2007年7月15日(日)掲載

◎長ネギ収穫進む
 【北斗】道内有数の作付面積を誇る北斗市内の長ネギの収穫が盛んに行われている。大野地区では6月上旬からハウス物の収穫が始まり、いまでは一日1500ケース(1ケース15束)ほどを出荷。同地区の長ネギは、柔らかくて甘みがある白い部分が多いのが特徴。「函館育ち」のブランドで函館市内・近郊を中心に札幌市や関東、関西などに出荷される。

 ビニールハウス約1000平方メートルと露地6000平方メートルで栽培する同市稲里24の農業、佐々木秀樹さんはビニールハウスで栽培した長ネギ「吉蔵」を4日から出荷。白い部分25センチ以上が出荷基準で、収穫後は葉をむき、高さを65センチにそろえて箱詰めする。

 新函館農協大野支店によると、「春先の天候不順があったものの5、6月の好天で太くなり、生育状況もよい」という。

 露地物は8月中旬から出荷が始まり、11月下旬まで続く。

 同支店では前年より205トン多い2420トンの出荷を見込んでいる。(笠原郁実)


◎函館バス・旧昭和ターミナルに家電販売店の出店計画
 函館バス(寺坂伊佐夫社長)が所有する旧昭和ターミナル(函館市美原3)の土地に、家電販売店を中核とした施設の出店計画が進められている。同社は昨年9月、シネマコンプレックス(複合映画館)などが入るアミューズメントビルの建設計画を発表したものの、十分な駐車場を確保できなかったとしてことし3月に撤回。新たな案は、年々厳しさを増すバス事業の補てん策として注目される。

 計画によると、広さ約1万725平方メートルの敷地に、鉄骨造り3階建て、延べ床面積約1万5300平方メートルの建物を建築。1階には飲食店とカラオケボックス、2階に家電販売店、3階に家電販売店事務所と飲食店が、それぞれ入居する。駐車台数は230台分。

 前回の計画と比べ、延べ床面積は5000平方メートル近く拡張され、頓挫する要因となった駐車スペースは、逆に100台分余り縮小されている。入居するテナントをはじめ、着工や開業の日程、総工費などは明らかになっていない。

 施設の中核となる家電販売店に関しては、同市内では国道5号沿いのJR五稜郭駅前(亀田本町55)に「コジマニュー函館店(仮称)」が近日の開業を目指しているほか、道道函館上磯線(通称産業道路)と道道赤川函館線の交わる一角(美原2)に、「ヤマダ電機テックランド函館2号店(仮称)」の出店が明らかになっている。

 このほか、近隣には大型複合商業施設「函館昭和タウンプラザ」(昭和1)内に「ベスト電器New函館店」、産業道路と函館新道の交差点近くに「マックスデンコードー函館店」(石川町320)があることから、競争激化は必至。これらの家電量販店各社は、さらなる新規出店や移転について「現段階では計画にない」としている。

 なお、函館バスの出店計画は、17日に開かれる市議会総務常任委員会(井田範行委員長)で市側から報告される。また、同社が市から10年間の無償貸し付けを受けている昭和営業所(昭和1)について、契約の切れる2012年4月以降も延長したいとの申し出があったことから、市は市生活交通協議会に諮って審議する。(浜田孝輔)


◎「小学生新幹線体験ツアーin仙台」出発
 北海道新幹線建設促進期成会(会長・高橋はるみ道知事)による「小学生新幹線体験ツアーin仙台」に函館から参加する12人の出発式が14日、JR函館駅前で行われた。16日までの日程で、青森、宮城両県で新幹線の建設工事現場などを見学。プロ野球パ・リーグの東北楽天対北海道日本ハムファイターズの試合を観戦し、道新幹線大使である日本ハムの森本稀哲選手を応援する。

 小学生に新幹線の魅力を知ってもらい、道民全体の機運を高めようと初めて実施。旅行費用の一部を同会が助成する。札幌などから小学5、6年生126人の応募があり、抽選で選ばれた80人が参加。8月には森本選手との交流も予定している。

 出発式で海老沢順三道新幹線建設促進道南期成会副会長(北斗市長)は「北海道で新幹線が疾走する姿を想像しながら旅行を楽しんで」とあいさつ。一行は同駅で札幌発メンバーと合流し、特急スーパー白鳥で三沢に向かい、八戸―新青森間の工事現場を見学した。

 15日に八戸から仙台まで東北新幹線のはやてで移動して野球観戦。16日には宮城県内の新幹線総合車両センターを見学する。富樫佳祐君(函館柏野小5年)は「新幹線に乗るのは初めて。どれだけ速いか楽しみ」と話していた。(原山知寿子)


◎大門祭開幕、多彩なイベント
 函館市内の大学、短大の学生が企画・運営する合同学生祭「第7回大門祭」(実行委主催)が14日開幕し、函館市松風町の大門グリーンプラザを会場に、多彩なイベントが繰り広げられた。15日まで。

 台風接近などの影響で、少し肌寒いあいにくの天気だったが、会場内は「海〜忘れられないこの夏〜」のテーマに合わせ、メーンステージを船の形にあつらえ、海賊旗をイメージした巨大なフラッグを掲げるなど、ひと足早いリゾート気分。メーンステージでは氷早食い大会や学生バンドのライブなどが行われたほか、フリーマーケットやいかロボットの展示などもにぎわいを見せていた。

 ひときわ盛り上がりを見せたのが「The 夏女」「海の男NO.1決定戦」のミス&ミスターコンテスト。このうち「The―」では、浴衣などに身を包んだ8人の女性が出場し、演技対決などで熱い戦いを展開。会場からは盛んに声援が送られていた。

 最終日16日は午前10時開幕。午後2時からは函館出身の世界的大道舞踊家、ギリヤーク尼ケ崎さんのステージが行われるほか、「イカそーめん早食い世界大会」「ワンフレーズカラオケ」など、盛りだくさんのイベントを用意している。(小川俊之)


◎博物館五稜郭分館最後の特別展/新徴組など貴重な資料180点
 11月末に閉館される函館市立博物館五稜郭分館(五稜郭公園内)の最後の特別展「さらば五稜郭の星」の第1部「血戦!戊辰戦争―東北・蝦夷地の戦い―」が14日、同館で始まった。所蔵品や江差町、東北各地の博物館、郷土資料館の協力で集めた資料約180点が展示され、新徴組や榎本武揚の手紙などが紹介されている。9月17日まで。

 新徴組は、京都の治安を守る新選組に対し、1862(文久2)年、江戸幕府が浪人を集めて結成。庄内藩主の指揮下に置かれ、江戸を取り締まったが、戊辰戦争では官軍と戦い、賊軍となった。今展では皮肉な運命が垣間見られるよう、山形県鶴岡市の所蔵資料などを展示。同館の保科智冶学芸員は「あまり知られていない新徴組の存在を知ってもらえれば」と話す。

 榎本武揚が蝦夷島総裁として副総裁松平太郎のもとに、箱館のイギリス領事ユーデン氏にあてた手紙では、砲台や五稜郭に入らないことを呼びかけている。筆遣いからは榎本の心境が感じられる。保科学芸員は「古文書という硬いイメージではなく、言葉に込められた意味を楽しんでもらえれば」と紹介する。

 高松凌雲が薩摩藩士池田次郎兵から譲り受けた山水画など貴重な資料もある。保科学芸員は「歴史を動かした資料ばかり。一点一点をじっくり眺めてほしい」と来場を呼びかけている。(山崎純一)