2007年8月4日(土)掲載

◎マコンブ漁 最盛期
 函館市南茅部地区のマコンブ漁が最盛期を迎えている。漁獲量の多くを占める養殖物は順調な水揚げが続いているが、高価格で取引される天然物は、昨秋の低気圧の影響で「組合始まって以来の不漁」(南かやべ漁協)。かつてない事態に漁業者や漁協は頭を抱えている。

 ことしのマコンブ漁は7月上旬にスタート。漁業者は未明に出漁。浜では、コンブを満載した舟を家族らが出迎え、水洗いして手際よく干す姿が見られる。

 一方の天然物は、出漁日数を6つある同組合の支所単位で調整して資源を管理する。例年、各支所とも7―10日ほど漁に出られるだけの資源がある。しかし、昨秋の低気圧で海が大荒れとなり、マコンブが岩からはがされたためことしは激減。昨年度の漁獲量は898トンだったが、「ことしは1割にも満たないのではないか。想像できないほど悪い」(同漁協)。

 漁の日数は、川pヤと臼尻の2支所がたったの1日。比較的多い安浦でも例年にははるかに及ばない3日。2日にわずか1日で天然物の漁を終えた川pヤ支所所属の小板文明さん(55)は「天然の方が高く取引されるので大変な打撃。40年漁師をやっているがこんなことは初めて」と肩を落とす。

 同組合は、例年行う雑草駆除や種苗放流で来年以降の資源回復を図る。(小泉まや)


◎堀川・五稜郭コース「ワッショイはこだて」 熱気最高潮
 3日目を迎えた「開港148周年記念函館港まつり」(実行委主催)は3日、堀川・五稜郭コースで「ワッショイはこだて」が行われた。陸上自衛隊函館駐屯地や各町会など79団体、約1万2200人が参加。函館港おどりや函館いか踊りのほか、人気キャラクターや芸能人をまねたパフォーマンスを披露し、沿道の見物客は盛んに拍手したり歓声を上げたりしていた。

 この日のコースは、堀川町を出発し、行啓通を北上する約1・5キロ。2日同様、第1部は函館港おどりが中心。第2部では、子どもによるいか踊りや、各団体が趣向を凝らした踊りを競うサマーカーニバルのほか、八雲山車行列「前あんどん」や花電車も通り抜けた。

 第3部は、大人が威勢良く函館いか踊りを披露しながら練り歩いた。踊りのほか華やかに飾られた山車も64台登場し、見物客を楽しませた。最後は沿道の市民ら約1200人も加わり、大盛況となった。

 4日は正午から松風町のはこだてグリーンプラザで、地元のアマチュアミュージシャンによるライブ「2007函館ミュージック・ハイ」が行われる。(山崎純一)


◎生育 おおむね順調…管内農作物 雨不足で一部に遅れ
 渡島、桧山両支庁は3日、1日現在の管内の農作物の生育状況調査結果を発表した。生育はおおむね順調だが、期間中の平均気温が平年を下回ったことと雨不足の影響で、生育は依然として早めだが、一部作物では遅れも出始めている。

 渡島の水稲は約4割で出穂を迎え、草丈は平年より長い。生育は平年より4日早いが、低温で前回調査時(7月15日)の「7日早い」より縮まった。収穫期に入ったジャガイモは平年より3日、てん菜は1日それぞれ早いが、少雨で葉のしおれや茎、葉の生長抑制が見られる。

 リンゴ(つがる)は平年より7日早く、果実体積も大きく順調。牧草は2番草の収穫作業が平年より7日早く進んでいる。一部地域で雨不足の影響はあるが、作業は順調で進ちょく率は約5割に達している。

 桧山は、牧草の2番草の生育が平年より3日遅く、草丈も平年を下回った。水稲は平年より2日早いが、7月中旬の低温で生育が緩慢となっている。ジャガイモは、露地が平年より1日早いが、少雨のため一部で茎や葉が枯れており、平年より4日早いマルチも小玉傾向。開花時期を迎えた小豆も低温と少雨でほ場間で生育に差が出ている。(原山知寿子)


◎DV 2次被害を防ぐ…対応マニュアルを作成
 函館市や道警、医師会など28機関・団体でつくる「函館市女性に対する暴力対策関係機関会議」は、ドメスティックバイオレンス(=DV、配偶者からの暴力)を受けた被害者への対応マニュアルを作成した。相談対応のばらつきや対応者から精神的に傷つけられる「2次被害」を防ぎ、速やかに支援につなげる狙い。近く関係機関に配布する。市男女共同参画課は「市民が身近な人に相談された場合にも参考になるのでは」と話し、市ホームページでも公開する予定だ。

 同会議はDV被害者の支援体制について検討する場。2002年に市が同会議の意見を参考に発行した「DV被害者対応の手引き」は、要点を絞った内容とした。今回は法改正に伴う制度の変更点などを盛り込み、被害者への対応方法や心構え、自立を助ける各種社会福祉制度などをより詳細に掲載した。

 DV被害者への対応方法としては「相手の話をよく聞き、全面的に受け止め、共感する」といった基本姿勢を示し、被害者への接し方や聞いてはいけない質問など、対応の良い例と悪い例を具体的に挙げた。加害者への対応についても例示している。

 生命に危険を感じる緊急時の対応では警察への通報、安全確保のため、緊急一時保護施設(シェルター)に被害者を避難させる際の対応のほか、避難後の生活保護(医療扶助)、子どもの就学などの手続きについても説明。

 法改正や国の通達で可能になった、加害者の追跡を防ぐ住民基本台帳の閲覧制限の申し出や、扶養者の手続きなしで国保に切り替える方法なども加えた。このほか離婚や子どもの親権など事務が煩雑な司法手続きについても詳しく記されている。

 同会議の構成団体で、被害者相談やシェルターの運営委託を受けるNPO法人(特定非営利活動法人)ウイメンズネット函館の古川満寿子理事長は「近年、市役所などの理解もあって2次被害は減りつつあり、医療機関の関心も高まっている。ただDVに配慮せず、加害者と被害者を対等に扱う調停員がたまにいる」と指摘する。「DVは支配の中で行われる暴力。暴力を振るう人が悪いことを伝え、被害者が自分を責めないような応対をしなくてはいけない。対応マニュアルは支援にかかわる人のスキルアップにつながる」と話している。

 DV相談は同NPO TEL0138・33・2110のほか、母子自立支援・女性相談室(中央)TEL同27・8041または同(亀田)TEL同45・5481、渡島支庁TEL同47・5789などでも受け付けている。(宮木佳奈美)


◎14作目は「辰悦丸」…江差町歴まち商店街協同組合 江差民話手ぬぐい
 【江差】江差の多彩な民話などを題材にしたオリジナルの日本手ぬぐいを製作している江差町歴まち商店街協同組合(室谷元男理事長)は、14作目となる「昭和の北前船―辰悦丸大回航」を発売した。

 同組合は1994年から江差に伝わる多彩な民話「江差百話」を題材に手ぬぐいを製作している。今回は、1986年に行われた「辰悦丸(しんえつまる)大回航」から20周年を迎えたことを記念するデザインとした。

 辰悦丸は函館とゆかりが深い江戸時代の商人、高田屋嘉兵衛が初めて建造した北前船。85年に兵庫県淡路市で復元された。回航は江差の若者の呼び掛けに、日本海沿岸の青年会議所メンバーが呼応して実現。江差追分会の青坂満上席師匠(現在)を船頭役に、86年5月から41日間かけ、瀬戸内海や日本海を経て2500キロの海路を江差まで回航。江戸時代に本州各地と江差を結んだ海の道が鮮やかによみがえった。

 デザインは江差とゆかりが深く、これまでも手ぬぐいの製作を手掛けてきた愛知県在住のペン画家、柄澤照文さん。1枚300円。寸法は幅35センチ、長さ95センチ。同組合は町内のほかインターネットなどでの通信販売も受け付ける。詳細は組合ホームページ(HP)で。問い合わせは江差商工会TEL0139・52・0531。HPアドレスはhttp://homepage1.nifty.com/esashi/ys/tenu.html(松浦 純)


◎市長に準優勝を報告…函工野球部
 7月の全国高校野球南北海道大会で準優勝に輝いた函館工業高校野球部の代表が2日、函館市役所を訪問し、西尾正範市長に大会の成果を報告した。昆野茂校長と野球部の前川顕部長、小早川賢輔監督、酒井寿基主将、瀬渕良斗副主将、本庄惇也投手が訪問。3選手が準優勝の盾を西尾市長と谷沢広副市長に見せ、市長が健闘をたたえた。

 4試合を投げ抜いた本庄投手が「あまり疲れなかった」と述べると、西尾市長は「若さが持つ回復力ですね」と感心。酒井主将が「2年生は自分たちより力がある」と頼もしい発言で、市長を喜ばせた。

 函工は春の全道野球大会でも準優勝した。夏の決勝で敗れた相手は、春と同じ駒大苫小牧。小早川監督は「北海道の強豪ではなく、全国の強豪と戦っているという気持ちが必要。選手たちは1回勝つと脱皮して新しいチームになる。1回戦の北海道栄は予想がつかない勝利で、2回戦以降につながりました」とチームの成長を伝えた。(高柳 謙)