2007年7月5日(木)掲載

◎タチアオイ見ごろ
 夏を代表する花、タチアオイが道南でも咲き始めた。函館市亀田町の五稜郭跨(こ)線橋下では、約40?にわたり満開となっている。ショッキングピンクや白、紫、桃色など、色とりどりの鮮やかな花びらが、停車中のドライバーの目を引き付けている。

 タチアオイはアオイ科の多年草。一般的には7―9月に咲く。同跨線橋下では10年以上前に、雑草に悩まされた近所の人が協力して種をまいた。ことしは6月中旬から咲き始め、7月中旬ごろまで楽しめるという。

 高い茎は約2・5メートルにも成長している。茎の中ほどから先端にかけて付いた花は、八重の先がギザギザになったり、花びら自体が2色だったりするものも。毎年、種を植えている畑沢チセさん(65)は「家の前が明るくなるのでうれしい」と話していた。 (小泉まや)


◎函館副市長に谷沢氏選任
 第2回函館市議会定例会は4日、西尾正範市長が谷沢広前北海道ガス函館支店長を副市長として選任する議案を上程し、賛成多数で可決した。民間出身者の副市長就任は、同市では初めて。任期は2011年までの4年。辞令交付後、議場であいさつした谷沢副市長は「誠に誉れと思うとともに身の引き締まる思い。市議会、函館市発展向上のため、積極的に努力して参りたい」と抱負を語った。

 人事案件は、表決権のない議長を除く37人で無記名投票で採決。退席した議員はなく、投票の結果は、賛成27票、反対10票(否決3、白票5、賛否不明2)だった。

 本会議終了後には、市の幹部職員約250人を前にあいさつ。北海道ガス函館支店長として天然ガス転換事業に携わった経験などに触れ、「市民や市役所、市議会にとって何がよいのかを考えることが重要」と述べた。

 また、函館に散在するまちづくりの課題にも言及し、「西尾市長の明確な方針を支えながら、市政発展のため、工藤(寿樹)副市長とともに全力を尽くして補佐し、民間の力と市民の力を融合して実現していきたい」と決意を語った。(今井正一)


◎市議会代表・個人質問、選挙の言動、批判相次ぐ
 函館市議会定例会は4日、代表質問に2氏、個人質問に1氏が登壇した。西尾正範市長の選挙時の言動に批判が相次ぎ、選挙違反の疑いも指摘された。西尾市長は主張と釈明に追われた。

 瀬尾保雄氏(公明党)は代表質問で、西尾市長が選挙時に、当時の市長や議会、経済界の首脳をドラマ「水戸黄門」に例えて批判したことの具体的な裏付けを質問。市長は「市民に分かりやすく理解してもらうため、悪代官や越後屋、地回りの親分などの話をした。誰と特定はしなかったが、前市長は悪い人ではないと言った。ただ、市政の権力がおかしくなっていた」と述べた。瀬尾氏は「選挙は選挙と、簡単に割り切れない。今後も言動には注意してほしい」と苦言を呈した。

 福島恭二氏(民主・市民ネット)は「あたかも前政権に不正があったよう触れ回り、閉そく感の打破と変革を望む市民の心を取り込んだ選挙だった」と批判。道議選告示日や投開票日に、各陣営に西尾氏と支持者が酒を配ったことや、告示前に焼き肉店でドリンクパーティーを開いたことなどを明かし、選挙違反ではないかと追及した。

 小玉陽造選管委員長は「承知していなかったこともあるが、違反の疑いがある場合は指導した」と答え、西尾市長は「選挙について素人集団で、未経験者ばかりだった。持参した酒は即刻回収するなどした」と述べた。

 福島氏は、福祉施設問題について「そもそも、助役時代のあなたが初期の対応を誤らなければ問題は起こらなかった。福祉問題を辞職の理由にするのはおかしく、前市長と主張の違いが生じた段階で辞職すべきだった」とした。市長は「市長と助役(副市長)の意見の対立は、今もある」と主張した。(高柳 謙)


◎「はこだての教育を考える会」設立
 函館市内の教育者やPTA、NPO(民間非営利団体)、経済団体など計40団体が集まって「はこだての教育を考える会」(会長=小玉陽造函館・青少年の夢と未来を育む会会長)を設立した。市教委が発足した11月1日(1952年)を「はこだて子どもの日」と定め、全市的な取り組みを行う。同会によると、これほど多方面にわたる大規模な教育関連団体の設立は、函館では初めてという。9月に記念の集いを開くほか、各種協賛行事を募って運動を拡大させる。

 同市内の小中学校の校長・教頭会の会員で構成する道教育振興会函館支部が呼び掛け、青少年の夢と未来を育む会や函館青年会議所、同市青少年サークル協議会、同市子ども会育成連絡協議会、同市PTA連合会が賛同し、計6団体が中心となって6月中旬に設立。保護司会や社会福祉協議会、スポーツ少年団、道国際交流センター、読み聞かせグループなども参加した。

 教育を取り巻くさまざまな課題を克服し、積極的に子どもをはぐくむまちづくりを進めるのが設立の趣旨。「はこだて子どもの日」は、すべての市民が子どもの健全な育成を考え、実践する日に位置付ける。

 本年度最大の事業となる9月16日の「はこだて子どものための集い」は、函館市民会館で開催する予定。記念セレモニーや制定宣言をはじめ、参加団体の実践交流発表会も企画した。同時に開く講演会では、政府の教育再生会議有識者委員として義家弘介さんの後任に選ばれた宮本延春さん(愛知県・私立豊川高教諭)が、著書と同じ「オール1の落ちこぼれ、教師になる」と題して講演する。

 同会は参加団体を募集していて、小玉会長は「たくさんの人の力で中身を濃くしたい」と話している。同集いへの参加は今後呼び掛ける。同会についての問い合わせは事務局の函館五稜中学校の畑野克行校長TEL0138・41・3458。 (小泉まや)


◎野外劇あす開幕 、さあ本番だ
 函館市の国の特別史跡・五稜郭跡を舞台にした、一大スペクタクル、第20回市民創作「函館野外劇」(6日午後7時半開幕)は4日夜、総仕上げとなる総練習を開始した。華やかな衣装を着たキャストや、台本を握ったスタッフ約200人が参加。2日後に迫った本番に向け、緊張感を持って取り組んでいた。

 これまではパートごとの練習や、各自のせりふけい古だったが、この日は、照明や音響の演出も交え、本番同様の態勢で行った。

 フラッグダンスが登場するタイミングや、旗の振り方、キャストの位置取りなどを出演者が確認。細かな指示も飛び交い、けいこは約1時間半に及んだ。

 ことしからペリー提督役を務める同市松陰町の小柳貴広さん(40)は「昨年の公演でペリーの後ろにいる兵士役を演じた時、野外劇の魅力にとりつかれた。本番が楽しみ」と順調に出番をこなしていた。

  総練習は5日も行われる。

 公演は6、7、13、14、20、21、27、28日と、8月4、5日の計10回。いずれも午後7時30分開演(開場は同6時45分)。小雨決行で中止の場合は別会場のスクリーンで視聴する。問い合わせは同会事務局TEL0138・56・8601。 (宮木佳奈美、山崎純一)


◎永楽会が「長寿と誕生を祝う会」
 【乙部】乙部町花磯・豊浜地区の高齢者でつくる老人クラブ・永楽会(桜井幸雄会長)による「長寿と誕生を祝う会」が3日、豊浜漁村センターで開かれた。少子高齢化が進む両地区に住む高齢者が、互いの長寿と健康を喜び合いながら手作りで運営を続けている恒例のイベントで、参加者は心づくしの料理や余興を心ゆくまで楽しんでいた。

 「祝う会」は毎年7月に開催。自治会などが主催する敬老会と違い、地域に住むお年寄り自身が互いの健康や誕生日を重ねる喜びを分かち合いながら、料理や余興の準備、司会進行などの運営を自ら手掛けるなど、他地区には見られないユニークな取り組みだ。

 同日は米寿を迎えた菊地善三さん、森山ミツエさん、石山タキさん、喜寿の新谷キサさん、桜井ヒサさん、田中ハルエさん、伴フサさんの7人の長寿を祝い記念品を贈呈。長年にわたり活動を支えた前会長の須田昌平さん(85)には感謝状が贈られた。

 桜井会長と豊浜自治会の生田晃吉会長は「これからも元気で健康に気を付けて永楽会の活動を盛り上げて下さい」と、長寿の節目を迎えた7人を祝った。

祝宴では、会員が腕によりをかけた「クジラそうめん」など、心づくしの料理が振る舞われ、心のこもった歌や踊りなどの余興を時間を忘れて楽しんだ。参加者は故郷を離れた家族の近況や互いの健康自慢に華を咲かせていた。

 町の森廣樹公民館長は「お年寄りがイベントへの参加を心待ちにすることで生活に張り合いが出てくる。長寿を喜びとして共有することで健康を心掛けた生活を実現している。高齢者が支え合い地域に活気をもたらす素晴らしい取り組みは、過疎化が進む檜山管内では大いに参考になるはず」と話している。(松浦 純)


◎6月の函館、平均気温観測史上最高
 函館海洋気象台がまとめた管内の6月の気象状況によると、函館市の月平均気温は18・2度で、6月としては観測史上最も高かった。江差町や北斗市などでも、これまでで最も高い平均気温となった。

 道南地方は移動性の高気圧に覆われることが多く、晴れて気温が上がる日が多かった。

 函館市の6月の平均気温15・4度で、ことしは2・8度も上回った。最高気温が25度以上の夏日は平均の1・3日に対し、ことしは8日。日照時間がゼロだった日は29日だけで、平均の5・7日を大きく下回った。1カ月の日照時間は241・3時間でこれまでで3番目に多かった。

 函館市以外で平均気温がこれまでで最も高かったのは、長万部町16・4度、森町16・8度、北斗17・5度、木古内町16・9度、松前町17・9度、今金町17・6度、奥尻町16・9度、厚沢部町鶉17・6度だった。

 日照時間の最高を記録したのは、八雲町176・8時間、森町175・3時間、北斗市210・3時間、木古内町200・5時間、松前町241・3時間、奥尻町225時間、厚沢部町鶉208・4時間。江差町は222・4時間で過去3番目に多かった。(山崎純一)