2007年7月9日(月)掲載

◎男女38チームが波しぶき…かもめ島まつり 北前船競漕
 【江差】第54回江差かもめ島まつり(江差観光コンベンション協会主催)は2日目の8日、江差港で「第29回全道北前船競漕(きょうそう)大会」が開かれた。男性31・女性7の合計38チームが白熱のレースを繰り広げた。

 大会では朱色に彩られた4隻の北前船が、160メートルの周回コースでタイムを競う。8人のこぎ手は打ち鳴らされるドラの音に合わせて、懸命にかいを振るった。

 レース最大の見せ場は海上の折り返し地点。男性の部では予選を勝ち抜いた強豪4チームが優勝をfイけて激突。横一線に並んだ北前線が一斉にUターン。波しぶきを立てながら一直線にゴールを争う様子に、岸壁の観客からは盛んな声援が贈られた。

 また、同日はかもめ島にある厳島神社のご神体を漁船に移して、江差沖をめぐる海上渡御も執り行われたほか、演歌歌手・原田悠里さんらの歌謡ショーも大勢の人出でにぎわった。(松浦 純)

 同大会の入賞チームは次の通り(カッコ内は決勝タイム、代表者の氏名サ敬称略)。

 【男性の部】(1)一心(1分29秒29・小間均)(2)宏栄マリーンズ(1分31秒24・小野謙吾)(3)クレイジースイマー☆(1分30秒97・大谷真一)(4)海賊(1分32秒54・伊川俊幸)

 【女性の部】(1)滝沢レディース(1分49秒66・大坂春美)(2)カタセールえさしモモレンジャー(1分58秒64・葛西敦子)(3)我流(2分15秒42・佐藤紗弥香)(4)健やか親子21リベンジ(2分9秒45・阿部和美)


◎「もう一度行きたい」「満足した・良かった」7年連続で函館1位…じゃらん06年の道内人気観光地調査
 リクルート北海道じゃらんがまとめた2006年の道内人気観光地調査で、「もう一度行きたい」「満足した・良かった」の両項目で函館市が7年連続で1位に輝いた。一方、05年まで5、6位で推移していた「過去1年間に行った道内旅行先」では8位となり、少し順位を下げた。

 調査は06年9月20日から10月19日にかけて、主に道内の読者を対象に行い、949人から回答を得た。回答者は女性70・4%、男性29・6%で、居住地は札幌圏53・9%、日高・胆振圏14・3%、旭川圏10・4%など。全体では40―49歳が最も多い23・3%を占め、31・4%が会社員だった。

 調査結果によると、これまでに行って「満足した」「良かった」道内旅行先は、「函館」が68・8%と高水準で7年連続で1位となった。2位は「富良野」で60・0%、「湯の川温泉」は59・9%で惜しくも3位だったが、05年の5位から順位を上げた。

 もう一度行きたい旅行先は「函館」が63・0%を占めて7年連続で1位となり、「湯の川温泉」が56・7%で2位に続き、道南地区が上位を独占。3位は「礼文島」で48・9%だった。

 また過去1年間に行った道内旅行(複数回答)では、「札幌」が40・6%で3年連続の1位、旭山動物園などがある「旭川」が33・6%で2位となり、「富良野」「小樽」が続く。

 「函館」は21・5%で8位に後退。05年4月に大型複合商業施設「千歳アウトレットモール・レラ」が開業した「千歳・支笏湖」は大きく順位を上げている。

 目的別でみると、函館は「名所・旧跡の観光」で1位、「地域商品や特産品などおいしいものを食べる」で2位だった。

 同社は「函館の観光客は近年減少しているが、函館クリスマスファンタジーの浸透や新五稜郭タワーのオープン、湯の川エリアの『オンパク』開催など活性化策も講じられ、再浮上の下地は十分」とみている。(宮木佳奈美)


◎地場産の素材使い郷土料理…辻旅館「旅館の母さんが作る昼ご飯」スタート
 【江差】江差伝統の郷土料理を食べたい―。道内外から訪れる観光客や転勤族の希望に応えて、江差町中歌町の老舗旅館・辻旅館は、前浜で水揚げされた新鮮な魚介類を使った昼食メニューを提供する「旅館の母さんが作る昼ご飯」を始めた。

 江差には地場産のタラやサケなどを使った昔懐かしい三平汁をはじめ、脂の乗った根ホッケの煮付け、近隣の山々で採れる豊富な山菜類を使った数々の郷土料理がある。

 家庭では当たり前に作られる郷土食だが、飲食店や宿泊施設のメニューに上ることは少ないのが実情だ。「普段食べてる物をお客さんに出す訳にはいかない…」(観光関係者)という遠慮もあり、食をテーマにしたイベントなどを除き、魅力ある郷土食が陽の目を見ることは少なかった。「江差の郷土食を多くの人に食べて欲しい」。観光関係者を中心に長年にわたり叫ばれ続けてきた、江差の大きな“宿題”でもあった。

 こうした声を受けて、料理の腕で定評が高い辻旅館が、6月末にスタートしたのがランチメニューだ。「昔ながらの旅館で建物は古いですが、料理で勝負をかけています」と語るのは女将の辻悦子さん(60)。先代の女将から受け継いだ伝統の三平汁、生きている朝イカをはじめとする新鮮な魚介類、従業員が採った山菜など地場産の食材が調理場に集まる。

 6日のメニューは「フキとぬかニシンの三平汁」「ヒラメと朝イカの刺し身」「アスパラとアオヤギのごまあえ」「タケノコとアブラコの煮付け」「キュウリと紅ズワイガニの酢の物」などの6品とお代わり自由のご飯。旬の食材を生かした料理がずらりと並ぶ。

 ランチをうたっているが、夕食メニューでも十分な質とボリュームに、訪れた人は驚きの声を上げる。道外の60代夫婦は「今回の旅行で最大のヒット。海のものはすべておいしいです」と大満足。「次は泊まりで来ます」という観光客も。単身赴任の転勤族の人気も上々だ。

 「まだまだ手探り状態ですが、選び抜いた旬の食材を用意してお待ちしています」と辻さん。ランチは10月第2週までの金・土曜。午前11時―午後2時。女将さんの似顔絵をデザインしたのぼりが目印だ。980円。売り切れ次第終了する。10人以上の場合は随時予約を受け付ける。問い合わせは辻旅館TEL0139・52・0062へ。(松浦 純)


◎照明と観客席設置へ…西桔梗野球場
 函館市は本年度、西桔梗野球場にナイター照明と観客席を設置する。本年度の一般会計補正予算案に関連経費1億4980万円を計上した。第2回定例市議会で議決後、設計委託し、今季の運営を終える11月ごろから整備に入り、来シーズンの供用開始を目指す。照明設置は昨年からの検討課題で、観客スタンドも設けることで、野球大会の観戦や応援などの利便性が高まる。

 市教委スポーツ振興課によると、ナイター照明はイメージとして内野に2基、内野と外野の中間に2基、外野に2基の計6基を設ける。照明塔の高さは約20メートルで、平均照度は内野で500ルクス以上、外野で300ルクス以上。JIS規格の2倍の照度で、ナイトゲームに支障がなく、夜の事務所に蛍光灯をつけた程度の明るさという。電気代など年間の管理運営費は約300万円。

 また、1、3塁側にそれぞれ70人ほど座れる観客スタンドを設置する。現在はバックネット裏に90人程度が座れるスタンドしかなく、少年野球大会などで応援に訪れる父母らが余裕を持って座れるよう、要望もあったという。

 同球場は、市が昨年度購入した旧NTTグラウンドで、今年5月にオープン。オーシャン球場の過密な日程が緩和され、北斗市や森町、木古内町などで行っていた少年野球大会が同球場で開催できるようになった。

 購入・整備費は約8500万円で、合併後の地域振興に資すると評価され、市の負担が約3分の1で済む合併特例債の活用が認められた。照明とスタンド整備も特例債の活用を見込んでいる。

 同課は「週末には試合や大会が入り、市民の利用度が高い。照明やスタンドの設置で、さらに利便性を高めたい」と話している。(高柳 謙)


◎「産業政策会議」設置へ…函館市
 函館市は、低迷が続く市内の産業振興につながる新たな施策を検討する「産業政策検討会議」を庁内に設置する。各経済担当部局にまたがるワーキンググループ(WG)と、若手職員で構成する庁内検討チームを設ける。検討チームは10月をめどに提言書をまとめ、最終的に、来年度の予算に反映させる方針。若手職員が自由で活発な議論を交わすことで、従来の取り組みに縛られない発案が期待される。

 検討会議は、今月中旬に設置。地域経済の活性化を喫緊の課題と位置づけ、産業振興につながる基盤整備や、産学官連携の推進、雇用の創出などについて議論する。

 担当部局は、企画、商工観光、農林水産、土木、都市建設、港湾空港の6部。検討会議は、谷沢広副市長と6部長で構成し、下部組織として、各部局の課長職18人でつくるWGを設置する。さらに、40歳未満の若手を対象に、庁内からの公募と6部局推薦の職員15人で検討チームをつくる。

 検討チームは、月に数回の会議や、WGとの意見交換で、産業政策の方向性を議論する。結果は10月をめどに、提言書としてまとめ、WGが活用策を検討。11月までに検討会議に報告し、協議を踏まえた上で、実現可能なものについては、新年度の予算に反映させる。

 商工振興室工業課では「各部局の職員が担当分野に限らず、議論を重ねることで、柔軟で新しいアイデアが出ることを期待したい」と話している。(今井正一)