきっかけに発症する可能性もあるので、今後も十分に注意してほしい」と話している。(小川俊之)


◎お父さん 表情生き生き…似顔絵コンクール
 第11回お父さんの似顔絵コンクール(函館新聞社主催)が14日、テーオーデパート(函館市梁川町10)5階展示場で始まった。道南の3歳から小学校6年生までの幼児・児童が描いた力作「お父さんの絵」を展示している。19日まで。

 幼児・児童に絵画への関心を高め、絵を通して父と子、家族のきずなを深めることを目的に毎年開催。函館市や北斗市など2市7町村の子どもたちから見た「お父さんの顔」が2515点が勢ぞろいした。

 会場には、応募のあった2515点すべてを展示。スーツ姿でパソコンに向かうお父さんや、釣りをするお父さん、運転するお父さんなど、普段見ているお父さんを生き生きと描いている。

 来場した北斗市在住の主婦、五十嵐綾子さん(35)は「こんなにたくさんの子どもの作品を見られる機会は少ないので楽しい。子どもから見たお父さんってこんな感じなんですね」と笑顔で話していた。

 時間は午前10時から午後7時(19日は同5時)まで。17日は午前11時から同会場で入賞者150人の表彰式が行われる。(小橋優子)


◎函館そばや友の会 オリジナルメニュー「巴そば」18日から提供
 函館市内のそば店でつくる函館そばや友の会(佐々木武充会長)は、オリジナルの統一メニュー「巴(ともえ)そば」を作り、18日から会員8店舗で1カ月間の期間限定で提供する。素材は函館の魚・イカと岩のり。イカはつみれにして食べやすく仕上げ、岩のりはそばの上やセット物のご飯に添えるなどした。メンバーは「函館らしい“磯の香り”を楽しんで」とPRしている。

 同会は季節ごとにオリジナルメニューを提供しているが、イカをメーンに扱うのは発足3年にして初めて。メンバーの1人が日本海の岩のりを気に入り提案。旬のイカと組み合わせて「海の幸」で統一させた。

 イカはゲソもすりつぶして丸め、食感も楽しめるようにした。活用法は各店さまざま。岩のりはそばの上にトッピングとしてのせたり、ご飯の上にのせてのり弁当風にしてミニサイズのそばを添えてボリューム感を出す店も。「食べ比べを楽しんでほしい」

 価格は店によって異なり、単品で680円程度、セット品で800円程度。今回のメニューを中心となって企画した筆村敏幸さん(ふでむらサ神山)は「岩のりは香りが強いので好き嫌いはあると思うが、ぜひチャレンジしてもらいたい」と話している。

 実施店は次の通り。

 やたら家本店(湯川町)ふでむら(神山)いがら志(柏木町)東京庵支店(本通)丸常長寿庵(亀田港町)かしわや(若松町)丸京(豊川町)東京庵支店(末広町)(原山知寿子)