2007年6月23日(土)掲載

◎キャンドルナイト、函館でもろうそく灯し地球温暖化防止訴える
 22日は二十四節気の一つ「夏至」。一年で最も昼が長いこの日に電気を消し、地球温暖化問題など現代社会の抱える課題を考える「100万人のキャンドルナイト」のイベントが、函館をはじめ全国各地で行われた。参加者は、ろうそくのほのかな明かりを見つめ、環境保全の在り方について考えを巡らせた。

 NPO法人(特定非営利活動法人)南北海道自然エネルギープロジェクト事務局(ピーター・ハウレット代表)によるキャンドルナイトは、函館市末広町の同市地域交流まちづくりセンターで開催。約60人が来場した。

 同市在往の版画家で、縄文研究家の佐藤国男さんは国宝となった「中空土偶」を解説し、地球温暖化防止推進員の池田誠さんは原子爆弾の悲惨さを伝える本を朗読。ミュージシャンの斉藤美咲さんはギターでゆったりとした曲を演奏した。

 来場者はほの暗い空間で3人の声に耳を傾け、穏やかな時を過ごした。

 同市中野町の函館牛乳敷地内あいす118にある菜の花畑横では、「はこだて菜の花プロジェクト」(石塚大代表)が主催する「はこだて菜の花キャンドルナイト2007」が開かれた。同プロジェクトの会員ら15人が参加。自分たちが栽培した菜の花の種から搾った油であんどんを作り、地域循環型エネルギー構築の可能性を考えた。

 貝がらに油を入れ、綿と画びょうでしんを作ったあんどん約150個に火をともした。菜の花畑では、菜の花やカラシナが満開を迎えていて、黄色い花をライトアップさせ、幻想的な雰囲気に包まれた。

 石塚代表は「地元で作った菜種で油を作るという、環境に優しい地域循環型エネルギーができることを広めていきたい」と話していた。(小泉まや、山崎純一)


◎噴火湾パノラマパーク、初年度入場者は目標の倍
 【八雲】道立噴火湾パノラマパーク(八雲町浜松368)が24日で一部オープン1周年を迎える。入場者数は5月末現在30万4493人に達し、目標の13万8000人の2倍以上となった。珍しい遊具や充実したキャンプ設備などの目新しさが受け、函館など地元道南から大勢が訪れたことなどが好調の要因とみられる。道などは24日に1周年記念イベントを開くほか、体験型メニューやイベントを増やすなどし、一層の入場者増を図る。

 パノラマパークは道南最大規模の公園として、道が2003年度から09年度までの計画で整備。総面積は63・7ヘクタールで、オートキャンプ場、45ホールを備えたパークゴルフ場、展望カフェなどを備える。道縦貫自動車道の八雲パーキングエリア(PA)との接続も計画されている。

 函館土木現業所管理課によると、これまでの入場者数は、オープン2日目に1日として最多の5206人に上ったのをはじめ、週末を中心に約1000人から4000人が訪れた。月別では8月が5万4897人と最も多く、次いで7月の4万9639人などと、夏休み時期を中心に伸びた。

 一部来場者へのアンケートでは、函館など道南から訪れている人の割合が高いことが判明。巨大なボールの上に乗る「ボールネット」など北海道初の遊具を目当てにした地元の家族連れからの人気が、全体の入場者増につながったようだ。

 24日からは1・7ヘクタール、4万5000株を植栽した花畑など、約5・5ヘクタールが供用開始となる。2年目は目新しさが薄れることから、同パークはキャンプ客を対象にした星座観察やアウトドアクッキングなどの体験型メニューを用意し、PRしていく考え。

 24日のイベントは道、指定管理者の八雲町などが主催。同パーク内を巡るスタンプラリーやそば打ち体験、「ドラえもん」との写真撮影会などを予定している。時間は午前10時から午後3時まで。問い合わせは同町公園緑地推進室TEL0137・65・6030。(原山知寿子)


◎函館税関函館港貿易概況、5月の輸入 前年比2・4倍に
 函館税関は22日、5月の函館港貿易概況を発表した。輸出は鉄鋼のくずや再輸出品などが増加したものの、船舶が全減した影響で、前年同月比71・3%減の6億2700万円。輸入は石炭や石油製品などが好調で、前年同月の2・4倍に相当する25億3300万円だった。

 輸出の品目別では、鉄鋼のくずが前年同月の3・3倍に当たる3億9700万円だったのをはじめ、航空機1機の再輸出品が全増となる2億300万円、魚介類・同調製品が同10・3%増の2200万円。しかし、船舶は、前年同月にあった香港籍の貨物船1隻18億5500万円が全減したため全体では2カ月ぶりのマイナスとなった。

 輸入は、石炭が前年同月の2・3倍に当たる9億9500万円と大幅な伸び。石油製品が全増の3億7200万円、魚介類・同調製品が同30・2%増の4億7100万円など、全般的に堅調に推移していて、全体では3カ月連続のプラスとなった。

 また、道内の貿易概況は、輸出が同30・8%増の295億7300万円と6カ月連続の増加。鉄鋼が前年同月の3・3倍となる48億500万円、一般機械が同66・6%増の78億100万円、紙・板紙が同38・5%増の16億4500万円などとなった。

 一方の輸入は、原・粗油が同17・4%減の531億9400万円、石油製品が同79・2%減の7億700万円と、大きく落ち込んだ。全体では同4・3%減の1145億5600万円で、2カ月連続のマイナスとなったが、昨年5月(1197億2400万円)に次ぐ、過去2位の貿易額を記録した。(浜田孝輔)


◎9月就航の高速フェリー、1日4往復8便
 東日本フェリー(函館市港町3、古閑伸二社長)は22日、函館―青森間で9月1日に就航する高速フェリー「ナッチャンRera(レラ)」の運航ダイヤと運賃を発表した。1日4往復8便とし、1人当たりの片道運賃は大人(12歳以上)が5000円から、子ども(小学生以上)が2500円からで、7月1日から予約を開始する。

 高速フェリーは、両区間を1時間45分(夜間便のみ2時間半)で結び、函館発が午前7時半、午後零時半、同5時半、同11時、青森発が午前3時、同10時、午後3時、同8時。同区間の便数は、片道3時間50分の在来船2隻と合わせて1日8往復16便となる。

 大人の片道運賃は、エコノミーが5000円、ビジネスが6000円、エグゼクティブ(シングル、ペアシート)が1万円で、子どもはそれぞれ半額。自動車(1台)は、小型車2万円、中型車4万円、大型車6万5000円で、往復や団体などの割引制度は従来通りに適用される。

 予約は乗船日の2カ月前から、同社の予約センターやホームページ(HP)上で受け付ける。また、高速フェリー就航を記念し、8月1日から、4枚つづりの「海速(かいそく)フォー」、8枚つづりの「海速エイト」を販売し、座席や車両タイプの通常料金よりそれぞれ25%、35%安く提供する。

 予約に関する問い合わせ・申し込みは同社予約センターTELフリーダイヤル0120・756・564。HPアドレスはhttp://www.higashinihon-ferry.com(浜田孝輔)


◎七飯でアイガモ大量死
 【七飯】道南では珍しいアイガモ農法で米を栽培する七飯町仁山の農業、築城正行さん(54)方のアイガモ約85羽が22日朝、大量に死んだり行方不明になったりしているのが見つかった。死がいは水田やあぜ道などに散乱していた。築城さんは「カラスにやられたのだろう」と肩を落とし、残った十数羽の働きに期待するという。

 アイガモ農法は、水田に放ったアイガモが稲の間を動き回ることで雑草の発育を抑えるとともに、根に刺激を受けた稲が丈夫に育つという。稲の害虫などを捕食する効果もあり、結果的に無農薬や低農薬で稲を育てることになる。

 築城さんの水田は2万4000平方メートル。このうち1万平方メートルで1995年から農薬を使わない有機栽培とアイガモ農法を導入している。ことしは5月下旬に約10万円で150羽のヒナを購入。育った約100羽を放していた。

 ネコやキツネなどからの防護策として、水田の周囲には6000ボルトの電流を常時流している。しかし水田上部に張り巡らせるカラスよけのテグスを、ことしはまだ張っていなかったのが災いした。21日には元気な姿を見られたが、夜が明けると状況は一変。至る所に死がいが散乱し、集めるのにも苦労したという。

 これからアイガモを発注したのでは、稲の成長に間に合わない。また、アイガモ農法の視察予定があった上、稲刈り後のアイガモの出荷先も決まっていた。築城さんは「アイガモがいるから農薬や化学肥料を使っていない。良いことだらけなのに」とパートナーを失い途方に暮れている。(小泉まや)


◎鉄骨など20トン盗まれる
 【江差】函館土木現業所は22日、江差町柳崎の厚沢部川河川敷に保管していた鉄骨など鋼材20トン(時価40万円相当)を盗まれたと、江差署に届け出た。全国で金属の盗難が相次ぐ中、同署管内の桧山管内南部で大掛かりな金属盗が発生したのは初めて。

 盗まれたのは道が管理するH型の鉄骨26本とH型鋼150枚。同町田沢で昨年まで行われた国道227号日明橋架け替え工事で使用した仮設橋を分解して搬入。鉄骨など約480トンを保管していた。同土現職員が21日に鋼材の一部がなくなっていることに気付き、22日午後に届け出た。

 同土現江差出張所によると、保管場所には車両が進入できないよう溝を掘っていたが、一部が埋められていた。現場には複数のタイヤ痕があり、クレーン付きのトラックなどで運び出したとみられる。

 現場は江差町が管理する柳崎スポーツ広場の東側。住宅地から数百メートル離れていて、夜間は人目に付きにくい場所だった。