2007年6月28日(木)掲載

◎はこだて水産食品展示フェア、55団体・企業の商品並ぶ
 函館市内・近郊の水産加工食品が一堂に会する「第3回はこだて水産食品展示フェア」(実行委主催)が27日、函館市豊川町の市水産物地方卸売市場で開かれた。今年は55の団体・企業がブースを構え、午前9時のスタートから、全国各地から訪れた大勢の買い付け担当者らが、商品に熱い視線を送っていた。

 実行委は、市、函館特産食品工業協同組合(石尾清廣理事長)、全国いか加工業協同組合函館支部(利波英樹支部長)で構成。地元の特産品の販路拡大を目指し、全国各地の問屋や百貨店、商社などの買い付け担当者を対象に2005年度から開いている。

 開会式で石尾理事長は「高品質の水産加工品をたくさん用意している。積極的な商談をよろしくお願いします」とあいさつした。会場ではイカロボットが出迎え、「函館の『うめぇ』を買いにイカなきゃ!」をテーマに、定番のイカの塩辛や珍味類、松前漬けから、サケ、タコ、ホタテなどを使用した加工品がずらりと並んだ。

 今年は市もブースを構え、ガゴメコンブ(トロロコンブの仲間)の加工製品約80種を並べ、函館の新たな特産品をPR。函館地域産業振興財団は、活イカパックなどの都市エリア産学官連携促進事業での成果品を展示していた。 (今井正一)


◎参院選、選挙区確定は午前1時
 函館市選挙管理委員会事務局は27日、7月12日公示、同29日投票の参院選の執行計画を発表した。29日に市民体育館で即日開票し、選挙区の確定予定時間は30日午前1時ごろ、比例代表は同2時半ごろを目指す。国会の延長で当初の選挙予定期日より1週間遅れたが、投開票所の確保に支障はなかったという。

 6月2日現在の有権者(定時登録)は24万5078人。投票は市内116カ所で午前7時から午後8時まで行う。開票は午後9時半からを予定している。合併後の2005年9月の衆院選や今年の知事選、道議選は午後9時45分から開票を始めたが、15分繰り上げてできる見通しが立った。

 期日前投票は7月13日から同28日まで、市役所1階市民ホールと、亀田、湯川、戸井、恵山、南茅部の各支所、椴法華総合センターの計7カ所で実施する。時間はいずれも午前8時半から午後8時まで。

 道選挙区の改選数は2、比例代表は全国で48。開票は選挙区、比例とも同時に開始する。比例代表の開票に読み取り分類機を導入することで、比例の確定時間を午前2時半ごろに設定した。3年前の前回参院選では選挙区に読み取り分類機を導入したため、比例の確定が翌日午前4時15分だった。

 投票率が低い若者の選挙啓発も兼ね、投票所の立会人に20歳代の有権者を公募で配置する。道選管渡島支所と合同の街頭啓発も、投票日前日の28日に、市内2カ所で予定している。 (高柳 謙)


◎道南ブランド米「ふっくりんこ」を全道販売へ
 ホクレンはことしから、道南地域のブランド米「ふっくりんこ」を全道で販売する。道南と昨年から始まった北空知両地域での作付け面積、収量見込みが昨年の4倍に達し、これまで業者側から要望があった道内各地域での流通が可能になった。7月4日には札幌市内のホテルで「ふっくりんこ」産地サミット推進協議会を設立、道南、北空知の生産者団体などが栽培協定を締結し、全道向けのロゴマークなども発表。協定では品質保持のため栽培・出荷基準を細かく定めた。道南発のブランド米は「高品質・高食味」をうたって“全道デビュー”を果たす。

 「ふっくりんこ」は道立道南農業試験場が、道南の気候に適した品種として開発。粘りがあり冷めてもおいしいのが特徴。2003年から道南で作付けが始まり、昨年は北空知地域でも約40ヘクタールを初めて作付けし、道南と合わせた約370ヘクタールで約1600トンを生産した。

 これまで道南地域限定で取り扱っていたが、新米前の夏ごろには品切れになり、味に対する高い評価から他地域の卸業者からも販売希望があった。好評にこたえる形で、ことしは道南で1080ヘクタール、空知で約500ヘクタール作付け。収量も昨年の約4倍の6500トンが見込めることから、道内他地域での販売を決めた。

 協定は道南の生産者組織「函館育ちふっくりんこ蔵部」(斉藤秀樹会長)、JAきたそらちのぬくもり米生産組合(横井幸一組合長)などで交わす。食味の判断基準となるタンパクの割合や出荷基準なども細かく定め、離れた両地域で「ブランド米」としての品質維持を図る。

 「ふっくりんこ」は、成熟が遅く秋が遅い道南に適していたが、道南での認知度は高く、味の面でも高い評価を得てきた。ホクレン函館支所米穀課は「生産者にとっては大切に育ててきた品種が全道に広まり、誇りとやりがいにつながる。道南の消費者も改めて道南生まれの品種と再認識し、食べて応援してほしい」と話している。 (原山知寿子)


◎「スーパーアークス港町店」あすオープン
 道内で食品スーパーなどを展開する流通大手のアークス(札幌市、横山清社長)のグループ会社、道南ラルズ(函館市港町1、同社長)は29日午前9時、同市港町1に「スーパーアークス港町店」(鍋谷光明店長)をオープンする。スーパーアークス業態の店舗は道南初で、同社直営の食品スーパーは16店目。8月下旬には、現在建設中の別棟2棟と併せて「ポールスターショッピングセンター」として、全面オープンさせる。

 店舗は、市立函館病院の南側に位置する工業地域約3万7251平方?の敷地に立地し、店舗の延べ床面積は3359平方ヘクタール。同社直営のスーパーアークスのほか、クリーニング店や洋菓子店などテナント8店が入店し、年商30億円を目指す。

 スーパーアークスは、高齢化社会に配慮した店づくりと、地産地消を推進する地場産品を豊富に取り扱うなど、低価格で安全な食品を提供。店内には、旬の食材の調理方法を実演を交えて紹介するクッキングアドバイスコーナーや、購入商品の配達サービスなどを提供する。

 現在、建設中の別棟は、B棟が7610平方メートル、C棟が1774平方メートル。衣料品店やドラックストア、書店、飲食店などが入店予定で、全体で40店規模になる。同社では、テナント店と併せて400人規模の雇用創出も見込んでいる。

 同社の野崎剛史常務取締役管理本部長は「高齢社会のニーズに応える食品を提供し、地元の元気につながる手助けができる店を目指したい」と話している。

 初日は、午前8時半からテープカットを行う。年中無休。営業時間は午前10時から午後9時45分まで。(土、日曜は午前9時から)。 (今井正一)


◎北斗の山林で男性遺体発見 死体遺棄容疑で男女4人逮捕
 【北斗】函館中央署に5月下旬、詐欺の疑いで逮捕された住所不定、無職三浦誠也被告(24)=同罪で起訴済み=が「仲間と一緒に遺体を山の中に埋めた」と供述していることが、27日までに分かった。同署などは同日朝、北斗市向野の山林を捜索し、供述通り男性の遺体が土中に埋まっているのを発見。その後の調べで、遺体は昨年夏から行方不明となっていた函館市花園町33、無職畠山征司さん(当時61)と判明した。

 同署や道警函館方面本部捜査課などは同日午後、同署内に「北斗市山林における男性殺人・死体遺棄事件」合同捜査本部(本部長・浦谷博美道警函本本部長)を設置、犯行を自供した住所不定、無職三浦誠也容疑者(24)のほか、札幌市南区川沿3の2、無職で暴力団員竹中博文(34)、同住所、飲食店従業員野村学(21)、函館市千歳町27、アルバイト店員遠見加奈(22)の計4容疑者を死体遺棄の疑いで逮捕した。このほか別件で服役中の無職男性(23)も犯行に関与していたとみて調べており、5人を殺人容疑についても追及する方針。

 調べによると、4人は共謀して昨年8月下旬ごろ、畠山さんの遺体を北斗市向野の山林内に車で運び、土の中に埋めて遺棄した疑い。

 畠山さんの遺体は27日午前10時ごろ、三浦容疑者立ち会いの下、北斗市向野の山林の斜面で、地面から約50センチの土中にあおむけの状態で見つかった。死後1年以上経過しているとみられる。同署などは28日にも遺体を司法解剖して、詳しい死因などを調べる。

 三浦容疑者は暴力行為法違反の罪で服役中だった5月28日、交通事故による休業損害補償の保険金をだまし取ったとして、詐欺容疑などで同署に逮捕され、6月18日に起訴された。

 畠山さんの親族から昨年9月、捜索願が出され、同署などが内偵捜査を進めていた。畠山さんは独り暮らしで、行方不明になる直前、三浦容疑者らと借金をめぐる金銭トラブルがあったといい、畠山さん宅の室内には荒らされたような跡があったという。

 遺体発見現場は、北斗市向野の八郎沼近くの観音山(144メートル)の中腹で、山頂に続く砂利道の林道から5メートルほど離れた傾斜面。約1キロ東に離れた場所に大野農高があるほか、周辺に民家などはなく、普段は人通りは少ないという。


◎函館高専生徒がはしかの疑い、4日間の学校閉鎖
函館高専(函館市戸倉町、長谷川惇校長、生徒1045人)は27日、生徒1人がはしか(麻しん)に感染した疑いがあることから、感染拡大を防ぐため28日から7月1日までの4日間、学校を閉鎖することを決めた。今春からのはしか流行で、函館市内の学校が閉鎖されるのは初めて。

 疑いのある生徒の感染源は不明。この生徒は、12日から発熱を訴えて学校を休んでいたが27日は登校。発疹(ほっしん)を発見したため昼休みに同校の保健室を訪れ、看護師の指示で病院を受診した。抗体検査の結果は出ていないが、医師の診断でははしかの疑いが強いという。

 診断を受け、同日午後5時すぎに校内放送と連絡網で全生徒・教職員に学校閉鎖を伝えた。4日間は学生と教職員の活動を中止し、一部を除き校内への出入りも禁止する。また「この間、ほかの生徒にはしかの症状が現れた時には閉鎖期間の延長もあり得る」(同校)という。

 同校は全国的なはしか流行を受け、生徒の罹患(りかん)歴やワクチン接種の有無を6月中旬から調査し、まとめる作業中だった。