2007年8月30日(木)掲載

◎ロータリアンの基本理念が書かれている銅版設置…函館東ロータリークラブ
 ことし創立50周年を迎えた函館東ロータリークラブ(宮崎裕之会長、会員数45人)は、記念事業の一環として、ロータリアンの基本理念が書かれている銅版を、函館市新川町の函館中央郵便局前の広小路に設置。28日、会員約30人が集まる中、除幕式を行った。同クラブ創立50周年記念式典実行委の戸嶋浩委員長は「多くの市民に見てもらい、書かれてい言葉を、広く日常生活や活動の指針として活用してもらえれば」と話している。

 同クラブは1957年8月に設立。この銅版は1979年、JR函館駅の正面に設置したが、駅舎新築のため撤去され、同クラブが保管していた。新しく設置した場所は、同クラブ設立時、例会を行っていた旧共愛会館(現同郵便局)の前に当たる。宮崎会長は「ようやく落ち着いたような感じ。また多くの人に見てもらえば」と話す。

 ロータリアンの基本理念は「4つのテスト」と呼ばれ、「言行はこれらに照らしてから 1真実かどうか 2みんなに公平か 3好意と友情を深めるか 4みんなのためになるかどうか」と書かれている。今回は解説板も新たに設置した。戸嶋委員長は「現代社会において、モラル向上などに役に立てれば」と話していた。

 同クラブの記念事業はこのほか、9月8日午後4時からホテル函館ロイヤルで記念式典が開かれる。また、来年4月に記念講演会、同5月に記念植樹を行う予定。(山崎純一)


◎金銭トラブルから発展か…高3集団暴行死
 函館市内の昭和公園などで26日、同市富岡町2、函大付属有斗高3年佐藤智也君(18)が集団暴行されて死亡した事件で、佐藤君はこれまでに、逮捕された少年らに「ボディーガードをつけてくれ」と頼み、その代金を請求されていたことが29日までに、函館西署の調べで分かった。また、暴行される直前に佐藤君は「通帳が入ったかばんが盗まれた」と少年らに話しており、同署は金銭トラブルが暴行にエスカレートした可能性もあるとみて慎重に調べている。

 これまでの調べで、佐藤君は26日午後、自宅近くの公園で遊んでいたところ、少年らに富岡中央公園に連れ出され、タイマン(1対1のけんか)に発展。少年らも徐々に集まり始め、佐藤君に次々と殴るけるの暴行を加えた。佐藤君を含めた少年らはその後、約2?離れた昭和公園に自転車で移動し、再び金属バッとなどで暴行を続けた。

 一方、富岡中央公園の付近住民によると、佐藤君は同日午後、「自転車にあった通帳入りのかばんがなくなった」と一部の少年らに打ち明け、一緒に付近を捜したという。結局かばんは見つからず、少年らから「本当になくしたのか」と詰め寄られていたという。佐藤君は本格的な暴行が始まる前にも水風船を投げ付けられたり、ペットボトルに入った水を頭からかけられたりしていた目撃情報もあった。

 佐藤君をよく知る友人の一人は「佐藤は1、2カ月前に、ボディーガードをつけてくれと少年らに頼んでいた。その少年友たちから『代金を払え』と言われていたが、払えない佐藤は逃げていた」と話していた。

 同署は29日、傷害致死容疑で函館市内に住む15―18歳の少年7人を函館地検に送致した。


◎生徒会中心に会議開催へ…渡島32校高校長、市教委緊急会議
 渡島教育局は29日、渡島管内の公立・私立の全32校の校長と函館市教委を招集して緊急会議を非公開で開催した。集団で暴行した加害者が所属する複数の高校の校長が、遺族や被害者が通っていた函大付属有斗高校に対して謝罪。今後の対策について意見交換し、同局の提案で9月以降、生徒会を中心にした命の大切さを確認する会議を開くことを決めた。

 忠嶋隆局長は「このような痛ましい事件が発生したことは誠に残念」とし、「命を大切にする指導の充実に努めていただきたい」と述べ、各校に命の尊さを再確認する集会を開くよう要請した。

 加害者所属校の校長は、事件発生からこれまでに校内で行った全校集会などの措置を報告。一部では作文指導を実施したことが伝えられた。質疑では、地域ぐるみで安全安心なまちづくりをする必要性が主張された。

 会議後に有斗高の鈴木健校長は、28日正午現在で同校に約1000件もの苦情が寄せられていることを明かし、「わが校に加害者がいると誤解されている」とした。また加害者に対しては「自分が痛いと思うことは人にはしないのが痛みの分かる人間。彼らは人としての教育を受けてこなかったのではないか」と憤りをあらわにした。(小泉まや)


◎本庁・南部・北部 土木維持課を統合…3日から函館市
 函館市は9月3日から、担当区域ごとに分担していた土木部維持課の業務を統合する。機構改革の一環で、市役所内の同課と、南部維持係(金堀町)、北部維持係(赤川1)の3部署を併合し、業務の効率化を図る。このほど、新事務所を置く北部維持係の増改築工事も完了し、移転準備作業を進めている。

 同課は、旧市内の市道や河川の補修、道路清掃や除雪などの業務を所管している。職員は、事務職、現業職ら計49人で、グレーダーやダンプカーなど計13台を所有。管理業務を総括する本庁の維持課と、亀田支所管内を管轄する北部維持係、それ以外の区域担当の南部維持係の3部署で分担してきた。

 北部維持係事務所の増築した部分は、鉄骨造り2階建てで、延べ床面積は約202平方メートル。1階部分を倉庫として使用し、2階で職員が業務を行う。建物の年間リース料は約290万円。南部維持係で使用している重機類も、順次隣接する駐車場スペースへと移動する。

 統合による業務内容の変更はなく、担当区分をなくすことで、作業の効率化を図る。同課は「要望や苦情など、一カ所で対応でき、市民にも分かりやすくなる。サービスの低下にはつながらない」と話す。

 所管する市道は4212路線、総延長1256キロ。遠隔地など、業者への業務委託を増やすなどして対応する。同課は「パトロール方法など、効率化の工夫は考えていかなければならない。市民からの通報による補修にも対応しているので、これからも情報提供をお願いしたい」と話している。

 9月からの新住所は、函館市赤川1丁目9番3号、TEL0138・46・2981(代表)、ファクス同46・6499。(今井正一)


◎スルメイカ分布密度低落…道立函館水産試験場 函館沖南下期調査
 道立函館水産試験場が今月実施した道南太平洋スルメイカ南下期調査で、函館沖のスルメイカの分布密度は昨年を下回り、同じ形式の調査を始めた2002年以降では2番目に低かった。同試験場調査研究部は「劇的な変化ではなく、今の時点では好不漁は判断できないが、イカの南下がこれから函館沖にさしかかる可能性がある」とし、今後の漁の動向を注視している。

 調査は6月下旬に続きことし2回目。20日から24日までの4日間、同試験場の調査船「金星丸」(151トン)が実施した。調査地点は下北半島東沖、浦河沖、恵山沖、函館沖の4カ所を予定していたが、悪天候のため恵山沖で海水温と分布密度調査、浦河沖で分布密度調査を見送った。

 3地点の表層水温は20・2度から22・2度で、昨年の21・7度―24・3度より低かった。水深50メートルの水温も11・8度から16・8度で、昨年の12・2度から17・8度より低かった。

 分布密度を判断する、イカ釣り機1台を1時間稼働させた際の漁獲尾数は、函館沖は1・7匹で昨年の4・6匹の半分以下にとどまり、調査開始年の02年の1・0匹に次いで低かった。一方、下北半島沖では昨年の1・5匹を上回る6・6匹だった。

 調査地点で水揚げしたスルメイカの外套長(胴長)は、18センチから29センチまでの大きさで、昨年の12センチから26センチを上回った。最も多かったのは昨年と同じ21センチのサイズだった。同部は「遅れて生まれた小ぶりのイカの群れが混じっていないためでは」とみている。(原山知寿子)


◎江差追分全国大会 プログラムを発売…江差追分会館、文化会館で
 【江差】9月21―23日に開かれる、第45回記念江差追分全国大会(江差追分会など主催)の大会プログラムが町内の江差追分会館(中歌町193)と江差町文化会館(茂尻町71)で発売された。

 表紙は、アイヌ民族の衣装で“江差追分踊り”をあでやかに舞う女性をあしらい、土産物としても人気がある「追分人形」の姿をデザインしている。

 プログラムは23日に行われる決選会の入場券を兼ねている。前売り2000円。町外で購入を希望する場合、電話またはファクスで江差追分会事務局に申し込む。代金を支払う郵便振替用紙と共に無料で郵送される。

 大会は9月21日から3日間の日程で町文化会館で開催。国内外から出場する405人の歌い手が“追分日本一”を目指して自慢ののどを競い合う。21、22の両日は一般・熟年大会の予選会が行われ、一般50人・熟年20人の決選会出場者を決める。

 23日は午前10時から少年大会、午後から熟年・一般の順で決選会を行う。審査結果の発表は同7時ごろとなる。入場券付きプログラムは当日2300円。問い合わせは江差追分会事務局TEL0139・52・5555、ファクス同52・5544。(松浦 純)