2007年7月4日(水)掲載

◎留学生 イカ踊りエンジョイ!…あさひ小で国際交流会
 函館市内で語学研修中の留学生と、地元の小学生が触れ合う「第6回国際交流会」が3日、函館あさひ小学校(安藤信男校長、児童278人)で開かれた。同校児童と留学生は、ゲームや歌を通じて異文化交流し、楽しいひとときを過ごした。

 同校では「留学生との触れ合いを通じ、国際人としての能力を育成しよう」と、2001年から毎年交流会を開いていて、ことしは18歳から28歳までの米国、香港、韓国からの留学生を招待。

 留学生を代表し、香港出身のシャオナン・ホワンさんが「日本語の勉強をしに来ました。きょうは一緒に遊んで楽しみましょう」とあいさつ。安藤校長は「明るく元気な子どもたちと、心と心で触れ合ってほしい」と声を掛けた。

 交流会では、各学年が出し物を用意し、じゃんけん列車や綱引きを楽しんだ。このうち3、4年生は「世界に函館の名物を広めよう」と、イカ踊りを披露。児童の踊る姿を留学生がまねて踊る姿も見られた。この後、参加者は各教室に移動し、留学生が企画したゲームで盛り上がった。

 3年生の神田太葵(たいき)君(8)は「教室で留学生が教えてくれたゲームをみんなでやって楽しかった」と笑顔で話していた。(小橋優子)


◎旧4町村の地区制度「慎重に検討」…函館市議会
 第2回函館市議会定例会は3日、新市長になって初めての代表質問に入り、3会派3氏が登壇した。西尾正範市長は、選挙公約に掲げた、合併4支所を2カ所程度に分けて特別職を置く地区制度導入について、「将来を見据え、議会や地域住民と十分協議しながら、時間をかけて慎重に検討していきたい」と述べた。

 吉田崇仁氏(新生クラブ)の質問に答えた。吉田氏は「合併後の旧4町村役場は支所として存続し、支所の組織は住民サービスの低下を招かないよう配慮する」との合併協議会の合意事項を挙げ、当時助役だった西尾市長に4支所体制の堅持を求めた。

 市長は「指摘通り、当時の助役として合併協議にかかわり、内容は尊重しなければならない。4地域の振興・発展に大きな責務がある」とした上で、新しい広域的な自治体運営の形が必要と考え、選挙公約に盛り込んだことを説明した。

 吉田氏は、合併から3年も経過しないうちに支所体制を変えることに疑義を示し、地区制度の撤回を求めた。市長は、行財政改革で支所も人員削減は避けられず、権限のある特別職の下で行政運営をしていく方が地域の利益になるという考えを示し、理解を求めた。

 このほか石井満氏(民主・市民ネット)、北原善通氏(市民クラブ)が質問した。主な質疑は次の通り。

 石井氏 合併特例債を使い、景気回復につながる社会資本整備ができないか。

 西尾市長 特例債の活用は一定の要件があるが、非常に有利な財源であり、有効に活用したい。しかし、国の公共投資の抑制や市の厳しい財政状況から市の事業費は一定程度、縮小せざるを得ない。今後は事業効果や緊急度などを十分に勘案し、事業を実施していきたい。

 吉田氏 公約で反対した市民体育館の建て替えは、競技力向上のためにも建設すべきだ。

 西尾市長 現体育館が老朽化、狭あい化し、建て替えの市民要望が強いことは承知している。財政状況を考えると極めて難しいが、現施設のリニューアルも視野に入れながら、さまざまな角度から検討していきたい。

 北原氏 (市長のマニフェストで)第3子以降の保育園、幼稚園、小中学校の各種費用無料化、保育料の大幅軽減、乳幼児医療費助成の拡大について、どれくらいの費用が必要か。

 西尾市長 (第3子以降の)保育料を無料とした場合は約3000万円。保育料の軽減率を中核市の平均程度にまで引き上げた場合、9000万円程度。保育料や給食費、修学旅行費などを無料化すると、1億4000万円程度になる。

 乳幼児医療費助成は、小学校卒業まで拡大した場合、2億2000万円程度必要。財源確保に努め、可能な限り早期に実施したい。(高柳 謙)


◎未収金7億5600万円…市病院局
 市立函館、恵山、南茅部の3病院で、入院費や外来費の未収金の累計が2006年度末で7億5600万円に達していることが3日、市病院局のまとめで分かった。函病の未収金額が大半を占め、1990年度からの累計で約7億3000万円に上る。同局は、本年度から入院予定患者にあらかじめ概算額を説明するなど、未収金発生防止対策を講じている。

 同日の市議会本会議で北原善通氏(市民クラブ)の代表質問に西尾正範市長が答えた。

 未収金には、不能欠損処理を行っていない分も含まれている。昨年度の包括外部監査報告書によると、函病の未収金のうち、06年度末で2億8400万円が回収不能となっている可能性があると指摘されている。

 同局は、未収金対策として、入院予定患者に想定される医療費額や支払い方法について、事前に説明する制度を4月から導入。時間外の外来救急患者の即時徴収や、納付請求書の早期発行を行っている。

 しかし、休日(土・日曜、祝祭日)は、清算業務も休止するため、退院時に請求書を発行することができるのは、平日だけ。包括外部監査でも、休日の徴収体制強化を指摘されていた。

 同局は、休日に退院することが決まった患者には、あらかじめ概算額の請求書を発行し、退院時に支払ってもらう方法や、退院日を含めた休日分について、治療費を除き、入院額だけを請求し、後日、治療費分の請求書を送付する方法などを検討している。

 北原氏の休日の入院費徴収体制の確立についての質問に対し、井上芳郎病院局長は「できるだけ早期の実施に向け鋭意努めたい」と答弁した。(今井正一)


◎農作物 早めの生育…渡島の水稲は7日早く
 渡島、桧山両支庁は3日、1日現在の管内の農作物の生育状況を発表した。6月下旬は後半に曇りや雨の日があったものの、渡島・桧山とも降水量が平年より少なく、日照時間、気温は平年を上回り、各作物とも順調に生育している。

 渡島は水稲が平年より7日早いのをはじめ、サイレージ用トウモロコシが6日、テン菜が4日それぞれ早まるなど、調査対象の全6作物が平年より早めの生育となっている。

 水稲は草丈が長く、葉の枚数、茎の本数とも平年より多く順調。リンゴ(つがる)の結実はやや多く、大きさも平年並み。牧草(オーチャードグラス)も1番草の収穫が9割以上終了し、2番草の生育も平年より3日早い。

 桧山は秋まき小麦が平年より6日、水稲が3日それぞれ早いなど、調査対象の9作物すべての生育が平年より1日から6日早い。牧草は平年より12日早く、1番草の収穫が既に終了したため、2番草の草丈が伸び、生育も平年より4日早い。(原山知寿子)


◎企画20年目の歴史絵巻き 函館野外劇の歩み(5)
 第20回市民創作函館野外劇「星の城、明日に輝け」の開幕までいよいよあと2日に迫った。ことしは箱館戦争のシーンで新たな見どころが増えるほか、20周年記念事業として登場人物の子孫らのゲスト出演も予定されている。だが、祝ってばかりもいられない。第16回でリニューアルしてから5回目。再リニューアルを考える時に来ている。運営するNPO法人(特定非営利活動法人)市民創作「函館野外劇」の会(フィリップ・グロード理事長)の輪島幸雄理事長代行に、ことしの見どころや今後について聞いた。

 ――いよいよ始まりますね。

 主な登場人物のオーディションをした時に1年の始まりを感じ、水舞台が完成すると、本番の始まりを感じます。閉幕したら、来年のポスター製作や資金を考えるなど、1年間、野外劇から離れることはありません。

 ――節目の第20回を迎える意気込みと目標入場者数は。

 良いステージをご覧いただき、公演が成功したと評価されたい。20年の節目とはいえ、リニューアルして5年目。マンネリ防止のため、新しい挑戦に向かわなければならない。新しい台本などの準備が必要となり、それらの費用を考える必要があります。ですから、来場者は例年の1割以上、1万1000人以上を目指します。

 ――そのほか、今後目指すことは。

 事業費の大半を占めるハード面の経費削減。地域を挙げて(函館より)外へのPR。地域から新たな支援をもらうようにし、21回目以降も発展させたい。そのためにもことしは成功させたいと、関係者は思いを一つにしています。

 ――ことし、演出面で主に変わるところは。

 箱館戦争の戦闘シーンで、榎本艦隊の「蟠竜」がデビューします。堀の中で、新政府軍の旗艦「甲鉄」との大砲の打ち合いは迫力満点です。

 ――ことしは登場人物の子孫や関係者が出演しますね。

 高田屋嘉兵衛の8代目、高田屋嘉七さんが8月4日、榎本武揚の4代目、榎本隆充さんは8月5日、土方歳三の兄の6代目、土方愛(めぐみ)さんは7月20日、続豊治の8代目、続雄人さん、石川啄木の出身地、渋民村と合併した盛岡市商工観光部ブランド推進室の坂田裕一さんらが出演します。それぞれが関東、東北、札幌など各地で函館野外劇のPRにつながればと思っています。  ――自身で一番好きなシーンは。

 弁士が、函館戦争が終わった明治2(1869)年のことを語る場面です。函館が大きく変わろうとしている時、北海道全体の人口が6万人だったのに対し、函館は1万5000人いた。道の経済と行政の中心だったと話す。観劇した市民が、その当時、繁栄していた函館を想像し、その姿を取り戻そうとする気運が高まり、地域活性案を提唱し合うようになってくれればと思います。

 ――観劇やボランティアとして参加する際のアドバイスを。

 毎年、開幕(6日)直後や、閉幕(8月5日)直前は満員で、キャストの人数も豊富ですが、7月中旬ごろのスタンドは混雑しません。ボランティアのキャストも少し数が減ります。当日の出演参加も可能です。ぜひご来場、出演を。

 ことしの公演は6、7、13、14、20、21、27、28日と8月4、5日。開演は午後7時半。問い合わせは野外劇事務局TEL0138・56・8601。(宮木佳奈美、山崎純一が担当しました)



◎益田喜頓賞に石丸さん、三国バレエ研究所…独創・芸術性を高く評価
 函館市文化・スポーツ振興財団(金山正智理事長)は3日までに、本年度の「益田喜頓賞」に声楽家の石丸典子さんと三国バレエ研究所(三国利栄子主宰)を選出した。ともに活動の節目を迎えた昨年の公演で、観客に深い感動を与えた点が高く評価された。

 昨年4月からことし3月までに、市民会館や市芸術ホールで開かれた市民舞台芸術奨励事業委員会の審査会で選考し、同財団が決定した。

 石丸さんは昨年8月、市芸術ホールで音楽活動20周年記念リサイタルを開いた。同年、生誕120年を迎えた石川啄木の短歌を生かした曲や、山田耕筰の名曲などを披露。豊かな声量で、哀愁漂う啄木の気持ちを歌い上げるなど、余韻のある歌声は芸術的、技術的に高いレベルと評価された。石丸さんは「音楽活動をする上で今後、大切にしていこうと取り組んだ内容が評価されてうれしい」と喜ぶ。

 三国バレエ研究所は、同年9月、市民会館で創立55周年記念公演を開いた。古典のほか、創作として、能楽や歌舞伎でも知られる「安珍・清姫」をモチーフにした「桜花幻想」を披露。日本舞踊とバレエを組み合わせた独創性と芸術性が評価された。同研究所創設者の三国徳栄(よしえ)さんは「55年の重みを感じた公演だった。取り組んできた表現が評価されてうれしい」と話していた。

 表彰式は11月に開かれる市民文化祭期間中に行われる予定。

 益田喜頓賞は、函館出身の喜劇役者、故益田喜頓さんの功績にちなみ、1999年度に創設。前年度1年間に、舞台芸術の分野で活躍した団体・個人に贈られる。これまでに、花柳星衛紀会、函館MB混声合唱団、函館地区一般吹奏楽団連絡協5団体、女声コーラストリル、函館子ども歌舞伎後援会、函館市民ミュージカル2005『案山子(かかし)物語』実行委が受賞。本年度で8団体・個人となった。(山崎純一)



◎楽しく知ろう 自分の食生活…未来大で「脱インスタント」展
 学生の食生活について警鐘を鳴らす「脱インスタント」展が6日まで、公立はこだて未来大学(函館市亀田中野町116)で開かれている。同校の学生が一日に学内で消費するカップラーメンの量80個を表す「カップラーメンタワー」や、日本人と米国人が1年間に摂取する野菜量の違い約14キロを体感できる袋などを用意。楽しみながら食への理解を深められる。

 問題を提起・解決する「プロジェクト学習」の中で、「大学生の食生活を改善する教材開発プロジェクト」チーム(佐藤早織リーダー、メンバー10人)が実施。同校学生約300人から得たアンケート結果を基に食生活傾向を分析し、タイプ別の分類などを行った。

 会場では、研究成果を紹介するパンフレットを配布。○×クイズ形式で「しょうゆの塩分は薄口の方が多い」「“甘さ控えめ”の基準はない」ことなどを知るコーナーも設け、より親しみやすく工夫した。

 アンケートに協力した同校2年の藤本知良さん(19)は、1人暮らしでインスタント食品を口にすることが多いという。「健康に気を付けたいが、なかなか実践できない」と話していた。(小泉まや)