2007年7月17日(火)掲載

◎初夏の夜空に大輪…函館港花火大会
 函館新聞社主催の「創刊10周年記念・第11回函館港花火大会」が16日午後7時20分から、函館市の函館港豊川ふ頭周辺をメーン会場に開催された。合計5500発の花火が、初夏の夜空をきらびやかに彩った。

 「海の日」制定を記念して、本社創刊の1997年から毎年行われており今年で丸10年目。当初は15日の予定が悪天候のため順延となったが、この日は午後に入ると青空が戻り、10日以来6日ぶりに最高気温が20度を超え20・7度となるなど、絶好の花火日和となった。

 「星空の映画館」をテーマにした2部構成で、「感謝を込めて」と題された第1部は、創刊10年を記念した7号大玉10連発の祝砲で豪快に幕開け。イチゴ、ナシ、モモ、パイナップルが愛らしく広がる「星空のフルーツパーラー」や、フルコンピューター制御で9カ所からスーパーワイドスターマインが打ち上がる「スペースファンタジー2221」などが会場を沸かせた。

 「輝く未来へ」をテーマにした第2部では「はこだてクリスマスファンタジー」をイメージした幸せのもみの木や、陸海5カ所から同時に打ち上げるパノラマスターマインなど、趣向をこらした花火が次々と夜空を飾り、広域サウンドシステムとのコラボレーションとともに、最後まで観客を楽しませた。

 花火の様子は、「FMいるか」が会場内のブースから軽妙なトークを交えながら完全生中継。実際に花火を打ち上げながら、その種類を説明する「花火教室」でもDJのコミカルなやりとりが会場の笑いを誘っていた。


◎水産物の地産地消に一役…浜に伝わる郷土・創作料理コンテスト
 渡島支庁は本年度、「埋もれた名物お魚発見事業」を実施する。管内の漁協女性部などに呼び掛け、地元産の魚を使った浜に伝わる郷土料理や創作料理のコンテストを行い、入賞作のレシピを紹介したり、ホテルや飲食店にメニュー提供を促す。同支庁は「一般家庭にあまり知られていない郷土料理を発信し、管内水産物の地産地消や観光の魅力づくりを図りたい」(水産課)としている。

 総務省統計局の「家計調査年報」によると、道民の1年間の1世帯当たりの魚介類の支出金額は、1995年で12万5637円だったが、2005年度では9万1870円まで減少。消費者の魚離れが進んでいる。また、道南の魚料理では「ごっこ汁」などがあるが、漁業地域には、市民も知らない魚料理の存在も指摘されている。

 昨年度同支庁が旅行業者らと行った「渡島の食と観光の連携を考える検討会議」で、名物料理の創出と地域全体の売り込みが提案された。市民、観光客双方に、地元で水揚げされるさまざまな水産物をPRする取り組みとして、同事業を企画した。

 管内14漁協の女性部などに呼び掛け、「浜の味」や地元産海産物の創作料理を募集。ホテルの料理長などが審査し入賞作品を選出し、レシピを同支庁のHP(ホームページ)などで紹介する。市内のホテルなどにメニュー化を依頼することなども考えている。

 同課は「海に囲まれた道南は海産物が豊富だが、知られざる名物郷土料理を発掘することで、より地元で有効に活用され、消費拡大につなげていきたい」としている。(原山知寿子)


◎前回上回るペース 函館は3日間で0・64%…参院選期日前投票
 道選管は、15日現在の参院選期日前投票の中間状況をまとめた。期日14日前(投票が始まって3日間)の集計で、全道の期日前投票率は0・79%で、2004年の前回参院選同期より0・17ポイント上回っている。函館や渡島管内も前回同期と比べ、投票率が若干上がっている。

 函館市の投票者数は1579人、投票率は0・64%、前回比で投票率は0・09ポイント高い。渡島全体の投票率は0・61%で、同0・11ポイント増。檜山管内は投票率が0・53%で、同0・01ポイント減とほぼ前回並み。

 期日前投票は、従来の不在者投票に替わる制度として、2003年12月以降の選挙に適用されている。全道や函館などの投票率が前回を上回っていることについて、道選管渡島支所は「前回は制度が十分知られていなかった。その後、衆院選や統一選などがあり、制度が周知された結果ではないか」と話している。(高柳 謙)


◎上水道の創設期など発表…函館産業遺産研究会総会研究発表会総会
 函館産業遺産研究会(富岡由夫会長)は14日、サン・リフレ函館(大森町)で今年度の総会を開いた。昨年度の事業と予算報告、今年度の活動計画と予算案が審議され、富岡会長の再任も含め、すべて承認された。総会後は研究発表会を行い、函館上水道の創設期や笹流ダム、昭和初期の工作機械について発表された。

 研究発表では、はじめに富岡会長が会で収集した、昭和初期に函館で製造、活躍した旋盤などの工作機械について発表。当時の函館は、中央の情勢をみて、必要な工作機械を作っていたことを紹介し、「収集した工作機械は、函館は時代に合った産業ができる街というあかし。技術教育にも活用してくれれば」と話した。

 続いて市水道局水道課の加保幸雄係長が、創設期の函館水道と笹流ダムについて発表。1889(明治22)年、国内で2番目にできた函館の水道について、街は繁栄するも水の便が悪く、水道建設が必要だったと話した。

 その後、人口増加に伴う水道の拡張計画が進み、大きな水源確保として、1937(大正12)年に笹流ダム(赤川町)が完成したことを紹介。「歴史ある街で、古い笹流ダムは現役で活躍している。水道の技術を後世に残す水道事業を進めていきたい」と話した。(山崎純一)