2007年7月12日(木)掲載

◎称名寺のアジサイかれん
 11日の函館市内は、低気圧を含む気圧の谷が接近した影響で、午後から雨が降り始めた。市内各地で咲いているアジサイは、数日ぶりの雨でみずみずしさを増し、青や紫の濃淡が鮮やかになっていた。

 同市船見町の称名寺(須藤隆仙住職)の境内でも、色や花の形がさまざまなアジサイが咲き誇っている。同寺のアジサイは、終戦後の1947年、玄関先に植えられたのが始まり。94年に境内入り口左側に移された。雨の中、寺を訪れた人たちは、周りの木から落ちた滴や雨を受けて輝く姿に目をやっていた。(山崎純一)


◎道選挙区8人出馬か…参院選きょう公示
 第21回参院選は12日、公示される。改選数2の道選挙区には現職2人、新人6人の計8人が立候補を予定。年金記録漏れ問題や閣僚の相次ぐ交代など、与党は苦しい立場にある。野党は攻勢を強め、民主党は今後の政権交代がかかった一大選挙として、推薦候補を含めて2議席獲得を目指す。29日の投票日に向け、17日間の選挙戦に突入する。

 道選挙区に出馬を予定しているのは、現職が自民党の伊達忠一氏(68)=当選1回=、民主党の小川勝也氏(44)=同2回。新人は、共産党の畠山和也氏(35)=党道政策委員長=、社民党の浅野隆雄氏(50)=党道幹事長=、無所属の多原香里氏(34)=新党大地副代表=、無所属の羽柴秀吉氏(57)=会社役員=、諸派の千代信人氏(43)=維新政党・新風道代表。このほか、札幌市の元会社員の男性(47)が出馬の準備を進めている。

 民主が過半数を獲得すると、次の総選挙での政権交代が見えてくる。自民は政府与党の枠組みで公明と連携し、連立政権の維持を目指す。

 伊達氏は9日に函館入りし、今選挙を「天下分け目の戦い」とし、安倍政権の継続と政治の安定を訴えた。年金問題などのほか、不祥事による長男の道議辞職などの逆風があり、函館の総決起大会で長男の件もわびた。

 公明党道本部は伊達氏の推薦を決めており、党函館総支部は「道本部が伊達氏に苦言を呈した。与党の枠組みの中で対応せざるを得ない」と仕切り直し、支援する方針。

 小川氏は、格差社会の是正や安心して暮らせる国づくりなどを主張。「政権奪取」を掲げ、党道8区総支部は「4月の統一選で各議員を支援してくれた組合や団体などに支援を要請している。最後まで引き締めて臨む」と手綱を緩めない。

 民主は多原氏の推薦を決めているが、8区総支部に新党大地からの具体的な要請はないといい、道の合同選対幹部会で決まった、掲示板への多原氏のポスター張りを協力する。

 その多原氏は、新党大地、国民新党の推薦も受け、台風の目となり得るか注目される。7日に函館入りし、年金問題や格差社会の現状を指摘し、国政への信頼回復を訴えた。

 共産、社民は比例候補と連動した戦い。

 共産は北海道・東北・北関東の活動地域候補、紙智子氏の再選が至上課題で、党函館地区委員会は「比例を軸に畠山氏を押し上げる」と語る。浅野氏は社民の比例候補、山口たか氏(新人)とともに、党の看板ともいえる「護憲」を訴える。

 羽柴氏は、夕張市長選に立候補した経験などから財政問題などを掲げ、「夕張市民の心を国政に届けたい」(陣営)とする。

 千代氏は、4回目の参院選挑戦。自主憲法の制定や日本の国家観、国家意識の構築などを訴える。(参院選取材班)


◎通学費補助制度など説明…道教委・公立高校配置計画地域別検討協議会
 道教委が6月に公表した2008―10年度の「公立高校配置計画案」をテーマにした地域別検討協議会が11日、渡島管内でスタートした。函館市内の渡島合同庁舎で開かれ、道教委は6月上旬に公表した同案に加え、通学費など補助制度の概要も合わせて説明。09年度限りでの募集停止が盛り込まれた木古内高校がある木古内町の大森伊佐緒町長は、あらためて存続を強く求めた。

 渡島管内の自治体や市町教委、各学校長ら教育関係者、一般傍聴者ら合わせて77人が出席した。

 同案は、木古内高校の生徒募集を停止して廃校とするほか、函館商業は学科再編を行った上で、10年度入学から1学級減らして5学級に。福島商業は1学級のままで、熊石高校は08年度から特例の30人学級を廃止して1学級減らした上で、他校の教育活動支援を受ける地域キャンパス校とする。

 通学費などの補助制度は、募集停止に伴って居住する市町村に通学可能な高校がなくなり、通学区域内の公立高校に通う場合のみ対象となる。通学費、下宿費ともに、月額実費負担額から1万5000円を引いた額で、下宿費は2万円が上限。また補助が受けられる所得限度額は道内平均収入(3人世帯の場合)452万円。補助期間は募集停止後5年間に限定する。

 大森町長は、建設中の北海道新幹線の木古内駅が木古内高校の近くに設置されることを強調し、「自治体の実態を調査し、再度検討を」と訴えた。函大付柏稜高校の宮下勤校長は、補助対象者に私立高校への進学者が含まれないことについて「子どもの学校選択の幅を狭めることにならないか」と指摘。長万部中学校の村松和弘PTA会長は補助期間に期限が設けられた理由を問い、道教委側は「応急措置のため」と説明した。

 同協議会は31日まで道内各地で予定しており、計19回開かれる。桧山管内では25日、江差町内の同支庁庁舎で開催。道教委は協議会での意見を参考に9月中旬ごろまでに計画を決定する。(小泉まや)


◎「知恵の予算」配分の仕方 検討へ…市議会予算委 市教委が事業内容評価
 函館市議会の予算特別委員会(石井満委員長)が11日から始まり、初日は総務常任委員会所管の議案を審議した。市立学校長の裁量で特色ある教育を進める「知恵の予算」について、市教委は来年度以降、予算の一律傾斜配分のあり方でよいか検討するとともに、各校から事業内容の報告を求め、評価を市のホームページなどで紹介する考えを伝えた。

 福島恭二氏(民主・市民ネット)、井田範行氏(市民クラブ)の質問に対する答弁。

 「知恵の予算」は西尾正範市長が掲げる目玉事業の一つで、市は学校規模に応じて100万円、80万円、60万円、総額で5600万円を配分する補正予算案を提出した。

 福島氏は「全校に配分するよりも、市教委が予算枠を持ち、各校から独自事業の要望があれば予算を充てるのが本来のやり方。公約実行の構えはいいが、財政難であり、市にそうした余裕はないと思う」と質問。市教委も「趣旨は理解でき、配分方法は次年度以降、検討したい」と述べた。

 井田氏は事業の成果を期待しながら、福島氏と同様に「予算が欲しい学校に手を挙げてもらい、配分すべきだ」とした。事業に対する学校長の受け止めについて市教委は「今までなかった予算で、一部に戸惑いもあったが、基本的に歓迎している」と答えた。

 市の財政状況の厳しさは多くの委員が指摘。本間新氏(市民クラブ)は、現在の状況では西尾市長が掲げる公約のすべてを実現するのは困難であるとし、「市が全会計でどのぐらいの予算と借金があるか、財政白書のような形で市民に分かりやすく示し、(できない事業もあることを)理解してもらうことが必要」と述べた。

 12日は経済建設常任委員会所管の議案を審議する。(高柳 謙)


◎毎月20日 世界各地のワインで酔う…レストランなど6店参加
 函館市内のレストランやワインバー6店が、毎月20日の「ワインの日」に合わせ、世界各地のワインを割安で提供するイベントを始める。1回目は今月20日で、フランス産シャンパンを数量限定で用意し、参加店均一の値段で振る舞う。

 ワインに関する勉強会や情報交換の場にしようと、10年以上前から同市内の洋食店を中心に連携を深めてきた。5年ほど前からは、有志が月に1回集まるようになり、ワイン普及に向けた企画を模索。

 日本ソムリエ協会(東京)が1994年2月に制定した「ワインの日」に賛同する形で、6店がイベントを運営する組織「ラミ・デュ・ヴァン(日本語でワインの友達の意)」(山本吉徳会長)を発足。ワインメーカーや輸入業者との協議を重ねながら、準備を進めてきた。

 1回目の銘柄は、フランス・モントードン社製のシャンパン「ブリュット“レゼルヴ・プルミエール”」で、柔らかい泡立ちとすっきりした飲み口が特徴。グラス1杯700円、ボトル1本4200円で、各店は飲み物に合うメニューを思案している。

 8月以降もイベントを定期的に開催する予定で、業種を問わず、ワインを扱う居酒屋やすし店などに広く参加を呼び掛けていく。山本会長は「ワインをブームで終わらせることのないよう、イベントを定着させ、珍しくておいしいワインを安く提供していきたい」と話している。

 イベント参加に関する問い合わせは、ラミ・デュ・ヴァンTEL080・3238・7763。メールアドレスはlamiduvin@softbank.ne.jp(浜田孝輔)

 1回目の参加店は次の通り。


◎「江差歴史ツアー」も…第3回オンパク概要決まる
 湯の川温泉街を主会場に繰り広げる体験型ロングランイベント「第3回はこだて湯の川温泉泊覧会(はこだて湯の川オンパク)」(実行委主催)の概要が、11日までに決まった。期間は10月27日から11月11日までの16日間で、プログラム数は散策や食に関するものなどの新企画を加え、70プログラム以上を想定している。

 テーマは「湯けむり見聞録―そっと教えるおとなのより道―」。サブテーマとして「我(わ)が街 新発見!新体験!」を掲げ、函館を中心とした広域観光を展開するために各地へ出向くツアーを充実させ、長期滞在や体験型観光の魅力を再認識してもらう。

 新たなプログラムとしては、「江差の歴史ツアー」「啄木の132日間を探る」といった散策や、食を題材にした「糖尿病の食事」「きき酒選手権」など。このほか「美味(おい)しい珈琲(コーヒー)の入れ方教室」「くるくる手作りバームクーヘン」などの体験型メニューもある。

 前回初開催で好評だった、湯川町の商店街で飲み歩きを楽しむ「湯の川ぶらり・つまみぐいめぐり(ゆのぶら)」は、参加店を増やし、11月2、3両日に予定。毎回人気を博している健康やカルチャー、音楽などのプログラムは継続して行われる。

 内容を紹介するガイドブックは、9月25日から市内各所で配布する。はこだて湯の川オンパクのホームページ上や専用電話での予約は、10月6日から受け付ける予定。(浜田孝輔)