2007年8月12日(日)掲載

◎姥神大神宮渡御祭上町巡行 祭ばやしコンクールは清正山が初優勝
 【江差】姥神大神宮渡御祭は最終日の11日、渡御行列による上町巡行が晴天の下で行われた。午後9時すぎには、みこし行列に従って13基の山車が新地町に集結。ようやく訪れた夏本番を喜び合うような威勢のよい掛け声とともに、笛の音が響き、太鼓が打ち鳴らされた繁華街は、祭人たちの熱気と歓喜の渦に包まれ、祭礼の熱気は最高潮に達した。

 渡御行列は正午すぎに同神宮前を出発。午後の最高気温は27・9度に達し、陽炎(かげろう)が立つ中、大勢の引き手が汗だくになって、海岸沿いの街並みや山坂が多い上町地区を巡行。午後9時すぎには、週末とあって大勢の観光客でごった返す新地町に到着。山車の周囲では大勢の若者が「1銭けれ!」の掛け声を叫びながら激しく踊り回った。

 また、下町巡行が行われた10日の「祭ばやしコンクール」では、本町の「清正山(せいしょうざん)」(田畑俊雄頭取)が初優勝。山車建造30周年に彩りを添えた。戦国武将・加藤清正の家紋である「蛇の目」を染め抜いたはんてん姿の子供たちは、肩を抱き合って喜び、同神宮前で感動の祭ばやしを披露。津花町の「楠公山(なんこうやま)」が2位、茂尻町の「譽山(ほまれやま)」は3位に入賞。新栄町の「新栄山(しんえいざん)」と陣屋・海岸町の「松寶丸(まつほうまる)」には努力賞が贈られた。


◎06年の道内地域設備投資実績/製造業3年連続増
 日本政策投資銀行北海道支店(札幌)は、道内の民間企業(資本金1億円以上、金融・保険業などを除く)を対象に実施した、2006年度の設備投資実績に関する調査結果をまとめた。製造業が増加する一方、非製造業の低迷が影響し、全産業では前年度比1・0%減の3859億円。また、07年度の設備投資計画は、非製造業の巻き返しが期待できることから、06年度計画(4018億円)に比べて2・6%増の4121億円を見込んでいる。

 06年度の実績を業種別で見ると、製造業は、「輸送用機械」が工場増設投資の一服感から同48・5%の207億円。「その他製造業」が印刷工場の新設などにより、同80・2%増の228億円、「鉄鋼・非鉄金属」が生産能力増強投資があったことから、前年度の約2・4倍に相当する167億円と大きく伸びた。全体では、同3・7%増の1258億円と3年連続で増加したものの、伸び率は鈍化している。

 一方の非製造業は、大型廃棄物処理施設の新設などがあった「サービス」が前年度の約2・3倍に当たる262億円、船舶更新投資のあった「運輸」が同21・0%増の372億円。しかし、「電力」が同13・1%減の890億円、「通信・情報」が地上デジタル化対応投資に一服感がうかがえ、同48・5%減の82億円に落ち込むなど、全体では同3・2%減の2601億円と5年連続で減少した。

 07年度計画では、製造業が「紙・パルプ」や「その他製造業」などの低迷から、06年度計画に比べて11・1%減の1153億円。非製造業は、能力増強工事などを行う「その他非製造業」をはじめ、「通信・情報」や「電力」で増加することから、全体では2968億円と6年ぶりに好転する見通し。

 なお、調査は道内に本社を置く768社にアンケートを依頼し、493社が回答。回答率は、64・2%。 (浜田孝輔)


◎市営競輪1―6回売り上げ、予定を4億1700万上回る
 7月までに行われた本年度の市営函館競輪の第1回から第6回(F1、F2計36日間)の売り上げが、本年度当初予算よりも10・3%伸びている。40億4900万円の見込みが44億6600万円となり、予定より4億1700万円多い。本場(函館市金堀町)の見込みは下回ったが、主力の臨時場外や電話投票で伸ばした。

 8月4―7日に開かれた「ふるさとダービー函館」(G2)は、予定の120億円より10%少ない108億円にとどまった。このため、15日から始まる第8回以降のF1、F2計30日間でさらに売り上げ増を目指す。

 7月まで36日間の売り上げは、堅調だった前年同期と比較しても3・9%伸びている。昨年度実績は42億9900万円だったが、本年度は44億6600万円と、1億6700万円の伸び。

 高齢者と障害者が対象となるが、高齢者といっても元気な人から病気や寝たきりの人まで、年代を問わずいる。障害の種類も多様で、同じ障害のある人でも、程度は人によって違う場合も多い。要援護者の範囲が決まれば、具体的にどのような救助方法や連絡体制を取るかを検討する。

 ただ、昨年度との比較では、本場と松風サービスセンター、札幌場外がともに2割近く落としている。売り上げの約85%を占める電話投票と臨時場外の伸びに支えられている形で、パイは小さいが、地元ファンの開拓が欠かせない。

 市競輪事業部は「本場、松風、札幌はなかなか下げ止まらないが、今後も当初予算の達成に向け、レースの魅力やファンサービスを充実し、気を緩めずに頑張りたい」と話している。 (高柳 謙)


◎独立行政法人航海訓練所の「銀河丸」親子見学会
 独立行政法人航海訓練所(横浜)所属の練習船「銀河丸」(八田一郎船長)の親子見学会が11日、函館港中央ふ頭に停泊する同船内で開かれた。函館市内の小学生とその保護者ら約40人が参加し、乗組員の説明を受けながら、普段目にすることのできない機関室や制御室などを見て回った。

 2004年6月に就航した同船は、全長116・4メートル、幅18メートル、総トン数6185トンの汽船。7月に神戸を出発し、九州、東京、静岡を経由し、実習生の休養と水・食料の補給のため、9日に函館港に入港した。同船の函館寄港は05年10月以来2回目。

 参加者は4つのグループに分かれ、9階構造の広い船内を次々と巡回。操船シミュレーターを使った体験では、児童が実際にかじを握ったほか、実習生が実際に取り組んでいるロープワークやヤシの実を使ってデッキを磨くなどし、つかの間の船員気分を味わった。

 見学後、八田船長が「いろいろな夢を持つ中で、船を選ぶ道の1つに加えてほしい」と呼び掛けた。

 権代拓士君(函館駒場小4年)は「船が好きなので参加した。船の操縦体験がとても面白かった」と声を弾ませていた。 (浜田孝輔)


◎旧ロシア領事館復元市民の会が発足
 老朽化が進む旧ロシア領事館(函館市船見町17)を日ロの新たな交流拠点として活用しようと、市民有志はこのほど、ロシア領事館復元市民の会(工藤玖美子代表)を発足させた。同市地域交流まちづくりセンター(末広町)で11日、初会合を開き、復元に向けて意見を交わした。

 旧領事館は1908(明治41)年に建てられた。64年に外務省から市に売却され、翌65年4月から99年6月まで市立道南青年の家として活用された。現在は閉鎖され、建物の復元、再活用が課題となっている。復元に向け市は整備時期などを具体化していないが、西尾正範市長は活用を公約に掲げている。

 会は復元を市民運動に発展させていこうと、工藤代表が呼びかけ人となり、賛同者15人で8月1日に発足。11日は、会員のほか、会の活動に関心を持った市民ら合わせて14人が出席した。

 会合で工藤代表は「多くの市民の賛同をいただきながら運動の輪を広げていきたい」とあいさつ。この後、意見交換が行われ、顧問の一人で在札ロシア領事館函館事務所のブロワレツ領事参事官は「まずは領事館の魅力を訴え、市民の関心を高めていくことが肝要」と述べた。

 非公開となっている領事館内部の状況を把握する必要があるとの意見が出され、近く市に見学を要望することを確認。このほか、来年の築100年に向けた活動の企画や、ロシアの関連団体との連携、ロシアの文化・歴史を学ぶ勉強会の開催などの案が出され、毎月1回、同センターで会合を開くことを申し合わせた。

 工藤代表は「日ロ交流の拠点となる建物。工芸品や美術品などの展示、イベントの開催など、市民が楽しめるよう復元の運動をしていきたい」と話していた。 (鈴木 潤)