2007年9月1日(土)掲載

◎「ポールスターショッピングセンター」全面オープン
 食品スーパーチェーン、アークスグループの道南ラルズ(函館市、馬場利昭社長)の大型複合商業施設「ポールスターショッピングセンター」(函館市港町1)が31日、全面オープンした。6月末に先行開業していた食品スーパーなどに新たなテナント34店舗が加わり、全42店舗が足並みをそろえた。各店の目玉商品などを目当てに買い物客が長蛇の列を作り、開店と同時に店内にどっと押し寄せた。同社は複合施設全体で年商60億円を見込んでいる。

 道南ラルズが初めて手掛ける大型ショッピングセンターで、敷地面積は3万7251平方メートル。6月29日に同社の食品スーパー「スーパーアークス港町店」を核として、和・洋菓子店やファストフードなど8店舗が入居するA棟(売り場面積3359平方メートル)がオープンした。

 今回、新たにオープンしたのは、B棟(同7610平方メートル)とC棟(同1773平方メートル)。B棟には、ドラッグストアや衣料品店など24店舗、C棟には、飲食店やアミューズメントなど10店舗が軒を連ねている。

 午前9時の開店に先立って行われたセレモニーには、アークスグループの役員や地元町会・商店街の関係者らが出席。道南ラルズの横山清会長が「テナントと一緒に、地元住民の生活を支えていけるような仕事をしていきたい」とあいさつした後、テープカットをして新たな門出を祝った。

 同施設の開店時間は午前10時から(2日までは午前9時)、閉店時間はA棟が午後9時45分、B棟が同9時で、C棟は店舗によって異なる。(浜田孝輔)


◎市立函館高校初の学校祭、あんどん仮装行列で開幕
 市立函館高校(森武校長、生徒1114人)誕生後初の学校祭「第1回柳星(りゅうせい)祭」は31日、あんどん仮装行列で開幕した。旧函館東高校のあんどん行列と、旧函館北高校の仮装行列の伝統行事を合わせた。生徒や教員、保護者が一体となって祭りの開幕を高らかに宣言した。

 コースはこれまでと同じで、五稜郭タワーや千代台公園、本町付近などをぐるりと回る。延長約4・9キロで、途中で休憩を取りながら約2時間半かけて歩いた。

 最初の学校祭とあり、生徒はこの日に向けて懸命にあんどんを作ってきた。千代台公園で点灯して夜の繁華街に繰り出すと、沿道に集まった市民や保護者、友人らが拍手で出迎え、生徒は歌や踊りで応えていた。

 本町交差点では、信号が青になるのを待って猛ダッシュ。重量のあるあんどんを担いだ男子も「走れー!」の合図で一気にまちを駆け抜けた。

 学校祭は1、2日に一般に公開する。(小泉まや)


◎auの接遇能力コンテスト道大会で桔梗店の早崎さんが特別審査員賞
 携帯電話販売店「auショップ桔梗」(函館市桔梗1、柴田泰店長)の早崎郁美さん(21)が、このほど札幌で開かれた、スタッフの接遇能力を競うコンテスト「au CS AWARDS 2007 北海道大会」(KDDI主催)に函館地区代表として出場し、特別審査員賞を受賞した。

 同コンテストは、顧客満足度や接客レベルの向上などを目的に、2004年から毎年開催。ことしは道内145店舗から88人が出場し、7地区の予選を勝ち抜いた12人が順位を争った。

 早崎さんは昨年4月に同店に入社後、商品知識や接客方法に関する資格認定制度の試験に高得点で合格。持ち前の明るさに加え、めりはりのある対応は同店でも定評があり、6月中旬に開かれた函館予選に出場したところ、見事に代表の座をつかんだ。

 道大会では、自己紹介のほか、代表ごとに与えられるテーマで接客するロールプレーイングを実施。早崎さんは、他メーカーの携帯電話を所有する女子高校生に応対するという場面で、応援に駆け付けた関係者の心配をよそに、豊富な商品知識と物腰の柔らかい接客術を披露した。

 審査の結果、3位以内の入賞には至らなかったものの、あまりの接戦に急きょ設けられた「特別審査員賞」に早崎さんが選ばれた。「出るからには上位を狙いたかったが、名誉ある賞なのでありがたいこと」と、喜びを口にする。

 柴田店長は「今回の受賞はショップのステータスだし、他のスタッフのやる気につながるはず」と相乗効果に期待する。早崎さんは「他の出場者の良かったところを吸収して、より良い店と思ってもらえるような接客に努めていきたい」と話している。(浜田孝輔)


◎原油高騰で昼にイカ漁
 【江差】いさり火が消える?―。スルメイカ漁が最盛期を迎える桧山管内の日本海沿岸では、鮮度維持や長引く石油価格高騰などの影響で、日没前の明るい時間帯から漁を始めたり、集魚灯を利用せずに漁を行う漁船が増えてきた。江差港では従前、多くの漁船が夕方から出港し、日没後の日本海は白銀色の集魚灯で彩られていた。だが、今年の江差沖では海面を照らした“いさり火”は数を減らし、漁船の出漁時刻も早まっている。

 道内外のイカ釣り漁船の拠点となっている江差港。現在では多くの船が午後1時前後に出港する。同3時すぎに漁場へたどり着き、夜遅くまで漁を行って帰港する。発泡スチロール製の魚箱に詰めた新鮮なイカは、夜明けを待たずに函館市に出荷される。ひやま漁協江差支所は「生食用として鮮度を維持してできるだけ早く出荷するため、漁を開始する時間も早まってきた」と話す。

 明るい時間帯に行われる桧山沿岸の昼イカ漁は「かんどり」と呼ばれ、もともと漁期解禁後の早い時期に一部の漁船で見られた。しかし今年は、最盛期となっても明るい時間帯からの漁が主流。桧山管内では漁業者の高齢化も進んでおり、「早朝まで漁を行ってきた時期より体力の消耗が少ない」との声もある。

 日没前のイカ漁が可能になった背景には「魚群探知機(ソナー)の高性能化がある」(江差町産業振興課)。高性能のソナーで、海中に潜むイカの魚群の分布を正確にとらえることができるようになった。漁業者はかじを片手にソナーの画面をにらみ、魚群の反応があると船を止め、イカ釣りロボットで反応があった深さに針を下ろす。「魚群の深さに正確に針を下ろすと夜間と同じようにイカを釣ることができるようになった。ソナーの性能で漁獲量に差が出るようになった」(ある漁業者)。だが、高性能なソナーは高価で、漁業者に広く普及するにはまだ時間がかかりそうだ。

 一方、長引く原油価格の高騰は、燃料や魚箱など石油製品の価格上昇をもたらし、漁業者の経営に深刻な打撃を与えている。このため「日没前に漁を始めると燃料の節約になる。集魚灯を使うためには常にエンジンを回さなければならない。高価な集魚灯の消耗を防ぐこともできる」(漁業者)という。

 漁業者共通の願いである燃料費の節約は、桧山沿岸の「光の光景」をも変え始めている。(松浦 純)


◎西尾氏初の移動市長室「職員の町会活動徹底」
 西尾正範函館市長の就任後、初となる移動市長室(市、市町会連合会主催)が31日夜、市椴法華総合センターで開かれた。同連合会の東部地区45町会(合併前の旧4町村)の住民が対象で、約70人が出席し、西尾市長の市政に対する考えを聴いた。

 移動市長室は、市政に対する地域住民の生の声を今後の市政に反映させることを目的に、地域ごとに毎年開催している。

 最初に市政報告が行われ、西尾市長は市の財政状況や人材育成を重視した施策などを説明。市民自治のまちづくりを目指し、その一環として市役所改革や行財政改革をさらに進めていく考えを示し、「町会活動に参加しない職員は昇格させないという徹底した気持ちで市役所改革を進めたい。市民に感謝される市役所を目指す」と述べた。

 続いて参加者との懇談に移り、旧4町村地域を2つ程度に分け、特別職を置く地区制度の導入について、西尾市長は「人員削減で地域を枯らさないために、特別職並みの権限を持つ職員を配置し、支所機能の維持を図ることが目的。住民と話し合いながら時間をかけて取り組みたい」と述べた。

 また旧戸井地区の汐首地域の風力発電の計画を実施してほしい、との要請には「自然保護団体との絡みもあるが、個人的には導入してもよいと思う」との考えを示した。このほか、老朽化した旧恵山地区の日の浜会館の建設については、「最優先でやる方向で詰めさせてほしい」と述べた。(鈴木 潤)