2007年8月14日(火)掲載

◎函館夜景の日/各地で明かりを灯すイベント
 13日は「函館夜景の日」。函館市内各地では市民団体などが夜景を独自に演出し、街はいつも以上の輝きを見せた。

 函館夜景の日は、1991年、函館青年会議所の当時の福西秀和理事長が発起人となって制定。8を「八サヤ」、13はトランプのキング「K」(ケイ)を当てはめた。実行委がイベントを行った時期もあるが、最近は各団体がそれぞれの活動を通じて一夜を盛り上げている。

 同市上湯川町の日下部忠一さん(86)は、同市住吉町にある石川●木一族の墓の周辺にあんどんやろうそくをともした。昨年までは●木に関する会として開いていたが、ことしは個人で開催。「1人だが、気持ちを込めて明かりをつけた」と話す。事情によりことしが最後の開催という。

 「函館夜景の日」を考える会(佐近弘悦代表)は、同市大町の緑の島で、会員約20人が約250個の懐中電灯やペットボトルを使い、市民に伝えたいメッセージとして「ガンバロー」の文字を浮かび上がらせた。午後8時13分には花火を打ち上げ、夜空を彩った。函館山を訪れていた観光客は「こうした日があって、市民が頑張っているのはすごいこと」と関心していた。 (山崎純一)


◎函館市教委、中学生対象に学力検査
 函館市教委は、中学生を対象とした標準学力検査(CRT)を本年度初めて実施する。6月の補正予算で基礎学力向上推進費として約208万円を計上。本年度は1学年だけで実施し、英語、数学、国語の3科目を予定している。実施時期などについては、これから学校側と協議しながら決めていく。

 CRTは、業者が公刊するペーパーテスト。出題内容や採点方法、判定が明確な基準に基づいて決められていて、客観的なデータを把握することが可能。

 市では、児童の学力把握と基礎学力の向上を目指し、2003年度から小学5年生を対象に国語と算数で検査を行っている。これまでに毎年度1回ずつの計4回実施し、検査の次年度に、教職員や市教委でつくる「確かな学力」向上のためのプロジェクト推進委員会を発足させ、検査結果を分析。学習到達度など市全体の傾向をまとめ各校に報告するとともに、教科指導や授業の改善に生かしている。

 中学生の検査も同様に行う方針で、市立校28校が対象となる。

 小学校では検査と合わせて学習意識も調査していて、中学校でも実施するかどうか検討する。

 市教委教育指導課は「小中学校を通しての学力状況の把握に努め、きめ細かな学習指導、精度の高い取り組みにつなげたい」としている。 (鈴木 潤)


◎連日の真夏日
 13日の北海道付近は、前日に引き続き高気圧に覆われ、各地で厳しい暑さに見舞われた。最高気温は日高管内新冠町新和で36・0度の猛暑日となったほか、空知、胆振管内などの9カ所で過去最高の暑さを記録。渡島、檜山では、今金町33・2度、厚沢部町32・8度、函館市30・7度、八雲町熊石30・5度、森町30・0度を観測、真夏日となった。

 函館市は12日の31・3度に続き、2日連続の真夏日。市内の海水浴場や公園では、朝から涼を求める人でにぎわった。同市青柳町の函館公園では、午前中から小さな子どもたちが噴水に入り、水しぶきを上げながらはしゃいでいた。

 裕也ちゃん(3)を連れてきた同市本通の主婦高瀬真由美さん(24)は「暑いと洗濯物はすぐ乾くし、子どもも喜ぶ。でも、これ以上は暑くならないでほしい」と話していた。

 函館海洋気象台によると、好天と暑さは15日ごろまで続くという。 (山崎純一)


◎4―6月期道南経済、総じて停滞、一部に動意
 函館財務事務所は、4―6月期の経済概況に関する「道南経済レポート」を発表した。個人消費や生産活動の一部に好調な動きが見られたが、陸海空路での観光客が低調なことから、6期連続で「総じて停滞しているものの、一部に動意がみられる」とした。

 個人消費では、主要大型小売店(7社)の売上高は、4、5月の天候不順で夏物衣料や飲食料品が振るわず、6月の好天や夏物セールの前倒し効果で、衣料品や身の回り品に動きはあったが、全体としては前年同期比6・0%減。食料品スーパー(4社)はコメや酒類などの飲食料品が堅調に推移したが、ホームセンター(4社)は同2・1%の減少だった。

 生産活動は、セメントや生コンクリートの窯業・土石、床板の木材・木製品が、民間需要の高まりにより前年を上回る好調ぶり。造船や一般機械で海外需要が見られるが、水晶発振器などの電子部品、珍味加工の食料品が前年実績を下回っている。

 住宅建設では、主力の持ち家こそ減少したが、金利の先高観を見越した分譲住宅に駆け込み需要が見られ、同0・7%の微増。公共工事は、国や地方における予算規模縮の影響で、同23・5%減と落ち込んだ。

 観光入り込み客数は、旭山動物園などへの人気集中や道外・海外観光客の減少から、フェリー、JR、航空機ともに前年割れ。主要ホテル(11社)の宿泊客数や観光施設(3カ所)も、低迷している。(浜田孝輔)


◎来月からはこだてスマイルキャンペーン
 函館を訪れる観光客を快く迎えるため、地元住民のホスピタリティー(もてなしの心)向上を目指す事業「はこだてスマイルキャンペーン2007」(通称パコスマ)が、9月1日から1カ月半にわたって展開される。4回目となることしは、昨年策定したハートをイメージしたキャラクターを用い、さらなるPRに努める。新たな取り組みとしては、国際化に対応するため、小学生を対象に語学教室を開き、地域全体の底上げを図る。

 函館商工会議所(高野洋蔵会頭)と同青年部(河村祥史会長)が主催。初年度は、観光客と接する機会の多いタクシー会社に限定して実施したが、翌年度から業種を問わずに門戸を広げ、昨年度は、函館市内・近郊の約1000社が賛同した。

 今回は昨年に引き続き、キャッチフレーズを「ハコダテスマイル・おもてなしのココロ」とし、啓発するポスター2000枚、マップ付きのリーフレット2万部を作製。関連グッズとして、湯の川地区やJR函館駅前地区のホテルが各部屋などに置いて好評を得ている「卓上三角スタンド」をはじめ、バスやタクシーの車窓に添付する「ステッカー」、缶バッジを用意する。

 新企画となる「おもてなしのココロ、子供語学授業」は小学校高学年を対象に、9月16日に市民会館で開催。中国語や韓国語、ロシア語、英語のあいさつを学ぶほか、日本語を含む5カ国語での言葉遊びを通じ、国際感覚を養ってもらう。

 このほか、「ハコダテスマイル(笑顔)」「おもてなしのココロ」をテーマにした「スマイル写真コンテスト」、ホスピタリティーについて知識を深める「スマイルパワーレベルアップセミナー」(同26日)などを予定している。

 同青年部街・活性化委員長の木佐聖一郎さんは「年を追うごとに、ことしもやるんだという意識が根付いてきている。周知物を昨年と同様のデザインにすることで、さらなる徹底につながれば」と話している。

 詳細については、パコスマのホームページ(http://www3.ncv.ne.jp/〜pakosuma)か、同会議所企画情報課TEL0138・23・1181。 (浜田孝輔)


◎戸井まぐろフェスタ/解体ショーに歓声
 戸井まぐろフェスタ(戸井漁協主催)が12日、函館市釜谷町の釜谷漁港で開かれた。全国に誇る「戸井マグロ」の味を市民に楽しんでもらおうと2年ぶりの開催。約150―200キロのクロマグロ(ホンマグロ)7匹を用意し、100?当たり大トロが1100円、中トロが900円など、格安で販売した。このうち1匹は会場で解体し、マグロが豪快にさばかれていく姿に歓声が上がった。

 7月中旬から始まった戸井のマグロ船団による今季の漁は順調で、連日15―20匹が水揚げされるなど、最盛期を迎えている。同フェスタには、午前7時台から来場する市民もいるなど、1500枚の整理券は瞬く間に配布を完了した。

 マグロの解体ショーでは、マルスイ札幌中央水産から招いた三浦昭則さんが、刃渡り36?もある大型の包丁を使い、力強く身をさばいた。見守った市民からは、赤々とした身があらわになると「おおー」と歓声が上がり、三浦さんの手さばきに「大将、格好いい」などとかけ声が飛んだ。

 ショー終了後は、早速即売会を開始。同漁協の森祐組合長は「世界一のマグロと称して頑張っていきたい。皆さんの口から、戸井のマグロは素晴らしいと宣伝してほしい」とあいさつした。

 同市神山の主婦(60)は「戸井のマグロは食べたことがない。一日置いた方がおいしいと言われましたが、早速、刺し身でいただきます」と話していた。 (今井正一)