2007年9月11日(火)掲載

◎秋のバル街にぎわう
 函館市西部地区の飲食店をスペインの立ち飲み居酒屋「バル」に見立てて、飲み歩きを楽しむ「函館西部地区2007秋のバル街」(実行委主催)が9日開かれた。和洋折衷の趣ある旧市街地は、屋外で海産物や野菜を使ったピンチョー(おつまみ)を楽しむ人たちなどでにぎわった。

 通算8回目となる今回は、これまでの参加者の要望に応え日曜に開催。前回(4月24日)より4軒多い過去最多の60軒が参加した。前売りチケット約3000組は完売し、好天に恵まれたおかげで当日券も早いペースで売れていった。

 早い店は午後2時から店開き。各店のピンチョーなどを宣伝する掲示板が設置された市地域交流まちづくりセンター(末広町)には多くの人が集まり、パンフレットを片手にお目当ての店を目指し、街の魅力を味わいながら歩いた。

 同5時ごろから混雑し、行列ができる店も。実行委では各店の混雑解消のために、アクロス十字街(同)でハムやチーズなどを振舞った。イタリア料理店前で飲食や会話を楽しんでいた同市本町の寺澤登さん(72)は「バル街を楽しむ輪が広がり、店で知り合った人と再会できる楽しみも魅力」と話していた。(山崎純一)


◎カボチャ残留農薬/判明後すぐに公表せず
 新函館農協(函館市宮前町、小野寺仁組合長)が、厚沢部町産のカボチャを自主検査の結果判明前に誤って出荷、検体から食品衛生法の基準値を超える残留農薬「ヘプタクロル」が検出された問題は、判明から1週間後に事実関係を公表するなど、対応が後手に回った。8日の会見で小野寺組合長は「消費者、関係機関に迷惑をかけ申し訳ない。再発防止に努める」と陳謝したが、食肉偽装事件などで消費者が食品に厳しい目を向ける中、食の安全・安心を担う立場として、同農協の姿勢が問われそうだ。

 同農協は自主検査の結果判明を受けてから出荷するというルールを定めていたが、8月20―22日にかけて、検査済みではないカボチャ約12トン(1216ケース)を大阪や兵庫、京都、愛知の4府県に出荷した。出荷後の同30日に検査機関に送った検体から、基準値(0・03ppm)の約5倍に当たるヘプタクロル0・14ppmが検出された。

 同農協はただちに自主回収を進めたが、回収できたのはわずか550キロ(55ケース)にとどまっている。

 同農協は同時に、厚沢部町内のカボチャ生産者18戸の約200トン分について自主検査を実施し、出荷を一時停止した。道に事実関係を報告したのは今月5日になってからだ。

 検査結果の判明直後に公表しなかった理由について、同農協は「自主回収と、自主検査を優先したために公表が遅れた。申し訳ない」と平謝りする。これに対し、道は近く道農業協同組合中央会(本部・札幌)に対し、適切な自主検査の実施を徹底するよう文書で通知する方針。

 検査前のカボチャが誤って出荷された原因については、同じ倉庫で出荷するカボチャと、検査結果待ちのカボチャを明確にしていなかったために起きた単純なミスと説明と説明。ヘプタクロルが検出されたカボチャの生産者は、この農薬が販売禁止された後の87年に畑を購入し、ヘプタクロムの使用もしていないため、土壌に残留していた可能性が強い。ヘプタクロル0・14ppmは毎年13キロ以上を一生食べ続けない限り、健康に影響にないという。

 出荷されたカボチャの回収はその後進んでいないという。同農協は「信頼回復のため、対策本部を立ち上げてミスが二度と起きないようにしたい」としている。

 一方、道農政部などでつくる道ヘプタクロル残留等対策チームは10日、道庁で会合を開き、(1)営農指導対策の強化(2)原因究明と対策の検討(3)安心・安全確保に向けた農業団体による自主検査体制の強化―など、従来の対応方針を再確認した。(鈴木 潤)


◎公立高の再編決定/木古内は10年度に募集停止
 道教委は10日、2008―10年度の3カ年にわたる公立高校配置計画を決定し、同日の道議会文教常任委に報告した。道南の渡島・桧山両管内については6月に出された計画案通りで、10年度に木古内高校は募集停止し、同年度に函館商業高校で1学級減となることが正式に決まった。

 配置計画は中学校の卒業者数などを踏まえ、高校数や学級数を調整する。道内の中学卒業者数は減少傾向にあり、入学者減少が見込まれる高校は学級数減や統廃合となる。道教委は6月に計画案を出し、道内各地で地元側の意見を聞く地域別検討協議会を開催してきた。

 今回の決定で、木古内高校は9年度に入学した生徒が卒業する12年春で廃校となる。

 このほか、道南では福島商業高校が08年度から、熊石高校が08年度に特例の30人学級を廃止し1学級減らした上で09年度から、それぞれ他校の教育活動支援を受ける地域キャンパス校となる。上ノ国高校は特例学級を08年度から廃止して1学級減の1学級とする。

 全道では3カ年で計34学級を減らす。募集停止の11校は、喜茂別(後志管内)や沼田(空知管内)風連(上川管内)などで、定時制は6校を廃止して1校新設する。

 計画案からの見直しでは、特例の2学級から1学級減とする予定だった天塩(留萌管内)が、PTAらのアンケート活動で08年度の生徒を50人程度確保できる見込みとなったことから学級減を撤回。札幌平岡(石狩管内)では、生徒の学習ニーズや進路希望に幅広く対応できる「フィールド制」が導入される。

 地域別検討協議会で提出された通学費等補助制度は、補助対象者に私立高校への進学者を含め拡大。道内平均収入の変更に伴い、所得限度額が602万円(3人世帯の場合)に引き上げられた。補助額は通学費と下宿費がそれぞれ案より2000円減額の月額1万3000円となった。

 また、公立特別支援学校の08年度配置計画は案通りに決定。道南では七飯養護の普通科を1学級増やして5学級に、八雲養護は4学級ある普通科が2学級に減る。(小泉まや)


◎前田町長が再選目指し松前町長選に出馬表明
 【松前】松前町の前田一男町長(41)は9日、任期満了に伴う来年4月の同町長選に再選を目指して出馬する意向を表明した。同日開会した町議会第3回定例会の一般質問に答える形で明らかにした。

 前田氏はこの中で、「2期目に向け(出馬する)考えはある。松前の将来と基礎づくりのために何をすべきか、関係各位と十分相談し意見を受け入れながら準備を進めたい」と述べた。同町長選の出馬表明は前田氏が初めて。

 前田氏は松前町出身。北大工学部卒で元道職員。2003年11月の衆院選道8区に出馬し落選、04年4月に行われた前町長の死去に伴う同町長選で無投票で初当選した。(田中陽介)


◎函館市議会/あす定例会開会/18日から一般質問21人
 函館市議会の議会運営委員会(能川邦夫委員長)が10日開かれ、第3回定例市議会を12日に開会し、会期を10月1日までの20日間とすることを決めた。提出議案は本年度一般会計補正予算案など26件と昨年度の各会計決算16件。決算議案は閉会後の11月に委員11人で決算特別委員会を開き、審議する。一般質問は18日から4日間行い、21人が予定している。

 一般会計補正予算は、消防施設整備費7040万円や函館季節労働者通年雇用促進協議会の負担金100万円などで、補正後の総額は1244億625万4000円となる。競輪事業特別会計では、来年度から3年間の函館競輪開催業務等委託料として16億5000万円の予算の担保を設定する。策定作業を進めてきた新長期計画(計画期間2007年度―16年度)の基本構想部分も議案として提出する。

 一般質問は18日に5人、19日6人、20日6人、21日4人と過密。21日の質問終了後、決算特別委員会を開き、正副委員長を互選し、付託された16議案を閉会中に審査することを決める。

 各会派が提出する意見書は「自治体財政の充実・強化を求める」「いじめ・不登校対策のための施策を求める」など12件。

 議運ではこのほか、能川委員長が、陳情書には個人情報が記されていることもあり、議員はあらためて取り扱いに注意するよう要請した。(高柳 謙)