2007年7月18日(水)掲載

◎大沼公園周辺でオオウバユリ見ごろ
 【七飯】七飯町の大沼国定公園周辺の林で、オオウバユリ(大姥百合)が見ごろを迎えている。地上約1・5―2・0メートルの高さに、筒状の薄緑色の花が横向きに連なり、にぎやかな姿を見せている。

 オオウバユリは、ユリ科の多年草。花が咲くころになると、根から出る葉が枯れ、葉(歯)がなくなることからこの名がつけられたとされる。

 ラッパのような花は、約10―20本付く。ほとんど同時に咲くが、数日間でしぼんでしまう。(山崎純一)


◎体験農園施設「亀尾ふれあいの里」概要固まる
 函館市は、市内米原町に来年4月開園予定の体験農園施設「亀尾ふれあいの里」の概要を固めた。農地約3万1400平方メートルに、市民農園や体験農園、果樹園などを整備。専門知識を有する農業関係者を指定管理者に指定し、利用者の栽培指導や施設の維持管理を行ってもらう。各種農業体験を通じ、地産地消の促進や、食への関心を高め、都市部と農村部の交流を促進する。

 ふれあいの里は、亀尾地域の「農村地域活性化計画」に基づき、拠点施設として整備。本定例会で関連条例を制定し、8月から9月中旬にかけ、指定管理者を公募。整備は11月下旬の終了を予定し、来年4月のオープンを目指す。

 体験農園は、野菜などを作る農地5040平方メートル、水田3600平方メートル、ソバ用農地250平方メートルの計8890平方メートル。種まきから収穫までの農作業を体験する「一連体験」は、単年度1人1作物につき大人400円。収穫のみの体験は同800円。果樹園(2660平方メートル)では、初夏にサクランボ摘みが体験できるようにする予定。市民農園は25平方メートルを1区画とし、80区画を整備。1年間の使用料金は5000円とした。

 また、施設内でつくる作物は、可能な限り有機栽培とし、農薬の使用を控える。多目的広場では、定期的に地場産野菜の即売会や、乗馬体験、ヤギなどの家畜とのふれあい体験などの催しを行い、農村地域に足を運ぶ動機付けとする。

 市は、利用者が年間6600人、入園料などで収入が307万円。支出は、人件費353万円、物品費323万円など782万円を見込み、差額は市が支出する。人員体制は、常駐する管理者が1人、週末は10―20人程度の補助者を置き、栽培指導などを行う。

 市農林課は「地域の農産物の良さを再認識し、地域の活性化につながれば」と話している。(今井正一)


◎「海外脱国記念祭」新島襄の偉業をたたえる
 明治維新の大業に命を賭け、1864(元治元)年、函館からアメリカへ渡航し、帰国後に同志社大(京都)を創設した新島襄(1843―90)の偉業をたたえる「第8回海外脱国記念祭」(新島襄・パトスの会主催)が17日、函館市大町の新島襄海外渡航乗船の地碑前で開かれた。同会、函館日米協会、同志社大函館クラブの会員ら約30人が参列。献花と講演で新島の功績をたたえた。

 新島は、海外渡航が禁じられていた当時、外国に新しい知識を求めようと決意し、江戸から函館へ渡り、7月17日に大町の海岸から米国船ベルリン号に乗り込み、密航に成功。同会は、新島と、函館人として新島の行動を支援した福士成豊の見識をたたえ2000年に設立された。

 初めに参列者は碑前に献花した。同会の宮腰善行代表が「鎖国の禁を破り、脱国した決意をたたえたい」と述べた。

 続いて、同会運営委員の大江流さん(75)が「欧米親善で果たした新島襄の功績」と題して講話を行った。大江さんは、1871(明治4)年から2年間、岩倉具視右大臣を特派全権大使として米欧に派遣された使節団に新島がかかわったことを紹介。通訳などで重要な役割を果たし、日本の教育と軍政に大きな功績を残したと話した。参列者はあらためて、自らの信念に基づいて行動した新島に思いをはせていた。(山崎純一)


◎生活交通協「3カ年計画案」を承認
 函館市内の生活バス路線確保の方策や市電の環境整備などを検討する第14回函館市生活交通協議会(会長・工藤寿樹副市長、委員14人)が17日、市役所で開かれた。渡島支庁生活交通確保対策協議会から示された2007年度の生活交通路線維持確保3カ年計画案(07―09年度)を審議し、承認した。

 同計画は、生活交通路線として必要でありながら不採算となった路線を国や道、市町村の補助で維持するかどうかを判断するもの。本年度は、中の橋線2、昭和船見線、旭岡団地線、鹿部海岸線の4路線を新たに加え、計43路線とした。

 内訳は生活交通路線(国と道が維持する路線)が19路線、準生活交通路線(道と市町村が維持する路線)が10路線、市生活交通路線(市単独で維持する路線)が14。

 生活交通路線、準生活交通路線の補助制度の運用に当たっては、前年度からバス事業者が補助路線について総合的に評価する(アセスメント)ことが義務付けられ、高額補助金交付路線は報告表を策定。本年度からは5年間かけて全路線の収支改善計画を策定することになっている。市生活交通路線も一定の条件に基づき補助対象路線の見直しを行った。

 このほか、遊休地となっている旧昭和ターミナル(美原3)に複合施設の建設を計画している函館バスが、市から10年間の無償貸し付けを受けている昭和営業所(昭和1)について契約期間終了後も延長して借用したいとの申し出があり、同協議会で対応を協議することを申し合わせた。(鈴木 潤)


◎市議会議運委、個人質問の「問題発言」/動議を本会議上程へ
 函館市議会の議会運営委員会(能川邦夫委員長)が17日開かれ、19日の第2回定例市議会最終日の議事を決めた。定例会の個人質問で、本間新氏(市民クラブ)が質問者の発言内容を問題視し成立した動議を、本会議へ上程することを決めた。

 本間氏は、福島恭二氏(民主・市民ネット)と黒島宇吉郎氏(新生クラブ)の個人質問で「地方自治法第132条に抵触する部分があった」とし、阿部善一議長に発言部分の削除など、適切な処理をするよう求めた。

 ただ、議運では両氏の発言のどの部分が問題なのかは示されず、動議に対する質疑と討論を希望する議員は18日午後5時まで、議会事務局に通告することとした。質疑する議員がいた場合、答弁者は動議を出した本間氏となる。

 同法132条には「議員は、無礼の言葉を使用し、または他人の私生活にわたる言論をしてはならない」と規定している。

 本会議ではこのほか、市が人権擁護委員候補者の推薦など人事案件8議案を追加提出する。(高柳 謙)


◎意外と高い函館の湿気、カビに注意
 7月中旬から低気圧の影響などで曇りや雨の日が続く函館市内。肌寒さを感じる一方、湿度が上昇している。この時期の道内は例年、雨が少なく、気温も低いため、梅雨はないとされるが、海に囲まれた函館は道内では珍しく湿度が高い。ケースやバッグに入れたままのカメラや、湿度の高い押し入れなどで保管している服やバッグなどには、カビが発生する恐れもある。

 6―8月の全国の平均湿度は、ほとんどの地域で70―80%。函館では6月80%、7月83%、8月82%。江差は6月81%、7月83%、8月80%と高い。全国の都道府県庁所在地で、6―8月の3カ月間の平均湿度がすべて80%を超える都市は、仙台、水戸、宮崎の3カ所だけ。道内では帯広も3カ月間80%を超す。

 そんな中、市内の家電販売店での除湿器の売れ行きはそれほど芳しくない。ベスト電器・New函館店(昭和1)の山下崇一副店長は「除湿器の需要は特に多いとは言えない。函館ではここ数年、暑い夏が続いている影響でエアコンの売れ行きが好調。エアコンの除湿機能で除湿対策もできる」と話す。

 カメラ販売の全国チェーン「カメラのキタムラ」函館美原店の今野正店長は「本州では、カメラバッグに入れる防湿剤はよく売れるが、函館ではあまり売れていない」と話す。

 気温が低く、雨も少ないので湿気に対する意識は低いようだ。だが、楽器を持つ人の中には、湿度に細心の注意を払う人もいる。同市青柳町7の「嶋田バイオリン音楽教室」を主宰する嶋田利子さんは「市内のマンションに住んでいる人の中には、この時期、自宅の湿度が高く、弦に悪影響があるため教室にバイオリンを預ける人もいる」と話す。

 うっかりしてしまいそうなのは、ケースに入れたカメラや押し入れの衣類など。同市松風町のカメラ修理専門店水越カメラサービスの水越政一さんは「時々、カビが発生したレンズが持ち込まれることはある」という。一眼レフカメラのレンズにカビが発生すると、分解修理、ピントの再調整が必要で、修理代は1万円前後だ。

 カメラのキタムラの今野店長は「ケースやバッグにカメラを保存する人には防湿剤を勧める」と話す。防湿剤は25グラム入り4袋で400円未満程度。空模様を気にするとともに湿気にデリケートな機器にも心配りが必要だ。(山崎純一)