2007年6月5日(日)掲載

◎公立5幼稚園が磯浜体験
 函館市内の全公立幼稚園が参加する合同磯浜体験活動が4日、函館市釜谷町の釜谷漁港に隣接する海岸で行われた。約120人の親子が参加。潮が引いた磯のあちこちを歩き回り、取り残されたカニやツブ、ヒトデ、コンブなどを見つけては歓声を上げていた。

 参加したのは、市立はこだて、函館日吉、同万年橋、同戸井、道教育大附属函館の5幼稚園。2年前、旧戸井町が同市と合併した記念にスタート。昨年まで附属函館は加わっていなかったが、今回は参加が実現し初の5園合同となった。

 参加者は長靴や軍手を身に着けて、バケツや虫かごを持参して磯へ下り、岩場のくぼ地に残った水たまりにウニを発見したり、石の下でカニを捕まえたりした。子どもたちは「ヤドカリゲットー」「面白いよ、ママ見て!」などと声を上げ、中にはナマコを突きつけて母親を驚かせる子も。

 附属函館から参加した同市美原の石井貴子さん(37)は「親子で海に行くことは少ないので貴重な体験」と、長女の楓果ちゃん(6)と一緒に楽しんだ。 (小泉まや)


◎参院選公示まで1カ月、早くも混戦の様相
 7月22日に投開票予定の参院選は、公示日となる同5日まで1カ月となった。道選挙区(改選数2)にはこれまで、現職2人を含む6人が立候補を表明しており、早くも混戦の様相を呈している。函館を中心とした道南地域での各陣営の動きも活発になっており、水面下での戦いはすでに本格化している。

 立候補を表明しているのは、自民党現職の伊達忠一氏(68)=当選1回=、民主党現職の小川勝也氏(43)=同2回=、無所属新人の多原香里氏(34)、共産党新人の畠山和也氏(35)、社民党新人の浅野隆雄氏(50)、維新政党新風新人の千代信人氏(43)。

 伊達氏は安倍首相の下で、参院経済産業委員長などの要職を務めており、国との強いパイプを武器に2選を狙う。5月31日、6月1日の2日間、渡島管内全域を回り、中央と地方との格差是正と教育改革を公約の主軸に据えながら、来年の北海道洞爺湖サミットや道新幹線の延伸実現などで、北海道や道南の景気回復につなげたいと訴えた。

 小川氏は5月20日に道南入りし、5日間にわたりあいさつ回りや国政報告会などを精力的にこなした。多方面に広がる格差の是正などを訴えるとともに、安全・安心の国づくりを強調。道南には民主党公認・推薦の道議が6人いることから、重要地域と位置づけ、合同選対本部事務所との連携強化を前面に押し出し、3選に向けて準備を整えている。

 新党大地副代表の多原氏は、民主党などから推薦を受ける。5月30日に札幌市内で事務所開きを行い、これまで同市内を中心に活動している。今後の日程は調整中だが、6月中には新党大地代表の鈴木宗男衆院議員と道南入りする見通し。ただ一人の女性候補者として、お年寄りら社会的弱者をはじめ、若者や女性を中心に支持を訴える考え。

 畠山氏は5月に檜山管内の各町を精力的に回った。同30日、札幌市内で比例区の紙智子参院議員とともに事務所開きをし、連携して選挙に臨む。党渡島・檜山地区委員会の原田有康委員長は「税政、社会保障、雇用問題の3つの格差是正と、憲法9条の問題が争点」と話す。21日には函館に入る予定で、草の根の運動で党への支持拡大を目指す。

 浅野氏は、比例区候補と連動した戦いで相乗効果を狙う。函館・道南入りは未定で、今後、具体的なスケジュールを決める。護憲の立場から憲法問題を訴え、平和教育などにも切り込む。党道南支部連合の道下誠幹事長は「党員一人一人が票の掘り起こしと宣伝活動に努め、支持を訴えていく」と全力で戦う構え。

 維新政党・新風の千代氏は、1998年、2001年、04年に続き4度目の挑戦。道本部によると、7日から4日間かけて夕張市を皮切りに道東から道北方面の遊説を行う。道南には中旬から後半にかけて入る予定で、函館を中心に街頭で政策を訴える。

 公明党は道選挙区に候補を擁立せず、比例区での議席拡大を目指す。党函館総支部の茂木修副支部長は「比例重点候補の実績のほか、持続可能な社会保障制度の構築や政治とカネの問題について訴えていく」と話す。政権政党の枠組みから、選挙区では自民党の伊達氏を支援する見通し。

 このほか、4月の夕張市長選で次点となった青森の会社社長、羽柴秀吉氏(57)にも出馬の動きが見られる。 (参院選取材班)


◎畑・渡島支庁長が就任会見
 渡島支庁長に1日付で就任した畑秀叔(ひでとし)氏(54)は4日、渡島合同庁舎で着任会見を開いた。畑氏は「各機関と連携し、道南地域全体の振興発展に努力していきたい」と抱負を語った。

 畑氏は「渡島は大沼国定公園や3つの道立公園をはじめとした豊かな自然や、五稜郭、元町地区、松前城など歴史的建造物といった観光資源に恵まれた素晴らしい地域。新幹線の開業に合わせ、さらなる観光客増加を目指すため、地元と連携しながら知恵を出し合っていきたい」と強調した。

 また、土木の現場に携わってきた観点から「道内の他地域に比較すると、道路や下水道など生活に密着したインフラ整備が遅れている部分も見られるので、住民が住みやすい町づくりを心がけたい」と話した。産業については「ホタテやコンブなど水産資源に恵まれているので、全道、全国に販路を拡大し、地域の活性化につなげたい」と意欲を見せた。

 畑氏は札幌市出身。1976年に北大工学部を卒業して道庁入り。網走土木現業所を振り出しに、札幌、帯広などの勤務を経て、2005年に小樽土木現業所長、前職は06年に就任した道建設部まちづくり局長。渡島支庁での勤務は今回が初めて。(小川俊之)


◎市立函館高校の五嶋さん「ユース・エコ・フォーラム」の道代表に
 北方圏地域共通の課題や影響問題の解決を図る国際機関「北方圏フォーラム」(事務局・米国)が、8月にロシアで開催する環境会議「ユース・エコ・フォーラム2007」(ロシア、同フォーラム事務局主催)の北海道代表に、市立函館高校の五嶋春奈さん(3年)が選ばれた。五嶋さんは「人の協力を得られるような環境に対する取り組みを伝えたい」と意気込んでいる。

 同フォーラムは北方圏地域の国や地方が協力しようと、1991年に設立された。カナダや中国、フィンランド、アイスランド、日本(北海道)、米国、ロシア、韓国の8カ国(15地域)で構成。ユース・エコ・フォーラムは毎年地域を変えて開かれ、各国・地域の代表者が、集団討議などで環境への理解を深める。函館市内から代表が選ばれるのは2004年以降では2人目。

 今回道代表として選ばれたのは、五嶋さんと札幌丘珠高校の片山将太君(3年)の2人。道内各地から13人の応募があり、「環境と社会について」をテーマにした小論文や面接を経て決定した。

 五嶋さんは中学生の時から函館市の海外派遣事業や、オーストラリアでの3カ月間のホームステイなどで、海外での生活を体験。オーストラリアの学校で、干ばつやグレートバリアリーフの環境破壊問題などについて生徒同士で真剣に議論し、環境問題は人ごとではないと実感したという。

 「小さなことでも実行に移す気持ちが大切で、意識を持つきっかけづくりが環境問題解決には重要」と力を込める。誕生したばかりの同校にできる取り組みとして、地域住民と連動した開校記念植樹を提案している。

 エコ・フォーラムのテーマは「社会と環境」。片山君と協力し、道内での環境問題への取り組みなどを紹介するプレゼンテーションを行い、グループディスカッションに参加する予定。五嶋さんは「海外を見ることで積極的に主張することの大切さを知った。世界に自分の考えを知ってもらいたい」と話し、会議に向けて英会話を練習するつもりだ。 (小泉まや)


◎06年度分の確定申告状況、所得税納税者 前年比1・2%減
 函館、八雲、江差の道南3税務署は4日、2006年分の所得税などの確定申告状況を発表した。所得税の納税者数は、前年比1・2%減の2万6562人だった一方で、申告納税額は、定率減税額が20%から10%に引き下げられたことなどによる影響で、同2・4%増の49億1400万円となった。

 確定申告者は同0・1%増の8万6932人、還付申告者は同0・6%減の4万6957人と、ともにほぼ前年並みで、所得金額は同3・1%減の1013億8600万円。所得税のうち、株式等の譲渡を除いた譲渡所得件数は同6・1%増の1818件、有所得件数は同4・7%増の993件、所得金額は同7・1%増の59億4100万円といずれも増加した。

 消費税は、申告件数が同4・9%減の6755件、納税申告件数が同4・6%減の6664件、納税申告額が同2・5%減の18億2100万円と、いずれも減少。贈与税申告者915人(同0・4%増)のうち、納税者は同1・4%増の568人で、納税額は前年の約2・8倍に当たる2億7200万円に上った。

 また、国税電子申告・納税システム「e―Tax(イータックス)」は、全申告者に対するシェア(占有率)こそ低いが大きく伸びた。所得税は1874件と前年の約19倍、消費税は527件と前年の約21倍に達した。

 来年分については、ネット申告の未経験者を対象に「初回来署型電子申告」を設置する予定で、函館税務署は「e―Taxの利用率を目標の50%に近づけるよう、利便性の向上と周知に努めていきたい」と話している。 (浜田孝輔)


◎江差町円山地区 土砂災害警戒区域に指定
 【江差】函館土木現業所は5日、豪雨などにより土砂災害などの恐れがある江差町円山地区の一部を土砂災害防止法に基づく「土砂災害警戒区域」に指定した。指定区域内には民家や共同住宅など28棟がある。さらに9棟は危険度が大きいとして、住宅の移転勧告などの対象になる特別警戒区域の指定を受けた。

 円山地区は住宅地の背後にがけや急斜面があり、これまでにも豪雨などで土砂流出などの被害があった。警戒区域に指定されたのは民家20棟と共同住宅8棟の合計28棟。土砂災害の発生に備えて避難誘導態勢の整備などを図る。

 9棟が指定を受けた特別警戒区域では、宅地分譲や社会福祉施設の建設などが許可制となるほか、建築物の構造規制、既存住宅の移転勧告の対象となり、移転に要する資金確保に向けた融資などの支援策を講じることも可能になる。

 函館土現管内では2005年度以降、せたな町、松前町、函館市の3カ所が警戒区域などの指定を受けた。今回の指定に伴い指定地域は全道で9市4町、合計58カ所に上る。 (松浦 純)