2007年7月30日(月)掲載

◎きょうは土用丑の日
 夏バテ防止にはやっぱりうなぎ。30日は「土用の丑(うし)の日」。冷凍技術の発達などによりうなぎは輸入物が増え、いまや一年を通して簡単に手に入れられる時代。それでも「丑の日」には専門店の本格的な味を楽しみたいという人が多く、函館市内の専門店では仕込みに追われている。

 1953年創業の「鯉之助」(函館市本町32、中里拓二店主)では、丑の日一日で通常の数倍に当たる500串の注文がある。静岡・浜名湖産の生きたうなぎを使用しているため、調理できる数はこれが限界で、30日夕までに注文を締め切るという。

 同店の調理法は、白焼きにしてから一度蒸し、たれをつけて再び焼く「関東風」。食感の柔らかさと創業以来注ぎ足している秘伝のたれが人気で、地元だけでなく本州から訪れる客も少なくない。

 国内産うなぎは稚魚の減少などの影響で数が減少しており、丑の日に必要な数を確保するのは厳しくなっているという。中里店主は「安全でおいしいうなぎを提供できるように、今後も十分な供給に期待したい」と話していた。 (小川俊之)


◎参院選 小川氏と伊達氏が当選
 現職2人と新人6人の計8人が2議席を争った参院選道選挙区は、民主党の小川勝也さん(44)と自民党の伊達忠一さん(68)の現職2候補が、ともに議席を守った。函館市内の両陣営でも当選確実の報が入るや、詰め掛けた関係者は万歳三唱などで勝利に沸き返った。無所属新人の多原香里さん(34)は、善戦むなしくあと一歩のところで及ばなかった。

 (参院選取材班)

 小川さんの函館選挙事務所(函館市新川町)には、3選を確信する地元選出の道議や市議ら選対関係者が続々と詰め掛け、吉報を待った。

 投票が終了した午後8時すぎには、テレビで早々と「当選確実」の報が流れた。あまりに早い決着に驚きが先に立ったものの、すぐに安Gヒ(あんど)の表情に。札幌の選挙事務所に小川さんが到着したのをテレビで確認し、一緒になって万歳を繰り返した後、公示から17日間を戦い抜いた労を互いにねぎらった。

 党道8区総支部の板倉一幸幹事長は「年金問題に対する党の示した方針や対応を、有権者に理解してもらえた。期待の声も多く聞かれ、支持組織だけでなく無党派をうまく取り込めた結果」と胸をなで下ろした。

 喜びもつかの間、関係者の関心は、野党2議席独占を目標に党が推薦した多原さんの票の行方に。与党候補の優勢が伝えられると、ため息としばしの沈黙に包まれた。

 それでも、党として全国的な躍進を果たしたことから、政権交代に向けた次の局面に気持ちを切り替えていた。

 伊達さんの党道8区参院選選対本部(函館市東雲町17)には、午後9時すぎから、中村勉選対本部長や佐々木俊雄道議ら約10人が集まり、テレビを前に開票の行方を見守った。全国的に自民党が大きく議席を減らす状況が報じられ、「逆風がこれほどとは」と重苦しい雰囲気が漂った。

 激しい追い上げが伝えられていた多原香里さんとの差は縮まらなかったが、午後10時40分ごろ、ようやく「当選確実」の一報が。幹部らは「やれやれ」とため息を漏らしながら、拍手で喜びを分かち合った。中村本部長は、推薦した公明党関係者や支持者から続々と寄せられる電話に応じた。

 全国的な自民党大敗を受け、万歳三唱は控えた。中村本部長は「非常に厳しい選挙だった。道新幹線着工など政権与党ならではの実績を浸透させ、既存の自民支持層を固められた」と選挙戦を振り返った。ただ、有権者の党に対する厳しい審判について「結果を真しに受け止め、今後の政治活動を考えたい」と厳しい表情で語った。


◎参議院選投票率。函館、北斗がワースト1、2
 参院選道選挙区の投票率は、函館市が55・24%と前回(2004年7月)を2・22ポイント上回ったが、全道市町村で最低となり、国政選挙9回連続ワーストを記録した。また北斗市も55・37%で函館に続いて低かった。道南2市がワーストとワースト2位を占める結果となった。

 渡島管内全体の投票率は56・69%と前回を上回ったが、伸び率はわずか0・79ポイントにとどまった。

 函館市は期日前投票が2万1603人と前回の1万5875人(旧4町村を含む)と前回を大幅に上回った。しかし、選挙当日の伸びは鈍く、道南地域の政治への関心の薄さが浮き彫りとなった。

 渡島管内9町のうち松前、福島、木古内の3町でわずかに投票率が上昇したが、残り6町で下降。町村合計では61・27%で、前回を0・59ポイント上回った。

 檜山管内7町では、町議選と重なった江差が、80・22%と前回の投票率を17・71ポイントと大幅に上回った以外は軒並み低下。管内合計では70・90%で、前回を3・0ポイント上回った。 (小川俊之)


◎江差町議選、小野寺眞氏がトップ当選
 【江差】任期満了に伴う江差町議選(定数12)は29日に投開票が行われ、現職7人、元職1人、新人4人が当選した。

 トップ当選は元職で共産党の小野寺眞氏(54)。前回選挙で3人を擁立して小野寺氏が落選した共産党だが、現職2人の引退に伴い、候補者を一本化したことで首位を固めた。

 これまでに濱谷一治町長への支持を明確にしている当選者は6人。今後は与党会派による過半数確保に向けた動きが焦点になる。

 当日有権者数は男3749人、女4281人の計8030人。投票者数は男2993人、女3613人の計6606人。投票率は男性79・83%、女性84・4%で全体では82・27%で、2003年の前回選挙より2・97ポイント低下した。(松浦 純)


◎マリンフェス、巨大コンテナアート完成
 「海の日」制定を記念した「はこだてマリンフェスティバル2007」が28、29両日、函館市若松町のクィーンズポートはこだて周辺で開かれた。29日には、貨物用コンテナに絵を描くイベント「こどもコンテナアーティスト」が開かれ、小学生ら18人が参加。コンテナをテーマに創作活動を行う芸術家、谷川夏樹さん(31)=兵庫県在住=を講師に巨大アートを完成させた。

 谷川さんは、「アースコンテナ」をテーマに、地球をモチーフにしたオリジナルキャラクター「コンテナくん」を自身の作品や実際のコンテナに描く活動をしている。この日は、集まった子どもたちを前に「コンテナをおめかししてきれいに塗ってあげましょう」と呼びかけ、早速作業に取りかかった。

 使用したのは、高さ2・5メートル、幅2・4メートル、長さ3・7メートルの5トンコンテナ2基。下地の白ペンキ塗りから始め、赤いペンキを上塗り。「コンテナくん」や思い思いのキャラクターを描いた。子どもたちはペンキで手や顔を汚しながらも、笑顔で作業を進めていた。

 約4時間ほどで完成したコンテナは「ユメ」と「タロウ」と名付けられた。30日には、港町ふ頭に「函館の港を見守るコンテナくん」として設置される。谷川さんは「子どもたちの思い出に残ればうれしい。これからも親しみを持ってもらえれば」と話していた。

 参加した函館中の沢小2年の森山音さん(7)は「目の部分を黒く塗るのが難しかった。楽しかったのでまた参加したい」と目を輝かせていた。

 このほか、マリンフェスでは、70組が参加したウオークラリーや、親子写生大会、市内外の洋菓子店が集まるシー・スイーツ・ハコダテなどのイベントが行われ、大勢の市民でにぎわった。(今井正一)


◎水道水、一部地域で「土臭い」、大雨の影響
 函館市水道局は29日、28日の大雨の影響で、赤川高区浄水場から配水されている一部地域の住民から「水道水が土臭い」という苦情が65件あったと発表した。同局浄水課によると、取水先の新中野ダム貯水池の水が一時的に高濁度となり、においの成分が浄水処理後に残ったためで、ろ過の作業工程や水質に問題はなく、飲んでも健康への影響はないとしている。

 同浄水場の配水地域は石川、北美原、赤川地区など約2万7000世帯。新中野ダムの通常時の濁度は2度程度だが、28日は一時的に200度を超えた。

 また、ろ過方法は、色やにごりなどの成分を砂で取り除く「急速ろ過法」を採用。29日も、浄水後の濁度は0・038度と基準値以下で、消毒などの処理は適正だったとしている。

 同課は、該当する地域で広報車を走らせ、安全性に問題がないことを呼び掛けた。「加熱するとにおいを感じる場合があるが、健康に影響はない。(29日午後5時現在)検査の結果、においの成分も下がっている」(同課)という。 (今井正一)