2007年9月18日(火)掲載

◎ガゴメ商品展、菓子やめん類など20店舗
 道南各地で扱われている函館特産のガゴメ(トロロコンブの仲間)の加工品を集めた「ガゴメ博・函館特産ガゴメ地産地食工夫展」(実行委主催)が17日、函館市西桔梗町の流通ホールで開かれた。めん類、カレー、洋菓子、健康食品などを製造、販売する約25店舗が出展。来場者は初めて見る品々を珍しそうに見入り、気に入った品を買い求めていた。

 NPO法人(特定非営利活動法人)シンクタンクグループ函館スローマリンが企画、運営。100種類以上といわれるガゴメの加工品を函館の特産品として全国に発信するため、市民に種類や良さを知ってもらうことを目的にしている。

 同市田家町の水野屋菓子店(水野典幸店主)は、ガゴメ、アスパラ、熊笹のパウダーを生地に入れた「北の恵みロール」などを出展。「北海道の良いものにこだわって提供している」と同店。ガゴメを入れたポークソーセージを紹介した北斗市の時兼蓄販(時兼正富社長)は「珍しい、初めての味だと好評を得ている」と手応えを感じた様子だった。

 北大大学院水産科学研究院の安井肇准教授は「ガゴメに対する専門的な質問があったり、市民のガゴメに対する関心の高さを知った。この機会にさらに知ってもらえれば」と話していた。(山崎純一)


◎集団暴行事件 少年7人を家裁送致
 函館市内の公園で8月下旬、同市富岡町の私立高3年佐藤智也君(18)が中学時代の同級生(17)ら少年7人に集団暴行を受けて死亡した事件で、函館地検は17日、この元同級生ら7人を傷害致死の非行事実で函館家裁に送致した。検察側は、暴行の度合いや犯行後に7人が「(佐藤君が)死んでしまえばいい」と話し合っていたことなどから悪質と判断、7人全員に「刑事処分相当」の意見を付けるとともに、審判での検察官の立ち会いを求めた。

 同家裁は同日、7人について2週間の観護措置を決定し、函館少年鑑別所(同市金堀町)に収容した。今後は少年の家庭環境や犯行の経緯などを調査した上、処遇を決めるため、観護措置はさらに2週間延長され、審判が開かれる見通し。

 同地検などによると、7人は8月26日午後7時半から同8時ごろまでの間、同市富岡町1の富岡中央公園で、佐藤君の背中を金属バットで殴打するなどの暴行を加えた。その後、同市昭和町20の昭和公園に移動し、同8時半から同10時ごろまでの間、代わるがわる佐藤君の顔や頭などを殴るける、足で踏みつけるなどし、佐藤君を頭部打撲による外傷性脳浮腫で死亡させた。

 これまでの調べで、元同級生が事件の主導的な役割を果たしていたことが判明。7人のうち、この元同級生と無職少年(19)による佐藤君への暴行や金銭要求を伴ういじめは、2年ほど前から続いていたことが明らかになった。元同級生は犯行の前日から佐藤君に「金持ってこい」と約10万円を要求、佐藤君が金を用意しなかったことから暴行を始めたという。

 調べに対し、元同級生は「(佐藤君に)2年前に『金貸せ』求めたら、簡単に金が手に入った。それから金を要求するようになった」と供述。また、元同級生が現場に居合わせた別の少年(15)に佐藤君との「タイマン(1対1のけんか)」を仕向け、さらに携帯電話で呼び出した少年4人が加わり、集団暴行に発展したことも分かった。

 一方、電話で呼び出された少年4人は事件当日まで佐藤君と面識がなかった。中には「(佐藤君を)いじめることで、自分が強いところを周囲に見せたかった」と供述する少年もいるという。石井隆・同地検次席検事は「集団心理でいじめがエスカレートしたのでは」との見方を示した。


◎29日に「移住者交流会」
 首都圏などからの移住促進に取り組む函館市と北海道コンシェルジュは29日午後2時から、市地域交流まちづくりセンター(末広町4)で移住者交流会(函館新聞社など後援)を開く。移住者同士の情報交換や市民との交流を進めるほか、これから移住を考えている人たちの情報提供の場にもする。初めての試みで、市企画部と同社は「移住者を温かく迎え入れる市民のもてなしも大切」と述べ、さまざまな団体や市民の参加を呼び掛けている。

 市は2004年度から、団塊世代(全国で690万人、首都圏で110万人)をメーンターゲットに移住促進事業を進め、05年2月に定住化サポートセンターを企画部内に設置。インターネットや各種プロモーション活動で情報を発信し、同センターを通した移住者はこれまでで22組45人となっている。市の窓口を通した実績で、実際には転職や退職などを機に相当数の移住者がいるとみられる。

 官民を挙げた受け入れ態勢を構築するため、交流会は移住者だけでなく、市民や市民団体も主体となって参加してもらう。市や北海道コンシェルジュの取り組みを紹介し、テーブルごとに自己紹介やフリートークなどを通して情報交換。今後の交流活動の推進や在り方を考える。

 参加無料。定員は50人で申し込みが必要。市や定住化サポートセンターのホームページから手続きができる。郵便、電話、ファクス、電子メールでも申し込みができ、参加者の住所、氏名、電話番号、年齢、職業、移住者は以前の居住先(都道府県)を明記する。

 申し込み、問い合わせは〒040―8666、函館市企画部内「定住化サポートセンター」、TEL0138・21・3622、ファクス同23・7604、メールteizyuu@city.hakodate.hokkaido.jp(高柳 謙)


◎22日の米の客船入港時に日本文化体験コーナー設置
 米国の客船運航会社リージェント・セブンシークルーズの「セブンシーズマリナー」(4万8075トン、バハマ船籍)が22日、函館港に入港し港町ふ頭に接岸する。市は入出港セレモニーを企画しているほか、乗客向けに日本文化体験コーナーを初めて設置。華道や茶道を通じて、函館での思い出を刻んでもらう。

 同船の函館寄港は4年連続4回目。今回のクルーズでは、ロシア・ペトロサファロフスク経由で函館に寄港し、その後、仙台、横浜、大阪へと向かう。

 日本文化体験コーナーは、クルーズ船誘致に欠かせない地域のホスピタリティー(もてなしの心)向上の一環。港湾空港部管理課によると、外国人クルーズ客は「日本らしさの体験」を求めていて、室蘭市などでも同様の取り組みを行っている。「乗客にとって函館は、アジアの中の一地域でしかない。函館が日本最初の寄港地なので、『日本の函館』を印象づけたい」(同課)いう。

 コーナーは、市内若松町の棒二森屋アネックス7階催事場内に設置。エムオーエー美術・文化財団道南支部講師の協力で、華道と茶道を体験する場を設ける。

 また、函館遺愛高校の生徒を棒二森屋前などに設置するインフォメーションデスクに配置し、乗客の誘導や観光案内を英語で手伝ってもらう。午後2時半からは、港町ふ頭で英訳付きの「いか踊り」で見送りセレモニーを実施する。

 同船の入港は午前9時、出港は午後3時を予定。同課は出港イベントへの参加を呼び掛けている。

 問い合わせは同課TEL0138・21・3493。(今井正一)


◎空の日フェス、児童たちがロケット噴射など楽しむ
 空の日(20日)を記念したイベント「空の日フェスティバル」(函館・青少年の夢と未来を育む会主催)が17日、函館市亀田中野町の公立はこだて未来大学前広場で開かれた。あいにくの雨に見舞われ、青空を見ながらの催しはかなわなかったが、小学と保護者ら約150人がペットボトルロケットの発射や紙ヒコーキ作りなどを楽しんだ。

 2004年から毎年開催され4回目。ラジコンの飛行機・ヘリコプターショーが中止となったが、そのほかの催しは予定通り行われた。

 圧縮した空気の圧力で水を噴射させて飛ばすペットボトルロケットの発射では、児童たちが順番に発射作業を体験。ロケット内に水を入れた後、発射ボタンを押すと、水を噴き出しながら勢いよく飛び出す様子に歓声を上げていた。

 NASA(アメリカ航空宇宙局)が開発した教材用ロケットの打ち上げもあり、日本モデルロケット協会第3級指導講師資格を持つ森町の澤口幸男さんが実演した。

 市内美原から参加した白井健太郎君(函館中央小4年)は「ペットボトルロケットの体験が面白かった。また参加したい」と笑顔を見せていた。