2007年6月21日(木)掲載

◎戸倉町に大型商業施設 来年5月オープン…フレスポ函館戸倉
 道道函館南茅部線沿いの函館市戸倉町に、大型商業施設「フレスポ函館戸倉」の出店計画が進められていることが分かった。ホームセンター大手のホーマック(札幌)のほか、飲食店や物販店など10店舗前後が進出する予定で、早ければ来年5月上旬にもグランドオープンする。

 開発を手掛けるのは、建物リース業の大和リース(大阪)。延べ床面積1万平方メートルを超える施設を見込んでいることから、道が昨年7月に策定した「大規模集客施設の立地に関するガイドライン」に基づき、このほど出店計画書を届け出た。

 建設予定地の敷地面積は、約7万9000平方メートル。同社が道南地区で初めて開発に着手し、2004年12月にオープンした「フレスポ北斗」(北斗市七重浜7)の約1万3870平方メートルを大きく上回り、道内の既存11カ所の中でも帯広の約8万2500平方メートルに次ぐ、2番目に大きな規模となる。

 「フレスポ函館戸倉」は8棟から成り、延べ床面積の合計は約1万7892平方メートルで、駐車台数908台分を完備。ホーマックが入店する建物は、約8177平方メートルで最も広い。ホーマックにとって、函館地区では鍛治店、上磯店、八雲店、スーパーデポ石川店に次ぐ5店舗目。店舗の再編については「状況を見ながらになるが、現段階では考えていない」(同社)としている。

 このほかの建物は、延べ床面積約3000平方メートルの平屋が1棟、同約2976平方メートルの2階建てが2棟、同約265平方メートルの平屋1棟、同約166平方メートルの平屋3棟。出店するテナントについて、大和リースでは「ほぼ合意しているものや、交渉中のものを含めて、公表できない」としている。

 今後、順調に進むと9月中旬に大規模小売店舗立地法の届け出をし、10月下旬に着工、来年5月上旬には全店がオープンする予定。(浜田孝輔)


◎有力な手掛かり得られず…タクシー運転手強盗殺人から半年
 北斗市のタクシー運転手八木橋朋弘さん(当時42)が殺害され、売上金などが奪われた強盗殺人事件は21日、未解決のまま発生から半年が過ぎた。函館西署などの合同捜査本部はこれまで延べ1万3500人の捜査員を投入したが、有力な手掛かりや目撃情報に乏しいのが現状だ。捜査本部は20日、函館市内の街頭で市民らに情報提供を呼び掛けるティッシュを配るなど、事件解決に向けて地道な捜査を続けている。

 八木橋さんは昨年12月21日午前3時半すぎ、北斗市七重浜1の国道227号で犯行に関与したとされる「最後の客」を乗せ、同4時15分ごろ、七飯町峠下で数分間停車。付近には大量の血痕や八木橋さんの携帯電話が残されていたことから、この時間帯に殺害されたとみられる。

 タクシーのトランクから見つかった遺体は、犯人が函館市港町の函館港岸壁まで運んだ可能性が高い。北斗市東前の国道227号を同4時半ごろ通過し、遺棄現場には同5時ごろ到着していることが、タクシーに搭載されている衛星利用測位システム(GPS)の解析などから判明している。

 捜査本部は20日、函館市本町の丸井今井前交差点で市民らに情報提供を求めるポケットティッシュ約600個を配り、「事件や被害者に関する情報を寄せてください」と訴えた。21日深夜から未明には同市内のフェリーターミナルや七飯町、北斗市の関連場所でも通行車両のドライバーに情報提供を呼び掛ける。

 捜査本部は引き続き「最後の客」の洗い出しに全力を挙げているが、目撃情報や凶器、遺留品など物的証拠が乏しく、犯人像の絞り込みにまでには至っていない。函館西署刑事・生活安全担当の寺嶋正晴次長は「被害者や遺族の無念さを晴らすために全力で捜査している。一刻も早い事件解決を目指し、何か思い出すことがあれば捜査本部まで連絡を」と話している。

 捜査本部へのフリーダイヤルはTEL0120・004・179。


◎市内・道南の温泉「安全」…渋谷・爆発事故
 東京渋谷の温泉施設が充満した天然ガスで爆発したとみられる事故を受けて道保健福祉部は20日、道内の温泉施設に注意を喚起する文書を配布することを決めた。道立地質研究所(札幌)によると、爆発する原因となるメタンガスが多量に含まれる温泉は函館市内には少ないが、道南では長万部や知内、上ノ国、厚沢部などの町で含有ガス量の80%を超えている。各温泉ではメタンを放出させるよう工夫しており「安心なので気にせず入りに来てほしい」と訴えている。

 同研究所によると、温泉に含まれる天然ガスは(1)窒素(2)二酸化炭素(3)メタン―の3種類に大別される。このうち爆発の原因となるのはメタン。道内では、胆振管内苫小牧から石狩平野を経てロシアのサハリン方面に抜ける「石狩低地帯」がメタンを多く含む地層として有名で、苫小牧で採取されたものは道央圏のガス供給源だ。

 道南には196の温泉井戸が存在する。このうち81カ所がある函館市内では、湯の川温泉や谷地頭温泉を含むほどんどの井戸で二酸化炭素が90%を占めることから、同研究所は「函館市内での温泉爆発はあまり心配しなくてよい」とみている。

 ただ、同じ函館市内でも旧南茅部地区では窒素が97%、七飯町大沼では窒素が93%、北斗市の旧上磯地区では二酸化炭素が75%と、近距離でも主要な天然ガスの種類や割合が異なる。

 道南でメタンの割合が高い地域は、渡島管内は長万部町(90%)知内町(64%)、桧山管内では上ノ国町(89%)厚沢部町(86%)など。これらの地域にある温泉を使用する時の対策として同研究所は、「井戸元で天然ガスと温泉を分離し、メタンを室内にためないようにして」と注意する。

 1つの井戸を9軒の旅館で使用する「長万部温泉利用協同組合」では、各旅館から20メートル以上離れた屋外に設置した高架タンクに一度温泉水をためていることから、「タンク内でガスは抜けてしまう」(山村和宏組合長)と安全性を強調。知内温泉旅館ユートピア和楽園は、施設から20―30メートル離れた山中に源泉が自然ゆう出しており、「出た時点で気化してしまうので特に心配はしていない」と話している。(小泉まや)


◎売上高215億3900万円…函館どつく 3月期決算
 函館どつく(函館市弁天町20、村井英治社長)は20日、2007年3月期決算を発表した。売上高は前期比3・3%減の215億3900万円、経常損益は3億6800万円の赤字となった。

 当期(最終)純損失は、同12億4800万円減の4億7800万円の赤字。03年の受注額に対して、機械や鋼材などが高騰したことで収入減につながったのが主因としている。当期未処理損失は4億7800万円となり、累積で9億300万円に膨らんだ。

 部門別の売上高を見ると、新造船が従来の3万2000トンのほか、4万8000トンの受注が1隻あったことから、同7・6%増の133億2800万円と、2期連続の増加。一方、修繕船は同17・0%減の60億2400万円、橋りょう陸機は公共事業の受注環境が厳しくなったことにより、同17・3%減の21億8500万円に落ち込んだ。

 役員改選では、新造船営業部長・企画部長だった吉川廣治氏が、取締役に就任した。

 同社は、5カ年間の再建計画を03年4月にスタート。06年度まで6隻だった建造体制が、07年度には7隻に増強されることから、次期は売上高245億2100万円、経常損益は1億8200万円の赤字を見込んでいる。(浜田孝輔)