2007年9月23日(日)掲載

◎江差追分全国大会、子どもたちが追分大合唱 
 【江差】第45回記念江差追分全国大会(主催・江差追分会など)は2日目の22日、未来に江差追分を歌い継ぐ地元の子どもたちが、記念アトラクションの主役として大会史上初めて登場した。子どもたちの江差追分大合唱や華麗な追分踊りなどのステージが、会場を感動に包み込んだ。

 アトラクションは、地元で江差追分を学ぶ3歳から中学生までの91人の子供たちの江差追分大合唱で開幕。迫力の歌声に、会場を埋めた大勢の観客は圧倒された様子だった。

 続いて、高橋航君(3)と東美羽音ちゃん(4)、川口美海ちゃん(3)の3人が元気いっぱいの歌声を披露。瞳を輝かせながら4節の追分を歌い切る姿に、観客は感動の声を漏らした。大役を務めた美羽音ちゃんは「もう1回出たい」と笑顔。全国大会で上位入賞の経歴があり、共に舞台に立った祖母の湊谷喜津子さん(65)は「感激です。ゆくゆくは(美羽音ちゃんを)全国大会に出場させたい」と語った。

 道立江差高校で「江差追分」の授業を受けている3年生の森啓介君、若山恭也君、滝沢亮平君、紺野諒太君の4人は、講師の浅沼和子正師匠とステージに立ち、若さあふれる節回しで観客をうならせた。アイヌ民族の衣装で登場した「追分踊り」は、町内の女子児童でつくる「Hamanasu(はまなす)会」の8人が演じ、華麗な踊りで大会に彩りを添えた。

 例年のアトラクションは、歴代優勝者やベテラン勢が中心の構成。45年の節目を迎えた本大会は「次世代に引き継ぐ追分節」をテーマに、伝承の担い手となる子供たちが、大会史上初めて主役として登場。少子化が進む中での後継者育成の大切さを実感させた。

 大会3日目の23日は、少年大会と熟年・一般両大会の決選会。審査結果の発表は午後7前後。問い合わせは大会本部TEL0139・52・5119。 (松浦 純)


◎米客船寄港、乗客が日本文化を体験
 客船運航会社リージェント・セブンシークルーズの豪華客船「セブンシーズマリナー」(4万8075トン、バハマ船籍)が22日、函館港に寄港した。滞在時間は7時間と短かったが、約570人の乗客が函館市内で日本文化を体験したり、観光を楽しんだ。

 同船の函館寄港は4年連続4回目。アメリカのアラスカ州スワードを出港し、13泊14日の日程で大阪に向かう最中で、国内初寄港地となった。市は、外国人客からのニーズの高い日本文化体験コーナーを棒二森屋の催事場に設置。エムオーエー美術・文化財団道南支部の協力で、華道と茶道を紹介した。

 茶道体験では、同財団講師がたてた抹茶を和菓子とともに楽しんだ。訪れた乗客らは、茶をたてる作法をカメラで撮影するなど、興味深そうに眺めていた。

 また、函館遺愛女子高校の協力で、生徒らが棒二森屋前に設置したインフォメーションデスクで通訳として活躍。バスを降りた乗客に、両替ができる場所や、観光地などを流ちょうな英語で案内していた。

 同船は、市民によるいか踊りの見送りを受け、同日午後3時、仙台に向けて出港した。 (今井正一)


◎乙部町のIT人材育成プロジェクトが地域雇用創造推進事業に採択
 【乙部】乙部町で今春スタートしたIT(情報技術)人材育成プロジェクトが22日までに、厚生労働省の「地域雇用創造推進事業(新パッケージ事業)」に採択された。

 プロジェクトは、町雇用対策委員会(中川眞一郎委員長)を中心に町、商工会、IT関連企業などの連携で4月にスタート。地元出身者をはじめ全国から募集したIT技術者を志す1期生13人が、基礎情報技術者の資格取得を目指して1年間の研修を続けている。事業費は約2200万円。町は研修生に人材育成補助金を交付するなど独自の支援策も設けた。

 また、技術と人格を兼ね備えた技術者の養成に向けて、町民との交流や農漁業体験、町民有志の支援による工芸体験などの多彩な研修プログラムを盛り込むなど、ユニークな取り組みが全国的に注目されている。当面は3年計画で約45人の研修生を受け入れる計画だ。

 町は研修生を受け入れることで、人口増加、卒業生の受け皿となるIT企業の誘致、新規起業による雇用拡大を目指している。町が進める地域活性化プロジェクトの中心的事業として、同事業への採択を視野に、ことし4月から先行的にプロジェクトを始動。今後は同省の委託を受ける形で研修を実施し、国から委託料として事業費が全額交付される。

 本年度から始まった新パッケージ事業は、地域独自の創意工夫で雇用開拓に取り組む市町村や地域を支援する制度。事業期間は3年間で、1地域2億円を上限に国が事業費を負担する。雇用改善が遅れている本道など7地域では上限を2億5000万円に引き上げた。

 本年度の第1次募集では全国60地域(93市町村)から応募があり、32地域(41市町村)の事業構想を採択。道内では乙部町と江別、北見、夕張の3市の構想が採択された。 (松浦 純)


◎夜間急病センター、函館市、早期移転を検討
 函館市は、函館市医師会に運営を委託している夜間急病センター(白鳥町13)の早期移転を検討している。現施設の老朽化のためで、移転候補先として市総合保健センター(五稜郭町23)などが挙がっている。また、函館市以外に近隣市町からの利用が多く、広域的な救急医療体制の確立を図る観点から、近隣自治体にも応分の負担をしてもらうことを検討している。

 このほど開かれた市議会一般質問で、佐古一夫氏(新生クラブ)の質問に答えた。

 現在の夜間急病センターは1980年に整備され、築27年が経過している。利用者は年々減少傾向にあり、2004年度は1万3581人、05年度は1万2535人、06年度は1万2970人となっている。市は医師会へ運営費を助成しており、本年度は当初予算では8981万円を計上している。

 同センターは診療、帰宅の患者を診る初期応急医療機関。佐古氏は、南渡島地域の救急医療実態調査から、従来は同センターで対応できる多くの患者が、重症患者や救命患者に対応する夜間の第2次、第3次救急医療機関を訪れている実態を述べ、市の考えをただした。

 市は、第2次、第3次の救急医療体制を堅持するため、各機関の役割分担を市民に周知し、夜間急病センターの移転・充実を図り、利用者増加の対策を取る考えを説明。移転先として「移転新築か現在地の改築、または市総合保健センターへの移転を検討している」と答えた。

 また、函館市民以外の利用が多いことも特徴。昨年度は北斗市と七飯町から2252人、その他自治体から799人が利用しており、全体の23・5%を占めている。この点から市は「中核市や道内他都市の状況も調査しながら、自治体に応益負担をお願いすることも検討したい」とした。

 佐古氏は、老人保健法の改正で来年度から、市総合保健センター2階で行っている基本検診が大幅に減少することを指摘し、同センター2階を移転候補地として挙げた。その上で「保健センターへの移転となれば、センター整備で受けた補助金の目的外使用に当たり、国や道と調整していくことが必要になるだろう」と話している。 (高柳 謙)


◎十二単着装披露会
 平安時代から伝わる十二単(じゅうにひとえ)の着付けを見学し、日本のきもの文化ついて学ぶ「十二単着装披露」が22日、函館市本町の小林豊子きもの学院函館本校で開かれた。昼と夜の2回行われ、参加した計約60人は、四季折々の色合いの衣が次々に重ねらていく着物姿に見とれていた。

 同学院北海道学院が来年の源氏物語1000年祭を記念し、日本の伝統的衣装に触れ、自ら着ることで優しく、美しい心を持ってほしいと願い開催。信田豊愁北海道学院長が着付けや衣について解説し、同校教授3人が着付けをする衣紋者を務めた。

 十二単には平安朝のものと江戸時代のものがあり、この日は江戸時代の装束で行われた。衣紋者は手をアイロンのように使い、衣のしわを伸ばしたりするなど、作法にのっとり約40分で整えた。参加者は信田学院長の解説にメモを取るなどして見入っていた。

 また、衣装を脱ぐ空cウ(うつせみ)や、人形に着せられた平安朝の装束も紹介され、比較を楽しんだ。信田学院長は「函館は着物が似合う街。この機会に着物を着る人が増えてくれれば」と話していた。(山崎純一)


◎函館航空基地がヘリ搭乗体験の親子募集
 親子で“海猿”のヘリコプターに乗ろう―。第1管区海上保安本部函館航空基地は、10月7日に同基地(函館市赤坂町65)で開く「ヘリコプターと海猿の親子体験教室」の参加者を募集している。

 同基地のヘリコプター「くまたか2号」に乗って函館空港、津軽海峡沿岸の上空約300メートルを約10分間飛行するほか、海上保安官の活躍を描いた映画「海猿」で脚光を浴びた機動救難士らによるロープのつり上げ救助体験も。実際の海難救助で使用する装備品なども公開され、一部は試着もできる。

 募集対象は、小学4年から高校生までの子どもと保護者のペア10組。希望者多数の場合は抽選となる。時間は午前9時から。参加無料。午後1時から同3時までは同基地の一般公開も行う。

 同教室の希望者は、往復はがきに親子の住所と氏名、年齢、性別、電話番号を記入し、〒042・0913 函館市赤坂町65の1、第1管区海上保安本部函館航空基地・親子体験教室係へ。締め切りは26日(消印有効)。問い合わせは同基地TEL0138・58・3515。