2007年8月5日(日)掲載

◎トップ選手が集結…ふるさとダービー開幕
 函館で3年ぶり5回目の開催となる競輪の「ふるさとダービー」(GII)が4日、函館競輪場(同市金堀町10)で開幕した。S級のトップ選手99人が7日までの4日間、デッドヒートを繰り広げ、覇者を決める。初日は特別選抜3レースと1次予選8レースを行い、約1700人が来場した。

 ふるさとダービーには、6種類あるGII競輪すべてを制したグランドスラマー神山雄一郎選手や元スピードスケート五輪代表の武田豊樹選手、地元勢では函館出身の菊地圭尚選手と俵信之選手、北斗市出身の山田敦也選手が出場。

 この日は、降雨に見舞われ、あいにくのコンディションの中、白熱したレースが展開された。ファンらは車券を片手にレースの行方を見守り、「まくれ」「頑張れ」などと盛んに声援を送っていた。

 同市大川町から家族とともに来た山田敬有子さん(52)は「菊地さんを応援に来ました。生で見るレースは面白い」と満喫していた。

 同競輪場では、先着1000人に夕張メロンが当たる抽選券をプレゼントしたほか、財政再建団体の夕張市を支援するオークションや元競輪選手による予想トークショーなどのイベントも行われた。(鈴木 潤)


◎函館港、空港ともに減少…函館税関管内07年上半期 外国貿易船・機入港
 函館税関は、2007年上半期における管内(道内と東北3県)の港別外国貿易船・貿易機の入港状況を発表した。船舶は前年同期比9・8%減の3812隻、航空機は同2・6%増の2232機。函館港への入港数は同8・4%減の76隻で20開港中12位、函館空港は同5・9%減の349機で12空港中2位で、ともに数字は落としたものの、順位は前年と変わらなかった。

 外国貿易船の入港隻数の内訳は、道内が同11・9%減の2935隻、東北が同2・9%減の801隻と減少する一方で、不開港が同7・0%増の76隻。このうち、ロシア船籍は、同43・0%減の753隻と激減しており、全体に占める割合も前年同期に比べて6・6ポイント低下している。

 入港機数の内訳は、道内が同3・8%増の1993機、東北が同6・6%減の239機。運航形態別で見ると、旅客定期便や旅客臨時便の「定期便」が同32・5%増の1403機、旅客チャーター便の「チャーター便」が同24・8%減の614機、給油入港や自家用機などの「その他」が同28・3%減の215機だった。

 道内に限ると、定期便が同37・6%増の1225機、チャーター便が同24・3%減の559機、その他が同28・4%減の209機。新千歳空港は全体で同6・7%増の1347機と2位以下を大きく引き離しており、定期便が同29・1%増の1046機だが、チャーター便は同37・2%減の115機、その他は同30・9%減の186機とともに減少している。

 函館空港は、定期便が同52・2%増の102機、その他が同25・0%増の20機と増加。しかし、チャーター便が同21・2%減の227機と減少しており、旭川空港が同42・9%増の70機、帯広空港が同7・6%増の71機などと伸びを見せていることから、発着地転換の影響が出ているとみられる。(浜田孝輔)


◎子供に、大人に愛され43年…太陽模型店8月末で閉店
 かつて函館一の繁華街としてにぎわった大門地区に創業し、長年営業を続けてきた太陽模型店(東雲町17)が8月いっぱいで閉店する。店主の計良桂子さん(79)が高齢のため引退を決意し、43年の歴史に幕を閉じる。多くの少年たちの心を引きつけ、大人の模型愛好家たちにも親しまれてきた。常連客からは惜しむ声が上がっており、店じまいを前に続々と駆け付けている。

 開店は1964(昭和39)年。4人の子どもを持つ計良さんが養育費の足しにしようと始めた。現店舗は20年ほど前に新築。開店当時、広さは現在の半分ほどで自宅の一部だった。「子どもが模型を作っているのを見て思い立った。自宅で家事や育児をしながら商売できるのも魅力だった」と振り返る。

 2002年に亡くなった夫の嘉宏さん(享年76歳)は当時、会社勤めをしており、手を借りながらも子育ての傍ら一人で店を切り盛りした。初めは手探り状態で商品を仕入れようと、雑誌を見て嘉宏さんが東京のメーカーに直接出向き、卸売業者を紹介してもらった。

 当時の大門地区は子どものが多く、客のほとんどが小中学生。開店の翌年には店内にミニカーを走らせるコースを作って大人気となり、計良さんにとっても思い出深い。店内を埋め尽くした子どもたちはレースに夢中だった。

 時代とともにガンダムのプラモデル、ミニ四駆ブームなど流行も変遷。しかし家庭用テレビゲーム機が発売されると、子どもたちの姿は徐々に店から消えていった。ゲームソフトを扱う時期もあったが、量販店にはかなわないと扱うのをやめた。今は客の9割が大人の愛好家たちだ。

 鉄道模型やラジコン、飛行機や車のプラモデル…。少年のように目を輝かせ、札幌や本州からも愛好家が買い求めに来る。「今や子どもたちの遊びはテレビゲーム。お客さんは少年時代に買えなくて大人になって奥さんに内証で買いに来る人が多いんですよ」と笑みを浮かべる。

 最近は足腰が弱くなり、通院しながら店頭に立つ日々。2、3年前から家族に勧められ、閉店を考えるようになった。「子どもへの責任も果たしたし、元気なうちに趣味を楽しみたい。商売だけでは寂しいでしょう」と計良さん。

 7月28日から在庫処分の半額セールが始まると、知らせを聞きつけ、常連客が連日訪れ「やめないでほしい」などと閉店を惜しんでいる。閉店を知って帰省のついでに10年ぶりに足を運んだ東京在住の会社員菅野有造さん(34)は「小中学生のころ週に1、2回プラモデルを買いに来てお小遣いを使い果たしていた。こういう店がどんどんなくなっていくのは残念」と寂しげな表情を浮かべた。

 計良さんは「43年間はあっという間。親子2代で来てくれたのは何よりうれしかった。閉店を惜しんでくれてありがたい」と感謝。「店を閉めたら途中でやめてしまった水泳をまたやりたい」と第二の人生をおう歌するつもりだ。(宮木佳奈美)


◎ワクワク!世界の絵本200点…道立美術館
 世界の絵本作家展II「絵本作家ワンダーランド」が4日、道立函館美術館(函館市五稜郭町37)で始まった。初日は子どもたちを対象にミュージアム・コンサートも行われ、親子連れらを中心に多くの来場者でにぎわった。9月24日まで。

 2004年に同館で開かれた「世界の絵本作家展」の第2弾。今回は「ちいさいおうち」などで知られるバージニア・リー・バートン、「メイシーちゃん」シリーズのルーシー・カズンズ、「旅するベッド」などの名作を残したジョン・バーニンガムら国内外14作家の原画など約200点を展示。絵本を手に取って楽しめるコーナーも用意されている。

 この日はオープニングイベントとして、同館ホールでミュージアム・コンサート「おしゃまさん&わんぱくクンの“はじめての音楽会”」が開かれた。函館在住のピアニスト、伊藤亜希子さんが、楽しいトークを交えながら、「エリーゼのために」(ベートーベン)、「トルコ行進曲」(モーツァルト)、「小犬のワルツ」(ショパン)などの名曲を演奏。アンコールでは伊藤さんのピアノに合わせて子どもたちが、「となりのトトロ」の「さんぽ」を合唱するなど、会場は和やかな雰囲気に包まれた。

 同館では10日午後1時半―同3時半、28日午前10時―正午、9月22日午前10時―正午の3回、ママ&パパのための“託児サービス”を実施する。0―5歳児を無料で預かり、ゆっくり展覧会を楽しんでもらう。各回とも先着10人まで受け付ける。託児サービス希望の人は、託児希望と明記し(1)希望日(2)子どもと保護者の名前(ふりがな)(3)子どもの年齢(4)住所(5)電話番号を記入の上、電子メールで申し込む。メールアドレスはhakobi.11@pref.hokkaido.lg.jp(小川俊之)


◎台風5号 道南に上陸せず
 道南への上陸の恐れがあった台風5号は、4日午後1時に青森県津軽半島に上陸した後、太平洋に抜けた。渡島、桧山管内では心配された強い風雨にならなかった。

 同3時までの雨量は、長万部町84ミリ、八雲町42ミリ、奥尻町54ミリ。風は函館で最大瞬間風速14・3メートルを観測するにとどまった。

 交通機関では奥尻方面への便が乱れた。東日本海フェリーは、しけのため、同日午後の奥尻と江差、せたなを結ぶそれぞれ1往復2便が欠航。空の便では奥尻空港の視界不良のため、北海道エアシステム(HAC)の函館―奥尻線が全便欠航し、計22人に影響が出た。

 JR函館駅前では午前中から昼にかけ、急いで傘を出し、吹きつけてくる雨をしのぎながら歩く観光客らの姿が見られた。親子4人で埼玉から訪れた玉置悠一郎さん(44)は「3日前から天気予報を気にしていたが、大事にならずによかった。今日は食い道楽の観光をします」と話していた。(山崎純一、森健太郎)


◎万引き許さない…道警函本が対策会議
 相次ぐ少年や高齢者の万引きを防ごうと、道警函館方面本部生活安全課は3日、サンリフレ函館で「函館方面万引防止対策会議」を開いた。函館市内のスーパーやデパートなど30店舗から約50人が出席し、万引きの防止策や届け出手続きについて話し合った。

 昨年、全道で万引きで検挙されたのは延べ3331人。このうち少年が19・8%(延べ642人)、65歳以上の高齢者が27・2%(同880人)で、合わせるとほぼ半数を占める。こうした現状から、万引きの実態把握や未然・再発の防止を図ろうと初めて企画された。

 同本部の浦谷博美本部長が「『たかが万引き』と侮っていたら、やがては重大な犯罪に手を染めるなど社会問題に発展しかねない。社会全体が『万引きは許されない犯罪』という強い規範意識を持つことが大切」とあいさつ。

 続いて同課の斉藤智昭課長が、事件処理の手続きに手間や時間がかかるなどの理由で、被害に遭った店舗が届け出ないケースがあることを指摘。「警察官による訓戒や注意で万引きがれっきとした犯罪であると認識させることが必要。再犯を防ぐためにも発生時には全件届け出てほしい」と協力を求めた。

 このほか、万引きを発生させない環境づくりの必要性も説き、自宅にこもりがちな独り暮らしの高齢者に老人クラブなどへの参加を促したり、店側には商品の陳列方法を工夫したりすることを呼びかけた。(森 健太郎)