2007年6月20日(水)掲載

◎高校サッカー道予選が開幕
 【七飯、鹿部】サッカーの第60回道高校選手権大会兼全国高校総体(インターハイ)道予選大会(道高体連など主催)が19日、七飯町東大沼多目的グラウンド(トルナーレ)と鹿部町山村多目的グラウンドで開幕した。同大会の函館開催は、第49回大会以来11年ぶり。

 支部予選を突破した道内の24校が出場し、22日まで全国切符をかけた激戦を繰り広げる。1日目は1回戦8試合が行われ、函館支部代表の函工などが勝ち上がった。20日は2回戦8試合が行われる。(降旗慎之介)


◎豊かな海 舞台に…「はこだてっ子水産・海洋体験学習事業」
 函館市は本年度、新規事業として「はこだてっ子水産・海洋体験学習事業」を実施する考えだ。旧4町村地区の前浜の豊かな海を舞台に、子どもたちが水産や海洋についての関心を高め、将来的には函館国際水産・海洋都市構想につながる、夢のあふれる事業に育てていく方針。本年度補正予算案に事業費として150万円を計上した。

 同事業は、小学校と中学校を対象にそれぞれ実施する予定。

 小学校の場合、旧4町村の4小学校が、合併前の函館市内(旧函館市)の4小学校とペアを組み、体験学習を行う。旧函館市の各学校が受け入れ先の学校を訪れ、水産資源が豊富な旧4町村地域の前浜のさまざまな動植物と触れ合いながら交流を深めていく。ガイド役として外部ボランティアや地元漁業者らの参加も検討している。バスによる日帰りの訪問となる。

 中学校の場合、旧函館市から1校を対象とする。総合的な学習の時間を利用して研究テーマを事前に絞った上で前浜を訪れ、必要な調査を実施する。小学校の交流に比べ、専門的で学習効果を高める方向を目指すという。

 市教委によると、千代田小学校と磨光小学校(旧南茅部町)が生涯学習の一環として交流した例はあるが、市の事業として旧函館市と旧4町村の学校同士が交流するのは初めて。

 市教委は「子どもたちの交流を通じ、旧函館市と旧4町村の一体化を図るとともに、身近にある豊かな海と水産資源の素晴らしさに目を向けてほしい。本年度をステップに来年度以降、さらに事業内容を拡大できれば」と話している。(小川俊之)


◎桧山の観光伸び悩む…06年度 大規模なイベントなく
 【江差】桧山支庁が19日までにまとめた2006年度の管内観光客入り込み状況(速報値)によると、入り込み総数は前年度比6・4%減の132万5800人だった。同支庁は、05年度は江差町で大規模な観光イベントが開かれ、客数が大幅に伸びたが、06年度は集客数が伸び悩み、管内全体の入り込み総数を押し下げたと分析している。

 管内全体では、道内客が約8割を占める105万8200人(前年度比7・3%減)、道外客は26万7600人(同11・7%減)。日帰り客は112万9700人(同9・1%減)、宿泊客は19万6100人(同3・2%減)。

 町別では、江差町は46万4700人(同15・6%減)。同町は05年5月に「いにしえ街道オープンフェア」を開催。管内全体の客数を押し上げたが、06年度は集客力を維持できなかった。かもめ島祭りや姥神大神宮渡御祭は例年並みだった。

 上ノ国町は10万5000人(同9・4%減)。天候不順でイベントが低調に終わった。厚沢部町は14万1700人(同0・1%減)と前年度並み。巨大コロッケ作りで知名度を高めた「あっさぶふるさと夏まつり」はPR効果が高く、客数は微増。乙部町は17万7500人(同6・7%減)。天候不順で海水浴客を大きく減らしたが、道の駅や温泉の利用者は増加した。奥尻町は5万500人(同4・0%減)で、道内人気観光地に客足を奪われたとみられる。

 管内北部では、今金町が8万2400人(同15・7%減)で、雪不足によるスキー場や冬季イベントへの影響が大きかった。せたな町は30万4000人(同2・8%増)と、管内で唯一の増加。海水浴客の増加やユニークな「夏のセタナ」の観光PRが奏功した。(松浦 純)


◎未来大が法人化への定款を制定…来年度から自主・自立的運営目指す
 函館圏公立大学広域連合(連合長=西尾正範函館市長)の本年第2回広域連合議会臨時会が19日、函館市役所で開かれ、2008年度からの独立行政法人化へ向けた「公立大学法人の定款」を議決した。広域連合の規約変更や、法人設置申請などの手続きを経て、08年4月から公立大学法人として自主・自立的運営を目指す。

 臨時会には広域連合を構成する函館市、北斗市、七飯町の各議会から9人が出席。議長に福島恭二氏(函館市)、副議長に畑中静一氏(七飯町)を選出後、独立行政法人化に関する補正予算と定款について審議した。

 定款の主な内容は、役員としての理事長を学長が兼任し、経営と教学の、責任や権限の所在を一体化する。役員と職員に学外有識者を加えた「経営審議会」を設置し、経営に関する重要事項を審議する。役員と理事、職員、教育研究組織の長らを中心とした「教育研究審議会」を設け、教育に関連する事項を検討する―など。

 また広域連合の負担金は、運営費交付金に改めて継続する。広域連合の付属機関として「公立大学法人評価委員会(5人)」を設置し、業務の実績に関する評価などを行う。

 法人化に関しては、広域連合規約の変更が必要で、北斗市と七飯町は議会での議決を終えていて、函館市議会での議決を残すだけとなっている。

 11月に広域連合議会で評価委員会条例などが制定されれば、来年2月、道知事に公立大学法人設置を、文部科学相に大学設置者変更をそれぞれ申請し、4月から公立大学法人公立はこだて未来大学として新たなスタートを切る。(小川俊之)


◎乗務員を安心できる環境に…地区ハイヤー協会・新タクシー乗り場設置の陳情に関する会議
 函館地区ハイヤー協会(鍵谷良一会長)が4月に函館市に提出した、新たなタクシー乗り場設置の陳情に関する会議が19日、市役所で開かれた。同協会からは、乗務員に対する労働環境の整備や顧客サービスの向上に向け、乗り場新設の必要性を求める声が上がったものの、乗務員のマナー改善や渋滞解消への具体的な方策が示されず、話し合いは平行線をたどった。

 同協会はこれまで、市に対して5回にわたって要望書を提出。設置を求めてきたのは、主に本町や大門地区。交通渋滞の助長やバス停留所との競合などのほか、地元商店街からの反発もあって実現には至っていない。

 ことし4月に出した陳情書には、これまで同様、丸井今井函館店やグルメシティ五稜郭店前の本町地区、棒二森屋前に加え、新たにJR函館駅西口前が盛り込まれている。

 会議には、同協会や官公庁などから21人が出席。同協会の横田有一副会長が「タクシー台数の増加で企業間の競争が激しくなり、タクシーの乗り場がなければ、安全・安心な交通手段になり得ない状況に追い込まれている。市民に迷惑をかけることなく、乗務員が安心して働ける環境にしていきたい」とあいさつし、理解を求めた。

 出席者からは、同駅西口前への新たなタクシー乗り場の設置について、「駅の正面に立派な乗り場があるにもかかわらず、誘導できないのは表示が明確でないのでは」「駅前でルールを守って客待ちをしている運転手もいるのだから、内部的な改善が必要」といった疑問の声も。

 タクシーが停車できるスペースを試験的に繁華街に設けることに関しては、交通渋滞の回避や、市民から要望・意見を募る場を設ける必要性などが指摘された。これまでとは異なる観点や方向性で考え方を示すよう、協議事項を同協会に差し戻して閉会した。(浜田孝輔)


◎平和願う 4万8000キロ航海…江差出身・江原さんヨットで世界一周挑戦中
 函館港にこのほど、世界一周に挑戦中のヨット「コンテッサVII」=20トン、矢原直船長(69)ら6人乗り組み=が入港した。2009年に迎える横浜港の開港150周年記念事業の一環で、約2年かけて縦回りで世界を一周する計画。寄港した世界各地で子どもの手形を集め、平和を願うメッセージとして国連に寄贈する。矢原船長は19日、函館市内の元町白百合幼稚園を訪れ、園児32人分の手形を受け取った。

 江差町出身の矢原船長は現在、横浜市に住み、会社を経営している。世界一周は開港事業に合わせて10年ほど前から温めていた構想。所有する同船の名前から「コンテッサVII実行委」を設立した。「世界の子どもたちのための平和メッセンジャー」として臨んでいる。

 ルートは、横浜港をスタート・ゴールとする約4万8000キロ。北極を通って北米大陸に渡り、カナダや米国のニューヨーク、ブラジル、チリと南下。オーストラリア、中国、韓国を経て帰国する。

 横浜港は1859年7月に開港。2年後の6月に行われる開港記念事業までに帰れるよう、矢原船長を含む6人の乗組員は2日に横浜港を出港した。函館港には13日に入港。現在は無線やマストなどの整備作業中で、6月下旬に出航する予定だ。

 世界一周と同時に大切な使命が、平和を願う子どもの手形を集めること。4万5000人が目標で、日本では1万5000人を目指す。

 元町白百合幼稚園では全園児が歓迎。矢原船長は「これから風の力で走って世界を一周し、世界中の子どもに手形を押してもらいます」などと語りかけ、協力を依頼した。園児はピンクや水色などカラフルな手形を専用の台紙に押し、歌を歌って「行ってらっしゃい!」と激励した。

 矢原船長は「世界の子どもたちに戦争をしてはいけないということを訴えたい」と話し、「相撲や柔道、弓道などの日本のスポーツも伝えたい」と各地での触れ合いを楽しみにしている。(小泉まや)


◎町有地賃貸 「宅急便センター」建設…ヤマト運輸
 【江差】ヤマト運輸(東京)は19日までに、江差町中歌町198の町有地に「江差宅急便センター」を建設することを決めた。町は町有地の賃貸で初めて事業用借地権を適用することで同社と合意。同社は20年間にわたり用地を借り受ける。

 濱谷一治町長が19日の第2回定例町議会で行政報告した。

 町によると、町有地は江差港湾エリアにある埋め立て地約1402平方メートル。これまで駐車場として利用していた。センターは鉄骨1階建て、床面積は約290平方メートル。今月下旬から8月下旬まで工事を行い、9月の営業開始を予定している。契約期間は6月1日から2027年5月末まで。賃貸料は年額152万8800円。20年間の総額は3057万7600円。

 同社の事業所は厚沢部町にあるが、奥尻町を含む桧山管内全域をカバーする物流拠点の整備に向け、フェリーターミナルなどがある江差町にセンター設置を決めた。

 町有地の有効活用を模索している町は「売却ではなく長期的に賃貸料が得られる方策を検討していた。長期賃貸を希望していた同社と方針が一致した」(総務政策課)という。

 定期借地権の一種である事業用借地権は、居住以外の事業目的で土地を利用する場合に適用。契約期間は10年以上20年以下で、更新は認められない。契約満了時には借主が建物を解体して貸主に返還する義務が生じるなどの条件がある。(松浦 純)