2007年7月28日(土)掲載

◎支庁存続を訴え…江差など高橋知事に要望書手渡す
 【札幌】江差町など支庁統廃合が見込まれる道内7市町の首長や議会議長らは27日、札幌の道庁で高橋はるみ知事と会談して、支庁廃止に伴う過疎化の進行や経済的打撃などに配慮した支庁制度改革の実現を求める要望書を手渡した。

 支庁統廃合が見込まれる根室、室蘭、留萌、稚内の4市と、江差、後志管内倶知安、日高管内浦河の3町の首長、議会議長、各管内選出の道議、商工会議所会頭ら40人が参加。道側は高橋知事と佐藤俊夫企画振興部長が応対した。

 江差町からは濱谷一治町長、飯田隆一町議会議長、薄木晴午副議長、辻正勝江差建設協会長と福原賢孝道議(桧山管内)が参加。また、浦河町の運動を支援する日高管内えりも、様似、日高、平取の4町長も駆け付けた。

 会談の冒頭では高橋定敏留萌市長が、高橋知事に(1)地域の意見反映(2)合併や道州制と歩調の合った改革(3)支庁に合わせた本庁改革の推進―を求める7市町連名の要望書を手渡した。

 濱谷江差町長は「従来通り支庁を維持できない時代背景は理解している。支庁を中心に地域に活力を与える議論を」と訴えた。

 稚内市の山田繁春市議会議長は「新支庁所管区域は広大で行政コスト増大につながる。支庁廃止に伴う人口減は地域を疲弊させる。支庁改革は懸念材料ばかりだ」と批判。浦河商工会議所の小林亮夫会頭も「支庁が行っている工事発注はどうなるのか。所管区域が広がることで(競争力が低い)地元の中小業者がどう処遇されるか心配だ」と訴えた。

 これに対して高橋知事は「支庁制度ができて100年。道路や通信網が発達するなど当時と環境は激変している。支庁制度改革という時代の要請に応える必要がある。100年に1度の大改革はしっかりと慎重に進めたい」と答えた。

 また、高橋知事は同日の定例記者会見で「7市町から要請を受けたが、支庁改革の実行を2期目の公約で道民に約束した。自治体や住民の意見を聞いて、慎重かつ大胆な改革を進めたい」との考えを示した。(松浦 純)


◎道庁前で支庁制度改革に抗議…江差町連絡会議
 【札幌】桧山支庁統廃合に反対する江差町の住民組織「桧山支庁存続と権限機能強化を求める江差町連絡会議」(会長・辻正勝江差建設協会長)は27日、支庁所在地7市町長と高橋はるみ知事が直接会談したのに合わせて、道庁前で抗議行動を行った。

 町内の住民団体、産業団体、労働組合など26団体で組織する連絡会議のメンバー約30人とともに、29日投開票の町議選に出馬した8人を含む町議13人が札幌入り。札幌の江差同郷会メンバーや浦河町の住民も応援に駆け付け、抗議団の陣容は総勢約60人に膨らんだ。

 辻会長は、道が9月にも支庁制度改革の最終案をまとめる構えを示していることから「今回の運動は最後になるかもしれない大切な戦い。町議の皆さんは選挙を投げ打って参加してくれた。住民の熱意を高橋知事に分かってもらうおう」と呼び掛けた。

 道庁前で両町の住民は、横断幕や5枚のムシロ旗を掲げ、支庁廃止反対をアピール。通行中の札幌市民や道職員に支庁存続運動への理解を求めるちらし約5000枚を配布して支援を呼び掛けた。

 抗議行動の終了後には直接会談を終えた濱谷一治江差町長ら7市町の首長や道議が激励に訪れ、参加者をねぎらった。(松浦 純)


◎輸出 2カ月ぶり増…6月の函館港貿易概況
 函館税関が27日に発表した6月の函館港貿易概況によると、輸出は29億3200万円と2カ月ぶりのプラスで、輸入は13億5500万円と4カ月連続のプラスとなった。2007年上半期(1―6月)では、輸出が造船需要の高まりもあって、119億3000万円と、半期ベースで12期ぶりに100億円の大台を突破。輸入は、82億1500万円と3期ぶりに好転した。

 単月の輸出を品目別で見ると、リベリア籍の貨物船1隻のあった船舶が26億9800万円、鉄鋼のくずが2億円と、とももに全増。魚介類・同調製品が前年同月の7・7倍に相当する2500万円となるなど、総額では前年同月の2200万円を大きく上回った。

 輸入は、石炭が1億5000万円、小麦が2億7700万円と、ともに全増。魚介類・同調製品が前年同月比5・8%増の6億7800万円、石油製品が前年同月の23・1倍に当たる6500万円となり、総額では同75・6%の増加となった。

 また、上半期の輸出は、魚介類・同調製品が前年同期比49・3%減の1億2400万円と低迷。しかし、船舶が同90・3%増の106億1900万円で全体の数字を押し上げたほか、鉄鋼のくずが7億8000万円、再輸出品が2億300万円とともに前年同期の2・6倍に相当する大きな伸びを見せた。

 地域別で見ると、アジアが同34・4%減の29億8600万円。このほかオセアニアが33億3800万円、アフリカが26億9800万円、西欧が26億9700万円で、いずれも全増。

 一方の輸入は、魚介類・同調製品がイカやサケ・マスなどの低調が響いて同12・6%減の23億3800万円、石油製品が同26・8%減の4億3600万円。しかし、石炭が同36・6%増の26億1200万円、小麦・メスリンが同38・2%増の9億1800万円など、好調な品目が目立った。

 地域別では、アジアが同31・9%減の22億9500万円と低迷。一方で、北米が同87・3%増の18億9900万円、オセアニアが前年同期の2・2倍に当たる18億2300万円、中東欧・ロシアなどが同14・1%増の10億4400万円と好調で、マイナス分を補う形となった。(浜田孝輔)


◎「一定の収束みた」…福祉施設問題で西尾市長
 函館市の西尾正範市長は27日の定例記者会見で、市の民間福祉施設建設をめぐる問題について、自身が助役辞任の際に発表した文書や会見で述べた内容が真実であるとの考えをあらためて示した。前市長の時代に示された統一見解と異なるが「蒸し返して追及していくことがどういう意味を持つか、若干の疑問が残る。問題は一定の収束をみたと考えたい」と述べた。

 6月の定例市議会で複数の議員が同問題を取り上げたが、市長は「あとは論理的な反論をもらうしかない」と語り、9月の定例市議会でこの問題が取り上げられても、従来通りの主張を続ける考えを示した。

 西尾氏は、法律で認められない市街化調整区域への老人ホーム建設を、「前市長が認めるよう再検討を指示した」と告発した。ただ、市の決定は覆っておらず、前市長に不正はなかった。

 ただ、再検討の指示の有無で前市長の時代と見解が異なるため「何らかの形で統一見解を示すべきだ」との質問があった。これについても同様に、自身が示した内容がすべてで「間違いがあれば人間として責任を取る」と述べた。

 会見ではこのほか、市長として初めて臨んだ定例市議会を「補正予算の承認や民間出身として初めての副市長の選任に同意いただき、スタートラインに立った」と語った。一方で多くの議員が公約に関する質問をしたことから、「各議員の思いを真摯(しんし)に受け止め、市政執行に配慮したい」とした。(高柳 謙)


◎断水の可能性低い…市上下水道事業等経営審議会
 第1回函館市上下水道事業等経営審議会(韮沢憲吉会長、委員19人)が27日、市水道局本庁舎で開かれた。北見市で相次いだ土砂流入が原因とみられる断水を受け、笹谷修一浄水課長が市内の各浄水場について説明。それぞれ2本以上の取水ルートがあり「1本が高濁度となった場合、別ルートから取水する」と述べ、同様の事案発生の可能性は低いとの認識を示した。

 旧市域には、亀田川、松倉川、汐泊川の3水源がある。この95%が道・市・水道局有林からなる水源涵養(かんよう)保安林として管理されていて、大雨時でも濁水の流入は少ないという。高濁度時は直ちに取水を停止するなど、これまでに濁水による断水事故はなく、北見市と比べ、バックアップ体制が整っているとした。

 また、新潟県中越沖地震を受け、大地震発生時の体制について、佐野肇行水道課長は「十勝沖地震以後、水道管を耐震性の強い鋳鉄管に替えている。市の防災計画では、震度6強の地震で水道管の破損は30カ所と想定している」と述べた。また、給水訓練などを通じ、被害を最小限に食い止める対策を講じていると説明した。

 会議では、前年度の各会計決算見込みや、本年度予算、湯川温泉の資源適正管理調査の結果が報告された。次回は、本年度中の策定を予定している向こう20年間の水道施設整備計画や、経営について取りまとめる「水道ビジョン」について各委員から意見を求める。(今井正一)


◎夏にカンパイ!…駅前広場でビアガーデン始まる
 JR函館駅前広場で27日、「納涼ビアガーデン祭り」が始まった。初日は曇り空だったが、日が暮れてもなお汗ばむほどの絶好のビール日和となり、来場者は次々とジョッキーを傾け、のどを潤していた。

 JR北海道グループのジェイ・アールはこだて開発(佐藤巧社長)が、昨年に続いて企画。勤め帰りのサラリーマンだけでなく、家族連れにも気軽に来場してもらおうと、昨年よりつまみの品を倍に増やした。

 会場にはテーブル25台、いす100席が設置され、頭上につるされたちょうちんがにぎわいを演出。来場した男性会社員(43)=同市駒場町=は「心地良い風があり、開放感のある雰囲気が楽しめるのでビールも進みそう」と、仲間との会話を弾ませながら、ビールを飲み交わしていた。

 開催期間は8月1日を除く、同8日まで。営業時間は、平日が午後5時から同8時半までで、日曜は午前11時半から。荒天の場合は中止。なお、5枚つづりのビール券を2000円で、同駅構内の「お土産店ポッポ」と「アットカフェステーション」で販売している。ポテトフライのサービス券付きで、限定600枚。問い合わせは同社TEL0138・22・8826。(浜田孝輔)