2007年7月22日(日)掲載

◎函工 決勝進出…夏の高校野球南大会
 【札幌】第89回全国高校野球選手権南北海道大会(道高野連など主催)は21日、札幌円山球場で準決勝を行い、函工は札幌南に1―0で劇的な9回サヨナラ勝ちを収め、甲子園まであと1勝に迫った。

 函館支部勢が決勝に進むのは、1997年に優勝した函大有斗以来10年ぶり。函工は22日午後1時から同球場で、春の道大会覇者で南大会4連覇中の駒大苫小牧と対戦する。

 函工(昆野茂校長、生徒712人)は、決勝を全校生徒で応援する。準決勝でも有志の生徒約80人が応援に駆けつけたが、強敵に向かうナインにとっては大きな力になる。

 生徒は22日午前6時20分に同校に集合。同6時半ごろ、バス20台で出発する予定。校内には事務職員が数人、残るという。



◎コンテナ航路 船が大型に…韓国の海運会社
 南星海運(韓国)が運航する函館と韓国・中国を結ぶ定期コンテナ航路の使用船が、23日の函館港寄港から大型化される。一昨年5月の就航以来、2隻とも7406トンだった船舶を9522トンに変更。函館市をはじめ港湾・流通関係者は、函館港の利用促進につながると期待している。

 同社の航路再編によるもので、国内の寄港地は八戸港が富山新港に見直される。運航する船舶は、従来の「チャイナ・スター」と「コリア・スター」から、「スター・エイペックス」と「スター・ユニックス」に変わり、1隻当たりの取扱貨物量は、710TEU(全長20フィートのコンテナ数に換算した単位)から962TEUとなる。

 2005年5月に就航した函館―韓国・中国航路は、初年度の実績で37便、786TEU。06年度は、41便、1569TEUに伸ばしている。主な取扱貨物は、輸出がスケトウダラやイワシなどの水産品、工場用の機械で、輸入が丸太や製材などの林産品、水産品となっている。

 道南の38港湾団体でつくる「函館港利用促進協議会」(会長・西尾正範函館市長)では、誘致活動の一環として、6月から同航路を利用する荷主に対して、1寄港の輸出入で5TEUを超えた場合、1TEU当たり5000円を助成するキャンペーンを展開。1企業当たりの限度額は20万円で、来年3月末までに総額100万円の予算を組んでいる。

 23日には、港町ふ頭に「スター・エイペックス」が初寄港し、今後2隻体制で、毎週月曜の入港を予定。同協議会は「大型化により天候に左右されない安定運航が、見込まれる。物流コストの削減など利便性を企業に周知しながら、地域経済の活性化につなげていきたい」と話している。(浜田孝輔)


◎9年ぶり 感動の駒ケ岳登山
 【森】1998年10月以来、入山を規制している森、鹿部町などにまたがる駒ケ岳(1131メートル)で21日、専門家が随行し、現地で山の成立や火山のメカニズムを学ぶ「火山勉強会」(駒ケ岳火山防災会議協議会主催)が行われた。函館市民や森、七飯、鹿部各町民ら315人が参加。6合目から頂上までの約1500メートル、標高差約400メートルを登り、眼下に広がる雄大な景色を楽しんだ。

 駒ケ岳は42年以降静穏だったが96年の噴火以降、98年、2000年と小噴火を繰り返した。01年に火山性微動を観測以降、目立った活動はない。しかし、前兆現象が乏しく、突然の噴火への恐れもあり、同協議会は入山に慎重な姿勢を見せてきた。

 一方、町民や登山愛好家らから登山を望む声が多数寄せられたこともあり、火山を学ぶ機会としてことし、年3回の同勉強会の開催を決定。グループ行動、関係者による安全確認を行うなど防災対策に万全を期して実施することにした。

 同協議会は6月下旬、構成する1市3町の住民らを対象に参加者を募集したところ、すぐに定員に達する人気ぶり。札幌、旭川のほか遠くは千葉県から参加があり、小学1年生の女児から79歳までと幅広い年齢層が集まった。

 6号目を出発した参加者は約1時間かけ、「馬の背」に到着。森町防災消防対策室の佐藤邦夫室長補佐が、火山のメカニズムや駒ケ岳の噴火の歴史、1996年以降に充実した札幌管区気象台や北大などによる火山観測体制について説明した。この後、96年南火口列や明治火口、昭和4年火口を見学。火口原口中央部にある昭和4年火口前では、火口から立ち上がる噴気や大きな亀裂に参加者は歓声を上げていた。

 98年の登山以来、入山を心待ちにしていたという川村隆さん(73)と律子さん(66)夫妻=森町在住=は「昭和4年大火口は以前より大きくなったよう。町民みんなの健康のため、長期開放を願っている」、初登頂した末次(すえなみ)悦子さん(65)=森町在住=は「見渡す限りに広がる景色や火山口に感動。イワブクロなどの高山植物や、シラタマの木などの火山植物で心が癒やされた」と話していた。

 同協議会は本年度、8月上旬と9月にも同勉強会を実施する予定。来年度以降の実施は決まっていない。(笠原郁実)


◎江差港で活イカ直売スタート
 【江差】ひやま漁協江差支所(江差町姥神町139)に所属する漁業者で組織する「活いかグループ」は21日から、江差港中央ふ頭にある漁協荷さばき施設内で活イカの直売を始めた。毎週土曜の午後1時から1匹200円で販売する。

 漁が休みになる土曜に合わせて漁業者自らが行う。形や味も良い800匹の活イカを用意した初日は、販売開始から1時間ほどで30人を超える人が訪れ、海水循環装置を備えた大型水槽を元気に泳ぐイカを買い求めた。町内の女性は(36)は「こんなに新鮮なイカは久しぶり。早速イカ刺しにして味わいたい」と笑顔で話していた。

 6月からイカ漁が解禁となる江差町では、新鮮な活イカを手に入れる場合、1キロ単位での量り売りか箱買いが定番で、価格の変動も大きかった。このため「イカが揚がる港町に住んでいながら活イカを味わう機会が少なかった人も多い」(漁業者)という。

 同グループでは、活イカを住民や観光客ら多くの人に味わってもらおうと、漁模様にかかわらず1匹200円に統一。希望に応じた数量で販売する。同グループは「道南の漁港で活イカを直売している所は数少ないのでは。手探りの状態でスタートしたが多くの人においしいイカを味わってもらうことができれば」と話している。

 直売は水揚げがあるうちは実施する予定で、毎週土曜の午後1時から同4時まで。前日の午前中まで販売予約を受け付ける。売り切れ次第終了する。持ち帰り用の発泡スチロール箱や氷も販売する。問い合わせは同支所TEL0139・52・0125、TEL同52・0434。(松浦 純)


◎寒い…来場者ポツリ 湯川海水浴場がオープン
 函館市根崎町の市湯川海水浴場(市営熱帯植物園前浜)が21日、オープンした。午前10時の水温は14度で、曇り空とあって来場者は少なく、波の音だけが響く寂しい開幕となった。

 例年より10日ほど遅い15日にオープンの予定だったが、台風4号の影響でこの日に順延されていた。

 午前9時から安全祈願祭、水難救助訓練を行った後、同10時に遊泳開始となったが、来場者はほとんどいなかった。正午ごろ、小学2年生の子を連れて来た市内の主婦は「寒そうなので、今日は帰る。夏休みに入ってからまた連れて来ます」と話していた。

 利用は8月31日までで、時間は午前10時から午後4時半まで。市入舟町前浜海水浴場(入舟町22)は、24日から8月19日まで。両海水浴場の問い合わせは市教委スポーツ振興課TEL0138・21・3475。(山崎純一)


◎「高い搭乗率維持へ」…エアトランセ・仙台便就航セレモニー
 地域コミューター航空、エアトランセ(函館市高松町、中山淑惇社長)は21日、函館空港の同社格納庫で、函館と仙台を結ぶ路線の就航セレモニーを行った。

 函館―仙台線は、函館―女満別、函館―帯広に次いで3路線目。運航形態は既存2路線と同様、予約状況によって出発時刻を決める「乗り合い」方式で、1日2往復を目指す。

 セレモニーには、同社社員や来賓ら約40人が出席。同社の江村林香会長は「1カ月前からの予約も順調で、高い搭乗率の維持に全力を尽くしていきたい」とあいさつ。出席者9人でテープカットをし、新たな門出を祝った。

 午後には仙台からの初便が到着し、市や函館空港振興協議会が「歓迎・ようこそ函館へ」の横断幕を掲げて搭乗客を出迎え、地元名産のイカめしと観光パンフレットを手渡した。

 なお、同線の運賃は片道2万4000円、往復3万9000円。チケットに関する問い合わせ・申し込みは、同社TEL0138・57・3180。(浜田孝輔)