2007年7月8日(日)掲載

◎色とりどりの浴衣 優雅千人パレード…江差かもめ島まつり開幕
 【江差】江差に夏の訪れを告げる第54回江差かもめ島まつり(江差観光コンベンション協会主催)が7日に開幕した。

 午後4時からは真夏を思わせる青空の下で「江差音頭千人パレード」がスタート。日本海を望む北前坂、いにしえ街道を経て、かもめ島までの道中を約1時間かけて練り歩いた。

 パレードには地域住民をはじめ、江差信金などの企業や桧山支庁などから1000人近い踊り手が参加。色とりどりの浴衣と編み笠の姿で優雅な踊りを披露した。

 また、町の移住体験プログラム「江差おためし暮らし」で江差に滞在している福岡県久留米市の8人も町役場チームとともに参加してパレードに彩りを添えた。

 この日は、かもめ島の入り口にある、高さ約10メートルの「瓶子岩(へいしいわ)」で、漁業の安全と繁栄を祈る「大しめ縄飾り」も執り行われた。漁業者が作り上げた長さ約30メートル、重さ約300キロもの大しめ縄を下帯姿の若者が岩によじ登って飾り付けた。

 2日目の8日は、午前9時から江差港南ふ頭で第29回全道北前船競漕大会が行われる。午後2時からは演歌歌手の原田悠里さん、江差出身の木村香澄さんの歌謡ショーも開かれる。(松浦 純)


◎函館沖 スルメイカ分布密度アップ 過去6年で最高…道南水産試験場6月下旬調査
 6月下旬の道南の太平洋沖のスルメイカの分布密度が、同じ方式の調査を始めた2002年以降最も高かったことが、道立道南水産試験場が行った調査で分かった。函館沖でイカ釣り機1台を1時間稼働させた漁獲数は、平均24・2匹で昨年の6・1匹より大幅に増え、大きさも昨年を上回った。海水温の上昇からイカの北上が早まっていることが要因とみられ、同試験場は「メーンの群れとは言い切れないが、大きな魚群は確実に道南沖に来ている」とみている。

 調査は6月25日から29日までの4日間、同試験場の調査船「金星丸」(151トン)が実施。下北半島東沖、浦河沖、恵山沖、函館沖の4カ所で、各地点の表層水温と水深50メートルの海水温、イカ釣り機稼働1時間当たりの漁獲数、水揚げしたイカの大きさを調べた。

 各調査点での1時間当たりの漁獲数は、昨年ともに0匹だった恵山沖で10・5匹、浦河沖で18・1匹に達した。最も少ない下北半島東沖でも4・5匹(昨年0・1匹)。4地点の平均は14・3匹で、昨年の1・6匹より大幅に増えた。

 水揚げしたスルメイカの胴長は、10センチから21センチ(昨年12センチ―17センチ)。最も多かったのは昨年より2センチ大きい17センチで、ことしは分布量、大きさとも昨年を上回った。

 一方、表層水温は、15・2度から18・2度で、昨年より2・4―5・9度高かった。水深50メートルの水温も昨年より2・3―6・8度高い7・7―14・3度に達した。表層水温、50メートルの水温とも02年以降の平均値より1・1―3・7度高く、北上の早まりにつながっているようだ。

 同試験場は「現時点では昨年より資源量が増えているとは言い切れないが、北上の早まりが分布密度アップにつながっている」と分析。「漁のピークが早まる可能性もある」と、漁模様を注視している。(原山知寿子)


◎ジュンサイ漁スタート
 【七飯】七飯町の蓴菜(じゅんさい)沼(七飯町西大沼)で7日、ジュンサイ漁が始まった。大沼漁協の組合員9人がそれぞれ手こぎの舟に乗り込み、ゼラチン質に包まれた2―4センチほどのジュンサイを次々と摘み取った。

 湖底に根を張り、湖面に葉を浮かべるジュンサイは、茎に大小の新芽をつける。漁では新芽部分を摘み取り、陸に上がった後、選別。量が少ないため、地元の土産物店などで売られるだけだ。

 ことしは6月30日から3日間の試験採取で生育状況を確かめ、開始時期と実施頻度を決定。資源保護のため漁の時間を午前7時から同11時半と午後1時から同4時までに限り、4日間の出漁後、5日間休漁する。

 漁業者は、日差しや雨を遮るビニールシートを舟に張り、作業がしやすいよう傾斜をつけた船尾に腹ばいになって採取。片手で茎を固定し、慎重に新芽をつみ取っていた。

 6月に晴天が続いたことなどから生育は例年より順調。昨年の水揚げは1・8トンで、ことしも昨年並みを目標に8月15日まで漁を続ける。(笠原郁実)


◎市功労者表彰19人…公益・議員 経済、社会などの分野
 函館市は7日までに、函館の経済、社会、文化などの発展に貢献した個人や団体をたたえる「市功労者表彰」の受賞者を発表した。公益事業に功績がある人に贈られる「公益功労」に4人、満12年以上議員職に就いた市議会議員に贈られる「議員功労」は15人で、計19人が選ばれた。表彰式は8月1日午前11時から、市民会館小ホールで行われる。

 市功労者表彰は、1939年に始まりことしで59回目。2006年までに個人559人、10団体が受賞している。07年の受賞者は、6月29日に開かれた市表彰審議委員会(座長・西尾正範市長、委員7人)で決定した。

 公益功労を受賞したのは、市漁業協同組合副組合長理事の菊地健悦氏(77)=志海苔町=、NPO法人(特定非営利活動法人)「NPOサポートはこだて」理事長の奥平忠志氏(71)=上野町=、函館保護司会連合会会長の奥野秀雄氏(70)=深堀町=、前函館市函館消防団長の田原勲氏(69)=富岡町=。

 菊地氏は、1994年には宇賀漁協組合長(当時)に就任し、98年6月には、函館、宇賀、石崎漁協の合併に尽力し、函館市漁協を発足させた。その後も、根崎漁協との合併を実現するなど、組合の経営基盤強化や、水産業振興に長年寄与している。

 奥平氏は、地理学研究者として、2001年から道教育大名誉教授。専門的見地を生かし、西部地区を中心に函館の都市空間形成に貢献している。市の都市景観審議会会長などの立場でまちづくりに携わり、市の総合計画の策定に力を発揮した。

 奥野氏は、1979年から保護司として、観察対象者の自立更生、社会復帰に力を注いでいる。99年からは、市社会福祉協議会理事として、福祉サービスや、福祉制度改善に貢献。2005年4月からは、市中央地区防犯協会常任理事として、地域の防犯活動にも取り組んでいる。

 田原氏は、1961年から2006年まで、長年消防団活動に携わり、火災や災害発生時の鎮圧活動に出動し、市民の安全確保に貢献した。2004年12月に合併により誕生した市函館消防団団長として、各地域の消防団長と融和を図り、組織作りに尽力。地域住民の防災意識高揚に努めてきた。

 議員功労は、合併以前の旧4町村地域での議員歴も含めた。受賞者は次の通り(基準日07年8月1日)。

 ▽能川邦夫氏(63)=市議12年3カ月▽白崎憲司郎氏(58)=同▽阿部善一氏(56)=同▽佐々木一朗氏(70)=旧恵山町議9年8カ月、市議2年6カ月▽増輪正氏(59)=同、同▽杉林千一氏(58)=旧椴法華村議9年8カ月、同▽岡義次氏(73)=旧南茅部町議9年7カ月、同▽蛯谷邦男氏(70)=同13年7カ月、同▽下池徹氏(68)=同17年7カ月、同▽竹越勝昭氏(65)=同13年7カ月、同▽砂田義稔氏(64)=同9年7カ月、同▽吉田充信氏(59)=同、同▽遠山俊一氏(58)=同、同▽杉林幸弘氏(53)=同13年7カ月、同▽吉村良一氏(52)=同9年7カ月、同。(今井正一)


◎歓声響く七夕の空…大人も子どもも各地でにぎわう
 7日は七夕。函館市内では、日中の最高気温が25・2度と今月に入って初の夏日となる好天に恵まれ、各地で開かれた祭りは大勢の人でにぎわった。子どもたちは七夕にちなんだ歌を歌ってお菓子をもらったり、願い事を短冊に書いてササにつるしたりして大はしゃぎ。高齢者も茶話会で七夕に関する歌を歌って童心に帰るなど、夏を楽しむ歓声が響いた。

 ○…五稜郭タワー(函館五稜郭町43)では、営業時間を通常より3時間延長して午後10時までとし、宝石箱を散りばめたような街並みの展望や、ステージショーなどが楽しめるイベント「五稜郭タワー七夕まつり2007」が開かれた。

 小学生以下の子どもが、七夕の囃し唄(はやしうた)を歌うと、お菓子がもらえるとあって、館内には「竹に短冊 七夕まつり―」の元気な声が響き渡った。アトリウムでは、地元アマチュアバンドのライブやジャグリングパフォーマンスが披露され、イベントを盛り上げた。

 また、展望台にはササを設け、搭乗者が配られた短冊にそれぞれの願い事を記入。大願成就を祈るため、眼下に望む五稜郭の星に向かって手を合わせる人も。(浜田孝輔)

 ○…函館市弁天町では、「第4回大黒通り七夕まつり」(実行委主催)が開かれた。子どもたちは、ちょうちんに見立てた風船とペンライトを手に町を練り歩いたほか、音楽演奏や、織り姫とひこ星にまつわる話の映像を楽しんだ。

 夕暮れの迫ったころ、浴衣姿の子どもたちが、同町11のシャロン美容室前から同町13の「大黒ひろば」を目指して行進。到着すると、太鼓やギターの演奏が披露されたほか、朗読に乗せたスライドが上映され、七夕について学んだ。

 同ひろばの一角に飾られたササには、子どもたちの願いが込められた星形の短冊がずらり。「保育園の先生になれますように」「お友達といっぱい遊べますように」などの心温まる夢を、付き添った保護者らがほおを緩ませながら眺めていた。(浜田孝輔)

 ○…函館市の中心部を走る行啓通では、「第26回七夕祭り歩行者天国」(五稜郭商店街振興組合主催)が開かれた。浴衣姿の子どもがゲームやお菓子に歓声を上げたほか、踊りや音楽演奏を楽しんだ。

 この催しは、五稜郭地区の地域振興を目的に毎年開かれている。ことしは初めて、函大付属有斗高校のマーチングバンドが披露されたほか、YOSAKOIソーラン踊りも演じられ、雰囲気を盛り上げた。

 同市時任町の飯田省一さん(33)は、息子の悠ちゃん(5)とともに訪れた。「短い夏の夜が楽しめた。子どもにとってもよい思い出になるので、商店街や関係者は頑張って歩行者天国を続けてほしい」と話していた。(山崎純一)

 ○…旭町会の「旭町老人クラブ」(小玉陽造会長)は、同町会館で「旭クラブ七夕例会」を開いた。会員32人が参加。願い事を短冊に託したほか、七夕にちなんだ歌を歌った。

 毎月のクラブ例会で、幼いころに戻って楽しい七夕を迎えようと、7月は毎年7日に開いている。小玉会長は「元気なみんなの姿を見れてうれしい。きょうはゆっくり楽しんで」とあいさつした。

 参加者は「毎日が健康に」「足腰元気に幸福に」などと短冊に書き、2本のササに飾り付けた。また、七夕にちなんだ歌をみんなで歌って笑顔を見せていた。

 参加した小林睦さん(70)は「織姫と彦星が年一度の再会を迎える素敵な日。歌を歌い、楽しい時間を過ごせた」と話していた。(小橋優子)


◎道南の高校で学校祭スタート
 道南の高校の学校祭が7日から始まった。この日開幕したのは、函館西、南茅部、函館商業、福島商業の4校。8日までの2日間の日程で、2日目は地域住民に公開。模擬店やクラス展示、ショーなどを披露する。

 函館商業の第36回北辰祭は「いつまでも忘れられない日」をテーマにした。3年生が中庭に設置した屋台には昼食を求める生徒が集まり、自由に参加できる「カラオケ甲子園」では、舞台狭しと大勢の生徒がにぎやかに歌うなどパフォーマンスで盛り上げた。

 喫茶店や風船店も並び、手相の店ではスキャナーで取り込んだ手相をパソコンで解析し、性格や将来についての占い結果を伝える。同店の角田有佑君(1年)は「簡単に楽しめるのでぜひ来てください」と呼び掛けていた。

 4校以外の高校では、7月中旬から夏休みを挟んで9月下旬にかけて順次行われる。(小泉まや)