2007年9月22日(土)掲載

◎暑い日、木古内で真夏日
 21日の道内は台風12号が変化した低気圧に向かい、南から温かい空気が流れ込んだ影響で気温が上昇。木古内は真夏日となる30・8度を記録し、長万部の28・3度とともに9月としては過去最高の暑さとなった。函館市でも夏日となる28・7度を観測し、夏に逆戻りしたような暑さとなった。

 同市では午前中から強い日差しが照りつけ、気温がぐんぐん高くなった。JR函館駅前、西部地区の観光地では上着を脱いで手に持ったり、日傘を差して歩く人が見られた。正午ごろからは風が出たものの、午後7時になっても25・3度を観測。夕方の買い物に出掛けていた同市東川町の主婦大沢深雪さん(39)は「数日前に気温が下がって過ごしやすくなっと思ったのに」とうんざり顔だった。

 気温は22日から下がる見込み。札幌管区気象台が21日に発表した道内の1カ月予報によると、29日から10月5日までは気温が平年より低くなる見通しで、農作物の管理などに注意を呼び掛けている。(山崎純一)


◎ドン・キホーテ函館七重浜店、来月下旬開店
 【北斗】総合ディスカウントストア「ドン・キホーテ函館七重浜店(仮称)」(北斗市七重浜7、村上義和店長)が、10月下旬の開店を目指して急ピッチで準備を進めている。道南では初の出店で、家電製品や日用雑貨など約4万5000点を品ぞろえする予定。若者のグループから家族連れまでが集える、新たなショッピングスポットの誕生に期待が集まっている。

 ドン・キホーテ(東京)が国内外にチェーン展開する中、同店は現時点で146店舗目。道内には2002年2月に初進出し、札幌5店、旭川1店に次いで7店舗目となる。

 敷地面積は約9256平方メートルで、延べ床面積は約4623平方メートル、駐車台数185台分を完備。店舗は鉄骨造2階建てで、1階部分に同店の売り場、2階部分には倉庫と事務所のほか、アミューズメント施設がテナントで入居する。

 同店の売り場は、「電気・携帯電話」「日用雑貨・スポーツ」「消耗・薬品・ペット」「食品・ドリンク」「ブランド品」「洋服・寝具」「玩具バラエティ」のカテゴリーに分類。特に「ブランド品」は、道内の既存店で全体の売上高の約3割に達し、他の都府県と比べて高いシェア(占有率)を誇ることから、品ぞろえを強化する。

 また、商品はスペースを有効に活用するため、「圧縮陳列」という手法がとられ、季節物や新商品を随時入れ替える。このほか、一角には軽食を提供する「モバイルフード」コーナーも設けられる。

 開業日や営業時間は近日中に決定。同社は「店内の装飾や見せる陳列で、動きのある売り場づくりに努めたい。目的を持って来るのではなく、時間を消費できるような場として、買い物を楽しんでほしい」としている。(浜田孝輔)


◎道中央農試、大豆新品種「中育52号」開発
 道立中央農業試験場(空知管内長沼町)は極めて粒の大きな白目黄大豆の新品種「中育(ちゅういく)52号」を開発した。高級黒豆で知られる京都の「新丹波黒」と大粒の道産白目黄大豆「ツルムスメ」を交配してできた国内トップ級の粒の大きさが特長。秋が長く晩生種の栽培に適した道南地域限定の優良品種として道が認定し、2008年度から本格栽培を始める。道南生まれのコメ「ふっくりんこ」に続く新たな地域ブランドの確立が期待される。

 道立中央農試は1993年から中育52号の研究を進め、03年から4年間、今金町と厚沢部町で試験栽培した。農水省の品種登録を申請中で、年内にも登録され、品種名が決まる見込み。

 中育52号は100粒の重量が平均60?以上あり、現在主に道南で栽培されている大粒品種の白目黄大豆「ユウヅル」の約1・5倍の大きさで、皮が割れる裂皮(れっぴ)の発生も少ない。試験的な加工を依頼した大豆加工業者からは納豆や煮豆の原料として評価を得ている。

 21日には北斗市本町の道南農試で、大豆の加工・卸業者や生産者らを集めた「加工試験成績検討会」が開かれた。安定供給の体制づくりや害虫のダイズシストセンチュウへの対処などの課題を整理し、地域ブランドとして育てていくという共通認識を確認した。大豆加工業者10社に依頼した加工試験結果も発表され、8社が商品化に前向きな評価をしたことが紹介された。

 出席者からは「粒の大きさがセールポイントになる」「生産量が少ない品種だとメーカーが使いにくいので安定供給・価格が鍵だ」などの意見もあった。道南農試などは09年度までに栽培技術のマニュアルを作成し、課題に取り組む方針。同農試の荒木和哉作物科長は「道南地域限定という点を強みに、地元に愛される品種に育ってほしい」と話している。(宮木佳奈美)


◎市議会・受動喫煙防止策、パーテーションで可能
 第3回函館市議会定例会は21日、一般質問を継続し、4氏が登壇した。健康増進法に基づく市役所本庁舎の受動喫煙防止施策について、田中俊弘保健所参事1級は「パーテーションの設置で可能と思う。本庁舎でも分煙や禁煙対策を進めたい」とした。西尾正範市長は「1階に完全分煙の部屋を作ったが、様子を見ながら完全分煙や完全禁煙の対応を考えたい」と述べた。

 竹花郁子氏(無所属)の質問に答えた。

 田中保健所参事は、禁煙・分煙化を進める飲食店をホームページ上で紹介する「空気もおいしいお店推進事業」の各業界団体への周知や、受動喫煙防止の啓発を進め、市施設の完全禁煙・分煙化に向けた環境づくりを推進すると答弁。

 また、三遊亭洋楽氏(無所属)は本庁舎の喫煙コーナーを現行の18カ所から半減し、約411万円かかる年間維持経費の節減を求めた。小柏忠久総務部長は「喫煙率も減少傾向にある。職員のみならず、市民の理解を得ながら経費の見直しを図りたい」と答えた。

 西尾市長は「わたしもたばこは吸いますが、本当にだめ(健康に危険)なものであれば、非喫煙者の立場は尊重しなければならないし、一方で吸うことも認められてもいいと思う」と述べ、市町村たばこ税の税収が約24億2474万円(06年度決算見込み)あり、観光客が多く訪れることから、喫煙者が市の財源を支えている側面もあると答えた。

 そのほか、小山直子氏(民主・市民ネット)、松尾正寿氏(無所属)が質問した。一般質問はこの日で終わり、25、26両日は各常任委員会を開き、付託された議案を審議する。

 主な質疑は次の通り。

 小山氏 学童保育所の保育料が保護者の負担となっている場合もある。所得に応じ、市が補助できないのか。

 多賀谷智教育長 民営の学童保育所への委託料は、国の補助基準を適用し、施設維持費、施設環境改善費、本年度から教材補助費を市単独で加算している。各学童保育所で保育料に違いがあり、保育料の補助は難しい。

 小山氏 障害のある児童の放課後支援は。

 多賀谷教育長 障害のある児童を受け入れている学童保育所は、指導員の増員や施設改修など、多くの児童を受け入れることは困難で、本年度から、指導員を補助するボランティアを派遣し支援している。市内の10カ所が受け入れているが、保護者への周知を図りたい。

 三遊亭氏 地方都市には外国語表記が少ない。函館山の登山道には外国人向けの英語標識が必要。

 秋田孝土木部長 外国からの観光客が散策に訪れる機会が多くなることも予想される。コース紹介のパンフレットや案内板に英語や、シンボルマークによる表示を行い、魅力ある函館山散策コースの紹介に努めたい。

 竹花氏 廃食料油をBDF(バイオディーゼル燃料)として利用する際の課題は。

 阿部喜久雄環境部長 米国や欧州と異なり燃料品質の規格がなく、燃料フィルターの目詰まりや燃料供給系のホースなどのゴム劣化での燃料漏れなどが指摘されている。軽油と混合すると軽油引取税の対象となり、税制上の優遇もなくなる。ただ、地球温暖化対策や資源の有効活用の観点から一定の効果もあり、普及に向けた調査・研究を深めたい。

 松尾氏 市の私学助成は生徒1人当たり年間2万円、私立専修学校は同5000円。高等教育機関の一翼を担う専修学校への補助を拡大できないか。

 西尾市長 専修学校のへの助成は2005年度年度から1人3000円で始まり、本年度から2000円引き上げた。厳しい財政状況だが、指摘通り専修学校が果たす役割は大変大きく、助成について引き続き努力したい。

 松尾氏 昨年度の教職員の不祥事に対する処分と市の対応は。

 多賀谷教育長 市立小中学校の教職員の懲戒処分は道教委が行うが、昨年度は体罰や交通違反など6件があり、停職が1件、減給が3件、戒告が2件だった。市教委としても、懲戒処分の対象に至らないケースでも独自に厳重注意や訓告の措置を取るなど、服務規律の保持に努めている。(今井正一)


◎議運委、「有料老人ホーム問題調査」特別委設置決まる
 函館市議会の議会運営委員会(能川邦夫委員長)は21日、「有料老人ホーム問題調査特別委員会」を設置することを全会一致で決めた。各会派の代表者11人で構成し、福祉施設設置の認可をめぐる一連の問題の経過について調査する。10月1日の第3回定例会本会議で議長が提起し、設置される。

 特別委設置に否定的だった民主・市民ネット、新生クラブは本定例会一般質問の答弁の中で、疑問の残る部分があったとして、特別委設置は疑惑解明につながると賛成に回った。

 委員は、民主・市民ネットと新生クラブが各3人、市民クラブ、公明党が各2人、共産党1人の計11人で構成し、27日の議会運営委で決定する。特別委の設置期間について、能川委員長は12月議会開会前までに一定の整理を求めたが、特別委の中で検討していくことで合意した。調査項目の細目については、各会派の意見を集約する。

 一連の問題では、2006年7月20日の市長室での前市長と前議長、福祉部幹部のやりとりを記したメモの内容や信ぴょう性をめぐり、前議長らと西尾正範市長の主張が対立している。特別委の審議の中で、参考人として井上博司前市長や、西尾市長が「利権をめぐり問題があった」と批判する地元政財界情報誌の主宰者らを招致する可能性も高まっている。(今井正一)


◎江差追分全国大会開幕
 【江差】かもめの鳴く音にふと目を覚まし―。哀愁を帯びた歌声で江差の秋を彩る第45回記念江差追分全国大会(主催・江差追分会など)が21日、江差町文化会館で開幕した。23日までの3日間にわたり、全国の地区大会を勝ち抜いた405人の歌い手が一般、熟年、少年の3部に分かれて“追分日本一”の栄冠を目指す。

 21日は午前9時から開会式が行われ、大会長の濱谷一治町長、審査員長の青坂満・江差追分会上席師匠が出場者を激励。続いて158人が出場する熟年大会、196人が出場する一般大会の予選がスタートした。出場者は念願のひのき舞台で万感の思いを込めた歌声を披露した。

 大会は22日まで予選会を行い、同日夜に一般50人、熟年20人の決選会出場者が決定する。23日は午前9時から51人が出場する第11回少年全国大会、午後から熟年・一般両大会の決選会を行う。結果発表と表彰式は午後6時すぎから。決選会当日の入場料はプログラム代込みで2300円。問い合わせは大会本部TEL0139・52・5119へ。(松浦 純)