2007年6月22日(金)掲載

◎ホテル函館山ビアガーデン営業開始
 函館市元町のホテル函館山(実川幸子支配人)は21日、ことしの「屋上ビアガーデン」の営業を始めた。初日から夜の函館湾を眺めながら焼き肉を楽しもうと140人が来場。満席となったテーブルでは「乾杯」の歓声が響いていた。

 同ホテルのビアガーデンは約20年もの歴史があるという。開業当初から「飲み放題、食べ放題」(時間制)を取り入れていた。函館山のふもとから、夜景を楽しみながら焼き肉を楽しめるほか、雨の日でも屋根があるため、毎年好評を得ている。ことしも5月から予約が入り、週末は混雑気味という。

 来場者は新しいジョッキが届くたびに乾杯を繰り返した。実川支配人は「前日は大雨で、天気を心配したが、お客様が天気を運んでくれたよう」と話していた。会社の同僚と訪れた函館市美原の北川良輔さん(40)は「ビールは外で飲むのが一番」と笑顔だった。(山崎純一)


◎2009年に祝賀事業/函館港150周年へ準備経費
 函館市は、1859年の開港から150周年に当たる2009年に函館港の祝賀記念事業を予定している。本年度補正予算案に事業開催準備経費として50万円を計上。事業内容を検討するための実行委員会立ち上げなどに充てる。同じく09年に開港150周年を迎える横浜市では、官民挙げて記念事業への動きが加速しており、函館でも事業成功に向け、市民や企業の積極的参加が必要となりそうだ。

 函館と横浜は、幕府が1858年にアメリカやロシアなど5カ国と結んだ修好通商条約により、翌59年に開港。海外の文化を取り入れ、ともに国際色豊かな港町として発展した。

 函館市は、28日開会予定の市議会定例会で予算案の議決後、秋ごろをめどに実行委を発足させたい考え。実行委の作業部会には公募市民を交え、誰もが港や海と親しめる参加型のイベントを目指す。7―9月に海や港にかかわるイベントを集中させ、その中で、式典やシンボル事業を開催することを視野に実行委で検討する。本格的な動きは来年度以降となる。

 一方、横浜市では、早くから記念事業の準備を進めている。同市は「開港150周年・創造都市事業本部」を専門部署として設置。昨年6月には、市政120周年にも当たる09年を区切りの一年と位置づけ、都市形成事業や人材育成、記念イベント開催などを事業の軸に据えた基本計画を策定した。

 地元経済界も歩調を合わせ、事業推進の一翼を担う。03年に記念事業推進協議会を設立し、ことし2月には財団法人横浜開港150周年協会に発展。協会には市や民間企業から職員約30人が派遣され、官民それぞれの分野で培ったノウハウを生かし、取り組みが進んでいる。

 同市記念事業推進課は「函館と足並みがそろうことは心強い。08年の条約締結から150年に合わせ、新潟、神戸、長崎の3市とともに、開港5都市として記念行事を働きかけたい」と話す。

 横浜とは自治体規模は違うが、半世紀に一度の区切りの1年であり、近代日本の先陣を切った函館としても、官民一体となった取り組みや、市民の機運の高まりが、事業推進には欠かせない。市港湾空港部管理課では「行政主導ではなく、手作りの市民参画型のイベントを目指したい」と話している。(今井正一)


◎七五郎沢最終処分場/廃プラスティック搬入禁止へ
 函館市は、七五郎沢廃棄物最終処分場(東山町150)で受入れている産業廃棄物のうち、廃プラスチック類の搬入をことし10月から禁止する方針を打ち出した。これにより、現状では2016年度中までとみられている使用可能期間が、24年中まで延長される見込み。

 同処分場では、同市内・近郊に民間の処理施設がない産廃品目受け入れにより、埋立量の増大が問題となっていた。しかし、各種リサイクル法の施行を契機に木くず、がれき類、金属くずなどの民間処理施設の設置が進み、05年4月から一部の産廃の搬入を禁止。ことし4月1日からは、廃プラスチック類のうち発泡スチロールを禁止品目に加え、一定の成果を挙げている。

 市では発泡スチロール以外の廃プラスチック類についても搬入禁止の検討を進めていたところ、昨年からことしにかけ、民間による処理施設(2施設)が市内で稼動を開始。発生する産廃を処理する能力が十分あることが確認できたため、10月1日からの搬入禁止を決めた。

 今回の措置によって抑制される廃プラスチックの量は1年間当たり、重量5382トン、容量3万7100立方メートル。発泡スチロールだけを搬入規制した場合に比べ、重量で10・0%、容量で44・0%の大幅減少が見込め、同処分場の利用可能時期の大幅延長につながる。なお南茅部と戸井の各処分場も同様に搬入禁止とする。

 市環境部は「産業廃棄物のうち、現時点で民間が処理可能な品目については削減することができる。今後は家庭ごみについても分別を徹底し、リサイクル率を高めていきたい」と話している。(小川俊之)


◎医療事故で函館市/個人情報配慮し賠償相手は匿名に
 函館市は、旧南茅部町国保病院(現市立函館南茅部病院)で発生した医療事故の損害賠償について、賠償する相手の住所と氏名を伏せて、28日開会予定の第2回定例市議会へ賠償額を定める議案を提出する。相手の個人情報やプライバシーの問題があり、市議会が理事者へ申し入れた。こうした議案で住所、氏名を伏せるのは、函館市議会で初めて。

 急性肺炎で2002年3月に同病院へ入院した市内の女性が、別の患者を介してはしかに感染し、脳炎などを併発し言語障害などの後遺症が残った事故。議決事項は約810万円の損害賠償額だが、議案には賠償する相手を「函館市に在住する30歳代の女性」とだけ記している。

 総務省は、賠償する相手が誰であるかを伏せての議案審査は難しいとの見解を示している。ただ、個人情報保護の観点から「名前などを伏せる配慮が必要ではないか」との声が議員から上がり、議会運営委員会(能川邦夫委員長)で対応を協議、実名などを伏せて議案の提出を求めることを決めた。議運委によると、中核市35市中、旭川市や船橋市など5市が同様の対応をしている。

 議運委の金沢浩幸副委員長は「個人の健康や病状にかかわる内容で、プライバシーの保護が大事と判断した。ただ、誰に賠償するかを議員が知ることは必要。議案など表に出る文書では実名が伝わらないようにするなど、同様のケースに今後どう対処していくかを議運で協議したい」と話している。(高柳 謙)


◎ヤマダ電機函館2号店出店へ
 家電量販店大手ヤマダ電機(前橋市)が、道道函館上磯線(通称産業道路)と道道赤川函館線の交わる函館市美原2の函館トヨペット跡地を含む一角に、「ヤマダ電機テックランド函館2号店(仮称)」の出店計画を進めている。来年4月の開店を予定していて、同市亀田本町の1号店との連携で同業他社との競争力を強化する。

 一般機械器具卸売業の函館遊機販売(山本篤社長)が、土地を取得。道が昨年7月に策定した「大規模集客施設の立地に関するガイドライン」の規定に該当する、延べ床面積1万平方メートルを超える施設を見込んでいることから、このほど出店計画書を届け出た。

 建設予定地の敷地面積は、同跡地と近隣の宅地を含む約9400平方メートル。建物は地上3階、地下1階建ての延べ床面積2万3846平方メートルで、地下1階と地上1階が駐車場となり、駐車台数429台分を有する。

 売り場は2、3階部分で、倉庫を含めた広さは1万3642平方メートルを誇る。2004年1月、国道5号沿いに開業した函館地区1号店の規模の倍近くに達する。来店する高齢者や家族連れに配慮してゆとりのある空間とし、休憩するスペースやキッズコーナーを設けるという。

 ヤマダ電機は「大きな店ならではの豊富な品ぞろえで、シェア(占有率)を高めるとともに、地域のマーケットを盛り上げたい」と話している。

 今後は、8月中旬に大規模小売店舗立地法の届け出をし、9月中旬に着工、来年4月中旬のオープンを目指す。(浜田孝輔)


◎函館は今月も高温続く
 日本気象協会北海道支社(札幌)は21日までに、6月1日から同20日までの道内の気象状況をまとめた。6月の道内は気温の高い状態が続き、函館のこの間の平均気温は17・5度。これまで6月一カ月間の平均気温で最も高かったのは1991年の17・9度で、同支社はこれに近づく可能性があるとみている。

 6月の高温の原因について同支社は、北海道の北を通過する低気圧に向かい、南から暖かい空気が入ったことを挙げる。天気にも恵まれ、日照時間は20日現在188時間で、6月一カ月の平均168・4時間をすでに上回っている。

 最高気温も高めに推移している。13日には6月として4番目に高い27・6度を観測。14日は27・0度、16日は26・9度と高い気温の日が続いた。例年この季節は雲が多く、湿度は高いが、17、18日は最少湿度がこれまでで5番目に低い24・0%にまで下がるなど、からっとした天気が続いている。

 降水量は、6日と20日にまとまった雨があり、20日までで72ミリを観測。6月1カ月の平均は82・2ミリでほぼ平年並み。道内では留萌管内羽幌町焼尻で1ミリしか観測していないなど、少雨の所が目立っている。

 同支社は、函館の向こう一週間の天気は晴れる日が多く、最高気温は平年並みか高くなると予想している。(山崎純一)


◎海水浴場水質調査/茂辺地5年ぶりに開設
 渡島、桧山両支庁は20日までに、今シーズンに道に開設届があった海水浴場の水質調査の結果を公表した。2市3町の11海水浴場から届け出があり、水質調査結果はすべての海水浴場で遊泳に適していた。ことしは、国道改修工事で2002年度から休止していた茂辺地地区遊泳場(北斗市茂辺地地先)が5年ぶりに開設される。

 水質調査は、ふん便大腸菌群数や透明度などを調べ、不適も含めて5段階で判定。函館市では湯川海水浴場が昨年と同じ最高のAAとなり、入舟町前浜海水浴場も昨年のBからAAとなった。北斗市は七重浜海水浴場、谷川地区遊泳場がいずれもBだった。

 桧山では、昨シーズンの利用者が6万1440人と道南で最多だった、乙部町の元和台海浜公園「海のプール」がAA。江差町のかもめ島海水浴場、せたな町の太櫓海水浴場など、5施設すべてでAAだった。

 昨シーズンは、渡島の5海水浴場(茂辺地を除く)で6万1674人、桧山の5海水浴場で8万7367人の人出があった。届け出では、湯川海水浴場、せたな町の三本杉海水浴場の7月15日を皮切りに続々オープンし、各施設とも8月19日まで開放される。