2007年6月16日(土)掲載

◎コープさっぽろかじ店リニューアルオープン
 コープさっぽろかじ店(函館市鍛治2、小山薫店長)が15日、店舗名を改めてリニューアルオープンした。ほぼ2カ月ぶりの営業再開で、近隣住民が長い行列を作り、真新しい店内での買い物を楽しんだ。

 旧店舗の「コープさっぽろ鍛治町店」は1974年に建てられ、老朽化が進んだことから、建て替えを計画。隣接する土地を貸借し、敷地面積を9174平方メートルに広げ、延べ床面積2993平方メートルの鉄骨平屋の店舗を新築した。売り場面積は1980平方メートルと、旧店舗の約3倍に拡張され、130台分の駐車場を設けた。

 オープニングセレモニーで小山店長は「生協は組合員のための店なので、みなさんの声をどのように生かしていくかが一番の仕事。新しいかじ店の歴史をつくるのと同時に、地域が発展できる店にしていきたい」とあいさつ。地元町会の関係者らとテープカットをした後、くす玉が割られ、新たなスタートを切った。

 営業時間は、17日までが午前9時から午後9時45分までで、18日以降は午前10時開店。問い合わせは同店TEL0138・55・0668。(浜田孝輔)


◎人材育成重視の西尾市政/景気対策とどう両立
 函館市の本年度補正予算案で、西尾正範市長は公約通り、教育や人材育成関連の予算を措置した。乳幼児医療費の助成拡大や保育料の軽減などは見送られ、今後、それらの制度を実現するために年間数億円の財源が必要となりそうだ。一方で、景気対策や産業振興も図る必要があり、ソフトとハードの両面で効果的な事業をどう両立させていくかという課題がある。

 特色ある学校づくりに向け、市立学校の校長の裁量で使える「知恵の予算」は5600万円を計上した。医療助成の拡大は来年度からの実施となりそうだが、対象範囲などが決まっていないため、所要経費は未定。市長が掲げるソフト事業は息の長い取り組みとなるが、地域に活力を与える子供を産み、人材を育てていく効果が期待される。

 ただ、これらは市の単独事業のため補助金はなく、市の一般財源(市税や交付税など)から毎年賄わなければならない。ソフト事業の負担が増せば、別な分野の事業や経費を削るしかない。西尾市長は市民体育館の移転整備などに反対して当選したため、建設事業費を削ることも考えられる。

 しかし、仮に建設事業費を1億円削っても、財源1億円が確保されるわけではない。建設事業費には国や道の補助金、起債なども入っているため、1億円をねん出するためには、その何倍もの事業費を削らなければならない。

 建設事業は市民生活の向上のために行う事業だが、地域経済を下支えしている側面もある。本年度は一般会計で105億6000万円だが、昨年度に比べ14・3%、17億6000万円減少した。大型事業を終えたこともあるが、建設事業は削減の流れにあり、さらに先細りとなれば「ソフト事業で人材が育つ前に建設関連業者が倒れてしまう恐れもある」(保守系市議)との声がある。もちろん、企業側にも官依存でない体質の改善などが必要だ。

 また、一般会計で1200億円台の予算があれば、数億円を工面することはできそうに見えるが、本年度は既に約30億円の財源不足となっている。それだけ市の財政状況は厳しい。

 評価できることは、市の起債発行残高が減ったことだ。2007年度末の起債残高は、全会計で2840億円となる見込みで、西尾市長は06年度末見込みより26億円減らした。今後も地域経済に与える影響を最小限にとどめながら、借金を減らしていく手腕が求められる。

 市幹部からは「地元経済の足腰を強くし、行政が何にてこ入れをすればいいか、提案するための知恵が必要」「人材でまちを構築するのが市長の考えなので、函館の地域特性を生かした施策と、新幹線開業などで地域の魅力を高めていくことが大事」などの声が聞かれる。市民生活に不安を与えない範囲で、ソフト・ハード両面の施策を進める必要がありそうだ。(高柳 謙)


◎桧山沿岸、スルメイカ漁好調
 【江差】1日解禁の桧山沿岸のスルメイカ漁は、15日現在の水揚げ量が概算で約600トンに達するなど、豊漁を予感させる好調な滑り出しを見せている。桧山管内のスルメイカ漁は2004―05年は深刻な不漁に見舞われたが、06年は3年ぶりに例年並みの漁獲量を確保。昨年に引き続く回復基調に漁業者の期待が高まっている。

 ひやま漁協(乙部町)によると、桧山沿岸のスルメイカ漁は今週前半から本格化。14日は134隻が出漁して合計約80トンの水揚げがあったという。解禁日以降の累計水揚げ量は、概算で約600トンに達し、函館や札幌をはじめ道外にも出荷されている。

 管内では1998年以降、スルメイカの水揚げは減少傾向にあった。深刻な不漁だった2003年6月の水揚げは836トン、04年6月は748トンにとどまった。昨年6月には1カ月で約1600トンの水揚げがあり、過去10年間の平均的な水準に漁獲が回復していた。

 ことしは漁の本格化から1週間ほどで、昨年6月の半分近い水揚げがあったほか、不漁だった03・04年の1カ月間の水揚げをはるかに超えるペースで漁獲を伸ばしており、今月下旬以降の水揚げ増加に期待が高まっている。

 桧山沿岸では例年、6月下旬から7月上旬にスルメイカ漁が本格化するが、ことしは暖冬の影響などで海水温が高く、早い時期から奥尻海峡付近までイカの魚群が北上しているという。同漁協は「6月上旬の早い時期から例年にないペースで漁獲が伸びている。今後の水揚げ増加も期待できるのではないか」と話している。

 沿岸の魚群は7―8月にかけて日本海を北上。9月以降には「戻りイカ」として日本海を再び南下する。漁業関係者は「この時期に大きな魚群が檜山沿岸に分布していれば、秋以降の戻りイカも豊漁が期待できる」と話し、漁獲量の推移に注目している。(松浦 純)


◎住民税増額、函館市に問い合わせ相次ぐ
 国の三位一体改革に伴う地方への税源移譲や定率減税の廃止により、本年度徴収分から住民税納税額が増額したことを受け、函館市にも問い合わせが相次いだ。市民部市民税課によると、電話や窓口に寄せられた問い合わせは、件数を集計した4―8日までの5日間で1457件。今週に入っても、一日当たり100件前後の問い合わせがあった。約8割は電話によるもので、窓口に市民が殺到するような大きな混乱はなかった。

 同課では、今月1日の納税通知書を発送に先立ち、税制改正の要点をまとめたパンフレットを全戸配布するなどし、周知に努めていた。相談に訪れた市民も、税制度が変更されたことを知っていた人は多かったという。

 その一方で、前年と比べて、納税額が倍以上となった市民もいたため、職員は、所得税が減税されていることや、定率減税の仕組みを説明し対応した。「金額の多さに驚き、問い合わせをしてきた市民がほとんど。おおむね、納得をしていただいた」(同課)と話す。

 また、納税課では、納税額が減ることはないが、納期内であれば、納付方法について随時相談に応じている。(今井正一)


◎06年度センターまとめ、少年補導が大幅減
 函館市青少年補導センター(所長・辻喜久子市教委生涯学習課長)が昨年度、同市内で補導した未成年者数は523人で、2005年度に比べ199人減と、大幅に減少したことが同センターのまとめで分かった。補導員の巡回時間や場所の見直しもあったが、02年度以来4年ぶりの500人台。同課は「少子化の影響もあるが、各学校での指導の徹底や、カラオケ店の協力などが非行の抑止力になった」と分析している。

 同センターは青少年の非行防止と健全育成を目的に1959年に開設。市から委嘱を受けた元教諭や警察官OB、OGなど専任補導員5人が交代で街頭での巡回や相談に当たる。

 少年の生活実態に合わせ、主に夕方から夜にかけて活動。本町・五稜郭町や昭和・石川町など市内5地区のカラオケ店やゲームセンターにたむろする少年に声を掛け、指導している。

 昨年度の内訳は男子275人(前年度比96人減)、女子248人(同103人減)。職業別の構成比は、高校生が最多の315人(60・2%)で、無職少年93人(17・8%)も含めると全体の約8割に達する。

 行為別では喫煙が479件で圧倒的に多い。04年度4件、05年度28件だった不健全な性行為は38件に上り、増加傾向が顕著だ。同課は「インターネットや携帯電話など情報源が多様化しており、性に対するモラルの低下が背景にあるのでは」と危惧(きぐ)する。

 場所別ではカラオケボックスが504件で補導件数の96・4%を占めた。カラオケ店での補導は1999年度以降、増え続けていて、専任補導員の男性(63)は「未成年にとっては安価で密室性が担保されるのが魅力らしい」と目的外の利用にため息を漏らす。不健全性行為38件は、いずれもカラオケボックス内だった。

 辻所長は「子どもたちが犯罪に走らないためには、非行の『未然防止』や『早期発見』が大切。現在、平日だけの専任補導員らによる巡回も将来的には週末も含めて考え直さなければならない」と話している。

 同センターでは「親と子のテレフォン相談」も開設している。家庭生活や人間関係、いじめ、不登校などに関する相談はTEL0138・54・3737(土・日曜、祝日を除く午前9時―午後5時)まで。(森 健太郎)


◎日本語・日本文化セミナー開講式
 米国など6カ国の国籍の大学生が函館市内・近郊にホームステイし、日本語や文化について学ぶ「第22回日本語・日本文化講座夏期セミナー」(道国際交流センター主催)の開講式が15日、同センターで開かれた。ことしは、ハーバード大(米国)、プリンストン大学(同)などから61人が参加。8月10日までの約2カ月間、地元の学生や地域住民と交流を深めながら、日本語の上達を目指す。

 学生、ホストファミリーの家族ら約100人が参加。同センターの山崎文雄代表理事は「函館を注意深く見たり、ホストファミリーとの会話などで文化の違いを感じてください」とあいさつ。続いて畑秀叔渡島支庁長らが祝辞を述べ、学生を激励した。

 学生を代表し、米国・シカゴ大博士課程のキャスリン・エリザ・ゴールドファーブさん(25)が「生活の心配事も刺激のうち。ホストファミリーとの日常生活から日本の文化を学び、日本語の夢が見られるよう、積極的に楽しみたい」と抱負を語った。

 約60日間のプログラムでは、日本語の集中学習のほか、囲碁、茶道などの文化活動や、函館港まつりへの参加などが予定されている。(山崎純一)