2007年8月26日(日)掲載

◎YOSAKOIソーラン祭り道南大会開幕
 第5回YOSAKOIソーラン祭り道南大会(実行委など主催)が25日、メーン会場のクィーンズポートはこだて(函館市豊川町)で開幕した。この日は前夜祭として約25チームが同会場で演舞を披露。残暑厳しい函館の夏を熱気で包み込んだ。

 函館の夏の最後を彩るイベントとして、道内外のチームが集う。ことしは、道南や、第16回YOSAKOIソーラン祭り(6月、札幌)で4年連続大賞に輝いた「新琴似天舞龍神」(札幌)など計約30チームが参加する。

 この日の函館の最高気温は7日間連続の夏日となる27・0度。開会式では、福田繁幸実行委員長が「暑い中、日射病などに気を付けて踊り、大会を盛り上げてください」とあいさつ。続いて、函館の「谷地頭ちびっこ連」の子どもたちが元気いっぱいの踊りを見せたのに続き、各チームが熱演した。最後には、観客と一体となる大乱舞が行われ、前夜祭を締めくくった。

 26日は市内3カ所で本祭。道南からは12チームが参加するほか、4チームが特別参加。このほかに18チームが出場する。開始時間は、メーン会場と、金森赤レンガ倉庫群会場(豊川町)は午前9時半、大門グリーンプラザ会場(松風町)は同10時。 (山崎純一)


◎渡島支庁が「体験型」修学旅行生誘致へ本腰
 渡島支庁は本年度、「おしまの体験学習づくり推進事業」を実施する。飛行機利用の修学旅行が広がっている背景を受け、道外からの修学旅行生向けに、農漁業や文化、歴史などを体験的に学ぶメニューづくりや受け入れ態勢の構築を目指す。9月にも自治体や旅行・観光業者などによる検討会議を発足させて事業に乗り出す。同支庁は「見学型から体験型の修学旅行が求められる中、道南らしいメニューを考えたい」としている。

 2003年度に道が実施した調査によると、道外から道南圏に訪れた中学、高校の修学旅行生は2万9753人。道内全体(55万7740人)の5%ほどで、道南、道央、道北、道東の4圏域では最も少なく、一般観光客の入り込み状況と大きく異なっている。

 東京や神奈川などでは、中学校の修学旅行で飛行機利用が認められるようになっている。北海道全体でも、道観光連盟が担当教諭の視察会などの誘致を進めていることから、道内他地域から遅れを取っている渡島管内でも受け入れ推進に乗り出すことにした。

 検討会議は自治体、宿泊、旅行関係者のほか、アドバイザーとして道内の観光専門家らを交えて構成。管内の体験施設の調査や先進地の視察なども踏まえ、体験メニュー案的な内容をまとめる。関係者同士のネットワーク化や受け入れ態勢の組織化も検討する。

 同支庁商工労働観光課は「修学旅行は、航空機手配が容易な5月の連休明けからが多く、気候が良い道南は有利。新幹線や最近の修学旅行動向も見据えた、より具体的なメニュー案を考えていきたい」と話している。 (原山知寿子)


◎自転車の盗難急増
 函館中央署管内で今年に入り、自転車の盗難が急増している。1月から7月までに届け出のあった被害件数は587件で、前年同期に比べほぼ倍の286件増。施錠が1カ所の場合や雑然とした場所に“違法駐輪”されたケースが盗まれやすいという。同署はホームページ(HP)で発生場所などを公開するとともに「駐輪場に止めた上で、2つ以上鍵を掛ける『二重ロック』を」と注意を呼びかけている。

 同署生活安全課によると、函館(西部地区などを除く)、北斗、七飯の2市1町での自転車盗の発生件数は、1―3月で前年同期比67件増の94件を記録。利用者の少ない冬季は例年、減少傾向にあるが、今年は暖冬の影響で積雪が少なく、年初から利用者が多かったことに伴い、盗難被害も急増したとみられる。

 交番別では、本町交番管内が同86件増の121件で最も多く、赤川交番管内が同42件増の78件、東山交番管内が同39件増の61件と続く。人が集まる大型商業施設や駅前周辺が大半で、「雑然と並べられた場所では周囲の関心も低く、犯人にとって心理的に盗みやすい」(同課)という。

 盗まれた自転車の施錠率は前年同期が69%だったのに対し、今期は77%まで上昇。施錠はほとんどが1カ所だったが、「量販店などで手に入る工具を使って簡単に解錠する“技術”が若者の間で横行しているのも事実」と同課。後輪上部などに取り付ける「馬てい型錠」は特に注意が必要と話す。

 自転車の窃盗容疑の検挙件数は7月末現在18件。被害現場とは別の場所に乗り捨てられた自転車を盗む占有離脱物横領容疑での検挙が76件と多い。動機は転売目的ではなく、多くが「足代わりにしようと思った」「歩くのが面倒だった」など罪の意識は乏しい。「自分の自転車も盗まれたから盗んだ」と供述する検挙者も目立つという。

 同署はHP(http://www.h―chuo―syo.police.pref.hokkaido.jp/)で管内の自転車盗の多発場所などを公開。対策として(1)防犯登録をする(2)ワイヤ錠を併用するなど2個以上鍵をつける(3)路上ではなく、駐輪場に止める―などを挙げ、今後もパトロールや啓発活動を推進していく方針。 (森 健太郎)


◎船舶や魚介類好調…7月の函館港貿易概況
 函館税関は24日、7月の函館港貿易概況を発表した。輸出は鉄鋼のくずが全減したものの、船舶や魚介類・同調製品などが好調で、前年同月比2・9%増の24億2400万円。輸入は非鉄金属鉱が全増する一方で、魚介類・同調製品や石炭などが減少し、同15・2%減の14億7100万円にとどまった。

 輸出の品目別では、前年同月に4億7000万円あった鉄鋼のくずが全減。しかし、パナマや中国向けの貨物船2隻のあった船舶が同21・3%増の22億5100万円、ニシンやタラなどの魚介類・同調製品が同41・8%増の2700万円に上り、全体では2カ月連続のプラスとなった。

 輸入は、アルミニウム鉱などの非鉄金属鉱が全増となる8700万円。一方で、サケ・マスやイカなどの魚介類・同調製品が同17・8%減の10億4300万円、石炭が同27・3%減の2億9500万円と低迷し、全体では5カ月ぶりのマイナスとなった。

 また、道内の貿易概況は、輸出が同15・2%増の304億1400万円と8カ月連続の増加。貨物船など7隻の船舶が前年同月の3・9倍に相当する72億6000万円、建設用重機などの一般機械が同24・8%増の58億1600万円、印刷や新聞用などの紙・板紙が同66・5%の16億6500万円などと、大きな伸びを見せた。

 輸入は、農業用機械などの一般機械が同3・5%減の22億6600万円、魚介類・同調製品が同8・7%減の92億9800万円と低迷。しかし、原・粗油が同5・5%増の456億6100万円、ウッドチップが同87・1%増の28億100万円、石炭が同28・5%増の53億5100万円となるなどし、全体では同8・8%増の970億4600万円で、4カ月ぶりに好転した。(浜田孝輔)


◎都市エリア事業の成果品PRキャンペーン
 文部科学省の都市エリア産学官連携促進事業の成果品PRキャンペーンが26日まで、函館空港2階出発ロビー売店で開かれている。ガゴメやイカを活用した食品約60点が並び、乗降客にPRしている。おぼろコンブの削りの実演も行われ、専用の包丁でガゴメを薄さ100分の1?に削る職人芸に感嘆の声が上がっていた。

 2003年度から継続している同事業の参加企業が70社以上になり、誕生した商品を紹介することで知名度向上や販路拡大に結びつける。同事業を行う中核機関の函館地域産業振興財団と参加企業、函館市の主催。

 ガゴメに含まれる体に良い成分「フコイダン」を利用したカステラやせんべい、納豆、塩辛、明太子、酢などの商品がずらり。展示コーナーで販売はしていないが、ほとんどの商品は空港売店で購入できるという。

 おぼろコンブの削りは、同事業に参加している梶原昆布店(函館市豊川町)の職人が披露。江別市から観光で訪れた自営業の萩原紀夫さん(67)、温子さん(65)夫妻は「ガゴメを使った商品はよく買って食べます。削るのは初めて見ましたが、コンブの香りが良く、見事な技術ですね」と話していた。

 展示は午後2時から同7時までで、コンブの削り実演は同5時まで。31日から9月2日にも開催する。コンブの削りは1、2日。 (高柳 謙)