2007年7月24日(火)掲載

◎きょうから夏休み…小中学校終業式
 道南の小中学校で23日、1学期の終業式が行われた。児童らは、式や学級活動で、校長や担任教諭から約1カ月間にわたる夏休み中の注意を受け、宿題などを手に下校した。

 このうち函館高盛小学校(中西英明校長、児童231人)は、体育館で終業式を行った後、各クラスで学級活動。各担任教諭が夏休み中の心得を話し、計画や宿題のプリントなどを配布した。

 児童39人の1年1組では、担任の三橋恵子教諭が通知票について「1学期にどのくらい頑張ったかを知らせます。おうちの人と一緒に見てください」と説明。「困っているお友達を助けました」や「毎朝一番に教室に来て電気をつけてくれました」などと、一人一人の頑張ったところを褒めながら手渡した。

 初めて通知票を手にした児童の反応は、真剣な表情でじっくり見たり、周囲の児童と見せ合ったりとさまざま。「算数が良くできた」「国語が良かった」などと話していた。

 この日終業式を行ったのは、函館市立の全76小中学校をはじめ渡島管内は鹿部町など。このほかの道南の自治体は26日までに順次行い、2学期の始業式は8月17日から21日までの間に予定している。(小泉まや)


◎患者データをネットで共有…函病と地域病院連携 秋にも新システム
 市立函館病院(吉川修身院長)は今秋にも、患者の診療データを地域の医療機関で共有し合う新システムを立ち上げる。インターネットで情報を取得、共有することで、薬の重複投与や副作用の防止、不要な検査の防止などが期待できる。診療データは患者の同意を得て提供するなど、個人情報にも配慮する。函病の下山則彦副院長兼地域医療連携室長は「全国的にも例が少ない双方向利用のシステム」と話している。

 国の医療制度改革で、1医療機関で患者の医療を完遂することが難しくなり、地域全体で医療を進めるシステムが求められている。新システムは函病をはじめ、地域の医療機関が情報を共有する「双方向多施設型」で、秋にも立ち上げる第三者機関・道南地域医療連携協議会で運用する。

 下山副院長によると、各医療機関の情報を1カ所に集約すれば、データの増大でコンピューターがパンクする恐れがある。新システムでは医療機関がそれぞれデータを持ち、市内のIT(情報技術)関連企業に設けた電算センターのサーバーを通して、情報を入手する。認証された端末でなければサーバーに接続できないようにするなど、二重三重のセキュリティー対策を施す。

 函病が提供するのは、注射、処方、検査、画像と読影診断情報、入院時の経過、患者の看護や手術記録などの情報。加入する医療機関により情報量に違いはあるが、注射や検査、処方などの基礎的な情報は提供できるとみられる。

 すでに函病と、市内の高橋病院や函館稜北病院などでシステムを試行している。下山副院長は「秋か、遅くとも年度内にはシステムを稼動する。発足当初は最低10病院ほどの加入を目指し、いずれは個人病院も含め、道南の医療機関の半分、100施設ぐらいの参加が目標」と話す。

 外部機関(サーバー)を通して個人情報の提供や取得をするため、同システムの運用に当たり函病は23日、市個人情報保護運営審議会(石田勉会長)へ諮問。市の個人情報保護条例で、市以外の電子計算機と通信回線によって結合することは原則として禁止されているが、市民福祉の向上や公益上必要と認められ、承認された。(高柳 謙)


◎函館―韓国・中国の定期コンテナ航路の新船「スター・エイペックス」が函館初入港
 函館と韓国・中国を結ぶ定期コンテナ航路の新船「スター・エイペックス」(9522トン)が23日、函館港の港町ふ頭に初入港した。今後、「スター・ユニックス」(同)との2隻体制で、毎週月曜に寄港する予定。

 運航する南星海運(韓国)が航路を再編したことにより、2005年5月の就航以来使用していた船舶(7406トン)に比べて大型化。1隻当たりの最大取扱貨物量は、710TEU(全長20フィートのコンテナ数に換算した単位)から962TEUとなった。

 新航路では釜山を起点に、国内には新潟、苫小牧、函館、富山新港に寄港。釜山、光陽、大連を経由し、最終地は青島で、トータル12日間の航行となる。

 「スター・ユニックス」は午前8時半ごろ、函館に入港。初便は、輸出が5TEU、輸入が12TEUで、輸出入ともに水産品が中心。

 道南の38港湾団体でつくる「函館港利用促進協議会」(会長・西尾正範函館市長)は、同航路を利用する荷主に対し、1寄港の輸出入で5TEUを超えた場合、1TEU当たり5000円を助成するキャンペーンを実施中で、さらなる貿易の活性化に期待を寄せている。(浜田孝輔)


◎前回上回る…道南の期日前投票
 道選管がまとめた22日現在の参院選(29日投開票)の期日前投票者数は、渡島管内で1万1204人で、前回(2004年7月4日)の9018人より3086人、桧山管内は1281人で前回(1167人)より114人それぞれ増加した。11日現在の選挙人名簿登録者数に占める期日前投票者の割合(期日前投票率)は、渡島・檜山管内とも3・22%だった。

 渡島管内では、函館市が8094人(期日前投票率3・28%)で前回より2120人、北斗市が1112人(同2・79%)で386人それぞれ増えた。残り9町の合計は2898人で、前回の2318人を580人上回っている。

 桧山管内でも、今金町が259人で前回より125人、厚沢部町も140人で47人それぞれ上回った。

 一方、町議選との“ダブル選挙”となる江差町は146人で、前回の295人より149人少ない。(原山知寿子)


◎幅広い世代「投票する」…参院選 投開票まで5日
 第21回参院選は、29日の投票日まであと5日となった。選挙戦突入前の閣僚の交代や、年金記録漏れ問題などで逆風が吹く自民・公明両与党に対し、函館市内・近郊の有権者からも厳しい意見が聞かれる。渡島管内では、国政選挙を含む各種選挙の投票率が毎回、道内市町村の中で際立って低いが、今回は幅広い世代が投票に積極的な姿勢を示している。さまざまな有権者の声を拾ってみた。(統一地方選取材班)


◎作法学び 花火で遊ぶ…曹洞宗永全寺・親子坐禅会
 曹洞宗永全寺(函館市昭和2、齊藤隆明住職)で23日、親子坐禅会が開かれた。函館北昭和小(武田誠校長)の6年生を中心に児童38人と親約10人が参加。終業式を終えたばかりの子どもたちは、暑さに負けず、座禅を組んだり、さまざまな礼儀作法を学んだりしたほか、花火で遊ぶなどして有意義な一日とした。

 同寺が親子レクリエーションとして開いている夏の恒例行事。齊藤住職は「自分に厳しく真剣に取り組んで」とあいさつした。続いて、座禅について説明。お釈迦様が悟りを開いた時に行っていたと話し、「心の中のすべてを無にして黙々と取り組むことが大切」と説いた。

 座禅用の座布団の坐蒲(ざふ)を使い、慣れない足の組み方に苦労しながらも座禅を開始。この日は二十四節気の一つ「大暑」で、1年で最も暑い時期とされる。同市内の最高気温はことし2番目、7月では最も高い27・4度で、子どもたちは汗を流しながら、足が痛くなるのをこらえ、精神統一に努めた。

 座禅の時間は約15分で終了。この日は3回行った。宍戸礼佳さん(6年)は「足が痛くなり、周りの人の足も気になった。心を無にすることの難しさを知りました」と話していた。

 座禅の合い間には、全員で夕食を取ったり、墓地で肝試しや、境内で花火を行った。齊藤住職は「黙々と一生懸命やることの大切さを学んでくれれば」と話していた。(山崎純一)